1. 旅立ちの時
偽名を使い転々と逃亡生活を続ける家族、その中にあって自らの運命と将来を思い悩む主人公の心理描写がすばらしい。青春の旅立ちだが前途洋々の船出とはいかない。親の庇護を離れることにより、これからは今まで以上の困難が待ち受けていることだろう。それでも青年は独り立ちし自らの道を切り開いて行かなければならない。映画はそういった家族の絆とは何か、旅立ちとは何かを考えさせてくれる。また親子と言えば母アニーと祖父との面会シーンも印象に残る。総じて良い映画であり満点をつけてもいいかなと思ったが、一つだけ気になる点がある。ジュリアード音楽院と言えば一流も一流、世界でもトップクラスの音楽大学だ。いくら天性の才能があったにせよ、恵まれた環境と猛練習、どん欲な向上心がなければ入学は不可能だろう。オーディションで聞いただけで推薦できるとは信じられない。 [DVD(字幕)] 8点(2018-01-09 11:36:26) |
2. タバコ・ロード
お金がない、汚い、はしたない。ないない尽くしでおもしろくない映画なのかと言うとそうでもない。ポンコツ車のパンクから始まって、義理の息子のカブ(なぜ持って来たのかわからないが)をかすめ取る浅ましさ、逃げた娘の夫に別の娘をあてがうあつかましさも笑って見過ごせる。情感豊かな作風はやはりジョン・フォード。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-06-20 21:42:55) |
3. 大空港
《ネタバレ》 若い頃に見た映画であり、1970年代のパニックブームの火付け役になった映画である。登場人物それぞれにドラマがあり、一つの事件・事故を通して物語が展開する。実におもしろく、ハラハラどきどきの連続だった。これ以降この映画をまねたパニック映画がたくさん作られたが、これを超える映画はそうたくさんは出て来てないと思う。 この映画とちょうど同じ頃、よど号ハイジャック事件が起こり、その後は空港でのチェックが厳重になったが、それまでは機内に危険物を持ち込むような心配はされてなかった。今思うと信じられないことではあるが・・・。 やはりこの映画ではヘレン・ヘイズ演じるただ乗り婆さんであろう。助演女優賞受賞も当然と頷ける。 こういったとっさの事故では、機長の指示に従うことが極めて重要であり、機長にはそれだけの責任とカリスマが要求される。ディーン・マーチンの機長はその点では無難こなしはしたかもしれないが、やや公私混同の感がある。 バート・ランカスターの空港長夫妻の離婚話も、一件落着になって良かった。 [映画館(字幕)] 7点(2015-09-26 20:45:16) |
4. 大アマゾンの半魚人
昔ハラハラどきどきで見た記憶はあったのだけどレンタルのDVDがあるとは思わなかった。そしてビリー・ワイルダーの七年目の浮気とも繋がったら私とまったく同じ思いの人までいたんだ。何億年も進化しなかったというけど頭脳はちゃんと進化しているし、美女に弱いのはキングコングと同じだ。 [DVD(字幕)] 6点(2015-07-07 16:31:53)(良:1票) |
5. 大統領の執事の涙
見ざる聞かざる言わざるの精神でただひたすらにご用を仰せつかる、それが大統領執事の仕事なのか。そして態度には品と節度がある。黒人が決して野蛮でないということを歴代大統領に知らしめる役割を果たしたとも言えるのではなかろうか。それに対し息子ルイスは真っ向から公民権運動に立ち向かうのだが、この親と子の対比がすばらしい。人種差別は徐々に解消されていっていると思うのだが未だに根強く残っている部分もある。その意味では思い知らされる映画でもあった。 [DVD(字幕)] 8点(2015-02-28 08:38:48) |
6. 誰が為に鐘は鳴る
題名は英国詩人の一節からとられたものらしいが、映画ではどういう意味なのかつかみにくい。どうしてもクーパーとバーグマンの恋愛映画になってしまっているように思う。原作を読んだわけではないが、北欧系のバーグマンはスペイン風にはほど遠く場違いにすら感じてしまう。橋が爆破されるシーンでは戦場にかける橋を思い出してしまった。 [映画館(字幕)] 5点(2015-01-31 22:46:12) |
7. 旅路(1958)
バート・ランカスターとリタ・ヘイワースの元夫婦、デヴィッド・ニーヴンとデボラ・カーの少佐と令嬢のカップル、どっちのペアが主演なのか本当に迷ってしまう。というかどっちも主演の群像劇、こういった映画はその昔「グランドホテル」という有名な映画もあったっけ。これに令嬢の母親、ホテルの女主人が加わって見事な舞台劇を作りあげる。決して「グランドホテル」に負けていないし、個人的にはこっちの方が断然好き。賞の選考もさぞ困ったと思うけど、劇をまとめ上げてる女主人クーパーを演じているウェンディ・ヒラーはアカデミー助演賞ピッタリだと思う。映画はラストの朝食シーンが実に良い、これだけでも高得点だと思う。 [DVD(吹替)] 8点(2014-05-27 06:27:06) |
8. 007/カジノ・ロワイヤル(1967)
前もって話には聞いていたがショーン・コネリーのジェームス・ボンドとは大違い。格好良いが女に弱いアクション映画ではなく、何とも言えないコメディ映画だ。だがデヴィッド・ニーヴン、ピーター・セラーズをはじめ俳優陣は超豪華、何とオーソン・ウェルズまでもが登場する。そしてまた美女ぞろいの布陣やバート・バカラックのすばらしい音楽、これで物語がしっかりしていたらそれこそ名作だったかも・・・。映画はパロディというが、どこがどうパロディなのかわからない私にはちょっと?? [映画館(字幕)] 6点(2014-05-20 07:11:43) |
9. 大列車強盗(1973)
列車強盗が起こるのかと思ったら起こらない、というより主演がジョン・ウェインなのでやっぱり西部劇。といってもたいした西部劇らしい派手なアクションは少なく人物描写も薄い。どだい砂漠の真ん中に列車の残骸というのも非現実的に思える。 [DVD(字幕)] 3点(2014-01-10 07:59:49) |
10. ダラスの熱い日
ケネディ大統領が狙撃され、犯人として逮捕されたオズワルドも2日後に射殺されたニュースは当時大変なニュースだった。そして真相もわからないままに幕引きとなると陰謀論が続出、その中で作られた映画だ。だが実写フィルムとともに見てるとそれが本当のことらしく思えてくる。大変ショッキングな映画だった。後にJFKを見て陰謀説の確信がさらに高まったのだが・・・。 [映画館(字幕)] 7点(2013-12-29 22:38:12) |
11. 第十七捕虜収容所
捕虜を扱った映画だけど「大いなる幻影」とは違って娯楽映画の色彩が強い。米国映画で監督がビリー・ワイルダーだからかもしれないが、戦争の悲惨さに的を絞ったものではないと思えば腹は立たない。というか、やっぱりワイルダーらしいおもしろさだ。 [DVD(字幕)] 8点(2013-08-27 15:49:00) |
12. 大統領の陰謀
ウォーターゲート事件によって、時の米国大統領ニクソンが辞任に追い込まれたことくらいは知っていたが、映画を見た当時はほとんど無知の状態。事件内容や人物構成、政治背景などわからずじまいで本当に退屈な2時間だった。後年DVDが出た折、ネットなどでいろいろ調べてようやくどうにかという状態になった。謎の人物ディープ・スロートも政府高官の内部密告らしいということも・・・。この映画が公開された頃、日本ではロッキード事件に関する証人喚問が新聞やテレビを賑わしていたが、そっちの方がよほど興味深かった。 [映画館(字幕)] 5点(2013-08-13 21:48:16) |
13. タクシードライバー(1976)
孤独感や焦燥感など根底にあるのだろうが、私には変人としか見えないし、完全に狂っていると思う。銃をぶっ放してヒーローになるなどいかにも米国的。ジョディ・フォスターには期待したのだが・・・。 [DVD(字幕)] 2点(2013-08-12 19:36:57) |
14. 黄昏(1952)
自業自得と言ってしまえばそれまでだが、そうなる運命をたどったところに本物の愛があったのだろうか。好きになれない(共感できない)映画だけど、ラストのわびしさが妙に心に残る。ひとつわからないのは、キャリーの姓が解説その他でミーバーとなっているけど、映画の中ではマデンダとなっている。初めはわざと偽名を使っているのだと思っていたけど・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2013-05-08 23:44:10) |
15. タイムマシン(2002)
前半は非常に良く、昔見た1960年の「タイムマシン」以上かと思ったのだけど、モーロックが出てきたあたりからつまらなった。その上、ストーリーもなんだかよくわからなくなってしまった。 [DVD(字幕)] 3点(2013-03-08 11:44:00) |
16. タイム・マシン/80万年後の世界へ
ジュール・ヴェルヌとともにSF小説の先駆者として知られるH・G・ウェルズの原作小説に基づく映画。少年の頃はこれらの小説を良く読んだものだ。今となっては物足りない面も多々あるが、19世紀の原作に20世紀に起きた戦争や核の脅威を付け加え、私たちに警告を発している。そして戦争のない理想社会ユートピアとはなど、ウェルズの思想も伺える。ところでこのページにはフェイ・ダナウェイ出演とあるが、彼女の映画初出演は1967年だったと思うのだが・・・ [映画館(字幕)] 6点(2013-03-08 08:39:13) |
17. 脱出(1944)
言わずとしれたボガートとローレン・バコールを結びつけた映画で、その立役者はハワード・ホークス。DVD特典に付いている映像を改めてみると撮影当時の状況がよくわかる。若干カサブランカと似通ったストーリーだが、私はこっちの方が好き。ウォルター・ブレナンのエディーにも人間味を感じるし、歌うローレン・バコールもすごく良いと思う。終盤"How Little We Know"を歌うバコールを見つめるボガートの目はまさしく恋している目だ。 [DVD(字幕)] 7点(2012-12-04 10:44:20)(良:1票) |
18. ダンサー・イン・ザ・ダーク
二度と見たくないという人には酷かもしれないが、何年か経って再度見て冷静にレビューが書ける映画かもしれない。私も最初見たときの衝撃は大きく、とても言葉にできなかったことを覚えている。 確かにセルマの考え方や行動は異常だ。しかしそれは遺伝による先天的な目の病気ということを考えれば理解できることかもしれない。それなのに敢えて子どもを産んだという事実、それをどう考えればよいのだろう。不幸はここから始まっていたのかも。そして死刑執行という運命、死刑制度がなくならない限り、解消できない不幸かもしれない。 ラース・フォン・トリアーという監督は、つくづくすごい人だと思う。ミュージカルで綴る空想の世界が見事。 [DVD(字幕)] 8点(2012-07-14 22:46:18) |
19. ターミナル
空港から出るに出られなくなったというのは、「パリ空港の人々」の二番煎じでその分はマイナスだけど、そこを除くと悪くないと思う。むしろパリ空港の人々より明るく、ロマンスあり笑いありで良いと思うし、何より空港で生活するバイタリティーがある。 トム・ハンクスはやはりうまい。 [DVD(字幕)] 7点(2012-06-25 20:00:23) |
20. ダイ・ハード
品がなくて無茶苦茶な刑事とテロリストが、ドンパチとやっているだけでおもしろくない。 [DVD(字幕)] 3点(2012-05-13 05:35:36) |