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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 542
性別 男性

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21.  東への道 《ネタバレ》 
145分ver.を観たのですが、所々で本筋とは関係ないようなシーンが混じっていたこともあり、少々長く感じられたと思います。 長尺フィルムなだけあって、全部が良い保存状態であるというわけにはいかず、欠損している箇所がいくつかあり、そこに静止画を挿入したりスポークンタイトルでそのシーンの説明文を挟むなどといった方法で欠損部分を埋め合わせていました。 ストーリー全体に関して言えば、お決まりとも言えるリリアン・ギッシュの悲恋もののお話ですが、リチャード・バーセルメスの好演も奏功して、後半のサスペンスの雰囲気などは特に見ごたえのあるものになっていたと思います。 「私は人の妻にはなれないの」と部屋に逃げ込み、愛を受け入れることが出来ずにいるリリアンの姿には胸を打たれましたし、またリリアンが突然現れた雇い主に家を出ていくよう迫られる場面で、リリアンが自身を捨てた男を睨みつける時、二人をワンフレームに収めたショットから彼女が鬼気迫る表情で真実を暴く姿を捉えたカメラが、特に目立った仕事をしているわけではないものの、ここは自分に対し強烈なインパクトを残しました。 ラスト、家を飛び出して流氷の上に崩れるリリアンと彼女を探し当て助けにいくバーセルメス、そして眼前に迫る滝。このトリプルショットのクロスもさすがグリフィスという感じで見事だったと思います。 最後の結婚式のシーンで、コミカルなシーンが入ってきてしまったのが玉にキズで、このラストの大事なシーンはジョン・フォードやムルナウの傑作に見劣りしてしまって残念でしたし、よく考えるとタイトルの「東」も解釈が難しいです。
[映画館(字幕)] 7点(2014-07-19 15:42:15)
22.  自由への闘い 《ネタバレ》 
ルノワール作品ということで期待して観ましたが、自分としてはストーリー的に面白いと感じるところが見つからない映画でした。 法廷で証言するシーンや最後に子供一人一人に語りかけながら講義をするシーンなど、それなりに見せ場はあるにはあったようですが、それらも含めて説教臭い印象がかなり強く、作られた当時の時代に即したある種のプロパガンダという位置づけで観るのが良いかと思います。 どこの国の話なのかといった時代背景も語られていなかったですし、爆弾を投げたポールという男の人物像も曖昧なままだったのでストーリーに関しては余り熱が入っていないように見えましたし、登場人物に台詞でメインテーマなるものを語らせる事ばかりが目立って感じられた気がします。 序盤で、防空壕に逃げ込むときの人の動きや、教室で先生に悪戯を仕掛ける子供たちの一連の動きなどの不自然さも気になってしまいましたし、場面と場面の繋ぎにも唐突さがあったり、電車の屋根に飛び乗ったポールを銃で撃つシーンでは撃つ側と撃たれる側の位置関係(というか、それ以前の問題)の描き方に稚拙さがあるお陰で全然緊迫感が出ていなかったりして、細部においても何かと不満点が山積する映画でした。
[映画館(字幕)] 5点(2014-04-19 23:48:05)
23.  北大西洋 《ネタバレ》 
ただの戦意高揚映画。 当然ながら、ストーリーも薄っぺらく、登場人物の掘り下げなども弱く感じられます。 まず、オープニングのボガートの登場の仕方からして主役のそれとは程遠く、この時点で自分の中ではほぼ駄作確定で、更にボガートが歌手の女に魅かれるという描写で、ボガートにズームインする露骨なカメラワークも失笑モノ。 洋上でのバトルは、迫力が出てそれなりに良かったと思いますが、映画の序盤や中盤などでも全部同様の規模で行われていたために映画全体で抑揚がついておらず、最後のワンプロットのみに抑えていた方が良かったのではと思いますし、抑揚といえば、船の中でトランプをしながら会話をするシーンでもテンポを出すことしか考えられていないような脚本で、こちらも耳障りな印象が残るばかりです。 敵の潜水艦内の会話の訳が出ないことからも、アメリカ側からの一方的な描写というのがアリアリと出ていて、ストーリーを構築しようとする意思が微塵も感じられませんでしたし、北大西洋のどのあたりの位置でどこに向かっているのかなどが示されていないという事も映画の希薄さの要因であったと思いました。
[映画館(字幕)] 4点(2014-04-12 13:36:29)
24.  汚名 《ネタバレ》 
前半では、何を描きたいのかわからないような緩慢とした話の流れに辟易としてしまい、テンポが悪い展開だなぁと全然ノレずにいたのですが、中盤あたりからのスリリングな描き方には、やはり“ヒッチコック”を感じました。 扉に映る人影でスリルを感じさせながら鍵を抜き取るシーンや、鍵を受け渡す時の手元のクローズアップ、パーティー会場でシャンパンの瓶が徐々に減っていく様など、ついつい見入ってしまうシーンばかりで、ここは良かったと思います。 また、テクニックが前面に出てしまうところはあるものの、映画全体を通して人物目線での主観ショットが多く用いられていたのも特徴で、一つ挙げるとすると、客人に毒入りコーヒーを飲ませまいと親子で声を揃えて言ってしまう瞬間などは目が覚めるような強烈なワンショットで、こういった演出はやはりさすがといった印象です。 しかし、前半辺りで、リオの景色が一望できる高台でのシーンになって突然キスしたりというシーンには唐突さを感じましたし、男女のロマンスの部分においてもあまり上手いと言えるような描き方が見られなかったように思えます。 最後も、映画のメインのストーリーがデヴリンとアリシアの物語なわけだから、最後にセバスチャンを画面に出して幕を引くというのも違和感アリアリな気がして、不満が残るラストだったと思いました。
[映画館(字幕)] 5点(2014-04-06 14:31:24)
25.  恋人泥棒 《ネタバレ》 
タイトルは原題邦題共にダメ。シナリオもまぁ、可もなく不可もなくといったところ。 それよりも、やはりアメリカのテクニカラーの映像が個人的にはあまり好きにはなれず、おまけに、意図を理解するのに苦労するようなカメラワークがこの映画の価値を下げてしまっているように思いました。 ズームインを多用していたのと、変に凝った映像を作ろうとしたのか、男が警部としてフェアチャイルド家に入った時に乾杯するシーンで物の陰から撮っていたり、二人で地下室に忍び込むシーンでも同様に“物陰ショット”をやっていたりして、視点が定まらないというか、かなり奇妙な撮り方をしていたのが勿体なかったと思いました。 また、音の使い方もあまりセンスが良いとは言えず、映像が切り替わるのと同時にBGMも途中で寸断される事が何度もあって音に対する無頓着さを感じさせられましたし、やはり何と言ってもクラウディア・カルディナーレの声が嗄れていたのが非常に残念なところでした。 しかし、しかーし、唯一にして最大の見どころは下着姿のクラウディア! 灼熱の地下室の中、服を脱ぎ捨てた彼女のスーパーボディーには目を釘付けにされてしまい、更に炭酸を浴びせられて身悶える抜群のサービスショットなんて、思わず身を乗り出して見てしまうほど!何であんな所に都合よく冷蔵庫が置いてあるのかはさておいて、ここはもう自分映画史上最大と呼ぶに相応しい超奇跡的なワンシーンです!!! この潜入シークエンスを何とか終盤に持ってこれるようにストーリーを組んで、最後に「ローマに、また宝石を一緒に戻しに行きましょ」で終わりにした方が良かったんじゃないかな?
[映画館(字幕)] 6点(2014-03-16 13:34:47)
26.  西部は俺に任せろ 《ネタバレ》 
監督のアルフレッド・L・ワーカーという人は全く初めて聞く名前で、それどころかこのレビューを書いている現在も本サイトで人物登録すらされていないほどの無名な存在。おまけに「Three Hours to Kill」を「西部は俺に任せろ」って邦題をつけた奴は何ちゅうテキトーな仕事してんだと思い(ラングの「復讐は~」を意識したとしてもこれはいただけない)全く期待せずに臨みましたが、意外や意外予想に反してこれが面白かったです。 冒頭で、水辺で休んでいるところに馬に乗ってやって来た二人と顔を合わすシーン。主人公のジムが銃をやや手前に動かすほんのわずかな動作で、彼がどんな人物なのか大まかに想像できる(少なくとも慕われている人物ではない)と思うのですが、こういった細やかなアクションに意味を持たすことが出来る人はそれだけで無条件で好きになってしまい、最初の5分で早くも鑑賞前の予想を良い意味で裏切ってくれるという期待感を持つことができたと思います。 また、床屋の入り口に立った時の窓に映った人影の描写だったり、後半、町の酒場でジムを待っていた4人の背後で不自然に扉が開いてジムが現れるのかと思いきや、一旦扉が閉まってアレっと思っているとカウンターから頭が出てきて4人を睨みつける登場の仕方などのような面白い演出にも唸らされます。 一方で、上映時間がやや短めになっていたのがどういう意図なのかはわかりませんが、その4人との会話で保安官ベンに疑惑が向く流れになった場面がやや急ぎ足で分かり辛いところがあったのと、牧場を経営するマイルズとの取っ組み合いも会話がやや中途半端で終わってしまっていたところに若干の描写不足な印象を感じました。 しかし、何と言っても最後の幕の下ろし方が実に良く、保安官をしっかりと始末してそれまで着せられていた濡れ衣を拭い取り、牧場一家も元の生活に戻れてハッピーエンドですし、そして、最後にジムが格好良く町を去って行く後ろ姿で完結かなぁと思っていると、後ろから女が後を追いかけてくれるというこれまた素敵なラストに不覚にも感動してしまいました。 近づきつつある馬上の二人をロングで捉えたこの最後のワンショットを見て、この人の作品は是非他にも観ておかねばと心に誓ったのでした。
[映画館(字幕)] 8点(2014-03-02 15:30:27)
27.  フルメタル・ジャケット 《ネタバレ》 
軽妙なBGMと共に頭を刈り上げるオープニングや最後のミッキーマウスマーチなど、この人の皮肉がかったジョークは自分には全く響いてこず、映画として面白いかどうかは言うまでもなく、またしてもキューブリックとの相性の悪さが出たように思いました。 映画の前半と後半で全く別の映画となってしまっており、どちらからも伝わってくるのは戦争という異常な世界による人間性の喪失であって、前半では前線に立った時に躊躇う事なく人を殺せるような殺人マシーンの製造過程の中、精神を崩壊させて脱落する者が出てくるほどの過酷な環境が丹念に描かれており、また後半では、苦しんでいる少女の息の根を止める時にふと出てしまうわずかな人間性が訓練よって形成された非人間性とぶつかり合う様を描いたところが最も大きなテーマと言えると思います。 前半部分で、タイトルの「Full Metal Jacket」がデブの訓練生が発狂した時の台詞で出てきましたが、この場面を一番のテーマと捉えているからこそこの映画のタイトルとなったと考えましたが、だったら何故、そのシーンのすぐ後で物語を分断してしまったのか、ここは大いに疑問を抱かずにはいられません。しかし、タイトルの意味を深く考察した他のレビューを拝見しますと、まぁ納得はできますが心に響くほどではないというのが正直な気持ちです。 後半部分は、スナイパーの少女が出てくるまでは単なる断片の寄せ集めという印象しかなく、ヘリからの銃乱射や新聞製作の会議や兵士のインタビューなど、どれも本題(少女と対峙する場面)に関係のないシーンやサブプロットばかりだったように思えました。 それよりも、この映画を観終わって自分が一番気にかけてしまうのが戦争が終わった後の事なのですが、前半に出てきたあのような軍曹は当時数多くいたと思われますが、あれはどう見ても“彼自身”であって教官の任務として罵っているとはとても思えず、もし戦争が終わり平和な日常に戻った時、暴言を吐くことなく“人間”らしく生きていくことが出来るのだろうか、また彼らの訓練を受けて非情さを植え付けられた人間はその数十倍におよぶはずで、彼らもまた戦争時の非人間だった自分自身をリセットし切り替え、再び心を持って生きていくことが果たして出来るのだろうかと、心配せずにはいられません。 ベトナム戦争が終わりPTSDで苦しむ人が数多くいたというのも、この映画を観れば分かる気がしました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-03-01 19:18:22)
28.  オズの魔法使 《ネタバレ》 
テーマソングの「Over the Rainbow」と、竜巻が過ぎ去ってドアを開けてみるとそれまでのモノクロ映像から色鮮やかなカラーの世界が広がっていた、という所までは良かったと思います。 ストーリーが全体的に行き当たりばったりの安っぽさがあり、HDDで録画しておいたものを見返してみるとそのような箇所は数えきれないくらいに多く、とてもこのレビューで挙げていられないほどあったように思えます。 緑の城へ向かうのは、それぞれが自分に欠けているものを得るための旅でしたが、いざ大魔法使いに会ってみると実は自身の奥底に元々持っていたものだった、というのがこの映画のテーマだったようですが、この辺りの話で自分に響くものがなかったのが楽しめなかった要因のような気がします。 しかし、自分が飼っている動物と二人三脚で困難を乗り越えるという物語は何か普遍的な感じがあって好きですし、良い魔女の登場シーンでシャボン玉が出てくるところなどの特撮映像は今見てもどうやって作ったのか分からないほど良く出来ていていると思いました。 それと、最後で再び家に帰ることが出来ましたが、ここは別にまたモノクロ画面に戻らずにカラーのままでいても良かったんじゃないかな?
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-02-23 11:32:27)
29.  ロイ・ビーン 《ネタバレ》 
酷評するコメントが一つも見当たらない中で勇気をもって言わせて頂きますと、自分にとってはこの映画は典型的な駄作。 冒頭から熊のように肥えた体を見せられた時点で、「ウワッ!イヤな予感!」と思い、立て続けに銃の乱発シーンも見せられれば、「はいこの映画、終了~」となってしまうわけなのであります。 こんなしょーもない映画を最後まで見た自分を褒めてあげたいと思う中で、読み取ったストーリーはというと、元々あった町には無法者が住み着いていて、そこにロイ・ビーンがやって来る。銃をブッ放して一網打尽にしたところで何処からともなくアンソニー・パーキンスが登場し、死者を弔って早々と退散(「その後、自分は死んだ」というモノローグでしたが、どこから語ってんだ?)。 熊を連れた男が現れ、熊を引き取って共に暮らすという展開になりますが、簡単に人を殺してしまうこれまでの流れを踏むと、熊だって同様に映画の最後までは生き延びることはできないだろうという事は容易に想像がつくわけで、元々の飼い主よりは画面に映る時間は長かったもののやはり大した役割やメタファーも与えられることのないまま死亡(死んだ時の血糊のリアリティのなさは失笑モノ)。 更に話は進み、白髪の殺し屋もさんざん叫び狂った挙句背後から撃たれて瞬殺だし(ここは笑うところ)、この土地は自分のものだと主張する弁護士もロイ・ビーンに軽くあしらわれ、ストーリーにおいての存在意義は熊にすら及ばずこちらも即終了という有様。これだけの脇役が町に現れては消えてゆくという展開の上、終盤の銃乱射に続く大迫力(笑)の町の炎上シーンの後に映画は完結・・・ともなれば、タイトル通り主人公ロイ・ビーンの物語と言うよりも、むしろ舞台となったこの町の沿革物語としたほうが良いような気もしてきます。 最後の手紙の内容も、まぁ、何となくお涙頂戴っぽい感じでフィニッシュに漕ぎ着けてはいますが、それまでのハチャメチャ感との落差には唖然とするしかなく、感動とはまた違った涙が出てきそうになりました。(て言うか、あれだけの大炎上で何で六法も手紙もポスターも焼けずに残ってんだ?)
[映画館(字幕)] 4点(2014-02-12 00:25:00)
30.  泥棒成金 《ネタバレ》 
ストーリーは、繋がってはいるけども面白さという点においてはまずまずといった所でしょうか。 それよりも、フランセスを演じるグレース・ケリーの登場シーンに物申したい。 まず登場するまでが長く、だいぶ焦らされた後にやっと出てきたと思ったら母親のオマケのような人物設定に見えてしまっていることに失望させられてしまいました。 母親と一緒だから自然と必要以上に若々しさが前面に出てしまうだけでなく、主演女優らしく煌びやかに撮ろうとするカメラワークが見られることもないため、ここはちょっといただけないと思います。 しばらくして彼女が別れ際にキスをするシーンでようやく存在感が出てきた印象ですが、いきなりの唐突な行動にも辟易してしまい、やはり「裏窓」を観た事のある自分としてはここの一連の登場シーンはかなり微妙な所です。 また、男二人が市場の中を逃走しているとき、大量の花の中に飛び込んで花屋のおばちゃんにメチャクチャに怒られる場面がありますが、コメディなら良いシーンになりそうなところ、こういったシリアスな場面で見るとなると変な風に見えてしまうのは、やはり作り手のセンスの問題という気がします。 ビーチで懸垂をする怪しげな男も肩透かしに終わったし、花火とキスシーンのクロスもかえって興醒めな演出。最後も最後で、主犯が分かっても姿を現さないまま幕を下ろしてしまうシナリオも不備があると言えるでしょう。
[映画館(字幕)] 5点(2014-02-09 12:01:57)
31.  でっかく生きる 《ネタバレ》 
まぁ、ミュージカル映画なのでストーリーの深みという点においてはそれほどではなく、素直に楽しんで観ることができると思います。 一つ一つのダンスシーンは、若干長ったらしくてクドい感じはするものの4つのダンスシーンは全て良く、1つ目の戦時中の酒場でのダンスは、嘘偽りのない本物の愛という感じがあり紆余曲折はあるにしろ最後はきっとハッピーエンドで終わってくれるんだろうなという予感を感じさせますし、犬と一緒に踊るシーンではワンちゃんの可愛らしさとお行儀の良さが見どころのほんわかとさせられるシーンです。 特に、最後の子供と遊びながら屋根の梁まで上がって踊るシーンはこの映画一番の注目ポイントで、子供目線での下からのアングルや、子供たちを背景にした上からの撮影で梁を使って体操選手のように踊る姿を捉えたりするなど、多角的に躍動感いっぱいに撮られているところに終盤のクライマックスらしい華やかさを感じました。 アステアは、どの作品を見ても同じようなダンスでそろそろ見飽きてきたところなんですが、ジーン・ケリーは彼の持っている引き出しが多いようで、飽きが来ない気がします。 この監督の作品を観るのは2作目なのですが、脚本が予想通りしっかりしていて良かったですし、ラストで、ワンちゃんが部屋を追い出される時に一度顔を出してから去っていくという一コマを見るに、彼が演出家としても良い仕事をしているなぁという印象を受けました。
[映画館(字幕)] 7点(2014-02-02 13:54:18)
32.  笑う男(1928) 《ネタバレ》 
自分が観た限りでの話になってしまいますが、1920年代から30年代前半辺りの映画って手足がないなどの障害を持った人がスクリーンに出てくることが他の年代よりも多い気がするのですが、そういった人が生み出す狂気というのが妙に怖く、本作で言えば主人公の表情が奪われたという設定が単なる恐怖以上の何かが宿っているような印象さえ感じます。 また“盲目のヒロインが出る映画にハズレなし”は、自分で考え出した法則なんですけど(笑)、この映画のヒロイン、ギイの健気にギンプレーンを愛する姿が丹念に描かれている一面も兼ね備えていたりと、恐怖ありメロドラマありの非常に特色のある作品だと思いました。 言うまでもなく、本作の見どころは主人公ギンプレーンを演じるコンラート・ファイトの作られた笑いの表情で、どのシーンのどの表情を見ても口角の位置に寸分の狂いも感じさせないほどの正確さを保っているのも凄いですし、映画の後半になるとギンプレーンが宮廷に呼ばれ、着ている服装もその場に沿ったものになるのですが、道化師の衣装の時よりもかえって表情に凄味が増したように見えてしまったりして、ここは独特な雰囲気を醸し出しているように思えます。 弁士の澤登翠さんも「ヴィクトル・ユゴーらしい」と仰っていたように、文芸作品らしい風格を随所に感じましたし、また狼のオモー君も割と控え目なポジションではありますが、最後も敵将の喉元に噛みついて海に沈め、しっかりと自力で泳いで船に戻ってきて船のクルーに引っ張り上げられていたり(ここのショットをしっかりと見せるのがポイント)といった名脇役振りを発揮しているのも楽しいですし、いろいろと見どころが多い映画だと思いました。
[映画館(吹替)] 7点(2014-02-01 01:14:51)
33.  四人の息子 《ネタバレ》 
それにしても、何とハートウォーミングな映画だろうと、観終わってからの充実感は比類ないほどで、序盤の家族5人揃っての食事のシーンや、極めつけのラストなんかはもう、どんな言葉を使って表現すれば良いのかと書きあぐねてしまいます。 まぁ、さすがに息子全員がハッピーという訳にはいかず、4人のうちの3人が戦死してしまうという暗い物語ではある中で、訃報の手紙を渡しに来た郵便屋の後に犬が足元を追いかけて来ていたり、受け取った母親も奥の部屋で悲しみに暮れるところでは窓から光が差し込んでいたりして、辛い場面でありながらも完全にはそうはならずに描いているところに暖かみを感じる事が出来ました。 終盤で、母が国を出てからが多少の中弛みが出てしまいましたが、これも当時のアメリカの社会を描いていたと捉えれば良いシークエンスであると言えるでしょう。 また、自分が今まで観てきたジョン・フォードの映画では感じることのなかったカメラワークのバリエーションの多さも本作の魅力の一つなのですが、オープニングで郵便屋の歩く姿を背後から捉えるショットや、アメリカ兵として出兵したヨゼフが最前線を進むシーンでも無駄にカメラが揺れることなく上手く撮られているところなんかも丁寧な移動撮影が見られますし、前半辺りで息子二人が乗った汽車が動き出すシーンでは汽車の方にカメラを据えた撮影で挑んでいたり、ブランコの回想シーンでも同様な事が行われていて(これはたぶん背景と人物の合成)工夫が感じられて面白いと思いました。 その一方で、徴兵された兵士たちがゾロゾロと出兵するシーンを母親が家先から見つめるシーンなどのいくつかの場面においては、家と母親を左側に据えての決まった位置からのフィックスで撮られており、“ホーム”である事を印象付けるような意図が感じられると思います。 そしてこのレビューの最初に述べましたが、ラスト、孫を抱く母親の神々しさがこの映画の最も美しく、格別であり、スペシャルな場面(言葉が見つからない…汗汗)でしょう。 あの、母親の顔を照らす光の当て方がもう超絶的に素晴らしいとしか言いようがなく、ここは本当にプロフェッショナルとしての力量をまざまざと見せつけられるようなワンシーンでした。
[映画館(字幕)] 7点(2014-01-25 22:35:03)
34.  そして誰もいなくなった(1945) 《ネタバレ》 
原作を未読どころか、タイトルすら初めて聞くくらいの予備知識パーフェクトゼロの状態で観ました。 メインのストーリーは、アイディア一発で撮られただけのごくチンケなもので、登場人物それぞれが皆、過去の罪を語る場面が一応用意されてはいるものの、10人もの顔と職業と話の内容を把握し、その上で誰が犯人かを推理するなんていう芸当は到底出来るわけもなく、また、どのような経緯で集められて船に乗り込んだのかという事や、島に関する情報、更には一人一人と死んでいった際に死んでいる事をしっかりと確認しないまま話が進んでいくところを見ると、実はネコが犯人でしたテヘペロというオチだったら面白いんだけどなぁとかいうアホな推理をしていた自分のようにユル~く眺める感じで鑑賞するのがベターなのではと思います。 クレールの映画では音の使い方に注目するようにしていて、また明かりが消えた闇のシーンではどの監督に限らず微妙な照明テクに注視しているのですが、そのどちらに関しても特に目を引く耳を引くようなシーンはなく、本当にアイディア一発の映画という以上の何かは感じ取ることはできませんでした。 しかし、鍵穴を覗いている人を他の人が覗き、その人をまた別の人が・・・という演出は段々とテンポが出てきて楽しいですし、最後の方で女が一人部屋に戻ってきた時に犯人が姿を現す時の、最初のうちは首から上を見せない演出なんかは面白いと思いました。 最後、カップルが仲良くハッピーエンドを迎えたと思いきや、11人目が出てきて最後のオチを奪うというのも爽快感が感じられ、上手くまとめてくれて良かったです。
[映画館(字幕)] 7点(2014-01-17 23:47:52)(良:1票)
35.  青髭八人目の妻 《ネタバレ》 
離婚をテーマにした映画はルビッチをもってしてもやはり難しかったというのが観終わってからの結論で、更に金が絡んで余計に増長してしまっているのも拙かったのではないかと思います。 おまけに物語に一貫性がなく、と言うかヒロインがダンナにくっついたり離れたりの心変わりに振り回される展開にも辟易するし、主人公の結婚観もコメディとしてみたとしても馬鹿げているとしか思えず、冒頭でパジャマを上下別に買おうとするケチな態度からしても、とてもじゃないが好意が湧いてこない始まり方で、期待感もないまま惰性で観ていたような感じでした。 それよりも、冒頭のパジャマの件で店員が社長に伺いを立てるシーンで、社長がパジャマの上半身だけ着た姿にもかかわらず、許可を出さないというのが全く意味不明。 他のシーンでも出て来たような軽快なテンポで「バラ売りOK!」と言っちゃえば何の問題もなくコメディが成立しちゃうのにそうしなかったのは、ヒロインが登場するきっかけを作るためだと思われますが、それならば伺いを立てるシーンをまるごとカットして店員との交渉の途中でヒロインを登場させた方が良いし、更にこの無駄なシーンのお陰で、その後でホテルの一室に居座る男のパジャマのズボンはどうなっているんだろうと思わせるきっかけを作ることになってしまい、せっかくストライプのズボンで出て来たのに2回目のズボンネタということでギャグのインパクトが弱くなってしまっている事に非常に勿体無く感じてしまいました。 また、ダンナをハメようとボクサーを雇い、間違えて元カレを殴り倒してしまった後の展開に一瞬期待したものの面白い展開にはならなかったし、犬の真似をするネタや本を読んで夫人の部屋に殴り込みに行くネタ、最後の「何でもない」×2など、単発ネタが多かったのも一貫性が感じられない要因だったのかもしれません。
[映画館(字幕)] 5点(2014-01-11 21:23:00)(良:1票)
36.  バシュフル盆地のブロンド美人 《ネタバレ》 
「盆地」というタイトルからして、平原でじゃじゃ馬を乗り回してドンパチやるシーンを想像していましたが、観てみると意外とスケールが小さく拍子抜けしてしまった気がします。 ストーリー全体では、結構テキトーな感じが見受けられ、過程や動機が見えにくい部分があったり、トントン拍子で事が進み過ぎる所があったりと、物語に関しては少々軽い所が見えてしまい、あまり深く印象に残るものはなかったように思いました。 冒頭、射撃を教える爺さんから画面が切り替わると撃っていたのはなんと可愛らしい小さな女の子というオープニングと、インディアンの真似をした二人組を教室に残して彼らをビビらすシーンの二つが一番好きシーンです。
[映画館(字幕)] 6点(2014-01-07 21:41:44)
37.  ヒズ・ガール・フライデー 《ネタバレ》 
ゴダールの某映画の中でこの映画のタイトルが出てきた事があるので、これは観ておかなくてはという義務感のみで観ました。 ケリー・グラント扮するウォルターとかいう男は、自分が観た映画の中で3本の指に入るほどの嫌悪感を覚える男。しつこい。自分中心。元妻が戻らないと分かった瞬間に暴言を吐く。女をハメて、やりつやられつでコメディが1本撮れるにもかかわらず、矛先を婚約者の男の方に向けてしまうというシナリオの粗悪さも相俟って最低の人物像に仕上がってしまっているのが可哀想に思えてきます。 また、婚約者を捨てその男についていくヒルディとかいう女も同様。一時の気分で相手を交換するヒロイン像を作り上げた製作者達には映画を作るなと言いたい(もういないだろうけど)。 ワイルダー同様“脚本の映画”には嫌気が差すが、この映画はそれ以前の問題。 一応コメディなので面白い部分を探すと、ごくたまに一部の場面や会話で笑える部分というのは確かにある。実際に笑いもした。 台本の厚さを競っているとは思いたくはないですが、これほどの量をバラ撒けば数撃ちゃ当たるのも当然。
[映画館(字幕)] 3点(2014-01-06 01:09:34)
38.  キートンの隣同志 《ネタバレ》 
壁に空いた穴を通して手紙を渡しているから、てっきりお互いに会う事が許されないカップルなのかと思いきや、後ろにはちゃんと扉があったりするところで笑ってしまいました。 ロープにぶら下がって隣の家の中に入り込むっていうネタは、隣り合った空間を効果的にギャグに生かすという、これこそがまさにキートンのお家芸!キートンの本領発揮!と言える必殺技でしょう。 しかし、自分が言うまでもなく本作の最大の見どころは3人肩車じゃなかった、3人立車であります。 もはや、サーカス団員もビックリのウルトラ曲芸! 凄いのはキートンだけじゃなかった。脇役やキートンに担がれるヒロインまでもが超人級の活躍をしている事に驚かされます。 練習でヒロインが何度落ちただろうかと想像するだけで彼らの映画作りに対する熱意と並々ならぬ苦労が伺えるというものです。
[映画館(字幕)] 7点(2014-01-05 02:28:16)
39.  キートンの化物屋敷 《ネタバレ》 
確かに、前半の銀行ネタは面白くないのですが、お化け屋敷に入ってからが真骨頂。 階段が一瞬で滑り台に変化するネタをはじめ、椅子に座ったら肘掛けに抱きしめられたりする人間椅子ネタや、バラバラになった人間を足から組み立てていって頭をのせると人間となって動き出すシーン、二人のガイコツコンビが女の人からラリアットを食らうシーンなんてそれだけで十分笑えるし、彼女がどこから湧いてきたのかも意味不明で尚更面白いです。 ギャグの寄せ集めのような雰囲気もあって、ラストでどう落としてフィニッシュに持っていくかという所でちょっと苦労が垣間見れますが、一つ一つのギャグがどれも面白いものばかりでしたので自分にとっては好きな作品の一つです。
[映画館(字幕)] 7点(2014-01-05 02:01:25)
40.  幌馬車(1950) 《ネタバレ》 
ストーリーを考えると、まぁやむを得ない所ではあるのですが、馬の疾走するシーンが余りにも少なかったのがちょっと残念ではあります。 そういった楽しみにしていたシーンがない中でも、平穏で長閑な移動風景とその一方で何か良からぬことが起きるのではないかという緊迫感が充満した停泊時との対比が、西へ向かって進むたび、馬を休めるたびに幾度となく繰り返されるのが印象に残りました(ついでに、仲間内での賑やかなダンスシーンと足音のみのマホバ族のそれも対比が出ていて面白い)。 序盤の、馬の売値の話からモルモン教徒一行と仲間になるまでのくだりも若干繋ぎの弱さを感じますし、旅芸人の若い女を絡めた恋物語も希薄な印象ですし、角笛のおばさんに至っては角笛を吹くシーンでもマホバ族とのダンスのシーンでも全く台詞が与えられていなかったところを見るに、やはり傑作と呼ぶには難があると思います。 しかし、肩を怪我した盗賊の親玉が最後まで根っからの悪党でしっかりと息の根を止めてくれた所なんかは爽快感がありましたし、銃を撃ち合うアクションの一瞬のタイミングにもこだわって撮られていたのは、やはりジョン・フォードの仕事でしょう。
[映画館(字幕)] 6点(2014-01-04 23:07:15)
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