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ただすけさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 14
性別 男性
自己紹介 しばらく投稿はお休みしておりました。今のところ、再開できるかどうかもわかりませんが、とりあえずわたしの最も愛する作品のレビューを復帰記念として。

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1.  ナイト・オン・ザ・プラネット
誕生日のプレゼントとしてDVDを贈る最適の一本。 ただし人生のひそみにならって、夜の苦味を(旨味として)噛み分けることのできる大人限定。 二度とたどることができない過去や、人種、階級、障害などといった運命や、社会に渦巻く様々な偏見や不条理とその根本をなす人間そのものの不条理。それでも自分を肯定し、周囲を肯定し、ほんのささやかな暖かみにすがるように毎日を暮らしている、いや、生き延びていると言った方がいいかもしれない、何かに絶望するというよりも、諦めることすら忘れそうになっている自分に気がつき愕然とする、そんな大人たちの命の泉にもなりそうな珠玉の短編集です。 からだの深いところから涙がこみ上げてくる瞬間があれば、幸せというものです。
[DVD(字幕)] 10点(2007-04-06 13:10:30)
2.  ファーゴ 《ネタバレ》 
ファーゴを観るためには滑稽な残酷さに身を委ねるだけでは実は足りない。天才コーエン兄弟は驚くべき映画を作り出した。場当たり的な誘拐とそれをとりまく人々の滑稽な残酷さに満ちているのはご承知のとおりである。唯一実直で堅実な夫婦愛を湛えているのは保安官マクドーマンド(とその夫君)だが、一見もっともまともな存在と思われがちな彼女は妊婦刑事という一点において非存在=フェイクの象徴でもある。だいいちマクドーマンドのみごとな表情からは捜査官らしさのみじんも見られないではないか。取ってつけたような小市民的な夫婦愛に祝福されるラストは観客へのサービスで夫婦愛を見せたのではない。なぜミミズの大写しをことさら夫婦の昼食シーンに挿入しなければならなかったか。なぜ3セントの切手を(わざとらしくも)幸福のシンボルにしなければならなかったか。なぜ不味そうなブッフェランチをかくも大量に食べさせなければならなかったか。みなさんは、今、夫君の顔を思い出せるであろうか。少なくとも私は覚えていない。この映画で扱っている人物や出来事は濃淡の差こそあれおよそフェイクであり、彼女(とその夫君こそ)フェイクの横綱としての扱いを受けているわけだ。ちぐはぐな誘拐劇は観客にとっては一義的なレベルでのフェイクであり、ブシューミやメイシーは誘拐を通じて小心な小悪党のフェイクを演ずるのだし、話の展開もピンボケでつまりはこのお話全体がフェイク(ニセモノ)という入れ子構造になっている。ご丁寧にも「実話」なる違反すれすれの看板がもう一回りフェイクを補強してもいる。ハリウッドの伝統的な犯罪コメディの文法をフェイクにして、映画(産業)そのものまで嗤おうというこの作家たちの気概は恐ろしいほど崇高だ。蛇足を承知で言えば、当然のことながら実存としての「社会」などありえないというのはいいとして、ではフェイクでないものとはなにかという問いに、この映画は言葉やストーリーを介さず明確に回答していることに気がつけば、天才たちの恐るべき映画への愛が東洋的ともいえる深い人間肯定に根ざしていることを悟らされるのだ。
[DVD(字幕)] 10点(2006-06-22 10:30:48)
3.  サイドウェイ
人生の折り返し点を過ぎてしまった男としては思わず涙腺が弛みますね。それもワンワン泣くというわけではなく、じわーんとこみあげるような上品な感涙。主人公たちはほとんど私と同世代です。夢の実現などほんの一握りの人間にしか許されないことがわかってしまった年齢でもあります。世間が認めてくれなくても一人でいいから認めてくれる愛しい人がいればとりあえず生きてゆける。それが幸せというものだし、そう思うしか生きてゆくすべはないのかもしれません。辛いよね。辛いけど生きているだけハッピーだと思わなければいけないのでしょう。多くの男はマイルズのようにアキラメを繰り返して、たまにはキレたり、アルコールやプロザックを手放せなかったりしています。そのうちアキラメることにも慣れていくんでしょうな男もそして女も。人生をそこはかとなく肯定する意味合いに満ちた結末には味わいがあります。余談ですが、アジア系の彼女は現実にペイン監督の奥さんだったそうです。ス、スゴイ。1点プラスしちゃいます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-06-16 16:10:48)
4.  ビッグ・リボウスキ 《ネタバレ》 
コーエン兄弟は、近年の作家のなかでもとりたてて志の高い監督である。 卓越した構図、独特のカッティング、ストーリーの周到さ、どこをとっても一流に恥じない。一部には遊びに遊んだ、という評価を受けたこの一編は、ふざけているとしか思えない人物設定や、その場しのぎと解されがちなストーリーもあって、いいかげんに作ったのかと疑いたくもなるのだろうけれど、じじつは逆である。 たとえば、タイトルバックの映像。数人のボウラーの投球する姿が、ゆっくりとしかしあるリズムとタイミングを保ちながら映し出されてゆく。かれらは一様に肥満しており、美しさやカッコよさの片鱗もない。にもかかわらずこのリズムで何レーンにもわたって投げ続ける人々から観客は目を離すことができない。かれらの投球シーンが異様な昂ぶりをみせているのはいったいどういうことなのか。 スローモーションに続いてS.ブシューミの投球カットにつながれば、それはストライクなのだけれど、J・ブリッジスとJ・グッドマンは話に夢中でストライクなぞ見ていない。恐ろしいことにボウリングマニヤという設定の主演級3人の中において投球シーンが映されているのは彼ただ一人であり、J・ブリッジスにいたってはボールに触ることすら禁じられているかのようだ。終盤ブシューミは心臓発作で死ぬこととなるのだから、いったいこれらは何を物語っているのか。このような仕掛けは全編を通じて徹底的に張り巡らされていることを見逃してはならない。 一編はコーエン作品の中でもとりわけ卓越したセリフによって構成されている。3人が今回の誘拐の狂言の可能性について話あっているシーンではこうだ。J・ブリッジスがレーニンの言葉を引用すれば、ブシューミは「I'm a walrus」と横やりを入れる。これはジョンレノンの曲名で、レノンとレーニンとの名前の混同が人間同士の会話の不条理さを暗喩している。すかさずJ・グッドマンの怒りを買うが、かれのベトナムとユダヤに起因するエキセントリックさはそれ以上に不条理で、観客はジェットコースターに乗り合わせているかのように揺さぶられる。とりあえず疾走するセリフの数々に身をゆだねるしか方法はなさそうだ。不条理とはいえ、いやだからこそ人生の素晴らしさをじわりと体感させてくれる稀有な名作に拍手を送りたい。(07/03改訂)      
[DVD(字幕)] 10点(2006-06-08 15:55:33)(良:1票)
5.  ターミナル 《ネタバレ》 
なーんだ「お化け屋敷」だったのですね。空港そのものがお化け屋敷全体。トムハンクス鬼太郎を筆頭にスタンリー・トゥッチぬらりひょんなど多彩なおばけたちがいます。目玉のオヤジも当然います。ただしインド人ですが。仕掛けは人種問題、国際問題、人情、不倫、恋愛などこれまた多彩ですが、仕掛けだけに腰を抜かすほどには恐くありません。お化け屋敷のテーマはいうまでもなくお客さんをちょい怖がらせて、入場料をいただくこと。あんまり怖がらせすぎて心臓でも止まったりしたら訴えられますから、ほどほどが気が利いています。ただし入ろうかどうしようか迷っているお客さんのためには、小屋前に飾られてあるノボリがいやが上にもご来場をソソリます。「涙もののヒューマンおばけ」「小屋全体をセットで新たに作りました」などなど。思えば、この監督さんの作品はぜーんぶお化け屋敷。おばけトレーラーが逃げても逃げても追ってきたり、おばけUFOが光と音楽仕掛けで驚かしてくれたり、挙げ句の果ては戦争現場全体をお化け屋敷化したりもして、そりゃーもーたいへんです。仕掛けはおおむね似てはいますが小さいバリエーションはあります。戦争のむなしさとか、ユダヤ問題だとか、無垢への愛だとか、正義だとか、友情だとか・・・。でもテーマは一緒です。お客さんをちょい怖がらせて(喜ばせて、泣かせて)木戸銭をいただくこと、この一点です。今回の見せ物小屋は少し笑ったので木戸銭分はありました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-05-08 01:29:16)
6.  プロデューサーズ(2005) 《ネタバレ》 
いやー久しぶりに映画の濃いーところを堪能しました。封切でこんな楽しい思いをしたのは何年ぶりでしょう。私は68年のオリジナルもブロードウェイ・ミュージカルも未見だったので、メル・ブルックスの新作をほとんど予断なく体験することができました。素晴らしいショウです。爆笑のコメディでもあります。よくできたコメディがそうであるように、この作品も社会風刺に裏打ちされています。出演者は舞台とほぼ同じということですが、彼らによる歌と踊りはパーフェクトだし、おかまの振り付け師はじめ突出したキャラクターは抱腹絶倒です。上映中に何度拍手したかしれません。もちろん最後のアノ場面では大拍手を捧げましたよ。ただし他のレビュワーの方も書かれているように「オペラ座の怪人」や「レ・ミゼラブル」のような上品さはありません。ラブロマンス度は希薄です(むしろほとんどギャグのレベルと言っていいでしょう)から、浸って泣きたい方には不向きですね。地獄のマシンガンのようなギャグ(?)と完璧な身体表現、怒涛の楽曲の数々に身をゆだね、ひとしきり浮世の辛苦を忘れるのが正しい鑑賞法です。観終わったあと、きっとあなたはこの映画に祝福された幸せを味わうことでしょう。 
[映画館(字幕)] 10点(2006-04-22 23:23:46)(良:2票)
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