641. エンジェル&インセクト 背徳の館
昆虫学者と屋敷のお嬢様の地味系恋愛譚・・・らしいのですが、ほとんどは何も前に進まないようなやりとりを延々と繰り返しているばかりで、制作者は何がしたかったのかが分かりません。お嬢様役にパッツィというのも、いろいろな意味で違うような気がするし、K・S・トーマスは全然目立たないし、マーク・ライランスもこの頃は棒読み演技だったというのにびっくりだし、役者方面にも見るべきところなし。 [DVD(字幕)] 3点(2019-11-16 22:31:46) |
642. マイ・ファニー・レディ
《ネタバレ》 若手女優がインタビューを受けて過去を回想する、という何気ない出だしから、するすると話がどこまでも進んでいく。かなりのハイペースで展開しつつ、出てくる人はどれもこれもアホばっかり。最初はまともそうな人も、やっぱりアホ。という、ボグダノヴィッチの名前からはにわかに信じがたいような作りなのですが、ウッディ・アレンっぽくもありながら、さらにこれは製作で出てきているウェス・アンダーソンの色ではないでしょうか。で、脚本はなかなか周到で、上げ下げや押し引きのバランスも整っているのですが、ここぞとばかりにみんなが自然と集結していながら、そこで思ったほど何も起こらない(しかもそういうくだりが3回くらいある)というのは、ちょっと物足りない感じでした。あの辺はもっと引っ張ったりぶつけたりしてもよかったんじゃない? [DVD(字幕)] 6点(2019-11-14 02:35:09)(良:1票) |
643. すばらしき映画音楽たち
約90分しかないのがもったいない、とてつもなく気合と情熱がこもったドキュメンタリーです。特徴はまず、誰もが知っている昔のあの作品からごく最近の作品まで、幅広い年代にわたって追っていること。また、「映画そのものとの適合性の検討」「実際の演奏」「その後のミックス」など、制作の段階をきちんと追っていること。何気なく耳にしている映画音楽って、これほど手間ひまがかかっているんですね、と実感できるだけでも意義がある。作中で出てくる映画がことごとく1シーンだけで「あ、あれ」と分かってしまうのも(よくこれだけ使用許可取れたなあ)、映画の歴史を裏から支えてきたのが映画音楽であることの1つの実証となっている。 [DVD(字幕)] 7点(2019-11-13 00:47:41) |
644. トイ・ストーリー2
とにかく、みんなが喋りすぎ、動きすぎで、むしろそれを目的として作品を作っているのかということを疑わざるをえない。いくらCG技術が優れていても、それを用いて物語として何がしたいのかが定まっていなければ、面白くはないのです。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2019-11-06 23:50:16) |
645. アダムス・ファミリー2
《ネタバレ》 前作に比べると、「人の良さそうなシッターが実は」とか、「サマーキャンプが家族を分断させる恐怖」とか、身近なところでの危機にシフトしているのが良い。とりわけ、人口スマイル満面のキャンプ指導者を、財産目当ての連続殺人鬼と対等に位置させているセンスはなかなかのもの。ただ、全体としては、露悪的に狙っている部分が狙いすぎなのが見えてしまって、ストレートに面白いとは言いがたいのだな。●あと、前作のテーマ曲だったハマー"Addams Groove"よりも今作のテーマ曲のTag Team"Addams Family (Whoomp!)"の方がはるかに格好良いという点は特記しておきたい。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-11-06 01:02:22) |
646. 遠すぎた橋
画面一杯の落下傘軍団とか、贅沢に登場する戦車の行列とか、力が入っていることは分かります。しかし、結局、すべてのシーンがブツ切りであって、タメもなければつながりもないので、いくら力ばかり込めても、あるいは豪華キャストを固めても、感興が起こらないのです。あとやっぱり、こういう作品には、的確なナレーションがいるんじゃないかな・・・。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-11-05 00:20:29)(良:1票) |
647. セルラー
危機の振り方にしてもその解決の仕方にしてもものすごく単純で、何か目新しいことをしているわけではないのですが、手がかりが偶然つながった回線のみという設定をフルに活用し、ほかの次元の問題に色目を使わないところが誠実で良い。それにしても、ひたすら泣き顔で座っているだけなのに何とも言えん色気を感じさせるキム・ベイシンガーはやはり凄い。以前の大女優然としていた頃よりも好感度アップです。 [DVD(字幕)] 7点(2019-11-04 17:35:58)(良:1票) |
648. トイ・ストーリー
終始画面も台詞も目まぐるしすぎて、見ていてまったく落ち着かない。せっかく単純明快な内容なはずなのに、もったいない。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2019-11-04 02:53:20) |
649. ダンス・ウィズ・ウルブズ
突っ込みたいところはいろいろあるが、ホワイトアメリカンをきちんと侵略者として表現した点は素直に評価したい(主人公の存在自体が免罪符的ではあるが)。しかし、あのラストはいくらなんでも中途半端では? [ビデオ(字幕)] 6点(2019-10-30 00:31:45) |
650. ナチュラルウーマン
《ネタバレ》 主人公のトランスジェンダーという設定に溺れることなく、周囲の人物たちの素朴な反応、そしてその空気感のようなものまで、じわじわと生々しく描き出している。主人公は自分の内面をことさら説明することもしないし、突然超人的に活躍することもない。何かをいつもきっぱり言えるわけでもなく、理不尽さに押し切られることもある。しかし、共通しているのは、常にまっすぐ前を向く視線、そして力強い足取りの歩調。だからこそ、心にすっと染み入るものになっている。もっとも、物語としては、最後はファンタジーっぽい感じで火葬に到達するとか、歌に活路を見いだしてめでたしめでたしみたいな感じになるというのは、着地点としては少しずれた方向に落ちた気がする。 [DVD(字幕)] 6点(2019-10-27 23:42:48) |
651. ゲット・アウト
《ネタバレ》 伏線いろいろの展開も面白いんだけど、それを成り立たせているのは、アーミテージ家を取り巻く不協和音的な不穏な空気感がきちんと丁寧に表現されているからなのです。だから、強引なオチでも納得させられてしまいます。そういえば、ジョージーナにしてもウォルターにしても、別に「メイド」とか「庭師」とか「使用人」とは紹介されていないんだよな。●難点は、母親役にキャサリン・キーナーを充ててしまったこと。いや、この人がこんな役をやってしまうと、あまりにもはまりすぎてて、かえって分かりやすいのです。笑顔で座っているだけでボスキャラ感満載です。それだけ、普通の温厚な家族の裏に潜む恐怖みたいな裏返しの部分が弱くなってしまっています。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-10-27 18:43:47)(良:1票) |
652. ビッグケーヒル
保安官のジョン・ウェインが、きちんと育っていない2人の息子を何とかする・・・のがテーマっぽいんですが、これが見事に機能していない。だって、結局最後まで、ウェインは特に父親として何かしたってわけではないからなあ。大体、長男があの「おもいでの夏」の変態欲情少年ゲイリー・グライムスという時点で、違和感ありありです。また、敵の悪ボスのジョージ・ケネディも、ところどころでいい人っぽい側面を見せつけており、それがちょっと捻ったつもりなのかもしれませんが、結局それだけで終わっており、どこにも着地していません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2019-10-26 19:28:34) |
653. アダムス・ファミリー(1991)
ギミックに凝りすぎて、肝心の「骨」が存在しない。よって、いくらそれっぽくネタをちりばめても、ネタとして機能しないのです。コサックダンスシーンに3点。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2019-10-24 02:00:03) |
654. エスケープ・フロム・L.A.
《ネタバレ》 何かもう、最初の超都合の良いナレーションだけで、もう見えてくるわけですよ。そして本編突入後は、どこまでも、全力で作り出したB級感まる出しです。突然意味もなく出てくるバスケットにもサーフィンにもグライダーにも、制作側には何の迷いもありません。大統領娘との関係がちっともいい感じにならないのも、作品の一貫性を高めています。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-10-22 00:47:27)(良:1票) |
655. 地獄に堕ちた野郎ども
すでにモーターヘッド(レミー)を対象とする優れたドキュメンタリー「極悪レミー」を制作しているウェス・オーショスキー監督が、今度は三大パンク・バンドの1つ、ザ・ダムドを対象として作ったドキュメンタリーです。前作同様、撮り方1つにもインタビュー1つにも監督の愛情があふれ出ているのですが、今回特徴的なのは、音楽的部分もさることながら、メンバーの集散の人事関係に異様に力点が入っているという点です。というか、後半は、いついつは何でくっついた、いつのときは何でまた別れた、とかそういう話がやたら出てきます。つまり、全体的なバランスという点ではちょっと変ですし、音楽の話はもっと聞きたかったと思うのですが、そんなところも、とにかく訊きたいことを訊き、それがまとまったら即発表、という監督の純粋な1ファン的スタンスが感じられて、実に好ましい。この監督には、今後もこうしてロック・ドキュメントを作り続けてほしいものです。次は、2010年代に入って劇的に復活した、エンジェル・ウィッチとかセイタンあたり、どう? [DVD(字幕)] 7点(2019-10-21 00:50:31) |
656. 荒野のストレンジャー
《ネタバレ》 見ていたときは、「何じゃこの陰気でじめじめした雰囲気は。これでもウエスタンか」などと思っていたのですが、よく思い返すと、荒野、馬小屋、鞭打ち、喉を棒で刺される男、3人組の来訪者など、キリスト教アイテムのオンパレードなのですよ。加えて、もっともらしく登場する牧師は、作中でまったく活躍の場面のないひどい扱いです。つまり、ストーリー上さしたる意味もなく街全体を真っ赤な「HELL」に強引に変えてしまう主人公は、イーストウッドの「俺様は神よりも上に立つのだ」という勝利宣言なのかな、ということも考えたりします。作品としては、主人公以外のキャラが弱すぎるのが難点。 [DVD(字幕)] 7点(2019-10-18 01:02:33) |
657. マイ・ブルー・ヘブン
それほど期待もしていなかったのですが、よくまとまったコメディで意外と面白かったです。各場面の設定もテンポも良く、ほとんど退屈せずに見られました。文字表記のストーリー説明だけが余計だったかな。あんなものがなくても客は普通に理解できるのに。 [DVD(字幕)] 7点(2019-10-15 02:02:48) |
658. 遥かなる大地へ
ヒロインの頭の悪さと失礼さに腹が立って、何であのような展開になるのかまったく理解できませんでした。大体、彼らが必死で得ようとした「土地」なんてのも、元は先住民の土地だったのを勝手に略奪しているにすぎないのではないですか?というわけで作品の根本というかスタートは何だかどうしようもないのですが、ロン・ハワードならではの語り口の滑らかさと、無駄に凝ったカメラや美術のせいで、そこそこまともに見られてしまうので困る。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2019-10-14 00:19:33) |
659. カーリー・スー
特に期待せずに見たのですが、笑いと涙と人情がうまくブレンドされていて、予想外に楽しく見ることができました。子役の演技の上手さは驚異的ですし、ケリー・リンチも頑張っています。タイトルを日本語表記するとちょっとマヌケなのが難点ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2019-10-13 03:11:14) |
660. ファイヤーフォックス
やっぱりイーストウッドって、演出側としても役者側としても、こういうまっとうな一般的なスパイ・アクションなんてのは根本的に合ってないんだな・・・。また脚本も、前半の侵入部分も後半の対決部分も、せっかくのいろいろなネタが全然生かされていない。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2019-10-12 23:18:46) |