1. ザ・セル
これって,意識の内面の描写を如何に非現実的な(ダリの絵画に例えているのには首肯)するか,さしてそれに如何にリアリティを持たせてこちらに訴えられるか,などという極めて矛盾したことを思ってしまいました。こうした手法って多分斬新なのだろうし,そうした意味でも野心作なのでしょうが,私のような素人には今イチその良さは伝わってきませんでした。ま,背中の皮を吊して云々という気色悪いシーンはともかく,猟奇的な内容を扱っていながら,あまりそうした感じがしなかったのが残念と言えば残念。ジェニファー・ロペスは美しいかも知れないけれども,役柄にはまっていたかどうか・・・。 5点(2002-12-29 17:50:12) |
2. サボテン・ブラザース
いいですね,これ。馬鹿馬鹿しいことこの上ないけれども,笑いの勘所を押さえた演出で,いい感じでした。86年作品だそうですが,こうしたものをさらりと提供できるあたり,ハリウッドの志の高さが窺える,と言ったら褒めすぎですかね。曲が,大ヴェテランエルマー・バーステインってのも◎。元気のいい場面じゃ,往年の西部劇のスタンピードシーンを思わせるし,悪党たちが砦を後にする場面では,思わず「十戒」のエジプト軍のモーゼ追撃シーンを思い出してしまいました。 8点(2002-09-29 21:06:44) |
3. サンドラ・ブロック in アマゾン
アマゾン川流域の大森林が,巨大米国資本のハンバーガー会社によって伐採され,牧場と化していることを何かで読んだ記憶がありますが,本作はまさに米資本による森林破壊が全編のモチーフとなります・・・ってのは,嘘でして,DVDのケース裏にあった「サンドラ・ブロックが絡みを演じて,あまりの激しさにR指定になった程」というキャプションに惹かれてレンタルしてしまいました。しかし・・・。このどこが激しいんだ,時間にして3分程度,そりゃいろいろと動いて体制変えてたようだけど・・・・・。内容については可も不可も無し。ファンなら借りても損はないでしょう。 5点(2002-07-13 10:46:04) |
4. 三銃士(1993)
テンポ感が絶妙で,アクションシーンも過不足無い。チャーリー・シーンも今まで見たうちで一番格好良かった。音楽は今一。サウンドトラックのCDを聴いてがっかりした。 7点(2001-11-02 19:42:23) |
5. サウンド・オブ・ミュージック
今から数年前,偶然この映画の最初の舞台であるザルツブルグからウィーンへ訪れたことがあった。途中,文人墨客が多く訪れた避暑地,ザルツカンマーグートを通る。景勝地として知られる湖沼地帯だが,その中の一つモント湖畔の町モントゼーにはマリアとトラップ大佐が結婚式を挙げたあの教会があった。心地よい避暑地の夏風が湖からそよぎ,瀟洒な野外カフェなどもあり,観光客もまばらで,映画の一シーンを省察するにまたとない環境であった。周囲の緑なす山々と青々と水を湛える湖。この不朽の名作の最大の美術効果は何と言ってもこの雄大な大自然に他ならない。なればこそ,最後に高らかに歌われる「すべての山に登れ」が一層感動的に盛り上がるのだろう。唯一気にかかったのは,名曲の数々は飽くまでもアメリカ的であり,中欧風ではないことぐらいだ。それにしたとて,私がたまたま感じただけで全く問題になるまい。(蛇足ついでに,クリストファー・プラマーって「ピンクパンサー2」と「空軍大戦略」に出ていました。) 10点(2001-09-24 17:38:47) |