1. 赤毛のアン/完全版〈TVM〉
昔見た「赤毛のアン」をNHK連続テレビ小説「花子とアン」の開始とともに再鑑賞。女の子っぽい作品と多少見下していた自分を反省する。街や風景の美しさ、空想好きの少女アンのひとつひとつのエピソードが丁寧に描かれており、改めて名作だと痛感する。DVDで見たのはこっちの3時間の完全版だったことを知る。 [DVD(字幕)] 8点(2014-04-20 08:24:49) |
2. わが青春のマリアンヌ
美男美女のベタベタな話は苦手だし、少年探偵団のなかに20代の半ズボン青年が出てくるのも馴染めない。 [DVD(字幕)] 4点(2013-12-02 20:20:39) |
3. さよなら子供たち
「シンドラーのリスト」や「アンネの日記」などユダヤ人を扱った映画は数多くあれど、これはこれでまた良い。ルイ・マル監督の思いが込められたすばらしい作品だと思う。映画は途中までは学園ものかと思わせるほどの、微笑ましい日常生活が続くが、ドイツ占領軍のユダヤ人狩りは少しずつ迫ってくる。そしてひとつの密告から急展開に。 監督自身の少年時代の忘れられないできごとが基になっているため、とても説得力があるように思う。連行されるユダヤ人らを見送るラストシーンは、私自身も忘れることができない。なおピアノ演奏されるシューベルトの「楽興の時」第2番は、この映画に実によく合っていて、これまた心に深く刻まれる。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-05-28 08:43:56) |
4. 蘭の肉体
エロティックな題で、シャーロット・ランプリングも惜しげもなく裸体を見せるが、ジャンルはサスペンス。叔母が財産をせしめようとしたり、殺し屋が目撃者を消そうとするのはわかるが、どうもわかりづらい内容だ。 [DVD(字幕)] 3点(2013-04-25 21:22:31) |
5. 郵便配達は二度ベルを鳴らす(1981)
ジェシカ・ラングの美しさとジャック・ニコルソンのエロさぐらいしか記憶に残っていなかったが、イタリア版の映画がまずまずだったので改めて見る気になったのだが・・・。やはり犯罪映画という以外何もなかった。ニコルソン演ずるフランクは根っからの悪人だ。そういう悪人に惚れる女の気が知れない。せっかくキングコングから解放されたというのに。それにもう一度見直しても後半のストーリーがわかりにくい。 [映画館(字幕)] 4点(2013-03-13 23:16:29) |
6. O嬢の物語
前半こそ「エマニエル夫人」よりも神秘的で美しいと思っていたが、後半はまったく駄目。途中で話の流れを見失ってからは、映画が終わるまでが唯々長く感じられた。 [映画館(字幕)] 3点(2012-12-16 17:26:16) |
7. ベルリン・天使の詩
高い壁によって東西に分けられたベルリン、戦争の傷跡を残した街、平和へのメッセージをもっと強くイメージした映画かと思ったら、そうでもないらしい。エンジェル=平和のシンボルは私の思い過ごしか。映画はベルリンの人々の独白によって静かに進んでいく。天使はただそばに寄り添うのみ、子どもからしか見えず大人からは見えない。この前半は少しもおもしろくないが、すごい芸術性を感じる。ところがどうもカラーになってからおもしろさは出てくるが、私の好みからは外れてくる。そもそもなぜ天使が人間になったのか、心情的に理解できない。それになぜにコロンボなのか。 [DVD(字幕)] 5点(2012-10-27 09:40:13) |
8. 合衆国最後の日
《ネタバレ》 人質事件が発生した際の日本と米国の対応はまったく違う。日本は人質の人命尊重第一に考え決して強行な態度は取らないが、米国は犯罪防止を第一に考え、犯人を射殺するし人質が巻き添えを食らってもそれは仕方がない事だと考える。だから大統領は人質になることをためらったのであり、映画を見てる側も最後の結果を予測する事ができるのだ。(犯人を射殺して解決すれば万歳であり、大統領は気の毒にとか運がなかったですませる) ベトナム戦争の多くの犠牲や核開発の恐怖など、すべてが米国の威信を保つためであり、大統領ですら使い捨てという米国の醜さを表していると思う。だからこそ、広島・長崎の原爆投下も正当化するし、反省とか謝罪をまったくしない強い米国があるのだと思う。 ところで猛毒なガスを発生させる液体、昔映画を見たときはまったく気にもとめてなかったが、これがあの「サリン」だったとは。 [映画館(字幕)] 7点(2012-09-19 22:00:04)(良:1票) |
9. パリ、テキサス
こういう映画を心打つ感動の映画だというのだろうと思う。しかし昔映画館で見たときは、とてもすばらしく思えてもトラヴィスの心境を理解することができなくて、私自身この映画を封印してしまっていた。以来二十数年、DVDを手に入れてからもなお、わだかまりがあってもう一度見ようとしなかった映画、非常に良かったという印象はあっても、フランスのパリではなくテキサスのパリだということくらいしか思い出せなくなってしまっていた映画、意を決してようやくDVDを見た。すると見ているうちにどんどん記憶が蘇ってきた。そして最大の難所のラストシーンもありのままに受け入れることができた。これも当時ハンターよりまだ小さかった我が子が一人前になって独立するだけの年月が経っていたからかもしれない。 年月が経てば映画に対する思いも変わっていくものだとつくづく感じる。今では素直に10点満点。 [映画館(字幕)] 10点(2012-07-30 15:07:17) |
10. 毛皮のビーナス(1969)
《ネタバレ》 男の方が苦痛を快楽とするいわゆるM、女の方は見られることを好むタイプ。その二人が結婚して行きつく先はおのずとわかる。最後はどうなるかというと、・・・。 途中馬の種付けシーンが出てくるが、ストーリーに関係あるのかと疑問に思う。映像として初めて?だったのでびっくりした。 ラウラ・アントネッリを見るだけの映画、多くを期待しないで見るとよいかも。 [映画館(字幕)] 4点(2012-06-28 12:58:50) |
11. 思春の森
《ネタバレ》 登場人物は正真正銘3人のみ、しかも1人の少年と2人の少女だ。物語は主人公の少女ラウラの語りによって進行していく。 ラウラは少年の心をつなぎ止めようと必死だし、少年ファブリツィオはそういう彼女を子どもっぽいとからかい、悪戯をエスカレートさせる。美少女シルヴィアもまた顔に反比例して高慢であり、残酷である。このあたりのいびつな描写が実に見事、なかなかのドラマである。 映画は児童ポルノだとか陰湿だとか妙に騒がれもしたが、表面だけしか見ないとこうなるのかもしれない。 [映画館(字幕)] 6点(2012-05-17 22:43:36) |
12. カサンドラ・クロス
昔見たときも相当ひどい映画だと思ったが、今見直してみるともう話にならないくらいお粗末。特撮がどうこうの問題ではなく、脚本がひどい。最初見たときもソフィア・ローレン出演ともなれば単なるパニック映画ではなくなるだろうと思っていたが、あっさり裏切られたばかりか、後半から終盤にかけては単なるパニック映画よりもひどい。 この映画になぜという疑問を持ち出したら、答えられられない疑問ばかり残る。それとも愚かさを表したかったのだろうか。 [映画館(字幕)] 3点(2012-04-26 18:38:08) |
13. 地獄に堕ちた勇者ども
ナチス内部の突撃隊と親衛隊の権力争いもすさまじいが、それをバックに描かれる鉄鋼王一家の権力争いもまたすさまじい。親戚親子の関係でありながら、愛欲と憎悪、倒錯と陰謀が入り交じり、後半に至っては理解しがたい展開となる。それを赤裸々に描いたヴィスコンティは鬼才と言えよう。 個人教授で一躍脚光を浴びたルノー・ヴェルレーは馴染みの顔だったが、若きシャーロット・ランプリングはこのときは名前すら知らなかった。印象に強烈に残る美しき女優だったのに・・・。 [映画館(字幕)] 7点(2012-04-18 12:30:58) |
14. バグダッド・カフェ
砂漠の中のオアシスという感じで悪くない。夫に置き去りにされた女と夫に逃げられた女、やはり相通じるものがあったのだろう。最初はうまくいかなくても、手品という魔法で万事うまくいく。主題歌はもちろんすばらしい。蛇足ながら映画の完全版は108分 [DVD(字幕)] 6点(2012-02-19 00:12:29) |
15. アルプスの少女ハイジ(1965)
《ネタバレ》 映画の始まりが、ハイジが8歳になったときからのスタートというのは、物語をすっきりさせるためにも良いだろう。しかし肝心のクララが歩けるようになる時期と設定を変えてはどうだろう。映画のまとまりはできても、別の物語になってしまうのではなかろうか。アルプスの大自然の描き方はすばらしいが・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2011-12-30 23:43:28) |
16. 追想(1975)
いくら妻子を殺されたとしても、この男は狂ってしまったとしか言いようがない。残酷な映画だ。医者であれば、敵味方に関わらず人の命を助けるというのが努めだろう。思い出したくない映画の一つである。それとフィリップ・ノワレはどうしても、こういう残酷な映画には向かない気がする。 [映画館(字幕)] 3点(2011-09-17 17:55:40) |
17. 都会のアリス
《ネタバレ》 自然を相手にやたら写真を撮りまくり、訳のわからぬ独りごとを言うフィリップ。別れた女に会いに行っても、彼の話は一方的で相手には通じない。 そういう彼がふとしたことから9歳の女の子アリスと旅するようになった。大人になりきれていないフィリップに対して、この少女はしっかりした面を持っていて好き嫌いもはっきりと言う。母親と離ればなれになってもなかなか弱音を見せないし、アムステルダムでは、オランダ語がわからない彼を逆にリードする。しかし気丈に見えてもやはり少女、唯一トイレに隠れて泣くシーンが印象的だ。 祖母の家を探す旅で二人は少しずつ心が通じ合うようになる。写真を撮ったり、泳いだり、へんてこな体操をしたり・・・。実に心が癒されるシーンの連続だ。 結局は警察に任せておけばあっさりとなのだが、回り道をしたことによって、フィリップも成長したということだろう。 ペーパームーンと比較される映画だが、悪いことはやっていないし、情感漂うこっちの映画が私は好みだ。 [DVD(字幕)] 8点(2011-08-06 13:06:53)(良:1票) |
18. チャタレイ夫人の恋人(1982)
英国で問題となり日本でも裁判沙汰になった「チャタレイ夫人の恋人」しかし取りざたされたのは原作の小説であり、日本語の訳文である。日本ではすでに英国で解禁になっていた小説が、猥褻だということでカットされ訳者は有罪となった。今では到底考えられないが・・・。 映画の方はというと、主演のシルヴィア・クリステルらがすでに「エマニエル夫人」などの映画に出演し、70年代さかんに上映されていたので問題はなかったと思う。 ただしその頃は問題の箇所には、ぼかしが入っていた。今DVDで見るとぼかしも入っていない。昔と今とではヘアーが解禁になったりするなど、ずいぶん違うものだ。 ストーリーはどうかというと、純文学らしくはっきりしていると思う。 この映画はエロティック云々というより、身分や階級に縛られた慣習を打破することの方が意味があるように思う。女性を子どもを産む機械のように考える人は、最近の日本の政治家の中にもいたようだがとんでもないことだと思う。 [映画館(字幕)] 6点(2011-07-25 17:36:54) |
19. 哀愁のトロイメライ
《ネタバレ》 作曲家ロベルト・シューマンと妻クララの愛の物語は、結構有名であり、クラシック音楽ファンならずとも知っている人も多いのではないだろうか。この映画はロベルトとクララの出会いから始まり、彼女の父親から反対されながらも、裁判で結婚を勝ち取り、翌年交響曲第1番「春」を完成させるまでの10年間を描いている。その意味では史実に近く、パガニーニや親友メンデルスゾーンも登場するし、シューマンはもちろん彼以外の同世代の作曲家の有名な曲も、世界一流の演奏で聴くことができる。 ところで、クララの父親がどうして結婚に反対したかであるが、クララはその当時すでに超一流のピアニストであったのに対し、ロベルトは20歳過ぎてからクララの父親の弟子になった駆け出しの音楽家、やむをえなかったのではなかろうか。それにロベルトとクララは年齢が10歳も違い、初めてキスしたときクララはまだ16歳の少女だったはず。 史実と違うのは有名なピアノ協奏曲、この曲は結婚よりずっと後。 なお邦題の「哀愁のトロイメライ」はいかがなものか、原題の「春の交響曲」ではいけなかったのだろうか。 [DVD(字幕)] 7点(2011-04-07 13:16:54) |
20. 続・菩提樹
やっと続編を見ました。米国へ行っても苦労はつきものですが、なかなかすんなりうまくいかないところが、実話らしく良いと思います。男の子のボーイソプラノはきれいですね。うっとりしました。 ただ映画全体としては少々平坦で、苦労している割にはその苦労が余り伝わってこず、前作よりも魅力に欠けていると思います。 [DVD(字幕)] 6点(2011-02-23 21:32:42) |