1. トラフィック(2000)
《ネタバレ》 麻薬という根っこで支えられた、アメリカという世界一の大木。その根の広がりの複雑さ、地中にめり込んだ深さにはただ絶望を感じるしかない。しかし、それでもラストの照明からは温もりを感じる事が出来る。分かっている、それが何の解決にもなっていない幻の光だという事を。だがしかし、希望の無い未来に光が無いという事もひとつの真実だから。 9点(2004-02-12 15:25:09)(良:1票) |
2. NARC ナーク
《ネタバレ》 冷え切った映像、掃き溜めのような街並み、廃れ切った人間達。しかし「真実の銃弾」がこの物語を貫くとき、我々は愛の温もりを知る。 9点(2004-01-18 22:46:57) |
3. ファイト・クラブ
観終えたあとに感じる強烈な開放感。この映画さえあればどこにだっていける、何だって出来る。あぁ、自由だ 9点(2003-10-13 08:37:57) |
4. モーターサイクル・ダイアリーズ
劇中何度も垣間見せる、ゲバラの圧倒的なピュアさ。彼は崇高な大志を抱いていたとか、壮大なビジョンを持っていたとか、生まれながらの特別な革命家では無かったのだ。旅を通じて多くの人々に出会い、多くの文化に振れ、単純に同じ人間が分断されている事に疑問を抱いたのだろう。単純に、支配と被支配、裕福と貧困、国境と国境に分けられている事を許せなかったのだろう。”渡れない境界など無い”事を、現実に証明した姿。「世の中はどうしようもなく複雑なもの」と半ば諦めてしまっている自分が恥ずかしくなると同時に、その汚れの無い意思こそが困難を実現させ、現在も多くの人を惹き付ける理由なのだと実感する。 以前、北野武監督がテレビのインタビューにこう応えていた。「1枚の絵画は、それだけで人を数十分間立ち止まらせる。理想の映画の形はそういうもの」。 この映画を見終えて浮かんだ言葉がこれである。無骨に紡がれていく映像、しかしその風景は繊細。所詮、人間が一生の間に行ける土地、出会える人の数は限られている。だから人は映画や小説を通して、他人の人生を体験する。その中で素晴らしい作品は、この映画も含め、自分の記憶と変わりなくいつまでも心に残り続ける。まさに最高のロードムーヴィー。 8点(2004-10-09 19:11:56)(良:1票) |
5. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 「頭の中は自由」、アンネの日記にこんな一文があった。 こんなにも深い深い暗闇の中で、押しつぶされる恐怖に身を浸していても、彼女は歌うことが出来た。 どんな不幸からも、人は喜びを拾い上げることが出来る。 どんな暗闇も、それを暗闇と認めてしまわなければ暗闇ではない。 そして最後の歌も、認めてしまはなければそれは最後の歌にはならないのだ。 セルマ、あなたは強いよ。 光だけを見つめて生きていくことだって、光だけを見つめて死んでいくことだって決して不可能ではなかった。 あぁ、希望に満ち溢れた映画。 8点(2004-01-03 00:14:53) |
6. ブルークラッシュ
パッケージだけ見てちと不純な動機でレンタルしたものの、この迫力にドババババッと完全に呑まれました! マンガちっくな安っぽい青春物語も、この映画にはむしろこんくらいのほうがいい。グァァァァァァァァッと向ってくる波にノっかり、そしてその中を抜けていく数秒間の快感!サーフィンなんて全く知らないのに息を止めちゃう自分!みんなと一緒にウォッシャーィ! これは爽快。劇場で観なかったのが悔やまれるものの、正月早々いいものを見させてもらいました。 8点(2004-01-01 23:22:34) |
7. ナイト・オン・ザ・プラネット
そして、今宵もこの星のどこかで・・・ 8点(2003-10-13 11:54:50)(良:1票) |
8. モンスター(2003)
このセロンにオスカーあげなきゃ殺される。 7点(2004-10-03 15:26:34)(良:1票) |
9. ディープ・ブルー(2003)
圧倒的な深海の映像。海底なんて初めて見た。 音も無く、太陽の光も届かず、暗闇と静けさが支配する世界。地球の亀裂に覚える恐怖、吹き出る黒煙。 けれどその暗黒の中で、無数の生き物が存在しているという事実。 地球上の全ての生命は海から誕生した。 魂や心といった、形ではない意識、思考、本能、自我、それら全てが海によって創られたことになる。 深海に潜るにつれ、未知の世界に近づくにつれ、我々生き物のルーツへ向かっていく。 海とは故郷であり、母親の胎内であり、神であり、全ての始まり。 生命はどこから来たのか、生命とは何なのか、その全てが深海に眠っている。 考える事も、探る事も、学ぶ事も、感動する事も、何も必要ない。 ただ映画館へ行き、巨大なスクリーンで、無限の神秘に身を任せれば良い。 7点(2004-07-28 00:41:28) |
10. ベッカムに恋して
《ネタバレ》 ベッカムに恋をした彼女は、これからさき多くの人々に夢を与えるのでしょう。夢ってのはリレーしていくものなんだな。人から人へ、時代から時代へ。 7点(2004-06-26 18:38:42) |
11. 列車に乗った男
《ネタバレ》 人生という名の、走り続ける列車。止まったら乗り換えろ。 7点(2004-04-17 13:43:01) |
12. ラン・ローラ・ラン
たった1秒のズレで大きく変わる人生。この宇宙には無限の未来があり、その中のたった一つを通って我々は生きている。何気ない日々の幸せが、とてつもない可能性の上に成り立つ。そう考えると、毎日がさらに愛おしく思えてくるじゃないかっ! 何十億年に及ぶ地球の歴史の中、自分がここに生きていること自体まさに奇跡。この世に生を受けた幸福を噛み締めて、一秒先の未来へ走り出すぞ!! 7点(2004-03-25 15:54:15) |
13. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
ヒトを含め、この地球上に存在する全ての生命は海からやってきた。人生の不条理、絶望、それらも全て飲み込んでしまう大海原。死ぬのは嫌だが、いつかは必ずやってくる。だったらこんな風に・・・。 7点(2004-03-24 22:48:01) |
14. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
《ネタバレ》 自らの命を犠牲に、未来に失われるであろう何千もの命を救おうとする。彼らのした事が正しいとは思えないし、その狂気じみた執念には恐怖を感じる。死刑というのは犯罪者の命を他者と比較し、そしてそれを切り捨てる事。どんな命も尊重すべき、だから犯罪者の命を消し去る死刑は廃止すべきだと訴えるのなら、自分の命を捨てるなんて馬鹿げている。彼の子供は泣いているのかもしれないぞ。 ダレさせずに引き込む物語の力、そして死刑について真剣に考えさせられる圧倒的な力。評判どおりの見事な映画だと思う。それにしても思うのは、ゲイルの家に住んでいるあの女、趣味が悪いにも程があるぞっ! 7点(2004-02-17 13:47:38) |
15. K-19
時代、国に関係なく戦争を行うのはいつも一部の地位の高い人間。彼らの命令によって多くの罪も無い人間が自分の命を犠牲にし、「国のため」死んでいく。核を保有することに何の利益があるというのか?誰が本当に望んでいるというのか?我々の地球が、そして人類が現在どれだけ危険な状態にさらされているかが痛いほど身に染みる。底知れぬ恐怖と言いようの無い怒りを憶えた。 7点(2004-01-18 17:34:30) |
16. 愛しのローズマリー
実際人のことを本気で好きになったら、その人が世界で一番の美人に見えるからなぁ。周りが見えなくなるぐらいに。 7点(2004-01-11 22:54:16) |
17. クジラの島の少女
とにかく清々しく、観ていて気持ちがいい作品。どこまでも広がる海のように澄んだケイシャ・キャッスル・ヒューズのピュアな瞳。 ケイシャから目を離すな!史上最年少、13歳での主演女優賞ノミネート。授賞式で「会いたい」と言っていたジョニー・デップとの握手がとても印象的。素晴らしい演技を魅せたケイシャも、何の変哲も無い、どこにでもいそうな13歳であった。なんと「エピソード3」に抜擢されたらしいが、彼女の活躍をもっと見たいと思う反面、いまのままの素朴な魅力を失ってほしくないと強く願う。彼女の瞳を濁らすような真似は絶対にしないでください、ハリウッド。 7点(2003-10-19 12:14:15) |
18. ボーン・アイデンティティー
ヨーロッパの魅力が詰まっている映画。アメリカには無い歴史が物語に洒落た雰囲気をプラスしている 7点(2003-10-13 21:31:48) |
19. 戦場のピアニスト
誇張が無く、リアリティーを空気ごと感じる。冷えきった風景に浮き出る監督の熱意。ラストは無条件に涙。全てが脳裏によぎる。けど長い。 7点(2003-10-13 21:30:07) |
20. スコア
こなれた感じが気持ちいい映画。 7点(2003-10-13 21:27:42) |