Menu
 > レビュワー
 > ユーカラ さんの口コミ一覧
ユーカラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 936
性別
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/24461/

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  バリー・シール/アメリカをはめた男 《ネタバレ》 
TWAパイロット時代のエピソードがまずは語られる。何を思ったか、自動操縦を手動に切り替え、 機を揺らして乗客を怖がらせて楽しむバリー・シール。 手動⇔自動のシーンはこの後のエピソードでも登場するが、ここでは彼の大胆不敵さ、茶目っ気、 ふと日常から逸脱して刺激を求める彼の性向のようなものを描写したのだろう。 それと共に、安定した人生から自分の腕一つを頼りに波乱の人生を選択していくドラマを冒頭で簡潔に示唆する挿話でもある。  人生の選択を迫られる転換点というべき契機がいくつもあるが、そこで主人公が逡巡したり悩んだり決断したりという描写はほとんどなく、 一呼吸置いて次のショットでは彼はすでに行動に移っているという繋ぎが多い。  場当たり的で選択の余地なく状況に流されているような印象を生むが、そうした巻き込まれ型的な展開が テンポの良いカッティングと場面転換の軽快さ、そして常に動き回る手持ちのラフなカメラワークと相乗して、 映画の疾走感となっている。  主人公バリー・シールはいわゆるワルであるながらトム・クルーズの好漢ぶりが中和して憎めないキャラクターに仕上がっている。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-10-26 23:00:44)
2.  ハクソー・リッジ 《ネタバレ》 
冒頭の戦場シーンから一六年前に遡り、そこから十五年後に話が戻る。 デズモンド・ドス氏の信念を裏付ける描写として、父親が参戦した第一次世界大戦のトラウマであるとか幼少期の体験も 語られる必要があるということで、そうした話法がとられたのだろう。 後々、説明的に挟まれるフラッシュバックと共に少々まどろこしくはあるが、前大戦の記憶をダブらせるという意味での時制往還かも知れない。  パンフレットによればドロシー夫人との出会いは実際は教会だったらしいが、病院での出会いへと脚色されたことで、 テリーサ・パーマーの白衣の美しさが際立ったのは勿論、注射針を刺す行為が後々までのモチーフともなる。 同書で相田冬二氏の書くレンガとベルトのモチーフに留まらず、岩山デートやジャクソン基地での登攀訓練、もやい結びのエピソードなども クライマックスで多重の意味をもたらすだろう。  二人の出会いのシーンでさりげなく仄めかされる野鳥のエピソードも、ラストで崖から宙を渡る主人公へと引き継がれ帰決する、と。  アンドリュー・ガーフィールドの発する「one more, one more」の響きが強く印象に残る。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2017-06-25 22:33:25)
3.  パトリオット・デイ 《ネタバレ》 
アーカイブ映像なども多々織り交ざっているだろう事件現場のスぺクタキュラーな再現ぶりが見事。 監視カメラ映像の挿入も巧妙でドキュメンタルな効果を大いに発揮し、 中国系移民の青年を始め、表情の良い俳優が多いのでアップも苦にならず、爆発現場や銃撃現場のシーンでは緊張に満ちた臨場感が出ている。  現場保存のために路上に放置された、毛布にくるまった遺体。その傍に付き添って立哨警備する警官の表情。 ようやく回収車が到着し、遺体は車に乗せられる。それに対し、警官は敬礼をもって静かに見送る。そんなさりげない点描がグッとくる。  ラストは常套的で、如何にもあざとく、ナショナリズム紛いのメッセージに少し感動が冷まされるが。
[映画館(字幕)] 6点(2017-06-17 00:10:03)
4.  バーニング・オーシャン 《ネタバレ》 
指令室で口論している主人公らのシーンで、ガラス窓の外側から彼らを捉えたショットに切り替わり、音声がオフになる。 ふと挿入される作業員らからの視点に何やら不穏な感覚を煽られる。  劇中の登場人物は事故が起こる事を知っていないが、観客側は知っている。 事故発生まではこの焦らしのサスペンスで引き込まれ、 シャワー中のカート・ラッセルを襲う爆発の衝撃の強烈さに震撼する。  位置関係の提示も、ほとんど黒い影と化した人物の把握もままならず、揺れに揺れるカメラもきついが、 噴出する泥水流に吹き飛ばされたり、火炎の中を逃げ惑うキャストなど、危険で過酷なショットからは撮影の苦労が偲ばれる。  海中に飛び込んだものの、様々な落下物が水中にも降り注いでくる。『プライベート・ライアン』の再来のような恐怖感を体感した。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2017-05-02 13:48:14)
5.  パッセンジャー(2016) 《ネタバレ》 
主要なキャラクターは若干4名。そういう意味では経済的なのかも知れないが、その分船内の美術のスケールと豪華さによって 見る楽しさが持続する。それでもドラマをほぼ二人だけで見事に牽引するのだからどちらも大したものである。 中盤までは、ジェニファー・ローレンスを除く二名と観客が秘密を知っている、その事がサスペンスを生み、 後半は二人の愛憎の劇とスペクタクルで魅せていく。 命綱を使った救出劇は『オデッセイ』には及ばなかったか。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-03-26 21:59:54)
6.  浜辺の女(1947) 《ネタバレ》 
オープニングの波や、主人公の見る海中の悪夢、土砂降りの雨など、水のイメージの豊かさがまずはルノワールらしさだろう。 その悪夢の特撮風イメージも、『マッチ売りの少女』で特撮好きを表明しているルノワールの趣味が感じられ、 ハリウッドのシステムの中で、断片的ながらもその作家的特徴を記している。  浜に打ち上げられた難破船の中のジョーン・ベネットとロバート・ライアン。 船側の窓を通して、チャールズ・ビックフォードが手前に近づいてくるのに気づき、二人は画面右手に移って隠れる。 窓の内と外を捉えたルノワール的ショットにさらに素早い横移動が加わり、サスペンスフルだ。  水と対になるライターの炎とクライマックスの火事もフォトジェニックである。  画家の設定だが、話題となる絵を一切見せないあたりもさすが。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2016-12-10 16:40:20)
7.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
映画に対する感動、というよりは実話に対する感動といった方がよい。 ラストも結局は実際のモデルに頼ったようにみえる。  まずは眉をしかめたトム・ハンクスの表情のアップの多さが気になってしまう。 夜間にジョギングする彼のシルエットの背後に影が覆いかぶさるようなショットなどにらしさがあるが、 トラウマのシーン以外、人物の顔に深い陰影を落とせないのは今回も実在の人物をモデルとしているからか。  簡潔に処理した二度の回想シーンなどはともかく、ビル群に突っ込んで爆発する妄想CGまで必要か、結構無駄を感じる。 わざわざコンピュータ処理に頼らずとも、誰しもがそれを連想するのだから。   隣席に同乗した女性の代わりに乳児を抱いてショックに備える男性客のエピソードなど、細部のドラマはさりげなく感動的であり、 ラストのアーロン・エッカートのジョークも爽やかでいい。
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2016-09-25 20:09:30)
8.  バットマン vs スーパーマン/ジャスティスの誕生 《ネタバレ》 
内容とはあまりにも不釣り合いな、冗談きつい上映時間。これだけで、才能ありませんと云っているようなもの。 当然の事ながら、ドラマの流れは淀みまくる。 例によって、どこまで効いているのかいないのか、痛覚のさっぱり伝わらぬインフレCGアクション。 案の定、身体を通して発露させるべき情動は希薄で、単に派手なスペクタクルに終始する。  要するに、『マン・オブ~』の欠陥そのままという事である。  そもそもがヒーロー対決ありきの企画なわけで、観る側からすれば動機付けが後付けとなるのは解りきった事。 もっと開き直ればよいものを、無理に理屈付けしようとするから苦しい言語説明となる。 原作の絡みなど、知ったことではない。  9.11を出汁に使うかような冒頭のビル崩壊スペクタクルからして不愉快になる。
[映画館(字幕なし「原語」)] 4点(2016-03-27 19:39:04)
9.  白鯨との闘い 《ネタバレ》 
画面手前に小道具類を大きく配置した構図がやたらに多いのは3Dを意識したのだろう事はわかるが、2Dでみるとかなり煩わしい。 時代を再現した折角の美術や小道具なのだろうからもう少しじっくり見せて欲しいところなのだが、ショットは短く忙しない為、それらを味わう暇もない。  そして、例によって多すぎるアップショット。流れを幾度も遮る時制の往還。回想ドラマの難しいところだ。  ロケ・バニョスのスコアは漁のシーンを美しく盛り上げもするが、 ヘムズワースが全神経を集中して白鯨を察知するシーンに音楽はどう考えても不要だろう。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-01-17 22:02:16)
10.  パシフィック・リム
人間の動きをトレースするロボット。 その同調のモーションをどう視覚的な快楽として演出するか。 実写作品の手本なら『リアル・スティール』があるし、 操縦者二者がシンクロするカタルシスを如何に映画的に描写するかの手本なら 庵野秀明がコンテを担当したアニメ作品『エヴァンゲリオン』第9話がある。  いずれも、画面分割なりデフォルメなり高速度撮影なりの工夫を動員して 運動の同調が具体的な動画として描写として落とし込まれているからこそ、 あるいは見せたいアクション・見せたいショットからの逆算で 物語が設定されているからこそ、映画となっている。  この作品でのシンクロの設定は単に設定にすぎず、 動画(モーションピクチャー)として昇華されない。 二者が持続的な同一フレームの中で同じ動作をする。 それだけのことすらまるで出来ていないから一体感も連帯感も描写にならない。 単に見づらいだけのアクションシーンだ。  だから、中盤での伏線を残したままの凱旋シーン時点で、 まだ続くのかとうんざりする。人型ロボットである必然性皆無の海底シーン以降は ひたすら苦痛でしかない。  これでハリーハウゼンへの献辞とか、おこがましい。
[映画館(字幕なし「原語」)] 3点(2013-10-17 22:31:30)
11.  バレット(2012)
運転席と助手席での対話が多く、その深度のない構図の反復も単調。 ならば、流れる背景だとか車内に入射する街燈の光などで画面に変化をつけて欲しい。  クライマックスの発電所廃屋も、三者それぞれの位置関係の提示が不出来。 音の反響で繋ぐなり、縦構図を利用するなり、現場機具をもっと活用するなり、 もう少し空間を活かして欲しい。  湯気に煙るプールでの乱闘も、『イースタン・プロミス』の後ではいささか物足りない。  が、数々のアクションをこなしてきたシルヴェスター・スタローンの 武骨で年季の入った面構えと、彼の発する低音の響きは非常に渋く印象深い。 『スペシャリスト』以上に、彼の声の魅力がよく引き出されている。    
[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2013-06-09 23:44:06)
12.  ハンガー・ゲーム
表情のアップを主体とする手持ちカメラは、 ヒロインの主観に寄り添うという趣旨なのだろう。  舞台上のインタビューのシーン、弓を引くシーンの接写では それなりに効果を見せるのだが、全般的に1ショットが極端に短く、 寄りすぎ且つ不安定で、とにかく見苦しい。  折角のジェニファー・ローレンスの魅力を削いでしまっている。  撮影監督トム・スターンであるにもかかわらず、 マスターショットの不足で場の状況の説明すら覚束ない始末である。  人工の猛獣の襲撃や、格闘場面などでは、カメラの振り回しすぎで 肝心の俳優のアクションも判然としない。  本来なら、森の中を人物が疾走するショットなどは アクション映画の格好の素材のはずなのだが。  語りも冗漫すぎる。この程度の内容で、143分は無い。 
[映画館(字幕)] 3点(2012-10-19 06:19:06)
13.  ハンナ
シアーシャ・ローナンと、彼女が道中で知り合う少女がテントの中で横になりながら語り合うシーンは、二人が向き合っているはずでありながらカメラに対して二人が同一方向に身体を傾けているという、一般的にはあり得ない切り返しで撮られている。  同じく、走るキャンピングカー内でオリヴィア・ウィリアムズと対話する際もそれぞれ左右の窓際席の切り返しとなるが、 何故かどちらの窓外にも太陽光が輝いているという具合だ。  共に光の加減が見事な画面であり、自己との対話といったニュアンスを仄めかしたのか、ともあれ、整合性を無視した繋ぎをあえて選択している事は間違いない。  前半のICA施設のダクト、中盤のコンテナ置き場、後半の遊園地内といった舞台設定や、随所に現れる円形や回転のモチーフも含めて、映画に夢幻的な迷路感覚を呼び込むよう施された演出の一環だろうか。  縦横無尽の移動を絡めたバスターミナルから地下通路までの超ロングテイクや、太陽光の人物への当て方・屋内人工照明の印象的な用法といったジョー・ライト印の技巧も、その意味では効果を挙げている。  シア―シャ・ローナンの俊敏な疾走と、徒手格闘。そして、ケイト・ブランシェットの凄みは流石だ。 
[DVD(字幕)] 7点(2012-05-26 23:57:54)
14.  バトルシップ(2012) 《ネタバレ》 
日本版『バトルシップ(ヤマト)』のビジュアルエフェクト担当は、この映画を見習うとよろしい。 メカニックのスケール感・ケレン味の演出とはCG予算の多寡ではなく、キャメラポジションであり、アングルであり、艦体を引き立てる対照物(波、飛沫、敵艦、アンカー)の活用であり、テンポ(ツメとタメ)であると判るだろう。  階級・国籍を超えて砲弾を抱え上げ、運ぶ男達の協働の姿。若手に装填を指南するベテラン。艦首で大きく砕ける波濤を艦橋に登ったテイラー・キッチュが望む俯瞰ショット。 そういう具体的アクションの積み重ねが、深いパースペクティブを活かした構図やハードロックの劇伴と共にミズーリ出撃やT字戦法の圧倒的エモーションを形づくっている。  山崎版『ヤマト』に必要だったのは、そうした人間が操る艦としての描写の豊かさだ。  『機動警察パトレイバー2』や『ガメラ3』など日本製戦争映画(共に伊藤和典脚本)の「ディスプレイ上の戦争」の形式を必然性のある形でボードゲームに見事にアレンジしているこうしたアメリカ映画こそ、したたかである。(球体の殺戮兵器は『機動戦士ガンダムF91』のそれを思わせる。)  なによりも、巷のありきたりな粗探しを愚かしく思わせてしまう潔さがいい。  荒唐無稽だからこそ、いかにも大作絡みの政治的ゴマスリに乗せられる心配もない。  (云うまでもないが、作り手の「ご都合」で企画され、書かれ、演じられ、撮られ、編集され、一定時間内に再現された虚構であるあらゆる物語映画は「ご都合主義」である。ご都合主義こそ映画だ。ゆえに『バトルシップ』はより映画的である。)  
[映画館(字幕)] 8点(2012-04-19 23:42:13)
15.  バーレスク
カウンター席に並ぶC・アギレラとシェール。そこへ一旦はクラブを辞めたクリスティン・ベルが戻ってくる。すかさず、スタンドチェアを回転させて彼女に背を向けて場を外すアギレラ。そのあくまでドライで毅然とした所作がいい。  続く控え室の鏡台の場面。両者は鏡を介して互いを意識しあうが、その二人に対しカメラは交互にピントを送り、二人同時に焦点を合わせることをしない。従って二人は画面上では視線を交えることもなく、対話を交わすこともない。互いに尊重しつつも、馴れ合いを潔しとしないライバル同士の高貴なプライド。それらをシンプルな描写の中に垣間見せる、その視線のドラマがいい。  シェールからアギレラへ、睫と唇への触れ合いを通して擬似母娘の関係を築く化粧シーンもまた、簡潔にして情感豊かだ。柔和な画面が美しく、これも鏡台を巧く使っている。  歌曲では、唯一同時録音的な効果のある「Tough Lover」が白眉。 アギレラの声量が遺憾なく発揮されると共に、客席のざわめき、嬌声、雑音の満ち干きが採り入れられて、舞台・客席相互感応のライブ感がよく出ている。  その分、逆に他の曲の別録が気になってしまうのが皮肉なところ。重低音の音楽は気持ちよいが、リズム重視のカッティングの連続で少々飽きる。 せめてシェールの「You Haven't Seen The Last Of Me」くらいは同録でお願いしたい。
[映画館(字幕)] 7点(2011-01-03 16:45:34)
16.  パブリック・エネミーズ
捜査本部内を歩くジョニー・デップの表情とその主観を捉えたスローモーションの何ともいえない浮遊感覚、彼の顔を白く照らし出す日差しの感覚が、どことなく『ヒート』でトンネルに入った車中のロバート・デ・ニーロを包みこんだ悲劇的な光を思い起こさせる。(無論、映画館内で彼を照らすスクリーンからの照り返しも。)ロッジでの銃撃戦や、マリオン・コティヤールと向かい合う砂丘の場面などで強烈な印象を放つ夜間の特異なライティングも、光源が不明ゆえにどこか超現実的な感覚を画面にもたらす。そのコントラストによってさらに深さが引き立つ漆黒の闇。銃撃戦の中、冷え込んだ林の中にたち登る夜霧の峻厳かつ夢幻的なショットはとりわけ素晴らしい。一方で、日中場面はネイサン・クロウリーによるセット・デザインと実景の迫真性が活きる。20年代を扱った『チェンジリング』にもCG処理による街並みのショットがさりげなく用いられたようだが、この作品はほとんど二次加工なしではないだろうか。脱獄時の暗く狭い通路、銀行前の通り、ところどころ残雪のある隠れ家、映画館前などの臨場感が見事である。
[映画館(字幕)] 8点(2009-12-23 18:08:52)
17.  裸のキッス
開巻と同時にまさに襲い掛かるバイオレンスの唐突性と、タイトルバックでコンスタンス・タワーズが鬘を直すカメラ目線のインパクトがもたらす不穏な感覚に一気に引き込まれる。  撮影スタンリー・コルテスによる夢幻的で美しい画調と、露悪的な主題提示のギャップも強烈に倒錯的である。 特に絶妙な光加減が醸しだす夜間場面の妖しいまでの艶かしさは比類ない。その対象を輝かせるキーライトの強さは逆に表情の側面に落とされた暗い影の強さをも際立たせ、人物の後ろ暗い一面を暗示的に浮きあがらせるようでもある。  最後の俯瞰ショットで、陽光を受けながら出所する彼女に対し、取り巻く街の住民たちが建物の影の中に配置されているのは偶然だろうか。  子供たちの縄跳び遊びやレコード・録音テープ等の回転運動、合唱、クロースアップ。これらの反復がニュアンスを変えながらクライマックスに収束していく絶妙な語り口が素晴らしい。
[DVD(字幕)] 9点(2009-08-30 16:04:45)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS