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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2594
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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201.  SAYURI
言いえて妙だけれど、“一国の文化”というものは、他国のそれと交じり合うことで、初めてその「本質」と「価値」が見出されるものなのではないか、と思う。 異国の捉え方と表現方法によって、自国の人々が“知らなかった”価値が生まれることもあるのだ。そういうことをこの映画は、燦然と見せつける。 「芸者」という女の生き方。望まぬままにその「運命」へと導かれ、その道程を生き抜いていく一人の女の様があまりに激しく、あまりに美しい。 辛苦の末にようやく手に入れた待ち望んだ“ぬくもり”。 しかし、それでも彼女は「芸者」なのだ。その人生には、もはや神々しさすら覚える。 必ずしも日本という国と芸者という文化を「リアル」に描こうとせず、その文化がもつ本質的な「美意識」を最大限に優先して描かれた映画世界が素晴らしい。 台詞の中に、英語と日本語が混在する脚本&演出方法にも、全然違和感がなく、演者の表現力を最大限に引き出す効果へと繋がっていると思う。 冒頭にも言ったが、他国の文化との“混じりあい”が、素晴らしい世界観を生み出した要因だ。 この作品は、どうやったって日本人だけでは、描ききることができない「日本映画」だと思う。 
[映画館(字幕)] 9点(2005-12-14 01:59:59)(良:1票)
202.  ティム・バートンのコープスブライド
久しく味わうことのなかったアニメ映画の“愛くるしさ”を感じることができる素晴らしい映画だと思う。アニメ映画に必要なのは、目が痛くなる程に目まぐるしい映像世界でも、“難解”という言葉に包まれた複雑な世界観でもない。アニメーションに対する、キャラクターに対する“愛くるしさ”だ。 そのことを、ティム・バートンという特異な映画監督は、“ストップモーション”というもっとも自分らしさを発揮できる秀逸すぎる世界観で、堂々と表現してみせたと思う。 あんなに魅力的な“死体”は、この世でティム・バートンしか創り得ないだろう。
[映画館(字幕)] 9点(2005-11-18 00:21:59)
203.  ゴーストワールド
“変”なのは自分なのか取り巻く環境なのか?社会の常識と言われているものを迎合して“自立”しなければならないのか?そういう普遍的な10代の思い悩みを、ある部分においては斬新に、そしてある部分においてはとても純粋に描いた作品だと思う。 パフォーマンス的にも、ビジュアル的にも完璧な演者たちが織り成す、少し奇妙なこの映画世界は、実はどの世界にも存在する滑稽で純粋な人間の姿だ。
[DVD(字幕)] 9点(2005-10-26 17:04:13)
204.  チャーリーとチョコレート工場
工場を巡る途中、主人公の少年が言う「チョコレートの美味しさは理屈じゃない」というセリフが、そのままこの映画全体を表現している。と、思う。 奇想天外なチョコレート工場と工場主、その世界の愉快さの前に理屈など意味を持たない。ただ単に“楽しい!”というほか何もないのだ。 そして、こういう映画におけるティム・バートンの支配力はもう尋常じゃない。完璧以上に完璧にその世界観を作り上げる。更にそこに、ジョニー・デップが加わった時、もう言葉などが入り込む余地は何処にもないのだ。もう“ひたすらに楽しい!”そう言う以外に何が必要か。 板チョコを手に映画館に入れば、尚更に楽しいと思う。
[映画館(字幕)] 9点(2005-09-16 02:29:07)(良:1票)
205.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 
もしかしたら賛否が大きく分かれるのかもしれない。が、この映画は圧倒的に“賛”である。まさに絶望的なまでの侵略者の脅威に対し、すべての人類は成す術が無い。そうこれは“戦争”などではなく、一方的な“駆除”なのだ。そのままに一人残らず滅亡するのが真のリアリティかもしれないが、それでは物語にならない。そうして導き出された結末は、人類の勝利ではなく、地球上の一生物として生かされた人類の姿である。この顛末は、序盤からの脅威的な侵略に対しあまりに“あっさり”しているように感じるかもしれない。しかしそうではない。ただひたすらに逃げ惑うだけの人類たちのその同じ場所で、いつもと同じように繰り広げられる生命体たちの活動によって、人類は生かされたのだ。実にシンプルで起伏に富んだ発想の転換、これぞScience Fictionの名にふさわしい。スピルバーグは、映像に対する絶大な創造力をもって、この古き名作をリメイクしてみせた。
[映画館(字幕)] 9点(2005-06-29 17:54:07)(良:2票)
206.  スター・ウォーズ/帝国の逆襲<特別篇>
“旧三部作”を初見した際には、全くと言っていいほどハマることが出来ず、特にこの「帝国の逆襲」の面白さが全く理解できなかった。我ながら浅はかなガキだったのだなあと思う。 勿論、今は違う。 今作こそがシリーズ中最高傑作と言って間違いなく、この作品に描きつけられているものこそ、ジョージ・ルーカスが最も自分自身のインサイドをさらけ出して表現したかった「主題」だと思う。 「スター・ウォーズ」は、ルーク・スカイウォーカーとダース・ベイダーの壮大な“親子喧嘩”の様であり、それは創造主であるジョージ・ルーカスの、極めて私的な父親に対してのジレンマの結晶だったのだ。 “実父の告白”に対して、全力で拒絶する息子の姿は、孤独な天才映画監督が抱えた苦悩そのものだったのだと思う。
[DVD(吹替)] 9点(2005-05-24 10:52:55)
207.  ロスト・イン・トランスレーション
良い映画だ。日本という国の“ありきたりな”日常に見え隠れする滑稽さ、そこで途方にくれる孤独なふたりの外国人。実に現実的でありながら、そこに映画としての面白味を生み出すこの外国人女流監督の観察眼の凄さは何だろう。多種多様な感情と文化が入り混じり、混迷極まる“東京”という街を、これほどまでに情感たっぷりに描き出す映画を観たことが無い。不安定で不確実なままに惹かれ合うふたりが織り成すこの物語は、ロマンスなのかヒューマンなのか……もうそんなことはどっちでもいい。混沌とした街で、混沌としたふたりが、導かれるままに紡ぎだしたしっとりとした感情に、余計な説明などいらないと思った。
[DVD(字幕)] 9点(2005-05-02 02:29:29)
208.  アビエイター
アカデミー賞というは、映画に対する一つの価値観でしかないと思っているが、今年のノミネート作品の中では本当はこの映画こそ受賞にふさわしい映画ではなかったのかと思う。非常に良い意味でアカデミー賞を獲るべき作品であると思う。 ハワード・ヒューズという人物の知識はまるで無く、この映画で描かれることがどこまで真実なのかは分からない。しかし、少なくともこの映画の中で息づく彼の姿は、まさに伝説であり、最高のスタッフによって描かれるべき人物であると感じる。夢を追い、夢に生き、夢に苦しみぬいたヒューズの姿に、ひとりの人間として複雑な感情が渦巻く。果たして彼は“成功者”なのか?多くの人達が彼の成功の是非について語ってきたのであろうが、ヒューズにとって本当はそんなことどうでもいいことなのだと思う。最初から最後まで、世界で唯一無二の“飛行機野郎=AVIATOR”であり続けることが、彼の望みだったのだ。そしてそれを体現し続けたハワード・ヒューズという人物はやはり“伝説”なのであろう。 それにしても、またしても大願成就ならなかったスコセッシとディカプリオ。彼らにとって最高の仕事をしたと思うだけにとても気の毒だ。他の賞ならいざ知らず、やはりアカデミー賞だけは、良い意味でも悪い意味でも“狙って獲る”というのが醍醐味であり伝統のような気がする。「ミリオンダラー・ベイビー」を観ていないので本当は何とも言えないのだけれど、既に受賞経験があり余裕綽々のイーストウッド&スワンク組よりは、獲る気満々のスコセッシ&ディカプリ組が受賞した方が盛り上がったような気がする。まあ“またも受賞ならず~!”というのもドラマティックな気もするけども。スコセッシは次作再度ディカプリオと組むそうで、これはこれで映画史における“伝説”になり得そうでなんだかワクワクする。
[映画館(字幕)] 9点(2005-04-02 10:44:20)
209.  オペラ座の怪人(2004)
何よりも、映画化ということに対して臆せず、舞台通りに映像世界全編をオペラ調に仕上げ、完成させたことに、「オペラ座の怪人」という神々しいまでのオリジナルに対する尊敬と自信が感じられた。台詞のほとんどが歌唱によって紡がれることに違和感を持つ人もいるようだが、そのことこそ、この作品を映画化する“意味”だと思う。舞台を見たことは無いのだけれど、歌で語らずして何が“ファントム”かという盲目的な概念を知らぬ間に植えつけるこのキャラクターの哀しく切ない存在感は凄い。文芸的な映画だけにある程度のかったるさは覚悟していたのだけれど、そんなもの微塵も感じさせないテンポの良さと、極めて完成度の高い映画世界に呑み込まれる。
9点(2005-03-23 00:17:35)(良:1票)
210.  招かれざる客(1967)
何の予備知識も無く観たこと(観始めるまでヒッチコックかなんかのサスペンスものだと思っていた)が、殊更にシンプル且つ濃厚なこの物語の巧さに引き込まれる要因になった。突然帰郷した一人娘に異人種の婚約者を紹介され、当然驚きを隠せない両親。しかし若い二人の熱意と相手男性の文句の付けようの無い人柄にほだされて~と「おいおいこんなにすんなり事が進んで、後の展開どうするの?」と思わされていた時点で、ぼくはこの脚本の巧みさに魅了されていたのだと思う。そこから露わになってくる各々の建前と本音。センス溢れる台詞回しによる可笑しみを前面に出しつつ、描かれる深い社会の問題意識。昨今の映画は揃って極端な物語が多いが、今作のバランスの良さは素晴らしい。あくまで自然に、笑って、泣けて、考えさせる、本来娯楽という本分を背負っている“映画”というものはこうでなければならない。そういう往年のハリウッド映画の気概を感じさせる傑作だと思う。
9点(2005-03-01 02:35:08)
211.  キング・コング(1933)
70年以上前に作られたこの大スペクタクル映画を、70年後の現在も容易に見られるということになんだか感慨深さを覚える。後に作られたリメイク作と違い、あくまで空想冒険映画というスタンスを貫き通し、意図せずに人間のエゴイズムを表現してしまっていることに、良い意味でも悪い意味でも“時代”を感じる。しかしその部分こそ、この映画が秀逸な特撮技術という魅力を超越して魅せるパワーであり、映画史における“価値”なのかもしれない。
9点(2005-02-02 17:55:08)(良:1票)
212.  Mr.インクレディブル
“アニメ”という概念を根本から覆しそうな映像世界に「スゴイ」という言葉しか出てこない。革新的なアニメーションを繰り広げながら、そこに展開されるストーリーの王道さに感服する。“そう、アニメとはこうでなければ!仰々しいビジュアルを携えて不透明に意味深なテーマをくどくどと並べ立てて、どうする?そこに楽しさがあるのかい?”という製作サイドの堂々たる声が聞こえてきそうだ。この、疲れた心身がすっぽりと爽快感に包まれる感じ。ああ最高。
[映画館(字幕)] 9点(2004-12-10 00:30:11)
213.  モンスター(2003)
もし神なるものがあるとするならば、自ら死に向かおうとする“彼女”を留め、哀し過ぎる狂気へと突き進む“愛”へと導いた理由は何だったのだろう?言葉にならない苦しみを一人の女性の運命に詰め込み、それを歩ませた意味は何だったのだろう?果たして、彼女の真の罪は何だと言うのか?渦巻く人間の業についての疑問が永遠につきまといそうで、とても苦しい。でも、結局、その答えは、“たった一つの愛”なのだと思う。苦しみと屈辱の中で生きてきた女に訪れた、とても小さな愛。その結末さえ、あまりに悲劇的な愛。その一瞬の安らぎと許しのために、彼女の生はあったのだろう。とても不条理すぎて理解さえ及ばないが、それでもそこに一寸の救いがあったことを僕は信じたい。彼女のモノローグのように、そんなものさえ罵声ともに一蹴されるのかもしれない。でも振り返った彼女の最後の瞳は、そうは言っていなかったと思う。 “最高女優”の称号を得たセロンの演技は、何の余地も無く圧倒的だ。そして、“アイリーン唯一の愛”を演じたクリスティーナ・リッチも素晴らしい。この映画はこの二人の女優の存在が無ければ成立しなかっただろう。
[映画館(字幕)] 9点(2004-12-01 16:53:25)(良:1票)
214.  アイズ ワイド シャット
“性への渇望”これほどまでに映画のテーマとして難しいものを、徹底して描ききっていることに驚く。スタンリー・キューブリックという一つの伝説に終焉にふさわしい芸術品だと思う。甘く危険な裸体美の羅列の中で、まさに真の意味合いを持つ“仮面夫婦”を表現してみせたトム・クルーズとニコール・キッドマンも凄い。この作品の後、二人は実際に結婚生活を解消してしまうわけだが、少なからずこの映画の出演が影響したことは間違いないと思う。そして、この映画がそういう“危険”をはらんでいることを俳優夫婦は分かっていたのだろう。それでも敢えて、この映画に挑み、演じきった。それは、彼らの真の俳優としての本能が抑え切れなかった“衝動”によるものだったのではないか。「たとえ私生活に多大な影響があるとしても、この映画を避けて通るわけにはいかない」という、彼らの共通意識が、ある種の固い絆の中で生まれたのだと思う。結果、彼らは別れたが、各々が俳優としての凄まじいほどの飛躍を見せていることは言うまでもない。キューブリック、クルーズ、キッドマン、3人が選んだ運命、映画人としての業が、危険に混ざり合い、美しさと醜さを併せ持った特異な映画として昇華したのだと思う。
9点(2004-11-29 02:59:52)
215.  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 《ネタバレ》 
この映画の主演にケビン・スペイシーを配したことは、ある意味でリスクだったと思う。なぜなら、「己の罪の真意を問う死刑囚」という役柄の時点で観客はあれこれと、彼の“正体”についての結末を必要以上に考えざる得なくなってしまうからだ。生半可の“答え”では、ほとんどの観客はこれまでの経験から「なんだやはりそうか」と気を抜かすことであっただろう。しかし、この作品は、そのリスクを最大限に生かし成功へと導いている。物語自体のアイデアも素晴らしいが、そこに敢えて、もはやこういう役柄に対しての“あざとさ”を観客に持たせてしまう可能性のあるケビン・スペイシーを配したことに、彼に対する絶対の信頼と作品に対する自信を感じる。 ラストのビデオ映像、デビッド・ゲイルがコンスタンスの顔を覆ったビニールをさりげなく触り、すべてを終えたあの表情…。いやはや、全くもって素晴らしい。ケビン・スペイシーはまたひとつ高みへと登った。
9点(2004-11-15 14:47:20)(良:2票)
216.  初恋のきた道
映画史において“女優”というものの持つ価値は絶大なものだと思う。映画の物語自体はぱっとしなくても、ただ一人、光を放つ女優がいたとしたら、それだけでその映画は良い映画になる。と言うとまるでこの映画が主演女優の力のみをもって成立しているように聞こえるが、そうではなく、それでも尚、女優の存在を強調したくなるほどに、この映画の主演女優は素晴らしい。女優の魅力そのものに対して、これほどまでに心が揺れ、涙が溢れ出しそうになったことはない。いまや“アジアのダイアモンド”と称され世界中にその魅力を放つ女優となったチャン・ツィイー。その秀麗な原石を生み出したこの映画の誕生と存在意義自体に、壮大な運命を感じ、またじわり涙が出る。
9点(2004-11-11 22:43:36)
217.  華氏911
この世界に生きる人間にとっての最大の恐怖は「無知」なんだと思う。  当たり前であるが、この世界は様々な人間の様々な感情や思惑に溢れているわけで、そのすべてを知り得るということは間違いなく不可能である。 しかしそれでも、知らなければならないことは物凄く沢山あり、そしてその一部は少数の明確な意思によって誤魔化されている。  そういう多くの事実を「知らない」で生きていくことは、非常に恐ろしい。  この映画自体、マイケル・ムーアという一人のアメリカ人の意思で作られている以上、これのみをもって単純に鵜呑みにすることは至極危険であろう。 それは製作者であるムーア自身がもっとも良く分かっていることであり、決して彼はこの映画の意思を大衆に押し付けようとはしていない。  しかし、事実による彼の明確な意思は理解できるし、ベースとなるこの現実を世界の人々は知らなければならない。  人間として「恐怖」におののくことは実に自然なことだ。 必要なのは、今自分を取り巻く恐怖の真意を知ることだ。
[DVD(字幕)] 9点(2004-08-23 18:01:35)(良:6票)
218.  スパイダーマン2 《ネタバレ》 
某雑誌のコピーと被るが、この映画は「漫画」である。もちろん映画を愛する者、漫画を愛する者として、心からの尊敬を込めてそう言いたい。 ピーター・パーカー:トビー・マグワイア演じるヒーロー映画きっての駄目男。前作以上にパワーアップして描かれる彼の「普通の男ぶり」は、ある部分では反比例し、ある部分では比例してスパイダーマンの魅力を増大させている。 メリー・ジェーン:前作も含めてこの映画を観た多くの人が、ヒロインとしての彼女(キルティン・ダンスト)の容姿に疑問を抱く言葉をよく聞く。しかし普通以上に普通の男であるピーター・パーカーが憧れる女性として彼女は適役であり、説得力がある。 ハリー・オズボーン:金持ちのボンボン&スパイダーマンに対する歪んだ復讐心を持つキャラクターとして、演じるジェームズ・フランコはまさに適役。ついに次作では準主役としてヒーローの前に立ちふさがりそうな彼の活躍に期待。 ドック・オク:彼の役には、シュワルツェネッガーやデ・ニーロなどのスター俳優も候補に挙がったらしいが、演じたアルフレッド・モリーナの存在感は抜群だった。一見愚鈍そうで、不気味な悪意に包まれた彼の雰囲気は、まさに「蛸男」にふさわしかったと思う。 サム・ライミ:まず撮影所には「仕事場」として必ずスーツで現れるという彼のポリシーに多大な格好良さを感じるのは僕だけだろうか。2作目にしてこの「蜘蛛男」を描いた映画の監督は彼をおいて他にあり得なかったと思う。抜群の映像感覚はもちろん素晴らしいが、この映画を支えているのは、彼の「スパイダーマン」に対する揺るぎない愛情だと思う。 スパイダーマン:全身を手作りのコスチュームで隠している彼の表情は見えない。しかし、彼ほど人間的な感情に溢れたヒーローは他にいない。落胆し、怒り、喜ぶ。その姿に人は惚れ込む。前作の爽快感をさらに感動的に増幅させ摩天楼を滑空する姿に目が離せない。 
9点(2004-07-18 09:19:41)(良:2票)
219.  アダプテーション
チャーリー・カウフマンという脚本家、まさに天才である。脚本の創造に思い悩む脚本家のとめどなく乱雑した世界を混沌と並べ立て、限りなく破綻に近いところで展開させる例を見ないその構成力に唖然とする。実在の蘭収集家と架空の自分の双子を混在させどこまでも独特な世界観に観客は現実との境界線を見失いそうになる。シュールで哲学的で、何よりもユニークな傑作だ。
9点(2004-02-28 17:07:36)
220.  “アイデンティティー”
「観客の衝撃」を求め続けて映画史の長い時間の中で作られてきたサスペンス映画だが、数ある名作サスペンス映画が生み出され、人々を驚愕させ、それでもなお今作のように新たな衝撃を観客に与えることを可能にする人間の思考の想像力に感嘆せずにはいられない。「アイデンティティ」というシンプルでストレートなタイトルに今作の強かさと自信を感じる。脚本、映像、展開力、キャスティングが合致した極めて秀逸な心理サスペンス映画の誕生だ。
9点(2004-02-25 17:50:59)(良:1票)
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