761. モホークの太鼓
《ネタバレ》 例えば、砦を抜け出して援軍を要請しに走るシーン。平原を、川を、森を、ただ走る、走る、走る。途中で転んだりずり落ちたり絶壁に直面したりして目先の危機を煽ることはしない、純粋な肉体と肉体の対決。だからこそスリリングだし、こういう撮り方こそが現在の映画製作でも参考になるのである。全体のストーリーとしては、まあ、牧歌的というか楽天的で特筆すべきところはなく、ヘンリー・フォンダもまだ若くて芝居がフワフワしている。マクレナー夫人が登場すると一瞬で食われている。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-10-25 02:58:16) |
762. ブロークン・トレイル 遥かなる旅路<TVM>
《ネタバレ》 要するに、大量の馬の群れが大自然の中を駆け抜ける重厚なシーンを撮りたかったんだろうな~。そこは気合が入っているだけあって、十分な迫力を感じさせます。それに比べると脚本は何とも弱く、一番の難点は、結局中国人の少女たちに何の変化も見えなかったこと。それから、途中でもっともらしく追加される登場人物たちも、結局ほとんど何もしていません。なので、ドラマとして機能していません。●ただし、ほとんど出ずっぱりのトーマス・ヘイデン・チャーチのひたすら地道なサポートぶりはなかなか見事で、彼によって作品が一本の筋を確保し、またぎりぎりで弛緩に落ちるのを防止しています。 [DVD(字幕)] 6点(2015-10-21 23:49:08)(良:1票) |
763. キャバレー(1972)
登場人物のやりとりはチマチマしていて、歌はストーリーと一体化しているわけでもなくて、どこが良いのか、実は見ていてもそんなに分からなかったのですが・・・。 [DVD(字幕)] 3点(2015-10-17 00:16:08) |
764. 第九軍団のワシ
そもそもこの2人にはどういう背景があって、何の理由でどうしようとしているのかが、さっぱり見えない。つまり、ストーリーを映像の形にするだけで精一杯であるという雰囲気がにじみ出てきてしまっているのです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-10-15 20:27:23) |
765. プラダを着た悪魔
《ネタバレ》 見る前は、ヒステリック上司とどんくさい部下の苛々するやりとりが展開されるのかと危惧していたのですが、さすがはやはりメリル・ストリープ、そういうことにはならないわけですね。口調は穏やか、会話は理性的、しかし一つ一つの発言に一切の迷いがなく、そして言っている中身は滅茶苦茶。ただ、仕事に対する誠実性や情熱というものはベースとしてあるので、周りにいたら嫌だけど、画面で見ている分には不快ではない。この役作りができる人に主役を振った時点で、レベルは保証されるようなものです。ストーリー自体は定番そのもので、確実にヒットを狙いにいき、かつ、実践している。まあ、ファッションの点を除けば、「ワーキング・ガール」と何が違うのか、と言われれば難しいけど。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-10-11 01:02:25)(良:1票) |
766. 幸せの教室
《ネタバレ》 トム・ハンクスという人は、もともと演技はそんなに上手くなくて、脚本や演出の巧妙さでその魅力や才能が引き出されてきたと思うんだけど、勘違いして自分で監督や脚本をやっちゃったらこうなりました、ということ。スピーチの授業が舞台なのに、肝心のスピーチ指導は何一つなされていない。クラスメートがまったく機能していない。若いカップルはあからさまなほど単なるダシ。ジュリア・ロバーツはよく出演をOKしたなあ。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2015-09-27 00:51:44) |
767. ワン チャンス
《ネタバレ》 序盤があまりにもちゃっちゃかちゃっちゃか進んでしまうので、まさかそのまま行ってしまうの?と思っていたら、イタリアで挫折した後がやっとスタートだったのですね。ただ、恋人との衝突だとか、疾患なり事故だとか、障壁の部分が1エピソードなみにあっさり済まされてしまうので、結局は最後の番組放送のところが作りたいだけの作品だったという感は拭えません(しかもそこもあっさり)。 [映画館(字幕)] 5点(2015-09-23 02:27:37) |
768. エンド・オブ・ザ・ワールド(2012)
肝心の2人に世界の終焉という前提がもたらす空気感が感じられず、単なるロードムービーにしか見えません。かといって人間関係の変化の部分に何か突っ込んだものや目新しいものがあるわけでもなく、結局全部が中途半端。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-09-23 02:23:20) |
769. 名探偵再登場
せっかく美女軍団をこれほど揃えておきながら、全然使いこなせてないんだよなあ・・・。何とももったいない。謎の設定も解決もその場限りで流れているだけなので、緊張感がまるでないのです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-09-22 00:11:08) |
770. 愛と憎しみの伝説
《ネタバレ》 最初から最後まで虐待のオンパレードだったらどうしようかと思っていたのだが、ここぞというところでは集中的にそれが炸裂しているものの(髪切りシーン、針金ハンガーシーンなど)、意外にその他の部分では、奇妙な平穏を保っている。また、単にクロフォードの奇行をどうこう描いて終わるのではなく、当初は完全制圧されていた子供(幼児なのだから当たり前だ)が徐々に人格を備えて母親に対峙していく過程は「イヴの総て」のような逆転の構図を想起させるし、売れっ子から始まってだんだんと人気がなくなっていく一女優クロフォードとしての描写も興味深い。そして、これがフィクションだったら、どこかで子供が母親に明確に反逆したり、逆にきっぱり縁を切ったりするのだろうが、現実はそうはいかず、母親とはくっついたり離れたりの愛憎が交錯する微妙な関係を継続する。そして、だからこそ最後の遺言の一言が、絶妙な重みをもって着地点として落ちてくる。つまり、脚本や演出は結構しっかりしているのだ。ラジー賞総なめという結果は、ついこの間まで現役だった代表的女優をさんざんこけにした(ついでに、大手映画会社の有名重役もネタにした)ことへの報復と考えるのが妥当だろう。 [DVD(字幕)] 7点(2015-09-20 21:01:13)(良:1票) |
771. 007/慰めの報酬
肝心の主人公が、ひたすら行き当たりばったりに行動して、困ったときには肉弾戦か銃撃戦で切り抜けているだけにしか見えないのですが・・・あれだけノーガードな人がするすると目標に到達していると、逆に敵のレベルが低く見えてしまいます。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2015-09-16 20:55:47) |
772. 小さな巨人
《ネタバレ》 とにかく、細切れのエピソードをひたすら最後まで都合よく積み重ねているだけなのですが、終わってみたら何となくまとまっている気がするのが不思議。主人公が最後までうだうだしていて、何かがあっても別に立ち向かうわけではないという設定で通しているのが(序盤で主人公は銃撃が得意であることが描かれながら、その能力を使う場面は最後まで登場しない)、作品に一貫性を与えている。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-09-14 23:26:52) |
773. きみがくれた未来
《ネタバレ》 導入のパートだけで、設定や描写の安直性が透けて窺える出来なのですが、やはりそのまんま底の浅い内容でした。弟を失ってどうのこうのとしている割には、出発点の兄弟の関係性がそれほど突っ込まれていないし、回復の過程にしても、着地点ありきなくらい安直です。適当にかぶせているだけの音楽がさらに輪をかけています。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-09-13 20:32:30) |
774. 名探偵登場
ものすごく凝ったことをしようとしているのは分かるのですが、いくら名探偵(のパロディ)を集めても、肝心の個性の描き分けができておらず、みんな同じような芝居をしているので、設定の意味がないのです。勢揃いモノはなかなか難しいですね。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-09-13 00:00:34) |
775. 地球が静止する日
《ネタバレ》 前半は、「そんなに悪い内容か?」と思いながら見ていたのですよ。問答無用で科学者を集めるシークエンスの迫力はなかなかだし、脱出を助けるくだりはドラマの拡がりを予感させるし、ノアの方舟云々は、「ここから壮大な思想的背景が大展開?」と期待させるし。ところが、そこから後に見事に何も起こらなかったので、まさに唖然呆然でした。輪をかけて、キャシー・ベイツが人のよい小母さんっぽくてミスキャストなのと、子供がわーわーうざいだけなのは、ほかの方々がおっしゃるとおり。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-09-10 21:10:31) |
776. ジョン・レノン,ニューヨーク
《ネタバレ》 中心の軸は、FBIとの闘争、それを乗り越えてアメリカの永住権を獲得するまでといったあたりなのだが、その中にもその時期のアルバムの制作秘話などを織り込んで、順序立てて理解できるような構成になっている。別のドキュメント作品もそうだけど、この人はいろいろな意味で激動の人生を歩んだ人なので、事実関係をそのまま並べていくだけでも十分興味深い。あ、それと、"Kiss Kiss Kiss"って実は格好良い曲だったんですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-09-05 11:42:58) |
777. スナッチ
見事なくらい雰囲気だけで流れてしまっていて、登場人物の行動の焦点も絞られていなければ、それを補うほどの演出センスがあるわけでもありません。各シーンが、この上ない「小手先感」に満ちており、それが最後までつながってしまっています。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2015-08-29 01:57:23) |
778. 大巨獣ガッパ
どうにも内容がないというか、パニックへの危機感もなければ怪獣そのものに対する愛情もないというか・・・テレビ番組だったら、30分以内でまとめられるような内容ではないのか。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2015-08-28 02:25:55) |
779. 地獄の黙示録
《ネタバレ》 オープニングからいきなりドアーズの"The End"なわけじゃないですか。しかもそれと一体化したベトナムの炎上風景。ここで実はすべて完結しています。つまり、全体が一つの悪夢、地獄、あるいは走馬燈なのです。一人称ナレーション(しかも呟くような)がやたら多いのも、派手な映像や音響とは裏腹に、この作品の本質は単なる個人の物語、というのを暗示していますね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-08-24 01:27:18) |
780. ラブ・トライアングル
設定の時点で、ほとんどすべて終わっていました。もしかしたら、一つの場面を引っ張って延々と続く会話の中から出てくる何かを表現したかったのかな?とも思いますが、肝心の会話自体が何も表現しておらず、ただ喋っているだけなので、作品の形をなしていません。 [DVD(字幕)] 3点(2015-08-20 01:05:19) |