1. ビタースウィート(2002)
《ネタバレ》 脚本は良かった。展開もおもしろかったし、最後まで飽きずに見れた。しかし、編集、演出が抜群に下手。設定はまあいいとして、何故ここで突然うるさいだけの音楽?ここでスローモーション入れたらネタバレに等しいだろ、今何かはしょらなかった?時系列(前のカットから何分、何時間、何日経ったんだろう?)が分かりにくい等等、不親切極まりない編集が台無しにしている。それこそ、この主人公くらいの年齢の少女が編集したかのような安易さと青臭さが終始漂っている。しかし、無名の作品にしてはおもしろい脚本だとは思うから、誰かリメイク…はしてくれないだろうな。 [DVD(字幕)] 6点(2009-08-23 05:07:47) |
2. 4分間のピアニスト
《ネタバレ》 ちりばめた要素の収まりが何となく悪くて、並べただけになってしまっていた。ラストは少々陳腐な感じが否めなく、脚本がイマイチ。しかし音楽は素晴らしい。クラシックだからもちろんオリジナルではないんだけど、選曲が良い。それから、役者の迫力が(特にジェニー役)素晴らしかった。決していい出来ではないけど、これより見れない映画なんてゴマンとあるし…5.5点…と言いたいところだけど、6点献上 [DVD(字幕)] 6点(2008-11-10 02:35:34) |
3. サラエボの花
《ネタバレ》 この映画、トレイラーを見て大筋がかなり予想できたので、見ようか悩んでいたけれど、良かった。少し派手で気が強い子、子供の時ってこんな子いたなーと思った。母親の描写が丁寧すぎて少しアンバランスで途切れている要素があった気がしないでもない。しかし、最後の「私は世の中にこんなに奇麗なものが存在していることを知らなかった」というセリフに、グンときた。過酷な運命の中にいる人間がこんなことを言うなんて…。でも本当は、ひとつの命とはそういうものなのだろう。だからこそ、この親子の、時に細く途切れそうな絆が一層切なく、最後に見える細く固い命の絆のこれからを願ってしまう。 [DVD(字幕)] 6点(2008-11-09 23:41:30) |
4. 善き人のためのソナタ
映画らしい、良い映画だった。ヴィースラーの俳優さん、2007年に亡くなっているのですね。 原題が『Das Leben der Andere』(=The Life of the other person)で、よく練られたタイトルなのに、邦題が悪すぎる。ヴィースラーが心変わりをした原因は、他者の人生を覗き見ていたことであり、「善き人のためのソナタ」はその中の一部でしかない。ヴィースラーが心変わりしていく様が、彼の性格の設定上分かりにくいので、(そこがこの映画の味になっているのでそれ自体は良い)余計に邦題が悔やまれるし、「完璧」と言い切れない一瞬の混乱と微小のもやもやが残る原因になってしまった。秀逸な作品なので、最初から「The Lives of Others」として見たかった。 [DVD(字幕)] 8点(2008-03-11 05:05:41)(良:1票) |
5. カルラの歌
《ネタバレ》 うーん、私も見る前にニカラグアの勉強をしておきたかった。 カルラがすごく魅力的だった。ジョージはイギリスに帰って、これからどういう人生を送るのだろうか。 愛する人の、自分には重すぎる現実を見て、結局逃げてしまうなんて、生々しい程人間臭い。。。現実はきれいごとじゃないし、きっと自分もそうするだろう。 ちゃちゃを入れるようで嫌だけど、南米音楽のようにカルラの歌がもう少しフィットしていると良かった。 厳しい映画だけど、イギリスでのバスのシーンとか、この映画のケンローチのユーモアセンスは秀逸。 後からじわじわくる映画だった。相変わらず、ローチ作品のゲイリールイスはいい味だしてる。 [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2008-02-28 00:52:12) |
6. ホワイト・オランダー
女優陣の演技がみんな素晴らしい。もちろんアリソンローマンとミシェルファイファーは秀逸。この女優陣あっての映画。なだけにパトリックフュジットは少々ミスキャストだったのでは?映画全体としてそんなに欠点があるってワケではないけど、見終わった後、そんなにピンとはこない映画だった。 [DVD(字幕)] 6点(2007-08-08 20:39:31) |
7. モーターサイクル・ダイアリーズ
ちょっと脚本が雑というか不安定。 [DVD(字幕)] 5点(2007-08-08 15:54:03) |
8. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 全く先入観なしに見たので、実はサスペンス要素が強い映画だということに最後まで見て初めて気づいたのが自分としては衝撃的だった。小道具や小ネタなど、ネタバレを人から聞いて初めて気づくことが結構あって、しかもそのシーンが記憶に残っているというのがすごい。ちょっとした矛盾なんて全然気にならない程、映像、脚本への執拗なまでのこだわりが見えて良かった。ノートンが素晴らしかった。 [DVD(字幕)] 9点(2007-08-05 18:41:49) |
9. ベルリン、僕らの革命
んー、惜しい。非常に惜しい。何が足りなかったのか…。キャスティングも悪くないし、脚本もまあまあ悪くない。音楽か、俳優の演技力か、監督の腕力が足りないのか…あと少し、あと少しだけこの3人のように何かが足りない。 [DVD(字幕)] 6点(2007-08-05 15:42:04) |
10. ウィスキー
映画ではなく、映像作品として見たかった。もう少しコンパクトにしてもう少しだけ鋭くさせたら、とても良質な映像作品になれたと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2007-08-04 16:25:01) |
11. ブレッド&ローズ
ローチ作品の中でもいかにも「社会派」が全面にでるテーマが少し不満だった。社会派映画って社会派映画を見ない人こそ見た方がいいと思うし。 主人公ばかりが主人公でない。世の中には自分の知らない他人の事情が沢山ある。でも譲りたくないものもある。でも、なんか見終わって3ヶ月後くらいにじわじわきた。エイドリアン、いい味だしてたな。 [DVD(字幕)] 8点(2007-08-03 13:51:18) |
12. 黒猫・白猫
灰汁が強い。前半は登場人物や話が掴みにくい。しかし、掴んでくるまで我慢すれば入っていけるし、ドタバタも少し我慢すれば、時折クスリとできる。しかし、それを達成するにはかなりの体力が必要… 音楽◎ [DVD(字幕)] 6点(2007-07-24 05:03:42) |
13. みえない雲
少し監督の力不足を感じたが、それ以外はいい作品。 キャスト◎ ただ、「原発について色々考える映画」というより、「原発事故が舞台のラブストーリー」という感じ。あまり期待していなかったにも関わらず、2日間はこの映画のことが忘れられなかったので+1点。見て損はしない作品。 [DVD(字幕)] 8点(2007-07-22 19:09:18) |
14. マイ・ネーム・イズ・ジョー
ローチ作品は、見終わった後、いつも言葉が見つからない。「今」に至るには複雑な人間の感情の課程があり、その「今」がどんな状況であっても、本人にとっての今は人生最大の一大事なのである。ヒーローもプリンセスもいない、この平凡な世界の報われない優しさや伝わらない愛は、なんと美しく切ないのだろうか。 [DVD(字幕)] 9点(2007-07-22 18:33:46)(良:2票) |
15. SWEET SIXTEEN
《ネタバレ》 個人的に、良い映画とは何なのか、を静かに考えさせられた。 純粋なことは無害ではないけれど、子供にはどうしようもない感情だってあるし、どうにもできないこともある。犯罪者をコケおろす前に、自分がそういう環境に生まれなかったことが幸せだと思わなければいけない。それを分かっていない大人が、犯罪者を生む社会をつくりあげている。人の不幸は貧乏や裕福だけが引き起こすのではない。リアムはまだ青年で、お金さえあれば、一緒に住む家さえあれば、と思ってもがくけれど、家を手に入れても、母親とは一緒にいられなかった。一緒にいられるのに、一緒にいられなかった。見ている方も、彼の本当の不幸は貧しい環境ではなかったことに気づく。 リアムは母親と一緒に暮らしたかった、ただそれだけ。特別なことは、それが人間社会の中で起こっているということ。「じゃあどうすれば良かったのか?」と聞かれても、答えられる人なんていないだろう。 ラストシーン、自分がどんなに望んでも、どうしようもならいことがこの世にはある、ということを初めて知った16歳の背中がいたたまれなかった。 ローチはいつも、殺さず、甘やかさず、ただ見つめる。それがどんなに大切なことか、どんな心が必要か、自分にはまだ分かっていない気がする。すごく尾をひいた映画だった。タイトルが秀逸。 [DVD(字幕)] 10点(2007-07-22 01:01:46) |