21. ダーティファイター(1978)
『許されざる者』みたいな”陰”のイーストウッド作品もいいけど、こういった徹底的に陽気でノーテンキなイーストウッド作品も大好き(最近じゃ『スペース・カウボーイ』がこっちの方向だよね)。イーストウッドの主人公を中心とした、オランウータンを含むへんてこな”家族”に、ぼくも加わりたいっす…。ラストの意外なホロ苦さも、絶妙なテイストになっとります。それにこの映画のソンドラ・ロック、可愛いじゃん! 8点(2003-09-18 12:05:01) |
22. ダーティハリー
あらためて見直して(もう何度めだろう!)つくづく素晴らしい映画だと再確認、そして再感動! ハリーが最初にマグナムをブッ放す銀行強盗一味とのシーンで、ホットドックをもぐもぐしながらひとりずつ仕留めていき、最後に生き残った犯人に対して、ニヤニヤしながら「俺の銃にまだ弾が残っているか、運だめししてみないか?」と凄むあたりにウットリ…。これ以上カッコいいヒーロー(というか、アンチヒーロー)はいまだもって空前絶後ですよねえ! 自分をしか決して信じない男でありながら、そんな自分自身に対しても醒めた眼で見られる…これぞ男の中の男っす。クリント万歳、シーゲル御大万歳!! 10点(2003-09-16 11:20:30)(良:2票) |
23. ダークマン
サム・ライミがいかにアメコミ大好き人間だったかが、ひしひしと伝わってくるね! 基本的には「オペラ座の怪人」のコミックヴァージョンなんだけど、ヒーローも悪役も、その他大勢もキャラがたっていて、少々のグロ味も効果的。監督がいかにもノリまくって撮っているのがよおく分かります。ただ、この映画を賞揚するのに『スパイダーマン』をもってきてケナすのは、どうでしょうか。あれはあれで、見事なライミ的青春映画になっていたとぼくは思うのですが…。 8点(2003-09-16 11:02:04) |
24. ダブルボーダー
ウォルター・ヒル、この作品以降ずぅ~~~っとスランプなんだよねえ。ジョン・ミリアスがサム・ペキンパーへの対抗意識みえみえで書いたシナリオ自体が今イチだったのは確かだけど、ヒルはそもそもペキンパーの代表作のひとつ『ゲッタウェイ』の脚本家だったんじゃん。師匠にたいしてこんな代物、恥ずかしいと思わんのか! …ニック・ノルティは、あいかわらずよろしい。 3点(2003-07-23 13:15:00) |
25. ダークシティ
監督は「子どもの頃の妄想を映像化した」みたいなコメントを残しているけど、確かにこれは真性のパラノイアですな。ほら、電波が俺をあやつっている! とか、あの家の表札が少し歪んでいるのはスパイの暗号に違いない! とか言うのと同じレベル。この街は宇宙人によって***てる! なんて具合ね。しかし、そういうアブナイ雰囲気を濃厚に漂わせつつ、しかしビジュアルセンスは相当なもの。フイルムノワールなタッチと、センス・オブ・ワンダーのミスマッチぶりに結構ハマってしまいました。 7点(2003-06-27 19:03:09) |
26. ダイナー(1982)
小生にとって宝石のような、宝物の映画。これほど異国の青春群像に共感した記憶って、それまでも、たぶんこれからも絶無じゃないかな。とにかくひとりひとりのキャラがお気軽なようでいてそれぞれに鬱屈していて、でもそれをやりすごすだけの覚悟はあるっていう…何て分かってるんだバリー・レヴィンソンという奴は! まだフレッシュだったミッキー・ロークほか、今にして思えばキャストも豪華で役柄にピッタリ。特にケビン・ベーコンには強烈なシンパシーを抱いてしまった。良いですか、これが「青春」という厄介な代物を最もカンペキに描いた映画でありますっ!! 《追記》最近ビデオでまた見直して、思うところがあったんで少しだけ補足を…。この映画の青春群像は、すべて「昔こういう奴らがいてさぁ…」という(多分に誇張…ホラっぽさを交えた)想い出話風のスタンスというか、“距離感”をもって描かれている。そしてそういう話は、どんなにシビアなものであろうと、過去という時間がすべてを帳消しにし、「笑い」とともに語られるものなんである(日本の“落語”なんか、まさにそうでしょ)。バリー・レヴィンソンという監督さんは、どんな題材を描こうとも常にそうした“距離”の感覚を作品に導きいれる。そこから、「昔、こんな奴がいた。で、こういうことがあった。すると、…」といった、レヴィンソン監督ならではの語りのスタイルが産まれたのだった。ともすればそれを、冗長だのムダが多いだのと言われもするけれど、すべてが絶叫マシン的な速度と興奮ばかりをエスカレートさせるばかりといった昨今のアメリカ映画にあって、彼の作品は間違いなく「大人」の手になるものだ。何故なら、過去を「笑い」とともに振り返れるのが、「大人」なのだから。そんなレヴィンソンの語りのスタイルが、すでにこの監督デビュー作において、完璧に成立している。あらためて、ぼくはリスペクトを込めて讃えたいと思う。 10点(2003-05-27 20:16:21)(良:2票) |
27. ターミナル・ベロシティ
皆さん点数が辛いっすね、まあ仕方ないか。でも、B級作品なりによく練られた脚本となかなかにパンチのある演出、何よりナスターシャ・キンスキーを引っぱりだしてきたってことに好評価をあげたい。ほんと、よくチャーリー・シーンの映画に出演したと思うよ、ナタキンてば。で、彼女が実に魅力的なのだった。う~ん、好き好き! 7点(2003-05-27 20:07:25) |
28. 007/ダイ・アナザー・デイ
決してつまんなくはない。けど、ここまでくると、もうやり過ぎ。何となくロジャー・ムーアの『007/ムーンレイカー』を思いだしちゃった。思えば、前作『私を愛したスパイ』で盛り上がった第2次ボンド映画の黄金時代も、あれでポシャッたんだよなあ。心配… 4点(2003-05-20 13:17:17) |
29. ダリアン
まあ、言わばティーンエイジ版『危険な情事』といったシロモノでしょうか。アリシア・シルバーストーン嬢の小生意気そうな鼻っぱしらが実に役柄とマッチしているものの、未成年ポルノに厳しいアメリカらしい中途半端さがイライラ。おまけにケーリー・エルウェスがどう見てもアリシア嬢が邪念を燃やすような教師には見えんのが致命的じゃあ! ただ、彼の恋人役がジェニファー・ルービン!! いつも悪女やキレた役ばかりの彼女が、珍しく”善い人”やってて、ファンとしてはうれしいようなこそばゆいような…《追記》あらためて再見したら、まあ小ぢんまりとまとまっていて、悪くなかったです。特に、ダリアンがクロ-ゼット内に身を潜めるあたりなど、室内シーンの撮影がなかなかに見事。このあたり、イーストウッドの『恐怖のメロディ』に通じる撮影監督ブルース・サーティーズの功績大とみた。よって点数4→7に変更! もちろん、客観的に見てたいした映画じゃないのは確かだろうけど、ひとつだけでも惹かれるものがあれば、それは十分「愛」の対象になり得るもんです。映画も、人も。 [映画館(字幕)] 7点(2003-05-16 11:47:43) |
30. ダブル・インパクト
ちなみに、個人的評価は8点。単に他人にはおいそれと奨めるつもりがないから「4」ということで。だってお互い、イヤな思いしたくないっしょ。でもさ、撮影監督リチャード・クラインならではの夜間場面の素晴らしさや、ほとんどジーン・ケリーのようなヴァン・ダムのアクションの美しさを、どうして誰も見てあげようとしないのですか? …とまれ、小生的にはこの本作と、『ボディ・ターゲット』、『マキシマム・リスク』がヴァン・ダム映画のベスト! 《追記》皆さんのレビューを拝見していてあまりに悲しくなった(笑)ので、やっぱり8点献上! B級映画は、作り手にヤル気があるかないかを評価の基準にしたい。なければ単なるクズだし、予算がないなりに一生懸命あれこれ工夫を凝らしていれば、ヘタなA級大作なんぞよりよっぽど「映画的」な充実感をもたらしてくれる。だって、映画とは本来そういった作り手の顔や熱意が透けて見えるところに感動があるものじゃないか。いくらカネをかけて、最新のSFXやCGを駆使したスペクタキュラーな映像を繰り広げたとして、その画面のなんて冷ややかで、無感動なことだろう(ex.ジェリー・ブラッカイマーあたりの作るイベントムービー。あれって、映画といえるのか?)。…この頃のヴァン・ダム作品には、間違いなくそういった“熱意”がほとばしっている。 8点(2003-05-16 11:27:26) |