1. 未来は今
《ネタバレ》 コーエン兄弟の映画は、自分にハマる時とそうでない時の差がとても大きくて、この作品は残念ながら後者でした。アクの強さやブラックなユーモアを期待し過ぎていたせいか、普通過ぎて物足りないような印象。ストーリーに魅かれることもなく、現実とファンタジーの部分が水と油のように異質に感じられる等、最後までこの映画の良さを見つけることができませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2023-08-12 09:14:05) |
2. あと1センチの恋
《ネタバレ》 お気軽なラブコメでしたが、最後にやっと結ばれても、心から「良かったね」とは言い難いストーリーでした。むしろアレックスとは、いつまでも固い友情でつながって、お互いの人生を支え合う存在として描いてくれた方がスッキリしたかも。 なんだか、10年以上の人生をバタバタッと見せられた感じで、そこに家族やら母親やらをテーマにしたエピソードも詰め込んだおかげで、どのエピソードも掘り下げ方が浅く、50話くらいのテレビドラマを2時間にまとめたダイジェスト版を観ているようでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-11-10 01:18:17) |
3. ピエロがお前を嘲笑う
いったい何を見せたかったのか、よくわからない映画でした。ハッカーの鮮やかな手口や頭脳戦を見せられるわけでもなく、主人公の心理や人生背景を描くわけでもなく、面白味も深みも見い出せないうちに終わってしまいました。 いろいろなアイディアを練り込んではいるものの、こういう映画には欠かせないワクワク・ドキドキ・ハラハラがまるで感じられないため、ラストシーンも、作り手は「してやったり!」な気分かもしれませんが、観る側としては「ふうん・・・」程度。期待感が高かっただけに、その落差にガッカリでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2020-10-25 16:34:47) |
4. 悪いことしましョ!(2000)
《ネタバレ》 悪魔に魂を売り渡すことで7つの願い事がかなう。世にも不思議な物語とか笑ゥせぇるすまんに出てきそうな話で、展開はだいたい想像がつきます。興味は、ラストをどのようにまとめるかだけでしたが、無難にハッピーエンドでめでたしめでたし・・・。 これといった見どころも特にありませんでしたが、面白くないこともないし、気軽に観られるので、ヒマつぶしとか重い映画を観た後の気分転換にはちょうどいい映画だと思います。 その程度の映画でしたが、観てよかったことがひとつだけ・・・。 この悪魔が相手ではどんな願い事もロクでもない結末に・・・そして願い事はあとひとつ・・・もし自分だったら何を願うか。「“世界が平和で、人々が思いやりの心を忘れませんように”かな?」 欲のかたまりのような自分が、マザーテレサのような願いを思い浮かべるとは・・・自分もまんざら捨てたもんじゃないなーと気付かせてくれました(笑) 最後の最後に何を願うか。そこで自分の本質を知ることができる(かも?)、そういう意味で一度観ることをオススメします。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-19 19:49:27) |
5. ル・アーヴルの靴みがき
《ネタバレ》 見始めたら、いきなり男が拳銃で殺されるシーン・・・。ハードで重苦しい内容かと思ったら、まったく違った雰囲気の映画でした。 警視が、船に隠れる黒人少年を見て見ぬふりをしたり、妻の病気が奇跡的に回復するラストシーンなど、話そのものは少々強引でマンガ的な部分もありますが、主人公を取り囲む人々の心のあたたかさを、余計なものをそぎ落としてシンプルに表現しているところが良かったです。現実の密航・移民・難民等の問題を解決するのは、政治的な理屈や都合ではなく、心の豊かさ・人間らしさ、という作り手のメッセージでしょうか。 何となく昔っぽいような画が古臭く感じなかったのは、音楽の力が大きかったと思います。また、わめいたり叫んだりという喜怒哀楽の過剰表現がなかったおかげで、終始静かな空気感が漂い、最後まで落ち着いて楽しめました。鑑賞後に調べたら、「浮き雲」の監督だったんですね。なるほど、納得。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-06-27 19:33:07) |
6. ヘンゼル&グレーテル
テンポ感とシンプルな内容で、何も考えずに最後まで観ることができました。ただ、終始アクションシーンばかりだったという印象で、殴り合いのシーンは「なんだか、昔の仮面ライダーみたい・・・」と思いながら見ていました。ヘンゼルとグレーテルをはじめ、登場人物の描き方に深みがないからか、みんなゲームのキャラのようで、登場人物に対して何の感情も湧きません。まぁ、この類の映画に、そういったものを期待する方が間違いなんでしょうけど・・・ [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-04-16 22:57:10) |
7. アメリ
《ネタバレ》 フランス語の響き、フランスらしい音楽、おしゃれな街並みという土台の上に、アメリの世界観を乗せ、フランス映画独特のセンス、美しい映像技術で見事に料理した、「オールフランス」の相乗効果で、完成度の高い作品に仕上がった印象です。 最初、アメリのキャラクターはちょっと苦手な感じでしたが、品の良いユーモアが心地よく、最後まで楽しめました。写真の男の正体がわかるシーンなどは、座布団一枚差し上げたいくらいです(笑) 人とのコミュニケーションが不器用な人間って、少年時代の宝箱や遅配の手紙のような話を「妄想」して楽しむ傾向が、他の人よりも強いんですよねー。そういうタイプの人の心理描写が秀逸で、そこが、ただの雰囲気映画・不思議ちゃん映画とは決定的に違います。 人の感情を弄ぶような「みんなを幸せにしてあげますミッション」を遂行するアメリに対して「おまえ、天使にでもなったつもりかよ!」と、普段なら怒りのツッコミを入れたくなるところですが、まぁこういうイタイ子ちゃんのやることだから・・・と、不思議と気になりませんでした。そりゃ、現実にこんなことしてるヤツが自分のまわりにいたら、グーで鼻殴りますけどね。でも隣のおっさんと八百屋にしたようなことは、自分もやりそうです(笑) 以前は「フランス映画、良さがさっぱりわからん!」状態だった自分も、本作をはじめ、良質のフランス作品に触れる機会が多く、フランス映画アレルギーが少しずつ緩和されてきた気がします。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-08-26 22:09:00) |
8. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
もともとラテン音楽が大好きだし、最近はテレビ番組でよくキューバの様子を見ていたこともあり、いつかは訪れてみたいと思う国だったので、最後まで食い入るように見ていました! じいさん、みんなカッコ良すぎる!(笑) たまたま自分のストライクゾーンど真ん中だったこともありますが、音楽としても、ドキュメンタリー映画としても最高でした! [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-04 18:55:55) |
9. コン・ティキ
《ネタバレ》 いろいろあって、いかだで海を渡ることになり、いざ海に出たら様々な問題に直面しながらもなんとか到着。でも「実話だからその通りに描く」では、ただの再現ドラマになってしまいますね。冒険もの・ヒューマンドラマ、どちらの観点からも中途半端という印象でした。展開が予想通り過ぎて、もうちょっとスパイスがほしかったです。 海に出たら、到着するまで海でのシーンが延々と続きます。内容は、海洋アドベンチャー映画にありがちなものばかりで、ピンチの時の緊張感もさほど伝わってこないし、「海の冒険」をメインテーマにしてしまったことで、凡庸な印象になってしまったような気がします。 航海中の出来事とリンクさせた各乗組員のドラマ・エピソードなどが絡んでくれば、ドラマとしての面白さが増したのでは?また、実際にこの冒険が、どれだけ学術的に価値があったのかわかりませんが、アカデミックな部分をもっとクローズアップさせられなかったのでしょうか? ヨメの別れの手紙、あれをラストに持ってくるのはちょっとどうか・・・ 冒険がメインの展開に合わせるなら、そんなエピソードは最後の「彼ら達のその後」の中に折り込んでしまえばいいはず。そこに焦点を合わせたドラマを作るのなら、全体の作り方・見せ方はもっと違ってきたように思えます。 映像はかなり凝っていたようですが、それが「すごい!」と思わせるだけの背景がないため、ただの腕自慢に感じました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-01-09 10:42:10) |
10. グッバイ、レーニン!
《ネタバレ》 ドイツ統一によって社会や生活が変わっている様子を、珍しく東ドイツ側の視点で描かれています。歴史的・政治的な出来事をテーマとして扱うと、特に東側目線で表現しようとすると重苦しくなりがちですが、一般市民の家族愛を軸に、コメディっぽい要素もうまく絡めながら、質の良いヒューマンドラマとしてまとめられています。最後、テレビの画面ではなく、息子を見る母のシーンは最高でしたね。でも、息子の気持ちもわからないでもないですけど、母親に真実を伝えないのはどうかと・・・。 あと、お父さんとの絡み、もう少し何とかならなかったんですかねぇ? せっかく登場したのにちょっと尻すぼみっぽい印象が残念でした。 資本主義とか社会主義とか、いろいろな宗教など、この星では多種多様な考え方がぶつかって争いが絶えない・・・なんて、宇宙規模からみれば目クソ鼻クソ程度みたいなことが語られていましたね。どの平和論も、最終結論は「相手を認めること」。こんな簡単なことなのにねぇ・・・ [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-05-09 00:52:19) |
11. 蜂蜜
自然の美しい風景や音が心地よく、かといって環境ビデオのように「ほ~ら、きれいでしょ」的なわざとらしさもないので、なんだか不思議なムードに包まれた感じが、見終わった後からジワ~っと沁みてきました。ドラマティックなストーリー展開を楽しみたいという人には不向きかも・・・。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-03-21 22:36:50) |
12. 暴走特急 シベリアン・エクスプレス
巻き込まれ型サスペンスというと、ついヒッチコック作品と比較したくなりますが、これは比較の対象にすらなりません。単純で面白くない上に、過剰ともいえる拷問シーンが不愉快だし、おまけにラストのオチもすぐにわかってしまって・・・。ほめるところを探すのも難しいですが、日本の2時間ドラマより少しはマシということで2点。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2014-01-10 21:49:27) |
13. カルラの歌
《ネタバレ》 重苦しい内容で辛かったですが、でも観て良かったです。理由はカルラがとても魅力的だったこと。辛く悲惨な話だっただけに、最後のカルラの歌がとても素敵に聴こえました。政治絡みで人々が苦しむ話はあまりにもやりきれないので、おそらくこの映画は2度と観ないでしょう。でもニカラグアの事情についてはもっと知りたいと思いました。血を流すことに賛成するわけではありませんが、そうした中からでしか得られないものがあるような・・・ [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-12-10 21:55:10) |
14. クリスマスのその夜に
とてもいい映画にめぐり会えました!画面の雪景色のように、静かな話の流れでありながら退屈ではなく、とても濃密で、ストーリーはハッピーではないのにジワ~っと心温まる群像ドラマです。複数の話が交じり合うわけでもなく、奇跡が起きるわけでもない、それがかえってリアルさを増していました。センスのいい映像、そしてラストの曲は最高でした!クリスマスに大切な人と過ごす場所、それが「home」ってことですかね?一般ウケを狙ったような底の浅いドラマ的展開やゴテゴテした装飾感を一切排除した、大人が楽しめるクリスマス映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2013-12-10 00:19:56) |
15. モーターサイクル・ダイアリーズ
《ネタバレ》 南米の雰囲気・空気感がよく伝わってきて、一度は訪れてみたいという気になりました。ただ、映画として観た時に、その完成度には不満が残ります。特に、バイクがなくなってからは、やや退屈でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-10-17 17:16:13) |
16. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
《ネタバレ》 ストーリーそのものはそんなに大したことないと思いますが、演出やカメラワークなどが素晴らしいと感じられるシーンがたくさんありました。音楽の選曲センスは最高でしたね。音楽の効果で、面白さが何倍にも膨れ上がっていました。2人の車を追跡するパトカーが、赤信号ではきちんと停止するシーン、あれはドイツの真面目気質を皮肉っているのでしょうか? [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-10-14 16:18:22) |
17. 幸せはシャンソニア劇場から
《ネタバレ》 冒頭のシーンがあっただけに、「ハッピーそうな展開になっても最後は誰かを殺しちゃうんでしょ?」と、それがずっと気になってしまいました。いい映画だとは思いますが、僕の理解力に問題があり、ところどころ理解不能なシーンがあり、ちょっと残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-07-10 23:35:10) |
18. スモーク(1995)
いろんな理屈は抜きにして、見終わったあとに「あー、いい話だったなあ」と、幸せな気分になれる映画でした。年に一度くらい見たくなるので、めったに買うことがないセルDVD、購入しました。 [DVD(字幕)] 9点(2011-07-02 23:15:32) |