1. ヒロシマナガサキ
目を背けたくなる場面や怒りを覚える場面などいろいろあるが、まずは何もかも事実として受け入れなければならないだろう。どう向き合いどう考えていくかはそれからのこと。原爆直後のフィルムは他にもいろいろあるが、これはこれで日米両方の面からありのままを伝えたドキュメントであり、必ずや後世に伝えていかなければならないものだろう。点数はその必要性を込めたものである。 [DVD(吹替)] 10点(2011-08-08 11:37:36)(良:1票) |
2. 昼下りの情事
《ネタバレ》 人気知名度では「ローマの休日」には及ばないものの、内容的に私の中では決して負けてはいない。むしろ終盤からラストにかけての感動はこちらの方が大きいようにさえ思う。 女たらしのフラナガンの登場や昼下りの情事という題名で、よろめき系の映画が連想され、オードリーに合うか心配したのが取り越し苦労だった。 この映画は何と言っても脚本がすばらしいし、監督はビリー・ワイルダーでおもしろいことこの上なし。いつもの振り回し役が振り回されるのが痛快である。これを往年のスターのゲーリー・クーパーとローマの休日で売り出したオードリー・ヘプバーンが巧みに演じる。映画はこの二人に負う部分が大きいが、父親の探偵も素晴らしいと思う。彼は我が子を愛し信じる良き父親でもあった。最初フラナガンを最低の浮気者のように言っていたが、最後は温かく二人を送り出してくれた。この心の変化に拍手を送りたい。 また雰囲気を盛り上げているのが「魅惑のワルツ」を演奏している4人の楽団、ホテルの部屋だけでなく、湖やサウナにまで登場し、そしていつのまにか二人を見送った駅にまで来ていた。 教訓、人を殺しも愛しても終身刑なら、刑務所より結婚が良い。 [DVD(字幕)] 9点(2011-06-25 22:52:08) |
3. 美女と野獣(2017)
2014年版の美女と野獣がいまいちだったので見るのを一瞬躊躇したが、これは良かった。1991年版のディズニーアニメの実写リメイクで、それよりも良いと思う。優れているのはよりミュージカルになったことと、実写のリアル感で表情豊かになったことだ。野獣がベルを送り出す出すときは思わずほろり。またCGがうまく作用してファンタジーな面も損なわれてない。惜しむらくは中盤あたりでやや間延びすることくらいだろうか。エマ・ワトソンの成長ぶりにも感心した。 [DVD(字幕)] 8点(2018-01-22 20:11:53) |
4. 日の名残り
カズオ・イシグロ氏のノーベル賞受賞で改めて鑑賞したが、やはり名作だと思う。この映画では英国貴族の執事という仕事が何たるのかを具に理解できるし、これほど忠実な人物を表せるのは小説ならばこそだ。だが映画では父親が亡くなったときの動揺など、主人公もやはり人間なのだなとかんじさせてくれる。そして私が一番印象に残ったのが、ミス・ケントンから何の本か詰め寄られたシーンだ。 [DVD(字幕)] 8点(2017-10-13 19:46:17) |
5. ピノキオ(1940)
ディズニーのアニメ映画の中でも、これが一番心温まる感動作ではないだろうか。正直であることや、結城ややさしさなど子どもにとって必要なものを教えてくれる映画だと思う。子どもの時、それも早い時期に見れば見るほど感動は大きい。 [DVD(吹替)] 8点(2013-06-30 07:03:06) |
6. 陽のあたる場所
《ネタバレ》 これとよく似た映画はいくらも見たが、そのどれとも違う。これは原作の小説の題が示すように「アメリカの悲劇」なのだ。上流階級と労働者階級の身分の違い、考え方の違いなど相容れない社会の矛盾を感じるし、こういう階級が存在しなかったら、このような悲劇も起こらなかっただろうと思う。 犯罪者が上流社会の人間であれば、金の力で事件をもみ消したり、いろいろ圧力を加えたに違いない。事実この映画でも、親戚関係であるはずなのに、自分たちとは関係ない手だてをしている。 それに対し罪を犯した主人公は、手を下したかどうかではなく、殺意を持ったことが罪なのだということに気づき極刑を受け入れているし、アンジェラは階級や事件を乗り越え真実の愛を貫こうとしている。 役者の表情や心理描写も巧みだし映画はよくできている。いろいろ考えさせられる面もあり、このような映画の中では最も優れた映画のように思う。 [地上波(字幕)] 8点(2012-03-22 23:55:31)(良:1票) |
7. ビッグ・フィッシュ
《ネタバレ》 おおぼら吹きのエドワードの話には着いてはいけないけど、だからといって嫌いではない。むしろ夢があって楽しいし、良いと思う。 父の本当の姿を追い求めたウィル、結婚式以来の長い確執が父親の死の直前になって解消できたのが何よりうれしい。おおぼら吹きだった父親に、父の死んでいく物語を息子が逆に作り上げるなんて、最高だと思います。思わず涙、涙・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2011-06-30 15:09:12) |
8. 評決
「評決」というタイトルであれば評決に至るまでの過程が重要だと思われるが、陪審員による協議内容は全く出てこない。あえて触れてないのだと思うが、私はここがポイントだと思う。陪審員らは本当に受付嬢ケイトリンさんの証言を考慮にいれないであのような評決に達したのだろうか。裁判長が証拠ととして採用されないとか無視するようにと言っても、あれほどの証言は鮮烈に耳に残るはずだし、傍聴人として映画を見てる側にも真実は明らか。映画としてはこれで良いと思うが、現実だったらどうだろう。裁判のルールや法令に基づかない評決に危うさを感じるのは私だけだろうか。 [DVD(字幕)] 7点(2018-01-02 20:44:36) |
9. ビューティフル・マインド
ノーベル賞を受賞した実在の数学者の描いたものだが、最初は経済理論とかリーマン予想とか、雲の上のようなことばが飛び交っていてなかなかなじめなかった。というより、どうもナッシュの人間性が好きでなれず抵抗があったのかもしれない。しかし統合失調症による幻覚が出てくるあたりから映画もおもしろくなり、病気に苦しむ彼を支え続ける妻アリシアの姿には感動さえ覚えるようになった。当初はこれがアカデミー賞映画なのか疑問に思っていたけれど、見直すと結構味わい深い映画だと感じた。ところでどうでもよいことだが、あの囲碁シーンはインチキ、取れている(死んでいる)石を取っているように思うのだが・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2013-01-12 22:04:29) |
10. ヒズ・ガール・フライデー
結婚式は明日だし、死刑執行も明日、さあ時間がない。そのせいもあるのか展開がすごく早いし台詞はジェットコースター、いわゆるスクリューボールコメディというもので、この映画はその中でもトップクラスのおもしろさだと思う。映画の最初に当時の新聞記者は殺人以外は何でもやっていたという断りがでるのでそのつもりで見れば・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2013-01-12 14:11:31) |
11. 百万長者と結婚する方法(1953)
《ネタバレ》 マリリン・モンローの代表作の一つかと思いきや、登場するのは3人の女性たち。そして眼鏡をかけたモンローはどう見ても脇役で、主役はやはりローレン・バコールだろう。彼女の言う台詞が振るっている。「ずっと年上が好きだった。ルーズベルトもチャーチルもボガートも」には思わず笑ってしまった。ルーズベルトもチャーチルはいざ知らず、ボガートはバコール本人が25歳年上の結婚した当の相手だからだ。眼鏡のマリリンはチャーミングなお顔があまり見れずちょっぴり寂しいが、それでもコケティッシュな魅力はたっぷり。ストーリーはたいしたことないかもしれないが、十分笑える映画だった。そうか舞台劇なのか、納得、+1点。 [DVD(字幕)] 7点(2012-08-28 07:32:40) |
12. ビッグ
おもちゃと遊んでその感想を言うだけでお給料がもらえるなんてうらやましすぎる。映画も夢があってちょっぴりロマンスがあってとても良い。印象に残ったのは、社長さんと二人で飛び跳ねて鳴らすピアノ、とてもお上手でした。パチパチ(拍手) [DVD(字幕)] 7点(2012-06-16 20:36:11) |
13. 美女と野獣(1991)
ベルがあまりにも簡単に父親の身代わりになったので、なんだこのアニメはと思ったが、次第に引き込まれてしまった。何といってもお城の中のルミエールやポット夫人らの召使いたちが良い。楽しく見られる大きなポイントだ。それと美女と野獣の二人が親密になっていく過程が実に良い。心温まるストーリーだと思うし、ミュージカルとしても申し分なし。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-07 19:04:56) |
14. 百万円貰ったら
邦題は百万円だが原題は百万ドル、100万円と100万ドルとではずいぶん価値が違う。しかも戦前だから、今の何億円という価値だろう。そういう金額だから貰っても信じないのが当たり前、この映画でももらった8人がいろいろ違う反応を示し、違った行動をとるのがそこそこおもしろい。また監督・脚本も大勢の共同製作というのも微妙である。キャストのトップのゲイリー・クーパーも一役者だし、チャールズ・ロートンの出番は2・3分その部分の監督がルビッチなのだからどうなっているのだ。 [DVD(字幕)] 6点(2014-07-03 13:16:48) |
15. ピーター・パン(1953)
途中までファンタジックでとても良いのだけど、家を飛び立ってからの冒険がいかにもお子様向き。子どもの頃見たらこれで良かったのかもしれないけど・・・、大人になっても子どもの頃の夢や心は忘れてはいけないってことかな。そうそうあの子守をする犬はとってもおもしろかった。 [DVD(吹替)] 6点(2014-04-06 07:52:30) |
16. ビートルジュース
コメディとホラーとファンタジーがほどよくミックスされた不思議な映画、さすがティム・バートンだ。品のない駄洒落と美しい映像のアンバランスも良い。突如として「バナナ・ボート」の音楽に合わせ踊り出した時はびっくり仰天。 [DVD(吹替)] 6点(2013-10-24 20:23:22) |
17. ビフォア・サンセット
まさに前作の後日談、終始二人だけの会話だけど9年前の思い出が蘇るとともに、そのときわからなかったことがわかったり、変わってしまったことなど諸々・・・。前作は1日の出来事だったが、今度はそれが数時間に短縮され、より濃厚によりリアルタイムで進行する。そしてまた余韻を残すエンディングがまた良い。前作をもう一度見直せば、前作もこれもまた評価が上がると思うが・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2013-07-06 02:51:36) |
18. ビクター/ビクトリア
「サウンド・オブ・ミュージック」で初めて知ったJ・アンドリュースだが、映画出演する前はブロードウェイのスターだったし、「マイ・フェア・レディ」は大当たりを続けていた。低い音から超高音まで出せる幅広い声域とずば抜けた歌唱力は折り紙付きで、再び舞台のミュージカルに挑戦するということで大変期待して見た。 たしかにミュージカルとしては良いし、申し分ないと言っていいだろう。しかしどうも私好みではなかったし、オカマとかゲイといったものには嫌気がさす。男と女であっても、男と男であっても互いに相手を尊重するというのがテーマなのだろうが。 [映画館(字幕)] 6点(2012-07-31 21:33:36) |
19. ヒューゴの不思議な発明
《ネタバレ》 子どもの頃赤と青の色がついた眼鏡で見る立体映画というものもあったが、3Dと呼ばれるものは生まれて初めてで、画面に気をとられてストーリーがよくつかめなかった。 終盤、リュミエール兄弟の映画「ラ・シオタ駅への列車の到着」やメリエスの「月世界旅行」などが出てきて興味深かったが・・・。 [映画館(字幕)] 6点(2012-03-01 19:05:37) |
20. 美女と野獣/ベルの素敵なプレゼント<OVA>
続編というか、昨年のクリスマスを振り返るというもの、できは決して悪くない。むしろ前作で描ききれなかった部分が補足され、より楽しいものとなっている。お城のメンバーに、フォルテとファイフそれにアンジェリークを加え、クリスマスのエビソードによりさらに物語が広がる。 [DVD(字幕)] 6点(2011-12-07 22:08:02) |