21. パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
「海賊映画」という古めかしいジャンルのテイストを尊重しつつ、それを現代的な視点から”面白がろうとする”脚本のセンスの勝利。が、何よりジョニー・デップという役者によって、そんな脚本のセンスが完璧に作品上で表現され、決定づけられていることに感じ入った次第。ホンマ、この映画はデップによって救われてまっせ。彼が出てなきゃ、所詮はよく出来たイベントムーヴィー以外の何物でもなかったろうし。ジェリー・ブラッカイマーと聞いただけである種の拒否反応が出るご同輩にも、本作だけは例外的にオススメいたしましょう。 8点(2003-08-20 10:48:55)(良:1票) |
22. 裸足の伯爵夫人
主人公をはじめとする男たちの欲望ゆえに輝き、犠牲となった女を描くのに、マンキーウィッツ監督がとった回想形式は最上のものだったとぼくは思います。その視点からしか、エヴァ・ガードナー扮するヒロインのミステリアスな魅力は表現し得なかった。何故なら、彼女の魅力とは、彼女自身のものではなく、あくまで男たちによって夢見られ与えられたものだから。彼女の死は、そういった男たちの夢=欲望によって押しつぶされた悲劇にほかならない。それを冒頭の雨の葬式場面で鮮やかに予告する語り口は、やはりお見事というべきでしょう。 8点(2003-08-04 13:34:10)(良:1票) |
23. ハルク
《ネタバレ》 従来のアメコミ実写版とは一線を画す出来映えは、さすがアン・リー監督と言うべきか。ただ、ハルクに敵対する「悪役」が実の父親であるとか、主人公の幼年期のトラウマがあまりにシリアスだとか、軽いSFXエンタテインメントを望む観客には少々キツイかも。どちらかと言えば、現代版「フランケンシュタイン」(それも、東宝の『フランケンシュタインの逆襲』に近いか?)として見た方がよろしいでしょう。それにしても、ジェニファー・コネリーはほんとお美しい…。ニック・ノルティのクサイ大芝居もなかなかオツな味わいでありました。 8点(2003-08-04 11:01:51) |
24. ハード・ターゲット
ん~、ヴァン・ダムもジョン・ウーも大好きなんだが、この作品に関しては期待が大きすぎたかな…。「ハート」のないジョン・ウー作品って、単に様式化されたアクションだけが浮きあがってメカニカルな印象を受ける。つまり視覚的にハデなだけで空虚なんだ。ヴァン・ダムの個性も活かされていないし、決してつまらなくはないけど、ちょっと失望。 5点(2003-06-25 18:26:12) |
25. ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場
小生の大好きなイ-ストウッド映画。いわば軍隊ものの定番というか王道的ストーリーが、世代間、男女間のコミュニケーションをめぐる極上のドラマになっております。それにしても、メリル・ストリープの時もそうだったけど、いわゆる名女優と呼ばれる相手役を得た時の役者イーストウッドは、つくづく良いなあ。監督としてはもはや巨匠扱いだけど、今一度”演技者”としての彼を再評価する向きが出てこないものか…。 9点(2003-05-30 15:27:27) |