81. 青べか物語
川島雄三監督作品、自身20本目の鑑賞作。 フィルムセンターにて鑑賞。 これは退屈だった。 ほんとまいった。 退屈で退屈で。 川島雄三監督と森繁久彌の相性って、たぶん悪いんじゃないかと思う。 『グラマ島の誘惑』もそうだったけど、森繁にこういう愛嬌がなくぶっきらぼうな男を演じさせるのは良くない気がする。 『夫婦善哉』の森繁には、おとぼけた愛嬌があった。 だけど、本作の森繁にそれはみられない。 ただ単に、ぶっきらぼうな男なのだ。 フランキー堺が特別出演という形で出てくるが、彼の登場するシーンだけは例外的に面白かった。 [映画館(邦画)] 3点(2008-08-31 01:10:10) |
82. 蒼い夏
《ネタバレ》 チャンネルNECOにて放映された作品。 映画的に評価すると、ダメダメなのだが、どうも単純に切って落とせない魅力がある。 それはメッセージ性の強さだろうか。 人を愛することの大切さ、重み、そんなメッセージがビシビシと伝わってくる。 「最愛の伴侶と、その娘のためなら何でもできる」。こんな感じのセリフが出てくる。これには心に沁みた。 ありきたりな言葉ではあるけれど、だけど、心に沁みた。 こういう素直な作品って、ここ最近の邦画にはない味で、そういう意味で、高く評価したい。 それにしても、チャンネルNECOって、こういう誰も観てなさそうな、誰も興味持たなそうな、それでいてキラリと光る部分をもった作品をたまにポツポツと放映してくれる変わりモンなチャンネルだなぁ、と感心したのだか、バカにしたのだか。 でも、どうなんだろ。 あの看護婦さん(今井陽子)、綺麗すぎやしないか? あれがブサイクな看護婦さんなら、信憑性があったんだろうけど、あそこまで綺麗でスタイルいいと、どうも光石研のヨコシマな気持ちを疑いたくなる。 大体、光石研が冴えないお父さんで、しかも良い人ってのがムリがある。 そういったリアリティが欠如しているキャスティングには非常な疑問を感じた。 映画的には欠点だらけの本作だが、だけど、愛すべき小品である。 そして、こんな作品を放映に踏み切ったチャンネルNECOも、欠点だらけだが愛すべきチャンネルである。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-08-15 23:34:36) |
83. 足摺岬
とにかく暗い。 決して退屈という作品ではないが、とにかく暗いのだ。 木村功は大根気味だが、ここでもそれなりの存在感を発揮。 津島恵子は、お姉さん的で優しさが滲み出ていて、とても魅力を感じた。 そういや、森川信の若い頃って、本作で初めて観た。 『男はつらいよ』の初代おいちゃん役で有名な俳優だが、この頃から既にオッサンで、しかも同じキャラだった。 [ビデオ(邦画)] 5点(2008-08-08 03:00:33) |
84. 愛人
誰が誰を好きだの、誰が誰と結婚したいだのと、何人もの男女の中で巻き起こる喜劇的内容は、なかなか良くできている。 特に、三國連太郎が愛を打ち明けるシーンは、緊張感がみなぎり、傑出したシーンとなっている。 だが、しかし、交錯する愛のお話っていうだけで、それ以上がない。 喜劇としても中途半端だし、愛憎劇とは言えないし、かといって家族愛を描いた感動作でもない。 脚本的にはとても良くできているし、複雑な話をよくまとめた感はあるが、いかんせん全ての要素が中途半端になってしまっているのがイタイ。 [映画館(邦画)] 6点(2008-07-18 00:27:44) |
85. 杏っ子
《ネタバレ》 よっしゃ~!やっと観れたー! 映画館で運良く上映された為、この度、めでたく観ることができました。 香川京子主演で、監督が成瀬巳喜男とくれば、ハズレはまずありえません。 香川京子ですが、本作では苦しむ女性を演じています。 しかし、とても芯が強く、夫である木村功に苛められても決してへこたれません。 強い女性を演じさせても、全く違和感なく演じきるところは、さすが香川京子です。 本作は、いわば成瀬作品のお決まりパターンで、どんなに衝突しあっても夫婦である限り決して別れないという内容です。 現代においては、離婚というものが決して珍しいものではない為、ここまでして夫婦という関係を維持するという行為は、理解し難いのも事実です。 しかし、夫婦という形式はとっていますが、本作のこういった内容は、人生の色んな局面で教訓となることでしょう。 苦しいことがあっても決してへこたれず、最後まで粘り、頑張り続ける。 これは、例えば仕事などにも当てはまる人生訓です。 本作の中で山村聰が言います。 「苦しいことがあっても、一休みしてそれで回復したら、また頑張るんだ。そして倒れるまでとことんやり切るんだ。」 と。 最後にこの様な内容のセリフが出てきて、作品は幕を閉じます。 苦しいことはあるが、明日から何とかやっていこう、乗り越えよう、そんな勇気が湧いてくる素晴らしい作品でした。 [映画館(邦画)] 7点(2008-06-08 00:07:41)(良:1票) |
86. 愛と死の記録
暗い。 ただひたすら暗い。 原爆の恐ろしさや惨たらしさを表現しているのだと思うが、あまりに後味が悪すぎる。 [ビデオ(邦画)] 0点(2008-06-04 21:26:53) |
87. 愛のお荷物
なんと豪華な出演陣! 山村聡、三橋達也、フランキー堺、山田五十鈴。 それぞれ個性を満面に打ち出していて楽しい。 テンポ良く最後まで観られるのが魅力。 また、人口増加というシリアスな問題が背景にあるのに、まるっきり暗さがなく、川島監督の上手さが伺える。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-02-17 18:28:13) |
88. あにいもうと(1953)
《ネタバレ》 森雅之だが、本作では職人風情の荒っぽい男を演じていた。 これがどうも無理があるように見えてならない。 熱演により、何とかそれらしくは見えたが、ミスキャストなのは否定できないところ。 やはり、森雅之には「脂ぎった陰気なオヤジ」が良く似合う。 しかしながら、「妹を本心では愛しつつも、表向きは邪険に振舞い、そして妹を孕ませた船越英二を殴り飛ばす」、このシーンには感動できた。 京マチ子だが、以前からどうも苦手な女優だ。 ボリュームがありすぎるし、どうも好みに合わない。 むしろ、気持ち悪いとさえ感じてしまう。 久我美子だが、やっぱりナインティナインの岡村に似ていた。 浦辺粂子は実にいい味を出していた。 野暮ったくてノロマな田舎のばあちゃんだけど、実に人情味があって、家族思い。 そんな役をこれ以上なく自然に演じていて見事だった。 特別に出来がいい成瀬作品とは思わないが、パワーを感じた。 成瀬作品としては、力作の部類に入るのではないだろうか。 [DVD(邦画)] 7点(2008-02-06 14:39:43)(良:1票) |
89. 有りがたうさん
《ネタバレ》 最初はゆっくり過ぎるセリフ回しにイライラしたが、次第に慣れていった。 上原謙の演じる二枚目長距離バス運転手。 これが大モテ。 道中のうら若き女性達に親しげに話しかけられ、話しかける。 こりゃ羨ましい。 画面を通して、まるで自分がモテモテになったかの様な感覚をおぼえることができて楽しい。 ヒゲの初老男性と桑野通子が演ずる毒気のある女性との会話が面白い。 その女性がお酒をバス内で他の客にふるまう。 しかし文句ばかり言ってきた初老の男性にはお酒をあげない。 それを見たヒゲ男性は当然面白くなく、「バスの中でお酒は禁止じゃないのか」と文句一つ。 それに対し、その女性はそのヒゲ男性にも「じゃあ、お酒をいかが」とすすめる。 それを受けて、ヒゲ男性は少し迷った挙句、「じゃ、せっかくの好意だから頂くとするか」と欲求に負けてしまう。 ここでその女性の一言が最高! 「あら、バスの中でお酒は禁止じゃなかったのかしら」。 そして、最後までお酒をそのヒゲ男性にあげない。 こりゃ凄い!酷い! 普通、そこまで皮肉言ったら、一杯くらいあげるだろ! やるなぁ〜 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-20 20:35:28)(笑:1票) |
90. あらくれ(1957)
《ネタバレ》 映画館で鑑賞。 フィルムの劣化によるコマ飛びがヒドかった。 それにしても、キャストがあまりに豪華すぎ! 高峰秀子、上原謙、森雅之、志村喬、仲代達矢、加東大介、沢村貞子、東野英治郎、宮口精二という布陣。 というより、上原謙と森雅之が共演している時点で既にヤバすぎ。 ここまで豪華な作品は、そうはない。 この豪華キャストながらDVD化されていないのは、前述した劣化によるコマ飛びが原因であろう。 実に勿体ない話だ。 本作で最も光っていたのは、高峰秀子と加東大介の夫婦喧嘩のシーンだ。 コミカルなアクションが、もの凄いテンションで行われる。 これを観れるだけでも、本作には一見の価値があると思われる。 それと上原謙の陰険ぶりも凄い。 上原謙と言えば、優男で色男というのが定番的な役柄だが、本作では全く違う印象。 今まで優男役の上原謙しか見たことがなかったので、非常に興味深く観ることができた。 ラストシーンも、なかなかの素晴らしさ。 雨の中、傘も差さずに歩いていく高峰秀子。 これは圧巻だった。 [映画館(邦画)] 8点(2007-12-10 21:30:20)(良:1票) |
91. 朝日は輝く
フィルム・センターにて鑑賞。 観るだけで価値のある貴重な溝口作品。 こちらでの登録も、私めがさせて頂き光栄であります。 内容は語るほどのものではありません。 というか、ヒドイです。 朝日新聞社か何かの広告映画だったと思いますが、しょーもない作品でした。 [映画館(邦画)] 3点(2007-11-28 17:16:23) |
92. 荒ぶる魂たち
加藤雅也がとにかくカッコいい!! 三池監督のヤクザ群像劇モノとしては最高傑作だと思います。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-11-28 16:58:38) |
93. 曖昧な未来、黒沢清
映画『アカルイミライ』のメイキング・ドキュメンタリー。 しかしながら、監督である黒沢清の理屈くさいお話が延々と続く。 黒沢監督、その人に興味でもない限り、全くもって面白くはないはずです。 残念ながら浅野忠信はほとんど出てこないです。 [ビデオ(邦画)] 3点(2007-10-29 16:23:43) |
94. 赤ひげ
香川京子のトークショーが目当てで、思いもがけず観た作品。 長さが気になる冗長さ。 話は悪くないが、優等生すぎるきらいがあった。 [映画館(邦画)] 6点(2007-10-15 12:31:55) |
95. 網走番外地 望郷篇
前作とは違った趣で、単なる任侠映画と化してしまったのが残念。 [ビデオ(邦画)] 6点(2007-10-15 11:59:58) |
96. 網走番外地(1965)
石井輝男監督の最高傑作!です。 続編はややショボイですが、本作は別格。 スピーディでハラハラドキドキの展開に、心を鷲づかみにされました! [ビデオ(邦画)] 9点(2007-10-15 11:58:57) |
97. 赤西蠣太
歴史に名を残す邦画ではありますが、個人的にはつまらなかったです。 [ビデオ(邦画)] 2点(2007-10-13 10:28:24)(良:1票) |
98. 荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻
前半のストーリーがやや分かりづらく、やや辟易した。 しかし、終盤の鍵屋の辻における決闘シーンは、異様なまでの緊迫感が出ていて圧巻。 チャンバラ的なノリを徹底的に排し、無様とも言えるほどのリアリティな決闘が演出されていて見事。 加東大介も人間らしい弱みを見せる役どころで、全くもってかっこよくないのだが、これが素晴らしいリアリティを生んでいた。 終盤の緊迫感だけでここまで見せる映画は初めて観た気がする。 『切腹』に匹敵する、異色時代劇の傑作であろうことは間違いない。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-10-11 00:04:26) |
99. ある朝スウプは
レビュー1号ですか・・・ まあ、チープなインディーズ映画です。 それが鼻につくかつかないかは、あなたの好み次第。 私的にはどうも合わなかった。 [DVD(邦画)] 3点(2007-10-04 10:53:31) |
100. ある殺し屋の鍵
《ネタバレ》 前作では成田三樹夫が出ていたが、今回は出ていない。 その分、物足りなさを感じた。 しかも前作よりも作りが雑な印象を受けた。 最後の殺しのシーンにしても、明るい場所でアレをやるには少々、無理がある。 前作では確か停電中だったはず。 その他のシーンでも、説得力を欠くシーンがいくつかあったのが残念。 しかし、それを加味したとしても面白いことには変わりない。 このシリーズをもっと観てみたかった。 雷蔵の七変化も楽しめる快作。 佐藤友美という女性はスタイル抜群で好み。 脚が特に綺麗である。 それにしても、ラスト付近での佐藤友美の電話・・・ あれは一体、何を話していたのだろうか。 サッパリ分からない。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-24 09:15:49) |