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皮マンさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 225
性別 男性
自己紹介 当方のレビューは全て独断と偏向に満ちております。
「公平・公正なレビュー」などというつもりは金輪際毛頭まったくありませんので、どうぞご安心ください 。

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1.  アンテベラム
目隠シストさんを始め高得点を付けられている方と全く同じ感想です。難しいかもしれませんがこのサイトのあらすじも読まずに鑑賞なさることをお勧めします。 幸いなことに予備知識がほとんど無い状態で観ることができました。結果幻惑されて椅子から転げ落ちそうになるほどの驚きが2度ありました。それもストーリー上の意外性ではなく、作品世界の構造そのものの意外性によるショックです。このような経験は初めてで制作者の果敢なチャレンジ精神に感動しました。
[インターネット(字幕)] 10点(2024-01-15 17:12:05)
2.  NOPE/ノープ
ファーストシーンからエンディングまで予想外意外性の連続。それが雄大な舞台、説得力のある人物造型、魅力的なギミック、素晴らしいカメラ、無駄の無い脚本、品の良いギャグセンスという丁寧かつ精緻な作りに裏打ちされている文句なしの大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大大傑作です。物語は人間に対しての深い洞察に基づいた高い文学性を感じさせるものです。しかし笑いを誘うギミックがさりげなく挟み込むせいか深刻さはありません。伊藤潤二のマンガ作品にも似た、到底ありえないような謎の事象のつるべ打ちですが、大ネタから小ネタ、なにげないカットのひとつひとつまで納得のいく解答が用意されています。そのあまりの見事さに圧倒され鑑賞中頭がグラグラするほど。「2001年宇宙の旅」以来の至福の映画体験でした。
[インターネット(字幕)] 10点(2023-05-20 17:34:13)
3.  イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ 《ネタバレ》 
自分を大物アーティストと勘違いした愚鈍な男の見苦しい振る舞いを、超のつくほどクールな作家が白けながら映し出す。「土産物屋を通って退場」という本作のタイトルは、クソ高い入場料の美術館(公立なのに)に行くたびに感じていた苦々しい思いを代弁してくれているようで実に気持ちいい。しかし本作の内容は単にアートと金儲けを巡る問題というだけの単純なものではなく、芸術とは何かという根源的な問いまでをも含んでいる。そんな大テーマを大上段に構えること無く、笑いながらこれほど深く考えさせられるドキュメンタリーはオーソン・ウェルズの「フェイク」以来。なにしろ監督がはじめにつけようとしたタイトルは「クソのような作品をバカに売りつける方法」だ。素晴らしい!
[DVD(字幕)] 10点(2017-08-13 14:54:48)
4.  記憶の棘 《ネタバレ》 
パーソナリティ障害のダメ人間を描ききった大傑作。悪魔的なまでに人間心理の深い部分に触れているのだが「分かる人には分かる」といった描き方なので一般ウケはよくないかもしれない。外見とはうらはらに未成熟で馬鹿な主人公アナが、異常に思い込みの強い少年の大胆な行動に翻弄される。婚約者、母親、姉妹の振る合いを見る限り社会的にはともかく心理的にはみな上手く大人になれていないタイプ。そんな親と環境に自分自身でいることを否定されて育ってきたとおぼしきアナも終始思い込みだけで行動している。気持ちに余裕が無く自分をケアすることに手一杯で人の立場を斟酌できない彼女を「私の話わかりづらいわよね(原語ではsorryの一言だが)」という短いセリフでさりげなく表現する知的な脚本がたまらない。子供に暴力を振るう婚約者の本性(彼の幼児性の現れだ)を見てもその問題を直視せずにごまかしてしまうアナの愚かさ。最後に至って少年だけははっきり成長するのに、そんな彼女と周りの大人は誰一人として成長できずに終わるという考えさせられるプロット。脚本、配役、演技、カメラ、演出、編集、どれをとっても申し分なしの100点。無駄なカットがないうえに行間に語らせる非言語的コミュニケーションの巧さ、?と思うシーンも後にはその意味がきっちり読み取れるようになっている構成の妙が素晴らしい。登場人物の心のありようを丁寧に読み解いていくと心理劇としての矛盾もほぼ見あたらなく細部までしっかり構築されている。本筋に関係ない部分は大胆に見る者に判断を任せており、監督の「客の理解力を信じている」姿勢が嬉しい。そしてこの映画を読み解くのにオカルト的解釈はまったく必要ない。更に素晴らしいのが複雑な心の動きを役者の表情と音楽で伝えきるセンス。心臓の鼓動を元にしたテーマ曲は画面と丁寧にシンクロしており、時に現実音と錯覚させるトリックが付されている。対位法を多用しているのも心地よい。ここらへんはPV出身の監督のキャリアが最大限活かされているように思える。エンドクレジットでかかる子供のコーラス曲は名曲で「銀河ヒッチハイクガイド」のテーマ以来の衝撃をうけた。生涯で最高クラスの一本。
[DVD(字幕)] 10点(2015-04-29 12:19:59)
5.  エスケイプ・フロム・トゥモロー 《ネタバレ》 
一歩外に出ると女の尻しか眼に入らない極めて健康なオヤジである自分としては、ヒジョ~にリアリティのある作品。実際何度か訪れたディズニーランドでも当然前を行く尻の大きな女しか見ていなかった。あの性的抑圧と倒錯バイアスが強烈にかかる場所では著しく性欲が増大してしまうのだ。ホントはあなたもそうでしょ? 舞台を架空のテーマパークに設定するような逃げをうたず、ゲリラ撮影で一見無菌に見える夢の国の毒を描く監督の志は、ハリウッド的定型内に収まって安閑としている凡百の制作者達にはおよそ考えられないほど高いものだ。ロケ場所をディズニーランドに限定しながらドキュメンタリーではなく、完成まで全て秘密裏に進めた苦労を知ると本当に頭が下がる。役者も無名ながら驚くほど上手い。音楽も良い曲ばかり。監督が残念がっている稚拙な合成処理も変性意識を感じさせて結果オーライ。ここまできっちりやるとさすがのうるさいディズニーも納得するのか、訴訟は起こしていないようでソフトも普通に売っていて大変めでたい!ひとつだけ残念なのは(例によって)主人公の好み。彼はどうしてあんな痩せた女を追いかけ回すのだろう。二人とも肉体的にあまりにも未成熟で〈若い・今風美人〉という記号しか感じられない。彼女達がティンカーベルとなってそのラストを飾るが、ティンクは成熟した女の象徴だ。よって絶対にばーんと腰の張った安産型のグラマーなタイプでなくてはいけない。これはピーターパンという暗喩に満ちた物語の大きなポイントのひとつなのでいいかげんに扱われては困るのだ。変態ウォルト・ディズニーはその点はしっかり押さえていた。R15指定でエロがテーマの本作よりお子様向け本家アニメのティンカーベルの方が数段エロいというこの矛盾。笑える
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2015-01-03 09:01:40)
6.  ダウト ~あるカトリック学校で~ 《ネタバレ》 
見終わったあと、一緒に観た友人と論争になった。神父擁護派のオレと校長擁護派のツレ。「あんないけずな奴(校長:メリルストリープ)はいない」というオレに「彼女は自分の職責を実直にまっとうしているだけ」という友人。「彼(神父:フィリップ・シーモア・ホフマン)の溢れるヒューマニズムを見れば多少の違反は目をつぶるべき」というオレに「彼は権力をバックに子供をおもちゃにする極悪人」という友人、といった具合。侃々諤々の議論の末、神父の説教が全く空疎な点、彼が聖書に挟んだ2片の押し花が挿入前と挿入後の肛門の暗喩に見える、という2点が決め手となって友人の見方が正解だろうということで納得した。実際町山智浩氏が“未公開映画を見るTV”で紹介していたドキュメンタリー「DELIVER US FROM EVIL」によると現実のカトリック教会では、この作品に描かれたようなよからぬことが横行しているらしいぞ。
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2012-10-11 15:28:34)
7.  わらの犬(1971) 《ネタバレ》 
フィクションとは思えないくらいはまったキャスティングと悪魔的に良く練られた人物配置。暴力が徐々にエスカレートしていく過程を驚くほどのリアリティをもって描き出す。無軌道な若者に説教できそうな唯一の人物、脚の不自由な村の指導的立場にある人格者を誤って撃ってしまった時から破滅に至る道は後戻り出来なくなった。上手い!!この作品の中で女はトラブルを拡大させるための道具として利用されているに過ぎないので、この出来にして女性陣の評判はすこぶる悪い。小さい時から暴力を己の感性に刻み込んできた男連中でなくてはこの作品に深く移入することは出来ないのだろうか。
[地上波(字幕)] 10点(2011-09-26 13:33:09)
8.  刑事コロンボ/二枚のドガの絵<TVM>
この作品は生涯出会った全ドラマの中でも一二を争う傑作だ。本作の最大の美点は、作り手が視聴者に対し極めてフェアな姿勢で臨んでいるところだ。よほど注意深く見ていればラスト直前にはコロンボのやり口を見抜くことが出来るように作ってある。相当の眼力がなければまず無理だろうが、そのぎりぎりの匙加減が実に絶妙できっちり「やられた!」感を味わうことができる。数ある推理物にはアンフェアな作品や、フェアでも「やられた」感の無い作品も多い。私はできれば上手く引っかけられたいので積極的にネタを突き止めないようにしている(必死こいて考えても結局分からないことがほとんどだが)。しかしこの作品に限っては、見終わってから「ああ、もっと真剣に推理すれば良かった」と心底後悔した。そのような感興をここまで強く感じさせてくれた作品は当のコロンボシリーズに於いても他には無い。事件が解決した瞬間にドラマが終わるのもシリーズ中これが初めてらしいが、呆然とした視聴者を見透かすような鮮やかなエンディングでこれも見事としか言いようがない。
[地上波(吹替)] 10点(2009-12-18 18:01:46)(良:1票)
9.  バッタ君町に行く
このうえなく丁寧に紡ぎ上げられた名作です。 まず虫の住宅問題というテーマが終始びしっと一本の幹のように通っているのが素晴らしい。中盤まではゆったりとしたテンポで話が進みますが、楽しい音楽、人間の描写のリアルさ、ダンスホール、虫の行進や結婚式の準備など要所要所に見所が挟まれていて退屈しません。そして細かなエピソードのひとつひとつが終盤のスペクタクルに収斂していくダイナミックな構成はお見事!破壊と構築がワンセットになったクライマックスはそのほんわかした題名からは想像がつかないほどのカタルシスを与えてくれます。ラストのハチの子のひとこともさらっと語られるわりには深い余韻を残します。ちょっと話がそれますが1941年という製作年度は日本がアメリカに攻撃を仕掛けた年。鬼畜米英というスローガンがいかにナンセンスなものかはこの作品を見ただけで思い知ることができます。
[ビデオ(字幕)] 10点(2009-12-10 00:31:16)
10.  夕陽のギャングたち
邦題が気に入らない方いらっしゃいますが同感です。観てもらった友人もタイトルからは全く想像できなかった内容の深さに驚いていた。しかしマーケティングしか考えていない邦題は論外としても伊版タイトルの【伏せろ!】も英版の【掌いっぱいのダイナマイト】もフランス版の【革命】もこの作品の魅力を伝えられているわけではないような。そこで自分なりに新たなタイトルを考えてみたがこれがとても難しい。明るくテンポのいい序盤と叙情と哀愁に満ちた中盤以降というように作品のトーンが変わるので全体を表現しづらいせいと思われる。主人公も性格の全く異なる二人だし。【盗賊と発破屋】【皆殺しの口笛】【ダイナマイト大作戦】【革命でドカン!】と、結局己の知能の低さを思い知る結果に至った。
[映画館(字幕)] 10点(2008-06-05 15:47:01)(笑:1票)
11.  ボウリング・フォー・コロンバイン
10点満点で100点つけたいくらい。このような作品を作るというのは大変な勇気が必要だと思います。全米ライフル協会を敵に回すなんて命知らずと言ってもいいのでは。
[DVD(字幕)] 10点(2004-07-24 00:08:27)
12.  2001年宇宙の旅
監督自らが「一度観ただけでは理解できないよ」なんて馬鹿野郎な発言をしている作品などよほどのことがなければ到底認められない。しかーし!これがそのよほどのことなのだよ。ただ観るものではなくて体験する映画。わけわからんと憤っておられる方もいらっしゃいますが、宇宙の彼方にふっとばされるなんて体験をした当人はわけわからなくって当然じゃありませんか。主人公から極力個性を排除してあるのもキューブリックの作風云々というより観客の参加を容易にするための配慮ではないかと(優れたRPGがそうであるように)。あの至福の映像ドラッグ体験はその後観たどんな映画もかなえてくれません。脳内麻薬ドバーの快感がくせになっちゃって10回くらい劇場に足を運んだが、実家のある田舎のボロい小屋で観たときには映写機の光量不足のせいか、スクリーンに映る星の数が10分の1くらいだったので驚いた!
10点(2004-07-22 13:02:20)(笑:2票) (良:2票)
13.  マザー!(2017) 《ネタバレ》 
不条理でいかにも意味ありげな、しかしその実体はただのバカ映画という体の作品。たとえそれがいかに不快なシチュエーションではあっても作り手にここまで迷いが無いといっそ爽快だ。ハネケのファニーゲームにも似た理不尽で嫌〜な暴力を見せつけられることの連続なのだが、アクションはキレのある編集でたいへん気持ちがいい。ここはひとつ相互理解だのキリスト教云々だの小難しいことはすっぱり忘れて、ただ可憐な乙女が目茶苦茶な目に遭うスラップスティック感覚を素直に楽しめばいいのではないだろうか。
[インターネット(字幕)] 9点(2019-06-01 16:43:37)(良:1票)
14.  ファインド・アウト 《ネタバレ》 
「怪人カリガリ博士」と並ぶサイコミステリーの快作! 病的虚言症とも思える主人公の造形のせいで ラストまでその訴えが妄想なのか事実なのか分からなかった。 ヒステリックで嘘つきでしょうもない人だな〜 と終始反発を感じていた主人公にオチの一言で一気に移入した。 そんな初めての感覚を味わせてくれた驚きの作品。
[インターネット(字幕)] 9点(2019-03-07 09:18:59)
15.  タイム・トラベラーズ 《ネタバレ》 
ええ、もちろんひどい映画ですよ。二流三流じゃすまないくらい退屈な映画ですとも。しかしこれは高い志をありえないくらいチープな演出で描くことにより、ほとんど意識が跳ぶようなトリップ感覚を味わえるメタな作品です。映画草創期、舞台で演じられる手品をフィルムトリックで再現する、というのが特撮映画の始祖とされています。その伝で言うと、本作はフィルムトリックで見せることが常識の特撮的シーンを手品に置き換えるというあり得ない発想で作られています。なのでまるで手品映画。使われる手法は「生きている首」「生きている手首」「頭のすげ替え」「人体消失」等々。人類存亡の危機に陥った人類が最期の最期まで手品道具を開発することに費やす、そうとしか見えないアメイジングなシーンが続出します。なんでよりによってこんなまずい駄菓子みたいな映画を貴重な金と時間を使って観ているんだろう?自分は。そんな存在論的な疑問がふと頭をよぎる、そのくらいどうでもいいような映画でした。……何故観る?って、それはSF映画だから。それも度を超して非常識と評判の作品だから。自分にはセンス・オブ・ワンダーに対しての狂おしいほどの渇望があるから。本作のラストシーンの噂を耳にしたらSF者として観ずに死ねるわけないじゃないですか。かつてここまでタイムパラドックスを大胆に、ある意味真っ当に視覚化した制作者がいたでしょうか。それにしてもSF映画の進歩のなさはどうしたことでしょう。その内容は60年代を頂点としてどんどん退行しているのではないでしょうか。ただのアクション物に堕ちたSFマインドのかけらもないリブート版スタートレックが端的な例です。私はどんなに演出が安くて退屈でも、ラストシーンのSFマインドの輝きに於いて「スターウォーズ・未知との遭遇・エイリアン」あたりから始まったSF「モドキ」作品群より断じてこの作品を支持します。
[DVD(字幕)] 9点(2017-08-25 10:31:49)
16.  アンダー・ザ・スキン 種の捕食 《ネタバレ》 
「ストーカー」風味の「スペースバンパイヤ」といった趣の作品。「個」のない蟻のような存在の主人公が、人間の個々性に触れて己との違いに衝撃を受ける物語。一見アートフィルム的な難解風の肌触りで若干の忍耐力がいる。しかし観客を煙にまく意図はみじんもなく、話がストレートに伝わるように出来ている。しかもその描くところはありていな価値判断を超えたとても奥深いものだ。主人公の異星人(?)は人類の命がけの博愛主義的な行為には全くの無関心・無感動。身を挺して人助けをした者をなんのためらいもなく殴り殺して溶かしてしまう。そのスタンスは彼女が蟻のような、あるいはボーグのような集合意識を持つタイプの生命体だと考えれば充分納得がいく。しかし顔の変形した異形の男を取り込んださいに彼の個人的な強い想いに触れて打ちのめされてされてしまう。全体に奉仕するために産まれてきた存在が彼らにとって餌にあたる生き物のナイーブさに気が付いた時の衝撃。そんな彼女の視点から我々人類が他の生物にとってどのような存在なのかということを考察せずにはいられない・・・・・スカーレット・ヨハンソンはリュック・ベッソンの「ルーシー」とそっくりな演技を求められる役所でありながら、作品の持つベクトルは正反対だ。片や「哲学的なふりをしたバカ映画(ルーシー)」。片や「有名女優のヌードに頼ったふりをした哲学的な文学作品(アンダー・ザ・スキン)」と、まるでスカヨハに “人智を超えた存在を感じる演技をさせること” を課題とする映画学校の作品を観るようだ・・・・・ところでこの作品にぼかしを入れる我が国の後進国性に毎度のことながら心底あきれてしまう。こんな愚劣なことがまかり通っている社会に所属していることが恥ずかしい。わずかなセリフもほとんど意味が分からなくて良いタイプの映画なので、ぼかしなしの輸入盤で観るのがお勧め。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2015-04-24 11:45:13)
17.  華麗なる恋の舞台で 《ネタバレ》 
徹底した自己中の金持ち中年女が主役。むやみにちやほやされてつけあがってるイヤ~な奴。そんな彼女が恋敵の若い女を陰湿な罠にはめて、こっぴどく恥をかかせる。それでいてなんらかの報いを受けるわけでも無い。そんな最低な話なのに、ああそれなのに、この爽やかな後味は一体なんだろう!?
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-10-24 10:17:47)
18.  ドニー・ダーコ
ストーリーは楳図かずお“イアラ”あたりのよくできた短編のよう。登場人物みなが安易なステロタイプに陥っていないので小ネタひとつとっても落ち着く先がどこなのか予測できない。すばらしい。転校生のヒロインに対し女教師が「好きな子のとなりに座りなさい」と、恋愛に対しオープンなところを見せつけるので、心底うらやましいと思ったらカトリック系(?)のマインドコントロールセミナーのような講義があったりと、アメ公ならではのくだらない心労も感じられ青春風俗ものとしても大変興味深かった。娯楽性は以上の点で充分押さえられていて、更に意識の混濁を誘うドラッグ・ムービーとしての側面も申し分ない。ややこしい心理ものなのでちりばめられた謎の部分をきっちり解釈しきることは出来ないだろうが、単なる思わせぶりではない何かを感じさせる傑作でした。音楽がまたいい!
[DVD(字幕)] 9点(2005-04-27 16:43:54)(良:1票)
19.  ミクロの決死圏
初見は小学校の映画上映会。前半余計な音楽を一切排除して(含タイトルバック)胎内に到達したとたんに無調系のサウンドイフェクトを加えるというシャープな判断にまず打ちのめされた。ドラマ的には目新しいものはないが、テーマが体内観光だから視覚的に満足できればそれでいいんだ。そして結果は大満足!潜航艇のデザインはあのノーチラス号のデザインにもかかわったスタッフだそうでフライシャーとのタッグは最強ですね。エレベータで地下に降りる車と潜行艇縮小のプロセスが特撮的に一緒だったり、作戦室にアリが入り込んでいたり(そんなところで手術されるのは嫌だなあ)と、突っ込みたくなるところも多々ありますが、全体としていちいちじつにもっともらしく見えるのはやりたいことに迷いがないからだろう。ところで美術としてスタッフに名を連ねているダリがどういう働きをしたのか見当がつかないのはどういうわけだ。むしろウルトラセブンでこの映画をパクったエピソードに多大な影響をあたえているような(怪獣の名前がダリー)。いったい何やってんだか。
[映画館(字幕)] 9点(2004-09-17 19:30:17)(良:2票)
20.  ブラックホール(1979) 《ネタバレ》 
9点つけちゃいます・・いえ、気は確かですよ・・死後の世界(ブレインストーム)と無限の彼方(2001年宇宙の旅/キャプテン・ウルトラ)。どちらもどう視覚化しても誰も反論できないが、かといって納得させることも難しい。この手の究極の世界に果敢にチャレンジした作品はその心意気だけでもリスペクトに値する。そこでこの映画。なんと“ブラックホールの中をお見せしちゃいます”というあまりに無謀なテーマに挑戦しているのだ!本作は見所がありすぎなので本題に入る前にこの映画の素晴らしさを箇条書きにしてみました。●全編に漂う不吉なムード(これほんとにディズニー作品か?)●壊れるためにのみデザインされた怪しく耽美な宇宙船(実はこいつが主役です)●サイコ野郎パーキンスのヘタウマ演技●不気味パートと活劇パートとおちゃめパートの乖離●ジョン・バリーの素晴らしいスコア(先の乖離に付き合って一貫性がないけど)●ふざけたデザインのロボット(テレビで竹中直人が吹き替えをあてていたなぁ)●ネモ艦長を邪悪にしたような悪役キャラが魅力的●あまりにも投げやりなエンディング等々・・・これらの要素がなんか覇気のないどよ~んとした演出の中で闇鍋的に現れては消えるのだ。肝心のブラックホールの中身だが、キリスト教圏の奴らが最後にすがる冥土のイメージってことで、先に挙げた[ブレインストーム]と同じ。大霊界と同じ。というわけでひっぱっておいていうのもなんだが真面目に語るべきことは何もない。そう、「まさかブラックホールの中に入ることはないだろうなぁ、あと15分くらいでおわりそうだしなぁ~えっ!やっぱ見せちゃうの?ってだけでもう9割方満足なんです。あとは“中身はお花畑でした(キャプテンウルトラ)”でもなんでもいいんです。どうせ冥土なんだから。視覚化するの無理ですから。そこんとこよろしいでしょうか?というわけで誰が何と言おうと個人的には大満足の傑作なんですよ。
[ビデオ(吹替)] 9点(2004-03-10 00:42:59)(良:1票)
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