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プロフィール
コメント数 2404
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  七人の侍 《ネタバレ》 
私の様な凡人が、シネマの神が降臨した大傑作を論じるのは実におこがましい次第です。何度も観ているのですが、それにしても最近のデジタルリマスター版はセリフが実に鮮明に聞き取れるようになっているので嬉しい。この映画は名セリフ・名言の宝庫なので、じっくり味わいたいところです。母国語で本作を鑑賞できるのは、日本人の特権ですよ。 侍の中では私は名参謀役の五郎兵衛が好きで、勘兵衛にスカウトされるシーンは屈指の名場面だと思います。「おぬしの人柄に惚れたからじゃ」、微笑みを返す勘兵衛、こんなカッコ良い出会いは他にあるでしょうか! 最近黒澤映画のリメイクと言う愚行がブームですが、頼むから『七人の侍』だけは手を出さないでください、森田芳光さん、角川春樹さん。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2010-10-31 20:07:39)
2.  しとやかな獣 《ネタバレ》 
ほぼ団地の一室だけに限定された空間で繰り広げられる密室劇。登場する四人の家族のキャラの異様さは数ある日本映画の中でもほぼ頂点に近いんじゃないでしょうか。「うちの娘は不思議と妊娠しないんですよ」という伊藤雄之助のセリフがありますが彼は私が今まで観た映画でもっとも異様な父親です。要はこの夫婦は息子が横領してきた金と娘が愛人からせびってきたカネで優雅な暮らしを維持する寄生虫みたいな存在ですけど、妙に丁寧な言葉遣いで捲し立てられる二人のそれを正当化するロジックは、聞いているとふと納得してしまいそうになるから恐ろしい。基本的に横移動に徹する撮影には、歌舞伎の音を挟んだ進行もあって歌舞伎か能の舞台を見せられている印象すらあります。またこの映画の特徴は、劇伴としての音楽の使用を最低限にして、開け張られた窓から聞こえる音がその代わりを果たしているように感じるところです。ジェット機の轟音、蒸気機関車の音、夕立の雷、そして最後は救急車(パトカー?)のサイレン、などが印象的な使われ方をされています。そして時おり挿入されるドイツ表現主義を思わせるような誇張された階段を使った人物の心象表現がまた深みをつけてくれていますね。ここまで来ると、もうコメディというよりも心理ホラーと分類した方が正解かもしれません。全編でほとんど感情を交えることなく押し通す若尾文子の悪女も秀逸で、彼女が演じた中で最高のヴァンプなのかとすら思えます。 やはり本作は新藤兼人の脚本の最高傑作じゃないでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2021-03-09 22:41:09)(良:1票)
3.  資金源強奪 《ネタバレ》 
これは面白い、私にとって何年かに一度巡り合う“期待しないで観たけど実は傑作だった”映画の一本でした。組のために殺人犯になり8年間服役した北王子欣也が、ムショで知り合った川谷拓三と室田日出男を仲間にして組の賭場を襲撃して大金を強奪するが、その後に起こるヤクザと悪徳刑事との三つ巴の強奪金争奪戦というのがプロットです。まず特筆すべきはスピィーディな脚本とその切れ味で、登場人物はほぼ全員が悪人で仲間同士でも裏切りあいの連続、それも二転三転が劇中ずっと続いて息もつかせぬ展開とはまさにこれです。松方弘樹と山城新伍は友情出演でしたが山城の登場するシーンは抱腹絶倒で、「ここにいる一般の人は店を出ろ、おい、なんでお前も出てくんだ」山城「ええ、私も前科一犯ですから」、これには参りました(意外とこれは山城のアドリブだったりして)。川谷と室田はこれまでその他大勢的な役者でしたが本作で初めて準主役としてピックアップされ、ここから二人の日本映画界での活躍が始まったと言えるでしょう。北王子欣也も高倉健的なストイックなキャラと見せかけて実は情婦も仲間も裏切る人間臭いキャラ、そこに悪徳刑事の梅宮辰夫が絶妙な軽さで絡んでくる、要は登場人物のキャラがみな立ちまくっているんです。ラストの展開もちょっと洒落てましたね。 監督はもちろん深作欣二ですが、なぜかクレジット表記はひらがなの“ふかさくきんじ”となっています。これは舞台裏で東映といろいろなゴタゴタがあったからだそうで、三年後には両者は訣別ということになります。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2019-04-11 23:29:02)
4.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 
そうだったんです、ゴジラをリブートする映画作家は日本では庵野秀明しかいなかったんですよ。庵野にゴジラを撮らせる決断を下した東宝には、最大級の賛辞を贈りたいです。そしてたった15億円でこんだけの作品が製作できたってことも、ある意味で日本映画界の偉業だと思います。だって15億なんておカネは、ハリウッドではブラピやトム・クルーズなんかの一人かせいぜい二人分のギャラに過ぎないんですよ。ハリウッドでこれだけの大作を撮ったら、100億円単位の予算になることは必定です。エンドタイトルに延々と流れる俳優たちの名前を観ていると、この人たちのギャラははハリウッドの何分の一なんだろう、と製作費から逆算したらなんか可哀想になってきました。 平成の世にゴジラを蘇らせたらゴジラは何を暗喩する存在になるだろうかと夢想したことがありましたが、この庵野ゴジラはわたくしのイメージを超えるメタファーとして登場したと思います。原発事故や自然災害の象徴とは誰しも考えることですが、このゴジラは日本という国が身をさらす国際情勢をも象徴していた気がします。そういう意味ではまさに究極のシミュレーション映画だとも感じました。ただひとつ不満だったのは、この災害が引き起こした人的損害については映像でもセリフにも言及がなかったことで、どれだけの人命が犠牲になるのかもシミュレートしてほしかったところです。でもいくら庵野にまかせたといってもさすがに東宝もそれはあまりに生々しすぎて、譲れなかったのかもしれません。 「怪獣は皇居を破壊しない」という有名な不文律通り、今回もゴジラは東京駅八重洲口どまりで皇居のある丸の内側には足を踏み入れませんでした。「皇室のことに触れないのではシミュレーションにならない」という意見もあるみたいですけど、私はこれは日本の怪獣映画の文化だし構わないと思っています。それよりも心配(?)なのは独特な日本の政治意思決定がこれでもかと描かれているので、はたして海外の観客に理解されるんだろうかということです。海外上映では字幕付きか吹き替えでしょうけど、あの登場人物たちの緊迫した状況での猛烈に早口なセリフの洪水は、日本人でも圧倒されてしまいます。でもこの監督独特のブラックなユーモアは私にはツボで、途中から表舞台に登場する羽目になった農林水産大臣はおかしくてしょうがなかったです。邦画の大作や特撮映画にはこのユーモアのセンスが欠落していることが常々不満だったので、ここは大変満足でした。 正直これからまたシリーズ化することにはすごく抵抗がありますけど、これで日本の特撮映画に新たな地平が拓けたことは間違いないでしょう。自分でもなんかヘンなんですけど、ゴジラが放射能を初めてまき散らすシーンではあまりの荘厳さに涙がこぼれてしまいました。
[映画館(邦画)] 9点(2016-09-01 20:58:45)(良:3票)
5.  心中天網島 《ネタバレ》 
「日本のシェイクスピア」近松門左衛門の名作をモダニズムの極致とも言える演出で堪能させてくれます。自分は篠田正浩は好みではないですが、本作だけは別格。前衛的ながらオリジナルの基本的なところはきっちりと造っているのが良い。紙屋治兵衛がまた観てて情けなくなるダメ男で、名優中村吉右衛門がさすがの演技で唸らされます。 私の中では戦後日本映画界でもっとも妖艶な女優は岩下志麻だということになっています。若い人たちは『極妻』シリーズのイメージしかないでしょうけど、この人の60年代70年代の作品をぜひ観てください。その美しさ・色っぽさには眼が釘付けになりますよ。
[DVD(字幕)] 9点(2011-01-07 02:31:03)(良:1票)
6.  地獄門 《ネタバレ》 
長谷川一夫が演じるのは、後に出家して僧侶文覚として平安後期および鎌倉初期に活躍した遠藤盛遠です。この盛遠がいくら田舎武士とはいえやってることがムチャクチャ、その行動は匈奴か鮮卑族かと思うぐらい、自分の思い込みで独身と誤解した同僚の妻である袈裟を無理くりに奪おうとして夫や親族までも皆殺しにしようとするヤバい奴です。これを美男スターの代表である長谷川一夫が演じるのはミスキャストのような気がしていましたが、その眼力と風格でこなしてしまったという感があります。そのストーカー侍に狙われるのが京マチ子、この人はケバい顔つきのヴァンプ的なキャラというイメージがありますが、やはり平安美人を演じさせたら右に出る者はいないと断言しちゃいます。『羅生門』を超える妖艶さ、まさに“グランプリ女優”の称号に恥じません。もちろんカラーでスクリーンに映しだされたのはこれが初、さぞや当時の観客は魅了されたことでしょう。大映としてもこれが初のカラー映画、その色彩の鮮やかさは現代の眼で観ても息を飲むほどで、「自分は産まれてからこのかた、こんな美しいものを見たことがない」とまでジャン・コクトーが激賞したというのも納得です。 この映画は同じ『門』でも『羅生門』と較べれば最近では映画ジャーナリズムでも取り上げられることが滅多にない感じですが、後にも先にもアカデミー賞で二部門受賞した日本映画は本作だけなんですよ。決して忘れられてはいけない重要作なんだと思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2024-02-26 22:49:03)
7.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 
“怪獣vs超人バトル”というコンセプトだった元祖ウルトラマンの、“宇宙人であるウルトラマンと異星人の係わり”という隠れテーマに注目した映画化は良い着目点だなと思います。登場するザラブやメフィラスには“外星人”という呼称が使われていますが、ここは個人的には興味深かったところです。ザラブやメフィラスは人類というか日本政府に武力か知力かの違いはあっても特殊権益を求めていますが、これはロシア・英国・米国などが江戸幕府に開国を求めてきた幕末の情勢に似ているところがありませんか。つまり令和の時代に開国と言うか降伏を要求してきたのは、外人ならぬ外(星)人だった!なんてちょっと捻くれた観方かもしれませんがね(笑)。 樋口真嗣が監督なので正直期待感は低かったんですが、どうしてどうして、けっこう見応えがありましたね、庵野秀明が総監督なだけはあります。まさかのウルトラQの怪獣たちから物語が始まり、禍威獣ネロンガと禍威獣ガボラと元祖登場の怪獣の進化形が登場。びっくりしたのはガボラの造形で、頭部が完全にドリルなんだけどなんとそこがパックリ開いて元祖と同じようなひまわりの様な襟が開くところ、こんなこと良う考えつくわ!笑っちゃうのは「パゴス・ネロンガ・ガボラ、どれも頭部や背中の形状が違うだけで首から下の部位はどれも酷似している、まるでアタッチメントしているみたい」というセリフがあったことで、実はオリジナルではこの三体はバラゴンのスーツを順番に改造して撮影されていたというのは有名な話し、マニアは思わずニヤリとさせられる楽屋オチでした。禍威獣の登場はここまでであとはザラブやメフィラスそして偽ウルトラマンとの対決となるけど、やはり強烈だったのは巨大女・長澤まさみに尽きるでしょう。この巨大女のフィギュアを海洋堂あたりが販売すれば、けっこうヒットするんじゃないかな。やっぱこの映画では長澤まさみの存在感が光っていましたね。人間の姿形をしているとはいえ、ウルトラマンとメフィラスが居酒屋で一杯やりながら地球征服の密談をするなんてこれも爆笑、しかも割り勘とはね(笑)。あとメフィラス、お前好きなフレーズが多すぎだ、どんだけ日本語に詳しいんだよ! ザラブやメフィラスは中途半端に退場して地球とだけでなく太陽系自体を宇宙の秩序を守るために消滅させようとするのが、ウルトラマンの同僚であるゾフィーというかウルトラマンの故郷である光の星の意思であるというところは斬新な脚本かと思います。オリジナルでもウルトラマンを倒したゼットンが登場しますが、ゼットンが生命体ではなくマシーンだという設定も良かったな。 ウルトラマンの造形は、カラータイマーが無かったが、エネルギーの消費量は赤い縞の色変によって判るという設定、やはりCGの効用でオリジナル版のスーツの弛みが無い姿は見惚れてしまいますね。飛翔するところもカッコいいけど、飛び立つときの「シュワッチ」がなかったのはちょっと寂しかったかな。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-11-21 23:26:56)
8.  仁義なき戦い 広島死闘篇 《ネタバレ》 
シリーズ二作目は、北王子欣也=山中正治をストーリーラインのメインに据えた番外編みたいなお話しになり、菅原文太=広能昌三はいわば狂言回しのような役割となります。これはまだ抗争自体が燻っていたのに「二作目は広島戦争にしろ!」という岡田社長の号令に脚本の笠原和夫がビビったためで、いわばアリバイ稼ぎで書き下ろした感じみたいです。その為か山中正治のエピソードはかなり時期的にもずらされており(モデルの人物は昭和23年には死亡)、広能との絡みも創作みたいです。文太は出番の少なさに怒って一時降板を申し出る騒ぎもあり、文太なしでシリーズ四作が撮られていた可能性もあったのは興味深いです。 シリーズ中の最高傑作と評されるだけあり、登場キャラが立ちまくっているし群集劇としても見応えは十分です。中でもシリーズ中人気ナンバーワンのトリックスター、千葉真一=大友勝利の強烈な暴れっぷりと言動には惚れ惚れします。「あれらオ○コの汁でメシ食うとるんでぇ!」「人間うまいもん喰ってよ、マブイスケ抱くために生まれてきとるんじゃないの?」、いやはやこの倫理の欠片もない迷セリフの数々、やっぱ書いた笠原和夫を第一に褒めるべきなんでしょうね。北王子欣也も、銃を構えるところの演技が真に迫っていて、とくに最初の殺人のときのリアクションが実にリアルでした。またこの二作目は、北王子欣也と梶芽衣子の悲恋物語でもあるのですが、この梶芽衣子はシリーズ中で唯一の女性主要キャラとなります。まあこの山中正治というキャラは劇中では単なる鉄砲玉的な行動しかしてなくけっこうおバカな感じですし、梶芽衣子を婚家に戻そうとする村岡組長や若頭の考えもあながち理不尽だと断罪してしまうことも出来にくいんじゃないでしょうか。そう考えると、成田三樹夫=若頭・松永が、本作でもっともカッコよいキャラだったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-01-02 00:18:49)
9.  ジャッジ! 《ネタバレ》 
あのキツネうどんのCMの破壊力、もう半端じゃないです(笑)コンコン、コシコシ♪っていうあのメロディが、まだ強烈に頭の中で共鳴してます。冒頭からの脱力系の展開は、なんか私にとってどストライクの剛速球でした。クライアント訪問するときまで膝小僧出した半ズボン姿のトヨエツが大傑作で、「無茶と書いてチャンスと読む」は私も使わせて頂きたい名セリフです。そう言えばかつて代理店のサラリーマンだった筒井康隆の小説に出てくる「士農工商・代理店」というフレーズを思い出してしまいました。それにしてもトヨタ・エースコック・丸井と実在企業の名を出してのパロディとは日本映画らしからぬ大胆さ、エースコックの宣伝室長なんて完全にコケにしている様な気がしますけど、怒られなかったんでしょうかね。でも鈴木京香が創ったトヨタのCMに関してはディスってる様な気がして、これがグランプリを獲るのは一種の皮肉なんでしょうかね。 監督も脚本家もCM業界の人たちなので、業界の内情はきっとリアルなんでしょう。パロっているけど広告祭の審査の内情も、実際あんなもんなんでしょうね。後半からラストに至るベタな展開はクサいんですが、コメディとしてはなかなか愉しめると思いますよ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-02-23 00:20:46)
10.  女子ーズ 《ネタバレ》 
なんも期待せずに観始めましたけど、実は思わぬ掘り出し物でした。もう最初の30分のチャールズ司令官や怪人たちとのグダグダなガールズ・トークはもう爆笑です。考えてみれば、この映画は日本版『デス・プルーフ』みたいなもんなんですよね。ガールズ・トークと女子アクション(もっとも日本の方は迫力負けですけど)は共通じゃないですか、ちょっとムリありますけど(笑)。それにしてもこの監督の“戦隊もの愛”には頭が下がります。地球制服を企む怪人たちが、埼玉かどっかの砂利採掘場をいつも通って都心を目指していたとは不覚にも今まで気が付きませんでした(笑)。もう一つ伝わってくるのが、監督の強烈な韓流憎悪じゃないでしょうか。レッドの恋愛シークエンスはモロに韓流のパロディで、メチャクチャ韓流ドラマをコケにしてるような気がするんですけど。女子―ズに居酒屋で群がってくるチャラい男たち、もう雰囲気が韓流男優そのものって感じでした。 それにしても桐谷美玲や藤井美菜が「ウ●コ~ウ●コ~」なんて連呼する映像を眼にするとは、世の中何が起こるか判らないもんです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-06-19 20:49:02)(良:2票)
11.  シンプル・プラン 《ネタバレ》 
確かにコーエン兄弟的な世界ですが、ラストにあの夫婦がたどり着いた結末はちょっと肩すかしをくらった様な気がしました。ビル・パクストンはこの映画の中で結構人を殺していますが、あのまま平穏な生活に戻れるとはちょっと考えにくいですね。そういう風に感じさせてくれるラストでした。頭がきれるブリジッド・フォンダが指図すると、それがことごとく予想もしない展開になるのがおかしかったです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-09-10 19:33:07)
12.  新・兵隊やくざ 《ネタバレ》 
三作目も前作と同様に脱走したが再び他の部隊に見つかって何とか潜り込むことで軍隊生活になってしまった大宮と有田、しかし今回は開幕十五分余りで部隊を脱走、そこからは天津の街に紛れ込んでゆくという新しい展開です。ここでは女郎屋でこき使われた挙句女郎を引き連れて逃亡、なんとその女郎たちとともに新規に女郎屋を始めるという予想外な展開。本作では藤岡琢也=豊後一等兵や玉川良一=坊主上がりの上州一等兵といったゲストキャラが登場しますが、彼らが良い味出しているんです。大宮と有田の関係も、それぞれの出自が違うところから来る対立もありながらも、友情・信頼関係がより深まってゆくところが丁寧に描かれています。二人が同性愛的な心情を持っている観方もありますが、これはさもありなんという感じです。後半から登場する成田三樹夫=青柳憲兵伍長がまた彼にマッチした悪辣なキャラで、まるで憲兵隊のラインハルト・ハイドリヒという風情すら感じてしまいました。大宮と嵯峨三智子=桃子が結婚してしまう展開もびっくりですが、後のシリーズでは桃子という役は登場しないみたいなので、この結婚の先行きが心配です(笑)。 本作は軍隊映画というよりもヤクザ・マフィア映画に分類したくなるテイストでしたが、ここまでのシリーズ三作中ではもっとも痛快でした。ラストが大暴れしたあと何か乗り物を分捕って銃撃を浴びながら脱走するというのはいつもの展開ですが、むき出しのサイドカーに乗って突破するというのはさすがに無理ゲーでしょう、ほんと二人には一発も弾が当らないんだから(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-02-28 23:16:53)
13.  地獄の花園 《ネタバレ》 
徹頭徹尾ヤンキー漫画のパロディで、脚本を書いたバカリズムのこのジャンルに対する愛が感じられるぐらいです。彼はこの前に『架空OL日記』という怪作を撮って自ら制服コスプレして主演までしているぐらいで、どんだけOLが好きなんだよ、と思わず突っ込んでしまいます。主演の可愛い平凡OLが永野芽郁、まあ彼女が本性を表すだろうなということは予想が付きますけど、思った以上にアクションの動きがキレキレでなかなか良かったです(もっともCGのおかげだったかも)。学生時代はスケバンやレディースでトップをとっていた連中が就職してOLになり、それでも各社で裏OLを従えて抗争を繰り広げるという世界線がバカバカしいけど面白い。この裏OLたちもケバい化粧だけど社内では普通にOL仕事をこなしている、そして時には社内にまで乗り込んでの大乱闘を繰り広げるけど、一般OLや上司たちはそれがまるで目に入らないような無関係の存在、まるで社内に異世界が拡がっているような世界観がまた面白かった。“地上最強のOL”小池栄子もまつ毛を無くしての怪演、でもなんか10歳は若返ったような感じで、ちょっと見では彼女とは気が付きませんでしたよ。監督は知る人ぞ知る関和亮、劇場映画は初監督ですが彼は初期からMV監督としてPerfumeのブレイクに貢献し、海外アーチストではOK Goの『I Want Let You Down』という度肝を抜かれるような映像のMVを手掛けている鬼才です。彼ならデビュー作でこれぐらいの映画なら難なく撮っちゃえるでしょうね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-11-30 23:02:36)
14.  仁義なき戦い 完結篇 《ネタバレ》 
すったもんだあったけど、四作目で終わるはずが「完結編」五作目が撮られてこれにて“広島弁のシェイクスピア劇”は無事完結したわけです。皮肉にもこの五作目がシリーズ最大のヒットとなり、脚本・笠原和夫の美学に岡田茂社長の商魂が勝利を納めたってことでしょうか。前作以上に菅原文太の出番が少なく、完全に小林旭と北王子欣也が主軸となってストーリーが進行します。シリーズ中盤から登場した旭ですがどんどん存在感を増してきて、本作では押しも押されもせぬ重量感でその貫禄には惚れ惚れしてしまいます。前作からの傾向でエピソード羅列といった感じのストーリーテリングでしたが、シリーズ通して登場してきたキャラたちにも引導を渡す意図も感じました。突然に再登場してきた大友勝利でしたが、やはりここは千葉真一に演じて欲しかったところです。宍戸錠は多分に千葉の演じたキャラ像に寄せたつもりだった感じですが、ちょっとオーバーアクトで違和感すらありました。 奇しくも昨日は田中邦衛の訃報が流れました。本シリーズで、彼が演じた槇原政吉ほどシェイクスピア的なキャラはいないんじゃないでしょうか。東宝映画の人と言ったイメージが強かったですけど、東映に乗り込んで彼が演じたのは『若大将』シリーズの当たり役青大将がそのまま極道世界に迷い込んできたようなキャラ、第一作で鉄砲玉仕事を泣き落としで回避するところなんかは今までのヤクザ映画では見られなかったリアルさで、ちょっと衝撃的でした。槇原はいろいろと小ズルい動きをしていかにも卑怯者という印象が強いけど、通して見ると意外と山守義雄=金子信雄には忠実で裏切ることは最後までありませんでした。そんな槇原も歳を重ねてちょっと風格が出てきたところでついに非業の最期、この死が武田明=小林旭に引退を決意させたわけで、それなりの人物だったと言えるでしょう。RIP,田中邦衛=槇原政吉。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-04-03 22:18:49)
15.  仁義なき戦い 頂上作戦 《ネタバレ》 
第四作目にしていよいよ本題の広島戦争に突入、さすがの警察も世論の非難もありいわゆる頂上作戦を展開してきて、結論から言うと組織自体の真正面からのぶつかり合いとはならず手打ちに落ち着き、各組織の若い輩どもが自分らの鬱憤を晴らすために暴れて死者を増やしたってのが正直な感想です。まあこれは実話ですからしょうがないですけどね。広能昌三=菅原文太は本編半ばであえなく刑務所入りしてまたもやフェイドアウト、ここからは前作から引き続いて武田明=小林旭が存在感を増して主役のような展開で、やはり日活の大スターでしたから東映も気を使ってた感があります。ラストで文太と旭を刑務所で再会させ、本シリーズを象徴するような会話をさせますが、当時では文太より旭の方がはるかに格上だったということです。笠原和夫は本作で四部作終了とするつもりで脚本を書いたというのは有名な話しですが、たしかにここで話を終わりにするために作品全体のテンションを下げていったのかもしれません。とくに本作の後半はいろいろな人物のエピソードが盛り込まれており、群集劇としての要素がシリーズ中でもっとも強くなっています。なかでも志賀勝が小池朝雄を射殺して「あんたら見とった通りじゃ」と捨て台詞を吐くところは、彼の風貌も相まって日本映画史に残る殺人シーンだとおもいます。 しかし、岡田社長の鶴の一声でさらに五作目が撮られることになり、さすがに笠原和夫も脚本から降りることになりました。“泣く子と岡田茂には勝てない”という東映の体質ではしょうがなかったのかもしれませんが、当時の東映って暴力団も顔負けするような強面だったようです。こういうポリシーがないがめつい根性が、日本映画界のダメなところなんですよ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-03-03 21:42:02)
16.  仁義なき戦い 代理戦争 《ネタバレ》 
シリーズ三作目はいよいよ本題の“広島抗争”が始まるわけですが、本作はいわば『広島抗争・前編』といった位置づけです。内容はもう“ヤクザ版国際政治(東アジアの某半島)”といった趣で、中世ビザンツ帝国の歴史を思い出させるような権謀術数の世界です。山守義雄=金子信雄をスケールダウンしたような打本昇=加藤武の登場で、ますますヤクザの屑っぷりが濃厚に描かれるようになってきました。前作から引き続き登場の成田三樹夫や山城新伍も、裏では卑怯な振る舞いをする凡人にキャラ変しています。原作者がモデルなだけに精一杯カッコよくしている広能昌三=菅原文太も、保身のために神戸の大組織と繋がって駆け引きに余念がなく、まあ地方都市の弱小組織のボスだからしょうがないといっちゃあ身も蓋もないですけどね。この広能昌三というキャラの最大の弱点は、山守義雄の子分になったり打本昇と兄弟分関係になっていたりとどう考えても人を見る眼がなくあとでそのことを後悔する愚を重ねるところでしょう。田舎のことですから、他に選択肢がなかったのかな。そう考えると、途中から若頭になって存在感を出してくる武田明=小林旭が本作ではいちばんおいしいキャラだったと言えるでしょう。もちろんいちばん酷いキャラは“手首切り落とし男”=川谷拓三で、舎弟の渡瀬恒彦をチクって殺させて自分は東京に逃げるというのはあんまりだ。でも、この渡瀬を同じ元教え子ということで就職の世話するみたいに文太の組に入れさせる教師と、まるで息子を奉公に出すようにしか感じていない母親も、かなりのクソですよ。こういうクズみたいな人間が沢山観れるのは、ある意味このシリーズの魅力かもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-02-03 20:10:39)(良:1票)
17.  仁義なき戦い 《ネタバレ》 
いい歳になるまでヤクザ・任侠映画をまともに観たことなかった自分が、三十年以上前の正月休みに初めてレンタルで観て、あまりの衝撃に休み明けまでに勢いで五作全部観てしまった記憶があります。でもね、これは大失敗でした。なんせ前作で死んだはずの山城新伍や梅宮辰夫や松方弘樹が何度も違う役で登場してくるので、最後の方は完全に自分の頭が混乱してしまいました。この五部作は多少間隔を開けて観た方がイイみたいです(笑)。 “レイズ・オブ・山守組”というのが一作目のストーリーラインですが、けっきょくラストまで生き残ったのは文太・金子信雄・田中邦衛の三人だけ。そうそうたる顔ぶれの山守組の面々は内部抗争で自滅、東映もまさかこんなに大ヒットするとは思ってなかったので松方や大物スターを惜しげもなく殺しちゃったのかな。観直してみると文太の広能昌三があまりにカッコよすぎという感は否めないけど、ヤクザの下劣な人間性をここまであけすけに描いた任侠ものはなかったから、やはり実録ものヤクザ映画というジャンルを開拓した功績は大きいと言えるでしょう。あの有名なBGMとともに流れる恒例の死亡テロップ、年月日だけでなく午前・午後まで表示するところはまた芸が細かいです。でも、やはりこの第一作は金子信雄のためのストーリーだったのかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-12-03 21:57:05)(良:1票)
18.  女優霊(1996)
なるほどこれが中田秀夫の監督デビュー作なんですね。尺も短く低予算を逆手にとってほぼ撮影所内限定という舞台設定も良いアイデアです。主人公も初めて劇映画を撮る新人監督というわが身を置き換えたようなキャラ設定ですが、そこに柳“ユーレイ”を起用するというダジャレというか出落ち感があって面白い。撮影現場も古き時代の職人気質の現場という感じが良く出ているし、大杉漣を始めとするスタッフたちの自然な演技がまたリアル、ホラー的な要素を別にしてもこういう基本的な演出がキチっとできたというところにも、中田秀夫は並みのルーキーじゃなかったことが判ります。ホラー度は、まあ『リング』以前としてはかなりのレベルなんじゃないでしょうか。主演した女優が事故死したことでお蔵入りになって放映されなかったドラマ、その一般人が観てないはずの映像を主人公が記憶しているという不条理、やはりホラーの神髄は不条理にあるのですよ。 余談:脚本の高橋洋によると、この主人公が小3のときに観てあまりの怖さにTVが嫌いになった番組の元ネタは、あの有名な『シェラ・デ・コブレの幽霊』なんだそうです。かつて日曜洋画劇場で一度だけ放映された幻のホラー、私も放映された予告編を観ただけ震え上がってしまい、もちろん本編放送は観れませんでした。公開時に街頭に貼られた『恐怖の足跡』のポスターを見たことと『シェラ・デ・コブレの幽霊(の予告編)』は、私の生涯の二大トラウマ・ホラーです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-04-30 00:06:53)
19.  新・平家物語 《ネタバレ》 
『新・平家物語』といいましても保元の乱以前の『ザ・レイズ・オブ・平家』とも言うべき清盛の青春時代が描かれていると言って間違いはない映画です。何故に?と申しますとこれは大映が平家物語三部作として企画した第一作で、溝口健二は他の二作には関わっていない、というか本作が溝口のラス前作で予定はあったのかもしれないがすでに彼はこの世にはいなかったというわけです。また、二本しかないカラー撮影作品の一本でもあります。 主演の雷蔵は映画デビューして二年目、世評では雷蔵は本作で演技開花したとされています。とはいっても、まず若人あきらかイモトアヤコかというぐらいの強烈なインパクトのある眉毛メイクに、眼が釘付けになっちゃいますよね。時代考証にうるさい溝口だけど、これにはなんか拘りがあるのかと訝しむばかりです。平清盛というと『平家物語』のせいでどうしても傲慢な悪役イメージがつきまといますが、考えてみれば公家政治を終わらせて武士の時代を切り拓いた人、織田信長の吉法師時代みたいな描き方もこれはアリでしょう。また自分の出自に悩み苦悩する清盛像も、ある意味現代的で斬新な感がありました。余談ですが、私の中では大河ドラマ版『新・平家物語』の仲代達也が、史上最高の平清盛だということになっています。 「女を撮らせたら溝口」というのが定番ですが、観れば納得できるように群衆や僧兵の大群などモブ・シーンの映像も素晴らしい迫力があります。それは名カメラマン宮川一夫の技量もありますが、これは長年コンビを組んで息が合った末に完成した名人芸でもあるでしょう。惜しむらくは保存状態のせいかフィルムの発色が劣化しているところで、貴重なカラー版溝口作品なのでぜひデジタルリマスターしていただきたい。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-02-23 22:17:31)
20.  ジェイソン・ボーン 《ネタバレ》 
このシリーズが好きな自分としましては、この続編製作じたいはアリだったと思います。考えてみれば前三作は一本の映画を三分割したようなものだし、『アルティメイタム』の閉め方からして、最低でもあと一本は撮ってそのストーリーではジュリア・スタイルズをかなり前面に押し出してくるだろうと予測はつきました。 お約束の冒頭30分の手ぶれ映像によるサスペンス・シークエンスはシリーズ最大規模、実際のギリシャ危機のゴタゴタを巧妙に取り込んでいて、この脚本のセンスには毎回感心させられます。でもまさかここでジュリア・スタイルズが退場するとは予想外でした。けっきょく明かされたジェイソン・ボーン=デヴィッド・ウエッブの秘密も、サプライズを呼ぶほどのことはありません。悪役CIAはトミー・リー・ジョーンズ、殺し屋はヴァンサン・カッセルと両者ともシリーズ中最凶でかつ大物俳優を連れてきました。ボーンはついにCIAのトップと直接対決となったわけですが、仕留めたのかというとそれは微妙な感じです。しかし最高責任者の長官が二代続いてこんな不祥事しでかしたら、いよいよCIAは組織解体そして大統領は辞任ものですよ。 さてシリーズ四作を観て私がいちばん気になっているのは、劇中のCIAの情報収集力の驚異的な高さです。現実にはエシュロンとかいう盗聴システムみたいなものを米国は運用しているそうですが、映画の中にそのテクノロジーがどれだけ反映されているのか気になるところです。また世界中に支部があって実力行使部隊を、たとえそれが英国であろうとも、その国の主権をガン無視してやりたい放題するのは実に恐ろしいことです。誇張はあるにしても、何らかのCIAの現実の活動を脚本におとしこんでいる気がしてなりません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-12-04 22:19:27)(良:1票)
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