241. サイコ(1960)
《ネタバレ》 こないだ、再度DVDで観てみたが、やっぱり面白い。 変更前に書いた、私立探偵アーボガストが階段を登るときの緊迫感溢れる映し方や、サングラスの警官のドアップ、最後の地下室で照明を揺らすことによって骸骨に陰を持たせて不気味さを増幅させていたりという映像の超絶テクニックを再確認し大満足であったが、今回の再鑑賞では、脚本の技巧さも随所に感じられた。 脚本を作る際に工夫したと思われるポイントは“母親が実在することを如何に信じ込ませるか”という事だと推測できるのだが、私立探偵アーボガストはノーマンとの会話で、マリオンがノーマンの母親と会ったという事は一切出てきていないにもかかわらず、ライラとの電話では母親と会ったという彼なりの推理を展開しており、これがあたかも母親が実在しているかのような錯覚に観客を陥れることに成功している。また、ライラの「相手は病気の老人よ」や、サムの「事の次第は母親が知っているか」など、真相が明らかになる直前までこんな台詞が出てきており、保安官夫婦の証言など簡単に吹き飛んでしまうほど上手く誘導されるのだ。 他にも、多くの方々が書いてらっしゃるので言うまでもないが、4万ドルを持っての逃走から主人公が入れ替わり、連続殺人へと展開するストーリーの組み方や、バーナード・ハーマンの耳を引き裂くような音楽など、クラシック映画の醍醐味を存分に堪能できる一本である。文句ナシの10点! [DVD(字幕)] 10点(2004-06-04 14:38:12)(良:2票) |
242. サイコ3/怨霊の囁き
《ネタバレ》 サイコ・サイコ2・サイコ3と見ましたが、だんだんつまらなくなっていくような気がします。やっぱ、人形を使っちゃイカンでしょ。さめます。別に、最初に鳥を殺さなくてもよかったんじゃないの?残酷だよ。鳥は本物で人は偽物かよ。何回かあった殺人シーンも、見る側に恐怖を与えようとする感じがイヤというほど伝わってくるが、初代サイコのようなキレイな(?)殺人シーンではない。ただ、グロいだけ。 5点(2004-06-04 14:07:32) |
243. 羊たちの沈没
《ネタバレ》 羊たちの沈黙のパロディのはずなのにサイコがメインになってるところがダメ。笑える場面はいくつかあったけど、大爆笑するほどの場面はひとつもなかった。いや、「F・B・ア~~~~~~~~イ」のところはウケたかな。最後のどんでん返しのところ(自分の顔の特殊メイクを剥いでいくところ)は、まあ、評価に値する…かも。ちなみに、この映画でマーティン・バルサムは“探偵バルサム”役で出ています。おい!自分の名前をそのまま使うか普通・・・? 4点(2004-06-04 12:46:00) |
244. ロープ
《ネタバレ》 「確かに面白いことは面白いけど、ナンバーワンに挙げられるかと言えば、答えはノーだ。」この映画を見た人のほとんどがこんな感じの意見だと思う。けど、自分にとっては間違いなくナンバーワンの映画だ。この映画全体に流れる微妙なコメディ感・独特の緊張感がたまらなく気に入ってしまったのだ。死体がある場所を先に知らせる意義についてだが、先に知らせることによってこそこの映画の面白さが成り立つのである。これは間違いなくそう断言できる。死体を先に見せ、その隠し場所を観客に見せることにより、あたかも我々があのパーティ会場の壁の隙間からこっそりと覗き見をしているかのような錯覚を持たされてしまうのである。さらに言えば、先に死体の置き場所を知らせることによって、その後の登場人物同士の会話の全てが意味のある会話になってくるのだ。 そのおかげでこの映画には中弛みのポイントが全く存在せず、終始一貫して緊張感を醸し出すことに成功している。この映画が素晴らしいのは極端な長回しによる緊張感溢れる撮影方法よりもワンシーンで全てストーリーが進んでいくシナリオよりも何よりも脚本が優れているからなのだ。つまり、この映画の面白さはパーティに招かれた人たちが犯人たちの愚業を如何に暴くかなどということではなく、パーティに招かれた人たちの決して故意的ではない(←ここがポイント)何気ない言葉によってフィリップが心理的に追い詰められて顔が青ざめていくところ、そして、ブラントンが幾多ものピンチを機転を利かせて巧妙に難逃れをするところにあるのだ。従って、この映画では登場人物の誰かに感情移入をしてしまうと全く面白みのない映画となってしまうので、登場人物たちと一定の距離をおいて客観的に見るべきである。また、可能な限りカット割を入れず(背中にカメラを近づけてカットするところはともかく、会話の間でカットを入れるところは凄くナチュラルでいい!)長回しで撮ることによって現場の緊張感を高め、さらに、背景を時間の進行とリンクさせているところも注目である。 「ハリーの災難」でもそうだが、人間の死というものをここまでコメディタッチに描くことのできるヒッチコックにはただただ舌を巻くばかりである。 10点(2004-06-03 18:59:34)(良:3票) |
245. ブレア・ウィッチ・プロジェクト
まぁ、そこそこ面白かったと思う。終わり方が良くないと言えば良くないが、いかにもノンフィクションらしくていいと思う。けっこう緊張ししながら見てた。 6点(2004-06-03 17:40:08) |
246. レッド・アフガン
《ネタバレ》 期待度激高で見たが、はっきり言って期待ハズレだった。駄作ではないが傑作でもない。 アフガニスタンのゲリラ兵に追われてるハズなのに全然緊迫感が感じられない。 最後、主人公が味方を殺さずに慈悲を乞うところなんかはちょっとありきたりのパターンのような感じがして、いまいち感動できない。隊長はともかく、カミンスキーとゴリコフの2人はどう見てもアメリカ人にしか見えない。もっとロシア系の顔をした俳優は他にいなかったのか。 動物が出てくるシーンがオープニングも含めいくつかあったが、あれはうまいと思った。場面場面にマッチした音楽も良い。 5点(2004-06-02 23:28:04) |
247. コンフィデンス
登場人物の顔が最後まで覚えられなかった。ストーリーもちょっと小難しいような気がする。 本当は5点だが、音楽がよかったので6点。 6点(2004-06-02 19:50:25) |