1. ミュンヘン
《ネタバレ》 衝撃的な映画だった。 [映画館(字幕)] 10点(2006-02-16 04:29:01) |
2. チャーリーとチョコレート工場
前作「ビッグ・フィッシュ」以上のモノを期待しつつ、万全の体制で劇場に向かったものの、(「ビッグ・フィッシュ」と同じ路線を求めていた者としては)完全に肩すかしを食らってしまった。しかし、ある意味ではバートンらしさを取り戻した、つまり原点回帰を果たしたとも言える。キッチリと真面目な映画を作ることよりも、映像と音楽の純粋な楽しさを求めたティム・バートンは正しかったと思う。「ビッグ・フィッシュ」で大人になってしまったわけではなかったのだ。思うに、ティム・バートンにとっての「ビッグ・フィッシュ」とは、自らのアイデンティティを懸けたという意味で、スティーヴン・スピルバーグ監督でいうところの「シンドラーのリスト」に相当するものではないか。そして、そういう映画は、長い長い監督人生において、一本作れば十分だと思う。それにしても「2001年宇宙の旅」のパロディ(というよりそのまんま…笑)にはかなりウケた。「ツァラトゥストラはかく語りき」がこんなところで聞けるとは夢にも思わなかった。 [映画館(字幕)] 7点(2005-10-10 00:19:06) |
3. ラスト サムライ
森の中から現れる侍たち。黒澤明監督の「乱」を意識したとしか思えない騎馬戦。そして渡辺謙の鋭い目つきと雄叫びにはゾクッとした。しかし、あとから振り返ってみると結局それだけの映画だった。武士(道)というものをあまりにも美化し過ぎていて、説教臭く、やはり外国から見た理想の日本像でしかない。それと、妙に日本語が聞き取りにくかったが、そんなところまで黒澤映画の真似をしなくてもいいだろ。 5点(2004-12-27 15:52:34) |
4. 非情の罠
映画監督としての経験不足からくるものだと思うが、全体的に不必要な場面が多いというか…本当にその場所で事が起こる必然性があるのか?といったシーンが多い(マネキン工場なぞ特にそう感じた)。また、ボクシング等アクションはなかなかの迫力だが、少々粗さが目立ち、個人的に評価の高いSF三部作のようなキレがない。しかし、さすがはカメラマン出身だけあって、画面の構図一つ一つに「こだわり」が感じられる。光と影のコントラストや鏡の使い方なんかが特に。 6点(2004-12-20 18:33:55) |
5. スパイダーマン(2002)
アメコミヒーローモノにしてはよくできてるんじゃないかな。「大いなる力には、大いなる責任が伴う」か…。まったくその通りだ。大きな力(政治的、経済的、その他もろもろ)を手にしたとき、その力をどう使うかが、その人の本当の力じゃないだろうか。そう考えると今の時代、あまりに弱い人が多すぎる。 7点(2004-12-05 15:27:46) |
6. 羊たちの沈黙
よく傑作やら名作やらといわれている作品なので、かなり期待をして見てたのだが、あまりの平凡さに拍子抜けしてしまった。確かにアンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レクター博士は魅力的なキャラクターであり、猟奇的な人食いでありながら頭のキレる精神科医の雰囲気は十分に出ているのだが、どうもこの映画の魅力はその一点に集中しすぎてしまっているような気がする。まずストーリーが弱い。この手の映画で、先が読めてしまうようでは、ドキドキハラハラなんてあったもんじゃない。そしてなんといっても今回の事件の犯人、バッファロー・ビルの存在感が薄い。あれではただの変体男(いや女?)ではないか。最後のやられ方がアホすぎる。もっとねちっこい犯人像を想像していたのだが…。というわけで、どうも思ったよりも楽しむことができなかった。ただ、やはりレクター博士は魅力的で、明らかに偽善者ぶり周りに同情を求める上院議員に向かって「娘さんが死んだら あんた どこで痛みを感じる?」と言い放つシーンなんか特に気に入っている。 7点(2004-12-04 22:40:17) |
7. ローマの休日
まさかコメディだとは思わなかった。しかも結構笑える。そしてオードリー・ヘップバーンは最高にキュート。日本でもっとも有名なモノクロ映画ではないだろうか。 9点(2004-12-01 22:04:44) |
8. ビッグ・フィッシュ
《ネタバレ》 映像が美しい。ホラ話が美しい。そして役者が美しい。スターウォーズで若き日のオビ・ワンを演じているユアン・マクレガーが同じように若き日のエドワード・ブルームを演じている。ただ、こちらの映画のほうが圧倒的に自然な感じがする。ティム・バートンの演出力だろうか?いいや、私はそうは思わない。これは、ストーリーが自然であるから、役者も自然なのだ。そう、この映画のようなホラ話(ファンタジー)というのは人間にとって本来自然であって、全然不自然ではないのだ。この映画を見て、そういうファンタジーの意義というものを垣間見た気がする。また、多くの人が、大人になるにつれてだんだんと忘れてしまう大事なこと、無垢な心がここにはある。老夫婦がバスタブで抱き合うシーンは私が見た映画の中でもっとも美しいシーンのひとつだ。そういう心だけは忘れたくはない。 10点(2004-11-30 21:04:17) |
9. アイズ ワイド シャット
《ネタバレ》 トム・クルーズのダメっぷりを見たいならどうぞ。世間の評判はあまりよろしくないですが、私は好きですね。キューブリック監督が最後に残した言葉が「Fuck」だったということが、これまた色々と考えさせられる。 8点(2004-11-30 20:49:33) |
10. 街の灯(1931)
はじめてチャップリンの映画を見た。チャップリンの恐ろしいまでのコミカルな動き。ただただそれに驚きっぱなしだった。しかも、ただ笑わせてくれるだけでなく、ストーリーもよくできていて、なかなか考えさせられる。ひょっとしてチャップリンは悲劇王なのかもしれない。 10点(2004-11-30 20:41:04) |
11. パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
三船敏郎以来、久々に映画俳優に惚れた。この映画はまさにジョニー・デップの映画。そして、デップに負けず劣らず音楽が素晴らしい。もし彼とこの音楽がなければ、こんなには楽しめなかっただろう。 7点(2004-11-15 21:21:27) |
12. 風と共に去りぬ
4時間という長丁場にも関らず、ダレずに最後まで見せる演出はさすがだなというのが第一印象。内容は可も不可もなくって感じですかね。特に感動的でもないし、ありきたりな恋愛のお話ですが、主人公スカーレット・オハラの強烈な生き様に引きつけられました。絵的には、負傷した兵士の間を歩くスカーレットの俯瞰が印象的でした。昔の映画で名作と言われているような映画は、見てみると案外普通の映画だったりすることが多いのですが、それはその映画のヒットに乗じて、似たような映画が量産された所為だと思います。確か「風と共に去りぬ」は現在のレートに換算すると、映画史上最大のヒット作だったはずなので、他の映画に模倣され、今となってはストーリーがやや陳腐になってしまっているのは仕方ないことなのかもしれません。ただ今でも名作として残っているのは、やはりスカーレット・オハラを見事に演じきったビビアン・リーの力が大きいように思えます。この映画を見たことで、南北戦争という激動の時代を生き抜いたスカーレットと同じのように生きることはできないけれど、スカーレットのように自分の生き方を貫き通すことならできるかもしれないと、今を生きることに少しだけ勇気を貰いました。そして、人は皆、風と共に去りゆく運命にあるけれど、それでも何故人は強く生きようとするのかが分かったような気がしました。 9点(2004-10-17 18:02:53) |
13. アルマゲドン(1998)
このページのあらすじの欄にある「おっさんが地球を救う」がこの映画のすべてを言い表している。でも、何度見てもそのおっさんに泣かされるし、知ってる俳優女優(含 セイコ マツダ)がいっぱい出てるので、そんなに嫌いな映画じゃない。 6点(2004-06-14 23:38:13) |
14. ベン・ハー(1959)
《ネタバレ》 いかにも米アカデミー賞が好みそうな映画。11部門制覇もうなずける。まさに大作。セットや衣装などが細部まで丁寧に作られていて、ストーリーも時間をかけてゆっくりと展開する。また馬車によるレースシーンには、近年の何でもCGに頼ろうとする映画にはない生の迫力がある。ガレー船のシーンも印象的。芸術作品としても娯楽作品としても楽しめる。全編通してキリストが絡んでくるので、クリスチャンでないと意味や意図が分からないシーンがあるかもしれない。ただ、キリストの顔を決して見せない演出は巧いと思った。最後に一言言いたいのが、馬車によるレースシーン…。どこかで見たような気がすると思ったら、某星戦争/第1章の某レースとそっくり。もちろんどちらがパクったかは制作された年代を見れば一目瞭然。 8点(2004-06-14 22:53:02) |