1. ボーン・アイデンティティー
それまでのイメージからは想像もつかないようなマット・デイモンの体当たりアクションと、苦悩を映し出す深みを持った演技に、2時間じっくり魅せられた。この3部作が彼のキャリアにおけるエポック・メイクとなった事は疑いようがなく、現在、個人的には「新作が出る度にチェックしたくなる」数少ない俳優となっている。本作のアクションを見た後に「グッド・シェパード」「ヒア・アフター」あたりの作品を見ると、彼の演技の幅に一目を置かずにはいられない。 本作自体は、傑作と呼ぶには何か(他の方の言われるヒロインの魅力も含め)足りない印象だが、派手に描きたくなりそうな箇所をグッと押さえた演出は非常に良かったと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2011-08-28 14:50:01) |
2. 善き人のためのソナタ
《ネタバレ》 硬く凍ったかのような主人公の心が、芸術と人間味に触れ少しずつ少しずつ溶解していく。そこに主題がある筈の作品だが、他の方が述べられるように少々描き方に物足りなさがあった。ただ、抑え気味の演出が効いた作品全体の雰囲気などは非常に素晴らしく、深い見応えのある一本であることは間違いない。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-25 14:45:06) |
3. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 特定のヒーロー等ではなく、なるべく一般庶民の視点から戦争を描こうとした作品。しかし、主人公のピアニストとしての才能が彼自身を救っている場面もあり、その分共感しにくいストーリーとなっている点が惜しまれる。主役の名演や各シーンのリアリズムなど見所の多い作品だけに、あと一歩の所で名作になり損ねた印象を受けた。 [DVD(字幕)] 7点(2009-01-25 14:15:33) |
4. Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!
ビーンが完全に顔芸だけのキャラクターへと落ちてしまっている。TV版と映画版2本との間には、非常に大きな差があるように感じた。 [映画館(字幕)] 3点(2008-11-16 12:31:28)(良:1票) |
5. ブラックブック
バーホーヴェン監督の、既存の型に捉われない作り方が吉と出た作品。『スターシップ・トゥルーパーズ』や『インビジブル』など、彼の作品とは相性が良くなかったが、本作は率直に面白かった。主演の女優さんの役者魂が光った一本だった。 [DVD(字幕)] 8点(2008-10-18 16:44:12) |
6. パリ、ジュテーム
数が多すぎる。「作品撮ってくれ」と頼んだからには、編集する側としてはどこかで使わなきゃいけないのであろうが、鑑賞直後に記憶から消えている作品があるという構成は、いかがなものなのだろうか。 [映画館(字幕)] 4点(2008-02-16 16:58:56) |
7. ウォーク・ザ・ライン/君につづく道
素直に面白いとは評価しがたい作品。何よりジョニー・キャッシュの人間性が酷い。“SEX+ドラッグ+アルコール=ロック”というのは、表向きのイメージとして売り出すのは自由だが、私生活でやってしまっては、個人的には共感のしようがなかった(演技が上手かったのでストーリーには引き込まれたが)。また、他の方がおっしゃるようにジューンの描き方が物足りないなという印象も受けた。二人の恋愛の話であれば、やはり彼女の方も生い立ちからジョニー・キャッシュに出会うまでを描いておく必要があったのではないだろうか。。という理由で作品自体にはいい印象は持てずじまいだったが、主演のホアキン・フェニックスは流石に上手かった。個人的に最も注目している俳優の一人なので、これからも様々な作品で印象に残る演技を見せてほしいと思う。 [DVD(字幕)] 3点(2007-07-30 18:37:27) |
8. ブラック・ダリア
《ネタバレ》 一級サスペンスを期待して観に行ったが、正直、裏切られた感があった。最初のシーンから「何が伏線か」を意識して観ていたところ、あまりにも犯人の正体が唐突過ぎて、それまでのストーリーが全て無駄に思えてしまった。海外の小説をそのまま映像化しただけという感じ。 [映画館(字幕)] 4点(2007-07-16 10:13:08) |
9. モンスター(2003)
見る者を引き込む力を持っている作品。ただ、製作側が主人公に肩入れし過ぎてしまったのか、彼女への同情を強要されているような印象を少し受けたのが残念。話題のシャーリーズ・セロンの演技は前評判どおりで、外見のみならず彼女の味わう痛み、苦しみや狂気といったものを上手く表現していたように感じた。 [DVD(字幕)] 7点(2007-07-16 09:53:06) |
10. アイ,ロボット
《ネタバレ》 「(結果としてはサニーが)他のロボットたちを導く」絵が、サニーの夢という形で登場したが、あの一枚のシーンが先に出来て、後でストーリーをくっつけていったような映画だった。とにかくラストが唐突で、それまで頑張って仕上げてきたサスペンスを棒に振ってしまっている印象を受けた。あまり教訓めいたシーンは必要ないと思うのだが・・・ [DVD(字幕)] 6点(2006-08-14 13:22:00) |
11. M:i:III
《ネタバレ》 ドイツとバチカンでのミッションは、いいもの見せてもらった。橋の上のアクションもかなりな興奮度で申し分なし。。だが、上海に移ってからがショボい。ただのアクションものになってしまっているし、ビルのシーンなんてモロに『カリオストロ』、、、とにかく尻すぼみ感が否めず、作品として非常に損をしていると思う。 [映画館(字幕)] 6点(2006-07-23 13:48:21) |
12. クラッシュ(2004)
《ネタバレ》 差別の認識が薄い一方で肉親への愛情は人一倍厚い警官も、ドラッグに溺れ自らを見失う母親も、感情的行動に走ったおじさんも、犯罪に手を染めた黒人の青年も、、、「それでも毎日を生きている」。人間の弱さと強さと醜さと美しさと・・・あらゆる面が一作に凝縮されていて、何だか、たまらない気持ちになりました。下手な大作ではなく、このような心に刺さる作品に、これからもオスカーを受賞してほしい。 [映画館(字幕)] 9点(2006-07-23 12:19:11) |
13. 愛についてのキンゼイ・レポート
題材としては非常に興味深く面白いのだが、描き方に焦点を絞れていなかったという印象を受けた。実際のキンゼイが様々な実験をし、周囲との関係にも色んな事があったかも知れないが、欲張ってエピソードを入れすぎたために、ラストも窮屈で無理やりな印象を受けてしまう。リーアム・ニーソンは好きな俳優なのだが、彼の演技力をもってしても稚拙な脚本は覆せなかったというところか。 [映画館(字幕)] 5点(2005-11-05 11:07:39) |
14. バイオハザード(2001)
ラストシーンが自作への期待を抱かせる興味深いシーンだったためか、逆にそれまでのストーリーの印象が薄くなってしまった。「序章」が一つの作品となってしまった感じ。シリーズ物はツカミが肝心なので、もう少し「1」にも力を入れる必要があったのではないだろうか。 5点(2005-03-04 11:07:49) |
15. モンスーン・ウェディング
どうしても「歌って踊ってハッピーエンド」というインド映画が好きになれないのですが、今回も・・・という感じでした。シリアスな場面であっても、全編を流れるあの陽気な雰囲気のせいであまり深く共感できないんですよね。他国では作ろうと思っても作れない神秘的なムードがある国なので、それを生かしてもっと重い作品を作ってみても面白いと思うのですが、、、やはり国民性は変え難いものなのでしょうね。 3点(2005-01-22 09:01:01) |
16. WATARIDORI
「魅了」という言葉がピタリと当てはまる作品。これだけ「鳥と同じ目線」で撮り続けるには想像を絶する苦労があったと思う(雪崩のシーンなどスタッフは大丈夫だったのだろうか?)。鳥たちの視界に広がっている草原・砂漠・雪山・海原の壮大さと人間の作り出した都市の汚さ・小ささとの対比が非常に印象に残り、「もっと高く・広い視点から物事を見ること」の大切さを鳥に教えてもらったような感覚があった。 8点(2004-12-04 17:13:49) |
17. スクール・オブ・ロック
脚本を責めだすとたくさんボロが出てきそうな映画ですが、今回はジャック・ブラックのロック魂にやられました。「反抗」を感じさせる70’sロックがまた良いっすね。気になったのはロックを黒板にジャンルごとに分類して、真面目にロック史の講義をしてるシーン。ああいう授業はぜひ受けてみたい!(笑) 7点(2004-10-24 13:21:00) |
18. グッバイ、レーニン!
《ネタバレ》 最期の「素晴らしいわ」にはやられた。ビデオの内容にではなく、ビデオを製作する過程に対して贈られた一言。 『ベルリンの壁崩壊』なんて、ドイツから何時間も時差のある私たちには一つのニュースとしてしか伝えられてこなかったけれど、この作品を通して東側の戸惑いなど当事者の様子が少しは分かった気がする。今までに見たドイツ映画に違わず、国民性そのままに生真面目に作られたこのドイツ製コメディは、ハリウッドのアホ臭いコメディ映画では絶対に醸し出す事の出来ない物悲しい余韻を、観客の心に残してくれた良作だったように思う。 8点(2004-10-23 23:00:17)(良:1票) |
19. アメリカン・パイ3:ウェディング大作戦
少しずつだけどパワーダウンしてきた感じのこのシリーズ。いいキャラクターが数名抜けたのは痛いですね。3作通して笑わせることに徹し続けた製作者には感謝です。 5点(2004-10-03 14:49:27) |
20. ディープ・ブルー(2003)
初めて映画館でドキュメンタリーを見ました。NHKの自然ドキュメンタリーなどめったに観ないですが、たまに観てると、一つの動物に焦点を当てて撮っているものが多いように感じます。そういった先入観があったせいか、どの動物に着目していいのやら、、、観ていて戸惑いました。「人間なんて一歩も踏み入る余地の無い物凄い世界がそこにある」って言う事は伝わってくるんですけどね・・・。 あと、ベルリン・フィルの演奏が素晴らしすぎて映像に勝ってしまい、いまいち映像の凄さを実感できませんでした。素晴らしい作品なんだろうとは思うのですが、辛口の5点で。 5点(2004-09-10 23:46:17) |