1. 世界で一番しあわせな食堂
《ネタバレ》 美しい自然やのどかな人々が醸し出すフィンランドの雰囲気と中国テイストとのマッチングが、最後までかみ合っていないように感じました。音楽等でうまく混ぜ合わせようという工夫が、いまひとつ機能しなかった・・・というか、逆効果だったように思えます。 問題を抱えた中国人親子が異国の地で、シルカや地元の人たちに囲まれて徐々に心を開いていく様子がこの映画の基本軸。しかしその軸への肉付け方があまりにも雑。特に、母親を亡くしてこじれてしまった父と子の関係の描き方・掘り下げ方が甘いため、関係が修復していく様子にも感情移入できませんでした。 また、この映画の重要なキーパーツのように登場させたフォントロンも、「えっ、これが答え?」というあっけなさ。思わせぶりな冒頭のフリが全然活かされていませんでしたね。 心地いいフィンランドの空気感や美味しそうな中国料理など、映像や雰囲気はチェンが作る料理レベルなのに、脚本や演出はシルカのマッシュポテト程度といったところ。こういう雰囲気の映画は好きですが、これはちょっと自分には合わなかったようです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2023-04-12 19:15:41) |
2. マイ・ブルーベリー・ナイツ
《ネタバレ》 やっぱりウォン・カーウァイはいいですね! この映画も、ウォン・カーウァイ独特の映像世界に音楽がピッタリと合っていて、とてもカッコ良かったです! ただ、見始めてしばらくは「恋する惑星」や「天使の涙」の印象が強烈に残っていたせいか、最初は映像と英語&アメリカの組み合わせに違和感を覚え、慣れるまでに少し時間がかかりました。 ストーリーだけに焦点を当てると、登場人物の掘り下げ方や展開等に物足りなさを感じるでしょうが、もともとウォン・カーウァイ作品の魅力は、映像・音楽・ストーリーのバランスの良さ。これ以上のストーリー濃度は、かえって作品の良さを損なうような気がします。 個人的には、ラスベガスへ向かう時の風景が「テルマ&ルイーズ」のような乾いた雰囲気で、とてもステキに映りました。このシーンを見せるためだけにアメリカを舞台にしたのかと思えるほど。そして、手を振りながら2台の車が別れていくシーンが、この映画の中で一番好きでした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2022-04-17 21:01:07) |
3. 西遊記 はじまりのはじまり
《ネタバレ》 こういうノリの映画は途中で飽きてくることが多いのですが、これは意外と最後まで楽しめました。段のキャラや容姿も自分好みだったし、特にラストのGメン75は大笑い! 玄奘は、NHKドラマで見た池松壮亮の金田一耕助に見えてしまい、自分が抱いている三蔵法師のイメージともかけ離れていましたが、これはこれでアリかなと思います。 でもまあ、この映画のテイストは、一度味わえば充分といった感じで、たぶんもう見ることはないだろうし、この映画の後に放送していた続編の“西遊記2”も、「いや、もう結構・・・」でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-11-21 17:10:33) |
4. ラスト、コーション
《ネタバレ》 スパイが敵を愛する、というのはよくある設定ですが、いわゆる「スパイもの」ではなく、哀しく切ない恋愛映画でした。「逃げて」のあとはもう・・・・・ 他にも見どころはいろいろあるのでしょうが、こういう映画、ちょっと苦手で、この映画の奥深いところにまで目が届いてないかもしれません。でも、見終わったあとに気持ちがどよ~んとしてしまうので、もう一度観ようという気にはならないと思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-22 23:15:39) |
5. 愛の神、エロス
ウォン・カーウァイ監督の「若き仕立屋の恋」、これはほんとに素晴らしい作品ですね!これ以上の感動が味わえる恋愛映画、しばらく出会えないんじゃないかと思えるほどの傑作でした。おかげで、あとの2本の印象、自分の中ではちょっと弱くなった感じでした。それにしても、もうちょっとマシな邦題はなかったのでしょうか?タイトルだけ見た時は「きっとB級エロ映画だろう」としか思えませんでした(笑) [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-11-23 20:21:42)(良:1票) |