1. 阿修羅のごとく
長らく待たされ続けたがやっと森田芳光監督の会心の一作に出会いました。向田ドラマですから面白いのは当然かも知れないが、森田監督ならではのデフォルメ、ユーモア、独特な構図によるシーンが随所に見られ楽しかったです。女四姉妹が織り成す様々な愛、性、情などが豪華な女優陣の”顔”から放たれ、その顔はまさしく阿修羅のようである。彼女たちは、くっついたり、離れたりを繰り返すが、芯の通った家族の絆で結ばれており、その様を傍から観ていると最高の悲喜劇である。しかし彼女たち以上に最強の阿修羅は常におだやかな笑顔で見守り続ける母であり、微笑みはまさしく仏像のようでした。私の母は3姉妹で子供の頃から見慣れた光景は、まさしく阿修羅そのものです。満点。 10点(2003-11-27 17:21:03) |
2. 赤目四十八瀧心中未遂
《ネタバレ》 真面目で気が小さく流れに逆らう事も立ち止まる事も出来ない男。カマ(鎌ヶ崎、日雇い、浮浪者だらけのあいりん地区)からアマへ流れ着いた先は、曰くあり気でアクの強い男女が集うボロアパートで、ココより先に堕ちる場所のない世界。土管のガマは外の世界を知らずに死んでゆく。流れに身を任せ、落ちるところまで堕ちた男女には死に場所を選ぶ事だけが唯一の自由。夢幻な雰囲気すら漂う瀧の流れ、水は四十八の瀧を落ちてもなお流れてゆく。唯一気に入らなかったのは生島の素性が明らかになってしまった事、どうせだったら判らないままの方が得体が知れず面白かったのでは? 9点(2004-03-08 23:22:52) |
3. 雨あがる
マイナスイオンでも出ていそうな癒しと雨上がりの爽快感が大変気持ちいい映画でした。ラストシーン大好きです。キャストも殿様以外は文句なしです。 9点(2003-08-04 22:29:12) |
4. 秋日和
確かに晩春の母娘バージョンといった感じですが、晩春はもっとじんわりと情感を出していたが、こちらの方が全編にわたりコミカルさがあり可笑しい。それぞれの家庭の姿もよく出ていたし、パパと言う言葉をはじめて聞いた気がします。また画面の構図、構成の美しさにおいてはこの映画が極みなのではないかと感じました。 8点(2004-03-15 12:15:57) |
5. あゝ野麦峠
子供の頃、TV放送を見る度に家族揃って涙、涙。富国強兵の旗の下、劣悪な労働条件の中、数多くの勤労女工が悲しい目にあっていた。時代、政治、貧困、様々な要因があるんでしょうが、あんな哀しい想いは誰もして欲しくは無い。 8点(2003-11-01 11:28:57) |
6. あしたのジョー2
前作以上にジョーが少年から大人へ成長していき、様々な葛藤を抱えており涙が・・・ 8点(2003-08-27 20:20:28) |
7. あしたのジョー(1980)
冷静に考えればダイジェストですが、ジョーだからしょうがない。 8点(2003-08-27 20:07:06) |
8. AKIRA(1988)
今見ても全然古くなくむしろ相変わらず新鮮さが感じられる傑作アニメ。 8点(2003-08-04 20:45:50) |
9. 遊びの時間は終らない
昔からかなり好きな映画です。痛快コメディで何年か振りに見ても面白い映画です。 8点(2003-07-21 21:27:16) |
10. 阿弥陀堂だより
3人の女性それぞれ年齢も違い、生き方も違うのだが、3人ともそれぞれの生きがいを見つけ人間らしく生きている。どんな生き方が良いか悪いかなんて分からないが、より人間らしく生きて行きたいものです。 8点(2003-06-05 22:17:26) |
11. 赤線地帯
売春防止法成立以前の吉原に生きる女たちのドラマ。騙し騙され、泣きながら叫びながらも強かに生きていく娼婦、女の数だけそれぞれの事情があり、生きていく上で仕方なく身を堕とす女たち。そして新たな少女がこの世界の中に堕ちて行こうとしている。やがて少女は一人前の娼婦へと変身していくんだろう。 7点(2005-03-19 22:28:05) |
12. 熱海殺人事件
つかこうへいの中では最も好きな作品かな。ただ竹田君がなあ、一人馴染んでいないという気がしてしまう。 7点(2004-03-26 22:18:25) |
13. 頭山
落語「頭山」を題材にした短編アニメ。頭山のシュールでナンセンスな笑い、スケールの大きな宇宙観に感心。私は「千と千尋の神隠し」より好きですよ・・・負け惜しみに聞こえるなぁ。 7点(2004-01-22 10:50:23) |
14. アントニー・ガウディー
ひたすらガウディの建築物を映しまくる映画でしたが、天才ガウディの建築物を大スクリーンの見る機会など無いと思い見た。未だ海外に行ったことはないが是非生で見たいものです。 7点(2003-11-03 20:10:47) |
15. アポロ13
トムハンクスは嫌いだが事実の迫力や映像の迫力、説得力に完敗。悔しいけれど認めざるを得ませんでした。 7点(2003-08-04 21:26:37) |
16. 愛を乞うひと
素直に愛情を表現できない母親、母親の顔色をうかがい機を使う娘、そんな娘が気に入らず虐待を繰り返してしまう。やがて自分も娘を持ち母となるが、反面教師か習性か、いい母親でいる自分。母親を許せない気持ちを持ち続けていても母娘のつながりは一瞬ですべてを消し去る。親子の絆は深いです。 7点(2003-05-27 01:47:23) |
17. OUT(2002)
ごく普通の日々の暮らしに希望もない主婦達が、ちょっとしたことから望みもしない非日常的な世界へと足を踏み入れていく。本来であれば誰もが避けるような出来事の中で彼女達の中の狂気が覚醒していく。みな日常の中で鬱々とした日々を暮らしていたが、現実離れした狂気の中で女として人間としての生きがいを感じていく。後戻りの出来ない逃避行でありながら明確な目標をもち、生きる喜びを感じている彼女達。生きがいとは何なんでしょう。 7点(2003-05-27 01:28:45) |
18. 青の炎
二宮くんって上手ですねえ、多感な思春期の高校生の持ちえる危ない輝きが上手く出ていました。相手役はあややじゃない方が良かったね、もっとクールで冷たい感じの女の子の方が良かった。2人の関係性も最初はもっと離れた関係であった方が良かったのではないだろうか。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2005-04-03 23:20:13) |
19. アフガン零年
少女はアフガンのどこにでもいる少女で、映画的でないラストはリアルな現実を感じさせられる。ただアフガンの歴史、宗教、民族、文化をよく知りもしないで、まるで違う価値観の私が簡単に可哀相と思うのは無責任すぎる気もする。タリバン政権崩壊後、アフガンは世界最大の大麻生産国、麻薬輸出国である。 6点(2004-12-04 11:57:56) |
20. あの夏、いちばん静かな海。
気障な台詞どころか主人公が一言もしゃべらない、そんなラブストーリーを映像だけで愛を表現できるのか、そんな挑戦を続ける北野監督の最初の映画。のちにHANA-BIやドールズへと続いていく元となっているのかな。絵も画面を真っ二つに割る水平線や防波堤、道路、そのまっすぐ一直線に伸びたラインを常に2人が横切っていくという象徴的な絵が多用されている。 6点(2004-11-27 19:06:16) |