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1.  ゴジラ(1954) 《ネタバレ》 
これは凄い!いや、凄いなんてもんじゃない。本当に恐ろしいほどの凄さです。ゴジラ映画って、昔、まだ小さかった頃に何本か観ていると思うけど、ほとんど覚えてない。ただ恐いという印象しかなくて、それでこの最初のは私自身、今回観たのは初めてだけど、こんなにも凄い作品だったとは知らなかった。これはもう単なる怪獣映画とかいう問題ではありません。コジラという一匹の怪獣が人間による水爆実験によって生まれたというテーマの恐ろしさ、リアリティの凄さ、そして、そんなコジラが東京の街並みを破壊する場面なんて、ただでさえ恐ろしいのに、それもモノクロの映像により一層の恐ろしさを感じると共にその後、病院に担ぎ込まれてくる人達の映像なんて、本物の戦争を体験している者にとってはあまりの恐怖に魂が吸い取られていくのではと思える程の恐ろしい映像、戦争経験の無い私でさえもこれだけ恐ろしく感じるのだから当然、戦争を経験している人達にとってはこの場面の恐ろしさなんて言葉が出ないのではないかと思えるぐらいの恐ろしさです。コジラ映画はこの作品以降、次から次へと作られていくけど、そのほとんどはコジラを単なる見世物のようにし、愛嬌のあるキャラクターへと化した作品で、恐さというものはほとんど無いに等しいが、この一番最初のコジラだけは明らかに他のとは違う壮大なテーマの基に作られた別の作品です。学者としての才能を持ちながら核実験による後遺症から右目の視力を失った芹沢教授がコジラと心中する道を選ぶ悲しさ、辛さ、どれほど残念だったことだろうか?最後なんて怪獣映画だというのに思わず泣けてきた。これから先、こんなにも凄い怪獣映画は絶対に生まれないと思う。
[ビデオ(邦画)] 10点(2006-12-30 10:52:51)(良:1票)
2.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 
のん、のん、のん、一にのん、二にのん、三四がなくて、いやいや全てにおけるのんの声、あの声といい声質といいこの作品のすずさんの声に見事なまでにマッチしている。そんなすずさんが健気で、愛しく思えてしまう程、とにかくこの作品のすずさんが可愛い。この作品、戦争を描いていながらも戦争がどうだとか?けして叫んだりしていない。そんな事、言わなくても映像だけで伝わる事がどれだけ大切か?見せてくれている。すずさんの1つ1つの仕草、行動に人としての在り方、存在価値を見る事が出来る。右手を失いながらもひたむきに生きる姿が感動的です。感動という意味では、戦争に負けた事を知り、まだここに五人残っている。まだ左手も両足もある。と怒るシーンで、この台詞がこの作品の全てを物語っている。何処から見てもこれは、日本人だから描ける作品で日本人だからこそ心に響く作品です。広島へ向かって飛んで行く鷺の姿等は平和の象徴の様なシーンの1つで、すずさんにとっても自分の故郷を感じる事が出来るシーンであり、この作品にはすずさんの人生の象徴を感じる事が出来る場面が沢山、見る事が出来る作品でもあると思いました。
[映画館(邦画)] 9点(2016-12-01 20:43:27)(良:2票)
3.  河内山宗俊 《ネタバレ》 
遂に観た。やっとやっと、この凄い映画、親戚がビデオで持ってるというので借りてきて、観た。やはり予想通りの素晴らしい傑作でした。天才山中貞雄監督の見事な手腕によって、どの役者にしても本当に輝いている。素晴らしい演技をしています。中でも若干15歳という若さでこれだけの輝きを放つ原節子が長屋で一人、弟の帰りを待っている時の燐とした美しさ、身売りする場面で見せる表情、何もかもが本当に美しく、とても15歳とは思えないほどの輝きを放っている。とにかくこれだけ役者を光らせた上でこんなにもテンポ良く、観る者を惹きつけて離さないその見事なまでの演出、脚本、構成の巧みさ、間違いなく傑作!これって確かDVD化されているんだよね?間違いなく買いです。
[ビデオ(邦画)] 9点(2006-04-02 22:46:44)(良:1票)
4.  ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
この所、山崎貴に庵野秀明とクソつまらないゴジラ作品を二つも見てしまった後に、たまにはアメリカ人が作るゴジラ作品でも見ようかなて選んだのが今回の作品!ストーリーそのものよりもゴジラ、キングギドラだけでなくラドンにモスラまで登場させてくれた事に感謝したい。それぞれに見せ場を用意してくれていて、とにかく暴れまくる。怪獣対人間は勿論、怪獣対怪獣による怪獣同士の迫力あるバトルまで見せてくれてるのが良い。怪獣映画はこれで良いのだ。下手なお涙頂戴や無駄に長い会議なんて要らない。怪獣が暴れまくる。人間を喰いちぎる。逃げ惑う人間、それを追いかける怪獣の構図、怪獣映画本来のあるべき姿がこの映画にはある。迫力のある映像、ストーリーどうこうより、怪獣映画ならではのバトル、今の邦画には無理だろうなあ!と思う迫力、ゴジラ映画にと言うよりも怪獣映画に求める人間と怪獣、怪獣同士の戦い、見所たっぷり!確かに映像の暗さやストーリー的にも突っ込みたくなるし、チャン・ツィイー双子設定に違和感もあるが、それを差し引いても最初から最後まで大いに楽しませてくれたこと、日本人にとって、多くのゴジラ、キングギドラ、ラドン、モスラファン全員が楽しんでくれたら良い。そういう監督からのメッセージを受け取る事ができた作品として私は評価します。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-04 18:26:54)(笑:3票) (良:1票)
5.  五瓣の椿 《ネタバレ》 
女の恨みというものの怖さ、執念がよく描かれている。主役で1人、何役もの女を演じて見せた岩下志麻の美しさと美しさの中に秘めた恐るべき姿がとにかく凄い。愛する父親を死に追いやった連中への恨み、1人殺してはまた殺して行く。父親に見せる愛とは反対に母親に対しては愛など無く、許せない気持ちでしかない態度を取る。腹の立つ母親左幸子の演技も流石です。映画の中盤から出てくる加藤剛の武士の姿は大岡越前を彷彿させる。人間である以上、持っている愛の形、色んな意味でこの映画は考えさせられる。殺人は決して許されるものではないけれど、だからこそ恨みから始まった殺人により生まれる深い愛、岩下志麻の見せる表情がこの映画を物語っており、岩下志麻=悪女、そういうイメージだけど、単なる悪女を超える女の刹那さ、深さの様なものがひしひしと伝わってきました。
[DVD(邦画)] 8点(2018-11-03 00:48:47)(良:1票)
6.  今年の恋 《ネタバレ》 
木下恵介監督、これはあまり知られてないのかな?こんな拾いものな笑える映画がまだあるとは知らず、田村正和が不良ぽい役で常に怒ってる。兄貴も更に関わってくる旅館の女将さん(岡田茉莉子)もよく怒る。弟に対して怒ってる(説教している)横で父親と母親が話してる場面が特に笑える。夜中に雨の降る音に怯える田村正和、東山千栄子の婆さんが何しているの?て現れる場面はある意味、田村正和が怯えるより怯えたくなる程怖い。学校の先生として出てくる三木のり平、やはり良い味出してる。飛び交う会話のユニークさと俳優陣の演技により楽しませてくれる映画です。この映画を見て木下恵介監督てシリアスなだけでなく喜劇を撮らせても一流であることが改めて解る。これ以外の木下恵介監督による喜劇では「お嬢さん乾杯」「破れ太鼓」も面白い。  
[DVD(邦画)] 8点(2014-03-08 19:32:52)
7.  ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
「ゴジラ」映画と言えば真っ先に本多猪四郎監督とあの恐ろしい音楽が頭に浮かぶ。どう考えたって1954年に公開された一番最初の作品に敵うばずはないし、あんな凄い怪獣映画は他には存在しない。そのぐらい全てにおいて完璧だ。以降、どんどんと撮られてきた「ゴジラ」映画だがそのほとんどは駄作に近い。ゴジラを見世物のように仕立てるだけで怖さもなければストーリーも滅茶苦茶だし、色んな意味でもう止めて欲しいと思っていた中でのこの平成「ゴジラ」の登場である。監督は平成「ガメラ」の金子修介監督てことで期待して良いのか?しかし、今更また「ゴジラ」はどうか?と感じつつもこの映画はこれは私の最初の「ゴジラ」で感じた怖さ、ゴジラの登場シーンにおける恐ろしさの両方を感じることが出来た。久しぶりに面白い「ゴジラ」映画の登場である。箱根山での最初に首だけ出して現れる場面、最初の「ゴジラ」と同じだ。あの怖さがまさか平成になってから観れるなんて思ってもいなかった。本当はもっと高い点数でも良いのかな?とも思う。でもあのモノクロの大傑作に比べると劣る気がするし、それにどうせなら「ゴジラ」だけは白黒でお願いしたい。その方がもっと不気味さが感じられると思う。最後に天本英世が見られる「ゴジラ」映画は久しぶりのようにも思えて嬉しい。金子修介監督、もう駄目だと思っていた「ゴジラ」映画らしい作品を撮ってくれたことに感謝したいと共に子供の頃に好きで今でも好きな「ウルトラマン」や「仮面ライダー」シリーズも是非復活させてください。この監督さんだったら期待して良いし、期待出来る。
[DVD(邦画)] 8点(2012-02-12 22:17:07)(良:1票)
8.  恍惚の人
何とこの映画のDVDが中古、1000円で発売されていたので何の迷いもなく買ってきた。前にCSとBSとで放送したはずのを録画し損ね、見れなかっただけに1000円なら絶対に買いである。何しろ森繁久彌と高峰秀子の共演なんて、なかなかない。少なくとも私の知る限りでは唯一の共演映画だと思う。そんな二人の名優の名演技がこのドラマを完成度の高いものにしている。相変わらず何をしていても面白い森繁久彌、高峰秀子は秀子で森繁久彌の芝居に対して受けて立つ。二人の演技、凌ぎ合いだけでも見ていて面白い。この面白いとはゲラゲラ声に出して笑うとか、手に汗握る面白さとは違う。人間の心理的なもの、人間って生きものの一面を見せてくれている面白さ、ただ笑い、スリリングな展開だけが映画の面白さではないということを森繁久彌と高峰秀子の二人を見ていると思わずにはいられなくなる。豊田四郎監督に森繁久彌、そして、高峰秀子、原作は同じ高峰秀子が出ている「華岡青洲の妻」と同じ有吉佐和子に高峰秀子の夫で映画監督でもある松山善三だ!つまらないはずがない。期待通りに見応え十分の映画になっていて、買って良かった。他にもこの映画、昔の日本映画好きな私としてはそれ以外のキャストなどを見るとそれだけでも楽しめた。色んな意味での楽しみ方が映画にはある。成瀬作品的な感じに木下作品的な感じもするし、そういう意味でも満足である。
[DVD(邦画)] 8点(2010-09-15 22:14:02)
9.  幸福(1981)
市川崑監督の作品の中で観ることは出来ないと思っていたこの映画、本当は東京まで行って映画館で見たかったぐらいだが、なかなかそうはいかない。CS放送での観賞となる。市川崑監督の希望によると、本当は完全モノクロの世界、映像で撮りたかったらしいけど、映画製作会社の反対によって実現しなかったと聞くが、何故?監督の希望通りにやらせてあげなんだ?ここらがもう1980年以降の日本映画の駄目なところである。それはさておき、市川崑監督らしい如何にもこれが今の日本である。昭和の日本の美しさ、映像だけでなく、親子の絆、それは妻に逃げられどうして一人で二人の子供を育てながら刑事という職に付いている水谷豊演じるこの父親と子供達とのやりとりの中に親子の絆、人間としての大切さを描いている。市川崑監督の描く世界はいつも何かドロドロした人間関係の中に見え隠れする絆、絆を大切にすることの重要性、タイトルにあるように「幸福」とは何か?という問いに対し考えさせられる内容の見応えのある作品になっている。所々で金田一シリーズを思わせる人物をここでも使うことで、金田一ファンにとっても別の楽しみを見せてくれているこの辺りの市川崑監督らしい映画を観る上での楽しみ方や、また特殊なシルバーカラーという映像によって、普段は見ることの出来ないようなこんな東京の姿までも映し出す。その市川崑監督の映画ファンは勿論、そうでない人にまで興味をという引き付けられる魅力がこの映画には存在する。それにしても市川崑が亡くなったからこうして観ることが出来るのか?と思うと何だかとても哀しくなるし、やりきれない。生きている間に誰もが見ることが出来なかったものか?日本映画だけの問題ではないが、監督が生きている間にDVD化して欲しかったし、全国の映画館で上映して欲しい。そういう映画があまりにも多過ぎる気がしてならない。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-11-28 11:30:42)(良:2票)
10.  婚期 《ネタバレ》 
これは面白い。女同士の言いたい放題ぶり、それぞれの言い分、言い訳、そのやりとりを面白く見られるのはこれは何と言っても女優陣の顔ぶれの豪華さと上手さ、京マチ子が常にめそめそしている脇で活き活きとしている姉妹、若尾文子と野添ひとみ、野添ひとみは相変わらずまんまだし、若尾文子に至ってはここでもまたなかなか見れない眼鏡姿でこれまた可愛い。そんな若尾文子のお見合いシーンの後の会話がとにかく笑える。毛がないからってそれに対する船越英二の発する台詞がこれまた笑える。船越英二、この俳優のカメレオン俳優ぶり、喜劇役者としての面白さ、笑わそうとしてないのに、笑えるところがこの俳優の凄さである。京マチ子との喧嘩も面白い。そして、みんながみんな自分勝手な中で、ただ一人普通にしている高峰三枝子、そんな高峰三枝子と京マチ子の二人、映画とテレビシリーズでそれぞれ「犬神家の一族」の松子夫人を演じているこの二人が同じ空間にいるというその凄さ、「犬神家の一族」の大ファンとしてはとても嬉しい顔合わせ、そういう楽しみもこの映画にはある。そうそう、忘れちゃならない女性達と言えば北林谷栄の存在も忘れてはならない。女優陣の演技、会話、女と女の男には理解出来ないような戦いなど見所十分!宮川一夫という日本映画史上最高の名カメラマンによる美しい映像も一役買っている。あれだけ喧嘩していて仲の悪い二人、京マチ子と船越英二がラスト、仲良く手を取り合ってのシーンもこの二人、喧嘩してばかりいても本当は仲が良く、喧嘩するほど仲が良いとはよく言ったもんで、なるほどね。この映画は正にそれを証明して見せてくれている。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-07-28 21:30:55)
11.  古都(1963)
まずは何と言っても一人二役、姉と妹を演じている主演の岩下志麻の美しさに眼を奪われます。そんな岩下志麻の互いに心の中に哀しみ、人生に対する重み、辛さ、やるせなさ、人として生まれてきた以上、誰もが持っている悩み、それを見事に表情だけで演じている所にこの映画の持っている素晴らしさを感じることが出来ます。そして、言葉使いの美しさ、京言葉の美しさ、京都という日本の伝統文化の中で生き抜く二人の互いの思いやり、ここにこそ人間本来の持つべき姿があるように感じました。美しい京都の街並みを生かしたセット、映像の美しさ、構図の美しさ、何かもが京都ならではの美しさを感じる仕上がりとなっています。また、言葉使いだけでなく、その振る舞い、立ち姿まで、何かもが本当に美しく、正しく京都の女性を思わせる何とも味わい深くて、色々と考えさられるそんな内容に、見ていてしみじみ、本当に自分が日本人で良かった。この映画を見てそう感じると共に見終わった後、私も京都に行きたくなりました。
[DVD(邦画)] 8点(2007-11-04 11:19:49)
12.  五番町夕霧楼(1963)
えっ?なんで誰もコメントないの?この映画、みんな知らないのかなあ?まあ、いいや!それはともかくこれはどこをとっても日本映画ならではの美しい映画!一人の女性のはかなくも悲しい人生を描いた作品です。水上勉原作と聞くと真っ先に「飢餓海峡」が頭に浮かんできます。この原作者の話の中に描かれる女性を見ると「飢餓海峡」もそうだったし、他にも「雁の寺」もそうだったように、女性としての男には解らない女としての悲しさみたいなものがいつも描かれています。女として生まれ、女として生きて行くことの宿命、愛してはならない男を愛してしまうという女の悲しさ、切ない気持ち、そのいずれもが美しく描かれている。この作品でも主演の佐久間良子の美しさ、日本人女性としての美しさ、貧しい環境で育ちながらも純粋に生きる女を見事に演じている。監督の田坂具隆同様、女優佐久間良子の代表的作品です。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-08-06 20:12:10)
13.  故郷(1972)
うん!確かに「家族」とよく似ている。しかし、似てるからと言って、この作品を二番煎じだ!新鮮味が無いとは言えないし、むしろ、そういう見方では山田洋次監督の作品を観ること、楽しむことは出来まい。山田洋次監督らしく、落ち着いた感じで日本の風景、日本人の家族というもの、人が生きていく上で大切なもの、働くこと。食べること。この映画から感じるものは人、それぞれだと思うけど、だだ一つだけ言えることは、山田洋次監督の描く人間ドラマの中には日本人ならではの生活感というものが実に味わい深く描かれているという事!笠智衆さんと渥美清さん、そして、倍賞千恵子をはじめとする山田洋次作品の常連さん達が画面の中にいる。それだけで嬉しくなる。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-07 23:19:55)(良:2票)
14.  恋風道中
やっと、この作品、借りてこれた。いやあ、登録したのは良いのだがなかなか借りてこれなかったけど、ようやく観て思ったのは中村錦之助をはじめとするこの頃の役者達の素晴らしさとその華やかさ、全てにおいて今の日本映画及び時代劇とは違います。そんなこの映画もこれまた面白い。進藤英太郎のお人良しぷりと明るくてひょうきんな大河内傳次郎、この二人が実に活き活きとしていて楽しかった。また作品に花を添える形の女優陣にしても、長谷川裕見子に大川恵子にといずれも可憐で、見ていてまるで「ルパン三世」の石川五右エ門じゃないけど、思わず「可憐だ!」て言いたくなります。勿論、役者だけでなく物語もこれまた面白く、こういう時代劇を今はもう作れないのかと思うと何だか寂しく思えてなりません。とにかく面白い作品だったので、一人でも多くの方に観て欲しい1本として登録させてもらいました。ただ、この作品、置いてある店があるかどうか?余程の時代劇のそれもマニアックなものが沢山ある店でないとないかもしれません。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-23 21:58:23)(良:1票)
15.  コクリコ坂から
長澤まさみとスタジオジブリ作品大好きな友達の一言、昼飯に寿司かうなぎどちらかおごるからという甘い誘惑に負けてしまい、あまり見たいとは思わなかったのに観に行ってしまった。個人的にはこの監督の前作も言われているほど私はつまらなくなかったし、普通に楽しめはした。しかしだ。それでも何だか面白い気がしなかったのだが見てきて良かったかもしれない。全く期待してなかっただけに楽しめた。音楽も映像も雰囲気も悪くない。いや、悪い所か心地良い。何故かは解らないけど普通に楽しめました。宮崎駿という偉大な父親を持つと大変だなあ!それはまるで無敗の三冠馬を父に持つばかりに1つもG1を取れなかった事を責められてしまう可哀想なアイルトンシンボリという馬のようなこの宮崎吾郎さん、宮崎駿というかつて素晴らしい作品ばかりを撮っていながらも「もののけ姫」を境にそこから後は全く意味不明な駄作連発でここからはシンボリルドルフとは全く違う。デビューから無敗で望んだ皐月賞での初黒星を境に引退するまで1つも勝てなくなったフサイチホウオー的な最近の宮崎駿の影響を受けているようなこの宮崎吾郎氏の気持ちを思うと何とも言えない気持ちにさせられる。宮崎駿の血を継ぐてだけで期待され、それに応えられないと叩かれる。凄く可哀想である。期待しすぎてガッカリさせられるなら期待なんてしなければ良いというぐらいで観るのがこの監督とこの映画の正しい見方ではないでしょうか?開幕前は圧倒的最下位予想も開幕の中日3連戦で勝ち越し、今年何か違うぞと期待してみたらやっぱり思った通りかよ!という横浜ファンのようにならぬよう最初から期待せず見たことが良かったかもしれない。確かにかつての宮崎アニメのようなワクワク感も爽快感にも躍動感にも欠ける。それでも期待しないでいたから私は裏切られることなどなかった。最後に一緒に見て来た友達は「コクリコ坂から」で止めるなよ。その後が気になるぞとこの映画のタイトルに対し文句を言ってたことが頭から離れない。
[映画館(邦画)] 7点(2011-07-18 22:19:50)(良:1票)
16.  ごろつき(1968) 《ネタバレ》 
何と高倉健こと、健さんがキックボクサーとしてリングの上に上がる。試合をする。勿論、勝つ。それだけならスポコンものだけど、そうはならない。何しろ監督はマキノ雅弘監督であるからして、単なるスポコン映画で終えるはずがない。この映画では高倉健と菅原文太の東映映画を代表するスター二人が共演、しかも、どちらも主人公の如く、描く。マキノ映画的なお決まりの展開の中、二人が何と流しでの音楽を歌う場面が用意されていて、これはマキノ映画ファン、いやいや、マキノ映画ファンだけでなく、東映ファンへのご褒美なのか?菅原文太がギター片手に演奏する。それに乗って歌う健さんの「網走番外地」と「昭和残侠伝」の「唐獅子牡丹」といったこれはどう考えてもマキノ映画=高倉健映画であることを意識しているとしか思えないし、正直、B級映画的な感じだけど、そんなことはもうどうだって良いとしか思えなくなるのである。高倉健と菅原文太が共演していることの方が大きい。ところでこの頃のヤクザ映画はそこに人情やら義理などが交じり合い、良い意味で後の単なる暴力的なヤクザものとは一味も二味も違う魅力がどの作品にも感じられる。これまた如何にもマキノ雅弘監督的な映画です。
[DVD(邦画)] 7点(2010-08-09 21:00:07)(良:1票)
17.  幸福な食卓 《ネタバレ》 
頭の良い人ほど何かに怯え、自分というものが解らなくなり、他人には理解出来ない行動をするものであるというのがこの映画の父親、兄貴を見ていると思わずにはいられなくなる。何だか一件、普通そうな家庭だけど、全く普通でない家族構成という所がこの映画の面白い所であるがタイトルからは想像できないとても幸せとは無縁の環境の元、普通の女子高校生らしくふるまう少女、中原佐和子の姿には学校で偶々、隣の席となったことから仲良くなり、やがては恋心を抱く相手の男、勉学とのやりとり、勉学の口調を真似して見せる姿やらその他にも何だかちょっしたことなのに、それが心地良く思えたり、時には切なく感じたり、色んな意味で青春映画的な楽しさとほろ苦さが感じられる作品にもなっているし、佐和子が勉学の死後に言う「なんで死にたいと思っている人が生きて、死にたいと思ってもいない人が死ぬの」みたいな台詞を聞いて、本当にそう思う。何とも心に突き刺さる言葉である。佐和子が勉学へあげるつもりでいたマフラーを弟へと手渡す勉学の母、ここで勉学の弟が勘太郎?貫太郎かな?(どっちにしてもかんたろうであることは確かである。)だということが明らかにされた瞬間、えっ?大浦勘太郎?勘太郎は星野だろうよ!て思ったのは私だけだろうか?最後の佐和子が歩く。歩く。そして、振り向く。また前を見て歩く。前を見て生きよう!というメッセージの象徴のような終わり方である。出来ればあのラストは音楽一切無しの方が私は良い。どうも近年の邦画の悪い癖、音楽で盛り上げようという狙いが見て取れて残念です。それでも見て良かったと思うし、話題性だけで内容の無い大ヒット作品では味わえない良さを感じられる点を評価しての8点に近い7点でことで、こういう作品こそもっとヒットして欲しい。
[DVD(邦画)] 7点(2010-06-15 22:07:49)
18.  古都(1980)
山口百恵の出ている映画を観るのは初めてだけど、思っていたより良く出来ている。流石は市川崑監督である。単なるアイドル映画としては撮っていない。一人二役の山口百恵の表情、化粧や着物の違いなどを見せることで二人の生活の違いや性格というものを表現しているあたりの拘りなど市川崑監督はそういうちょっしたことでも手を抜かずに見せてくれている。古都の町並みの美しい映像美、祇園祭の場面での二人の表情の映し方も上手い。山口百恵の演技に関しては確かに本職が歌手であり、女優ではないのでけして、上手いとは言えないし、また、三浦友和の起用も確かに二人を売り出そうというものが見えてしまいマイナスではあるけれど、脇を固める俳優陣が芸達者な人が勢揃いで中でも岸恵子、やはりこの人の上手さは特に市川崑作品の中ではいつもながら感心させられる。そして、この映画、市川崑監督と言えば私が初めて市川崑監督の映画を観た作品が「犬神家の一族」である。そんな「犬神家の一族」にも出ている加藤武、小林昭ニに三条美紀というキャスティングが何とも言えず嬉しさを感じてしまいます。岸恵子にしても同じ市川崑監督で横溝正史原作の「悪魔の手毬唄」に出てるというように私が市川崑という監督を意識するきっかけを作ってくれた二つの作品の共演者がいる。それだけでも見て良かったと思えてならないし、何よりも京都の美しさ、言葉の美しさ、これは後の「細雪」に通じるものを私には感じずにはいられず、何度も言うけど単なるアイドル映画とは大きく違う日本的な様式の美しさが心に残るそんな作品です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-01-04 22:05:30)
19.  小早川家の秋 《ネタバレ》 
うわぁ~これは何たる豪華な顔ぶれだ!小津映画に森繁久彌ってのがまずは何より考えてもみなかった。加東大介と二人でバーにいる場面を見て、何だか小津映画であることをすっかり忘れてしまいそうになる。「社長」シリーズでも観ているようです。小林桂樹も出ているし、また司葉子もこれまた「社長」シリーズを思わずにはいられない。その他小津作品の常連さん達が大勢出てくる。しかしながら小津映画でもあるようで、何だか成瀬作品を観ているようでもあり、山茶花究に団令子が出てきて、川島作品を観ているようにも思える。それでもやはり作品の内容はどこをどう観ても小津作品である。中村雁治郎の頑固な父親と娘、新珠三千代のやりとり、原節子に対して賭けに勝って「はい」と手を出して100円請求する司葉子、この二人のやりとりが面白い。そうそう、かくれんぼの場面での中村雁治郎も笑える。浪花千栄子の京都弁の美しい言葉使いもこれまた一度、聞いただけでいつまでも耳に残りそうなぐらい上手い。そんな色んな意味で笑えたり、味わい深かったりと小津作品らしいなあと感じることが出来て良い。ただ、ラストの恐いあのカラスと不気味な音楽はどうにかならなかったのかなあ?まあ、何だかんだ言いながらもよくぞこれだけのキャストを集めていながらも誰一人として疎かに描いてない小津監督はやはり凄い監督さんだと改めて思いました。
[DVD(邦画)] 7点(2008-04-24 20:45:27)(良:1票)
20.  獄門島(1977) 《ネタバレ》 
原作と犯人を変えているからて理由で点数下げていたり、やけに厳しく書いてる人がいたりするけど、原作を一度も読んだことのない私としては、これはこれで楽しめので良しとします。色々と突っ込み所もあるけれど、例えば相変わらず加藤武の警部の「解った!」てちっとも解ってないじゃん!何が犯人は海賊だ?とか、最後も「解った!私が間違っていたのかもしれません!」て今頃、遅いねん!とかとにかくそんな加藤武の警部の解ってないのに「解った!」ていうのも何だか微笑ましく思えてならないし、金田一耕助がどのようにして犯人を探り出していくのか?といった過程も十分過ぎるほど楽しめるし、またこのシリーズ、全般に言えることだけど、市川崑監督の映像の美しさと親子の愛情に対する描き方が優しさを感じることが出来るので私はこの作品も結構、好きです。司葉子が母で娘が大原麗子、何て美しい親子だ!最後にもう少しだけ言わせて下さい。犯人扱いされた挙句に殺されてしまう海賊、可哀想でした。そういうのもふっくるめてとにかくこれもこれで一本の映画として観るとやはり面白い。
[DVD(邦画)] 7点(2007-01-03 13:34:14)
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