1. 羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来
久々に良い物語を見たな、という感じのあったアニメですね。 基のWebアニメはちらっと見ただけだけども、全くと言っていい程内容は違いますので評価すべきは、あそこからこの映画に持って行ったスタッフでしょう。 理由付けや目的をシンプルにして、物語を見事なまでに丁寧に仕上げてあります。 これは日本の多くのアニメ作家が評価するのがわかりますよ。奇をてらった様な仕掛けなんてひとつも無いし、だからと言って、作品そのものの世界観や、個性的なキャラクターの演出、日本のアニメの様な、限られたコマ数での動きの良さなど。今の3DCGの技術や能力の高さに依存しない感じがとても魅力的に感じました。3DCGを決して否定すると森は無いのだけど、画の綺麗さやスムーズな動きが、良い映像と思っている人にはとても良い見本となる映画だと思います。 [映画館(吹替)] 8点(2021-06-16 12:45:55)(良:1票) |
2. シャンハイ(2010)
《ネタバレ》 随分と中途半端だな、という印象です。上海の第二次世界大戦前の魔窟と言われていた時代と、日本軍の暴虐ぶりという二つのイメージをネタに作りました、という感じ。戦藻映画好き、近代史好きからすると、このシナリオでは満足は出来ません。空母加賀が上海で魚雷を積み込んだ?しかも、ドイツ人技師に調整をしてもらった?こんな話を脚本に入れただけで、腰砕けです。帝国陸軍と帝国海軍陸戦隊の区別も階級章だけだったし。単に話を展開させるのを目的とするなら、こういうつまらない嘘をネタにしなくてももうちょっとマシなネタはいくらでもあったと思うんですよね。多分、日本以外の国ではこれでもウケるのでしょうね。いや、今の日本人であれば関係無いのかもしれない。但し、映画ファンから見れば、史実を知らなくとも、この脚本だけで映画の悪いところは充分に分かるのでしょうね。 役者は良い演技をしてたと思いますよ。笑ったのは日本語の英訳がかなり杜撰な事。やっぱり、日本語の言葉をちゃんと汲み取っていないのは日本人としては残念です。 [映画館(吹替)] 4点(2011-09-03 21:35:40) |
3. 鬼が来た!
物凄く脚本が練れてると思います。ステロタイプというか、かなりプロパガンダが含まれていると思うのだけど、どうもスタッフがそのプロパガンダを利用してかなり皮肉めいたものを出しているという所も感じられますね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-12-05 10:40:49) |
4. ベスト・キッド(2010)
《ネタバレ》 リメイクとしてはアクションが旧作以上にしっかりしていたし、全体的にしっかりとした作りになっていて良いですね。何よりもジャッキーが教える立場になっているというのが「蛇拳」や「酔拳」などで教わる立場だったのを考えると感慨深いものがあります。 と、褒めるのはここまで。 先ず、リメイクであることは判るのだけど、タイトルの「KARATE KID」は止めようよ(笑)。いくらアメリカ人が空手と中国武術(功夫)の区別が付かないのだとしても、どこかでその機会を作る必要はあるんじゃないかな?劇中で自虐的に言うシーンはあるけど、あれじゃちょっと弱いよね。 それといじめてる側の少年達が最後には仲直り、みたいなシーンは正直いらなかったと思うけどね。中国人のにたいしての印象付けを悪くしない為の配慮なのかもしれないけど、終わり方としてどうかなと思いますね。 この映画の根底にある、いじめ問題については一応描かれてはいるけど、それ以前に主人公が自らいじめを誘発するような部分というのはかなり頂けないと思ったし、彼の性格が終始鼻っ柱が強くて生意気なベタなアメリカ人という感じは、まるでドラえもんにすがるのび太君という感じを髣髴させ、最後まであまり変わらなかったのが非常に残念でした。それとこれが一番重要なのだけど、旧作におけるミヤギの弱い面として表現される家族の死について、旧作は日系アメリカ人に対する戦中の強制収容所収容や財産没収といった、アメリカの迫害問題という部分で作中に描かれたいじめ問題を強調し、同時にアメリカ社会の根底にある、差別や迫害を考えさせる映画になっている筈なのだけど、本作でも同じ様にハンの家族の死として描かれてはいるけど、そこまでの問題として、生かしきれなかったよね。天安門事件や中国の農村差別問題、自治区の問題など、表現方法はいくらでもあった筈なんだけど、中国側への配慮もあったのか、単なる事故死で終わらせてしまったという所がリメイクを中国でやった限界なのかもしれないですね。 良い出来ではあるけれども、旧作を越えられたかというと、やはり旧作には勝てなかったかな、という気がします。 [映画館(吹替)] 5点(2010-09-05 14:03:44) |
5. 敦煌
壮大なドラマですが、何故か好きになれない。単に原作が嫌いなだけかもしれない。全部配役を日本人で固めたのは成り行き上仕方ないわな、良くアメリカでも似たような事やってるし。でもなんかスケールがでかい割に戦闘シーンがこじんまりして見えるのは何故だろう?敦煌文化の保存の為のPR映画でしかないのかなぁ。これ、バブル期だから出来たけど、今一度この時期にやったら賞賛するなぁ。 5点(2001-11-16 18:27:02) |
6. グリーン・デスティニー
アメリカみたいにデジタルなアクション(特撮)でなくあくまでもアナログ的なアクションであそこまで見せたのは正解だったと思う。ワイヤーアクションが嫌いと言う人には仕方ないけど、じゃぁCG無しであそこまでの映像を撮れって言っても絶対に無理でしょ。アメリカの特撮=リアルと感じるのは単にアメリカの映像に慣らされただけの話ですよ。ワイヤーを使った跳躍の表現とか浮遊感は今のハリウッド映画では出しにくいと思う。ファンタジーとしても出来が良いし、出てくる役者も実に表情が良くてあたしは好きです。ストーリーの重きの置き方が判りにくいのは確かにマイナスの要因になりますが、あれはいかにも中国のお話にありがちなシナリオなので仕方ないかなぁ。これを契機に「封神演技」をこの監督には映画化して欲しいなぁ。 8点(2001-11-15 20:06:59) |
7. 少林寺
当時、ブームでしたよね。ジャッキー・チェンのカンフーアクションで中国武術を知り、この「少林寺」で多種の中国武術を見ました。かなり演技とか演出でおかしな所もありますが、武術面ではさすが中国全土の武術のトップばかりで迫力がありました。 7点(2001-07-21 13:30:21) |
8. 未完の対局
日中国交正常化10周年記念映画だったかな?日本と中国の2人の棋士の間に隔てられる壁のなんと大きな事か。三國連太郎と孫道臨の演技力のすさまじさに圧倒されまくりでしたね。テーマがちょっと重かった上にエンディングで流れる「愛は夢のように(抱きしめて)」(わかる人しかわからんなぁ・・・笑)、佐藤純彌の得意路線なんだけど、2国の名優が絡むとあそこまで凄い映画になるとは思わなかったですね。 9点(2001-07-16 19:46:12) |