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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1251
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1.  でーれーガールズ 《ネタバレ》 
原作者が「カフーを待ちわびて」(2009)と同じであり、今回の題名を見てまた沖縄かと思ったら違うのだった。 まず苦情から書いておくと、終盤の大事件のような展開は個人的に嫌っている。原作がそうなので仕方ないとしても、単なる偶然ではなく必然を感じさせる工夫はなかったかと思う。また時代を象徴するものとして山口百恵を取り上げていたが、これで特定の年代感が強調されてしまうと、少し前の団塊向けのような世代限定モノとして取られかねないと心配される。 ただし近年ティーンエージャーをとりまく過酷な環境を強調したがる傾向があるように思われるのに対し、30年前に遡ることで、年齢本来のより自然な感覚を素直に出せる意味はあったように思われる。当然ながら原作者の高校時代そのままの年代でもあったわけだが(細かくいえば2年差?)。  ストーリーに関しては、主に女子の友情に関わる話であるから個人的には共感しにくい内容のはずだが、見れば意外にも素直に登場人物の心情を受け取ることができ、笑うところは笑い泣くところは泣ける映画になっていた。自分の性格として過去の知り合いを大事にしたいなどという気持ちはほとんどないわけだが、かえってその分、自分に欠落したもの、あるいは拒否してきたものをあからさまに見せつけられたのが切なかったかも知れない。 また映画独自の趣向として、鮎子の過去に対する複雑な感情を不安感の形にして(または友人を失う予感を不吉感の形にして?)音なり映像なりで表現していたのは印象深かった。ほか細かいところでは、登場人物の表情を他人の表情の変化で予告してみせるとか、泣きの場面を長引かせずに次の笑いの場面に直接つないで笑い泣きさせる、といったことで心を動かされるところもあった。 なおキャスト面ではダブル主演×2の豪華状態になっているが、うち高校時代の鮎子役は、高校生役の中で唯一劇中人物と同年代(というかまだ中学生?)ながら少なくとも素人目には立派な主演女優であり、ほぼデビュー直後の状態を見たことのある立場からすれば感無量といえなくもない。また大人のアユコ先生は、艶っぽ過ぎてとても40代半ばに見えないのは不自然ともいえるが、自分としては思わず見惚れてしまう場面が多かった。この人も映画の満足度にかなり貢献する存在になっている。
[DVD(邦画)] 8点(2016-01-11 22:36:27)
2.  DEAD END RUN 《ネタバレ》 
3話オムニバスのうち第1話の女優が目的で見たので、歌って踊れるヒロインの魅力を十分に(失笑しながら)満喫させてもらった。ミュージカルの舞台に突然引っ張り出されて戸惑う男の表情もキュートかもしれないが、死んだヒロインもまた魅力的である。終わってみれば超コンパクトなラブストーリーになっており、これは何度でも見たくなる。 そのほか第2話は少々地味だが、第3話は映像全体が明るくなり、またこの回だけは行き止まりを突き抜けられるのでいわば解脱感がある。出発点が同じで何回か繰り返すとやがて先へ進める時が来るのはゲーム感覚かと思ったが、登場人物は異なっているのでプレイはそれぞれ1回きりらしい。第3話の登場人物だけがたまたま幸運をつかんだということだろうが、個人的には第1話の結末でも十分受け入れられる。 なお第1と第3の男が、サスペンス調で生死を賭けた逃避行をしていながら硬派な印象がなく、女優とのからみの中でその辺の兄ちゃんのような素顔が丸出しになるのは現代のリアリティかと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2012-06-06 22:53:00)
3.  天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬 《ネタバレ》 
この人物の映画は2つ目だが大体どんなものかはわかっている。大笑いというほどでもないが終始にやけ気味の顔で見ていた。 ネロとパトラッシュがまるきりそのままの姿なのは感動的で、この格好で実名付きで出てきても誰も気づかないのは意外に知名度が低かったらしいがそれはいいとして、人間社会に恨みがあるなら日本でなくベルギー(フランドル)社会に復讐してもらいたい。小ネタもいろいろ出ていたようだが自分としては世情に疎いので、「浜崎」というのはこういうイメージを持たれていたのかとか、「こまごめピペット」とは何のことだったか(器具でなく)と考えてからもしかしてアレのことかと思い出したというところはあった。また時節柄、鼻の粘膜に指で触るなとか、南米産のサルなど何がついているかわからないといった心配をさせられた。 物語的なところでは、これまで何十年間も隠されてきたものすごい秘密が明らかにされるのかと期待していたら、最初からネタバレしていたことに気づかないでいたおれはバカかと思ったが、それもウソだったらしく結局どうでもよくなった。しかし日昇ということに関しては、途中で極めてまっとうな理屈を説明していたにもかかわらず、最後になって荒唐無稽な超自然現象を起こしておいて「これでいいのだ」と言われても、別に悪いとは言わないが、宇宙の秩序が崩壊しているとしか思われないのでハジメちゃんに何とかしてもらいたい。ちなみにママは優しそうでちゃんとした人なので和まされた(好きだ)が、夫の奇矯な行動を周囲に詫びる様子など見ると、やはり昭和(戦前)生まれの人物像が表現されているようでもある。 そのようなことで、あまりまともな感想が出て来ないがそういう映画だった。好きな人は好きだろうとは思う。決して面白くなくはない。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-04-06 19:51:59)(良:1票)
4.  デスフォレスト 恐怖の森2 《ネタバレ》 
同じ監督の第2作だが脚本の主担当は代わったらしい。前回が基本型とすれば、今回はドラマ性と娯楽性を増して強化した形になっている。 場所設定は一転してなぜか女子高だが、撮影場所にした廃校を、校舎移転中の寂しい場所として使ったのは悪くない発想だ。禁断の園っぽい雰囲気ながら演者はとても高校生には見えないが(1人だけ当時10代か)、高校演劇部らしい?わざとらしさがかえっていい印象につながっており、一応この劇中世界につき合ってやるかという気にはさせられた。  今回は特に物語面の充実が特徴である。前回タイプの人物は簡単に死んで破滅型の愛も報われず、結局は単純バカ的に心正しく前向きな人物と、その人物に引っ張られて現状打破を決意した人物が残っていた。その上で人助けということを軸にして、完璧主義に縛られてはならないということと、他人のためが自分のためにもなることをそれぞれ知った形になっている。結果として、危機に際して居合わせた人物同士が影響し合って人間的に向上したという、極めて正統派の青春物語になっていたのが自分としては非常に心地いい。 バケモノ類に関しては、大顔キャラに立体感があるとか白塗りが実体感を増しているのは進化した印象もある。大顔が正面から迫るのは一応怖いが、同時に笑いの衝動を抑えられないところもあり、またフラッシュをたくと慌てた顔でプルプルっと震えるのは可愛かったりする。ほかにあからさまなドッキリで爆笑させられる場面もあったりして、これならよくいうように皆で集まって騒ぎながら見るのにふさわしい。ちなみにグロ場面は比較的リアルだが、演出的にドライなので嫌悪を感じるものでもない。 なお「ロケーション/熱海市観光推進室」はガキっぽい俗悪映画に名前が出ていて呆れたこともあったが、今回はいい映画に協力した(たまたまだろうが)。  キャストに関しては初めて見た人ばかりだが、W主演はそれぞれいい感じを出していて好きだ。倉持由香という人は、一般映画としては当然だろうが尻ばかり強調する場面はなく、主に顔の雰囲気を見せている。下垣真香という人は本来もっと大人の役をすべきだろうが、今回は確信犯的天然真面目キャラになっていたのは嫌いでない(ちょっと惚れた)。なお脚本家役をやった人は、現在は芸能活動をやめて帰郷して結婚して子育て中とのことである。どうかお幸せに。
[DVD(邦画)] 6点(2020-01-25 10:29:27)
5.  テツワン探偵ロボタック&カブタック 不思議の国の大冒険<OV> 《ネタバレ》 
東映特撮番組「テツワン探偵ロボタック」(1998~1999)の特別編である。当時は当然見ていなかった。 見た目は1970年代の「がんばれ!!ロボコン」のようでいかにも小学生向けの番組だが、宇宙刑事に始まるメタルヒーローシリーズに属するという考え方もあるらしい。確かに、いつもは呑気なロボコン風ロボットでも、危機が迫ると少し格好いい戦闘形態に変化して(CGで)アクションをこなして火薬も爆発するのは東映特撮ヒーロー物のパターンになっている。また現在もあるように、前作の「ビーロボカブタック」(1997~1998)との共演形式になっており(いわゆる「クロスオーバー」)、本編とは全く違う異世界設定にしてあるらしい。  物語としては、悪徳国家の悪徳大統領が隣国の王女(美少女)を「キャワイイ~」という理由で拉致して嫁にしようとした(これは許せない)のを、正義の主人公が阻止する話になっている。主人公にとっては切ない恋物語だが、同時に正直者が馬鹿をみる類のありがたい教訓を残す話である。全般的に見る者を笑わせるように作ってあり、「おれの妻になるのだ」との横暴な発言に対し、健気な王女が決然と「身体を奪うことはできても…」と真顔で答えたのは(申し訳ないが)爆笑してしまった。当時から大人の目を意識しながら作っていたということか、あるいは小学生向け番組を見て笑っている大人はおれだけか。 またこの特別編ではレギュラーが普段と全く違う役柄で出ていたようで、本編を知っている人ならそれ自体が面白かったかも知れない。岡っ引きの親分をやっていたのは後の黒川芽以(当時から黒川芽以)で、「番屋でゆっくり話を聞こうか」という台詞はいわゆるタイホしちゃうぞという意味と思われる。ただこの当時は普通の小学生女子のように見えて、顔もほっそりして黒川芽以らしくない。 ゲスト出演者では、ほとんど同時期の「がんばっていきまっしょい」(1998)で“ヒメ”役だった清水真実という人が出ている。このビデオでは本物のお姫様役で、「がんばって…」のようなあか抜けない地方の女子高生ではなく正規の美少女になっている。そのほか国王役で出ていたのは、1980年代に「夢見るぞ」で一世を風靡した赤星昇一郎という人物だった(知っている人は知っている)。
[DVD(邦画)] 6点(2018-12-16 17:29:21)
6.  転校生(2012) 《ネタバレ》 
20分の短編映画だが、各地の映画祭で受賞したりして好評らしい。題名があまりに単純で1982年の同名邦画との区別がつかないが、これは当初「○○○の転校生」(一部伏字)としていたところ、ネタバレなのでやめた方がいいとの助言があってこうなったとのことである。映像ソフトとしては同じ監督(金井純一)の長編映画「ゆるせない、逢いたい」(2013)のDVD特典として収録されている。 出演者のうち役者は森川葵(川野容子)、増田璃子(狭山リサ)、藤原倫己(笹島/クラスの担任)の3人だけで、あとは「筑西市立明野中学校のみなさん」のエキストラ協力である(台詞のある生徒もいる)。撮影場所は前記の「ゆるせない、逢いたい」と同じ茨城県筑西市で、筑波山も映っている。  内容に関しては、これから長く続いていく人生の中で、束の間ながら確実に人と心を通じあわせた一瞬のお話である。ほのぼの笑ってしみじみ泣かせる佳作であり、バックに流れる「パッヘルベルのカノン」も、選曲としてはありきたりだが心に染みるのは間違いない。 物語は「ついてくんなよ」の繰り返しで構成されているが、登場人物それぞれの「ついてくんなよ」は別の意味になっている。最後の「ついてくんなよ」だけは少し新しい意味とも取れるが、ここで人間関係を断ち切ろうとしている点で発言者の姿勢は一貫していたようでもある。それでも言外に込めた思いは見た通りなのだろうし、最後も実は何かがついてきて、この人の後ろ髪をひいていたのかも知れない。 なお主演の森川葵という人はこの時点で17歳くらいだろうが、とぼけた感じの馴れ馴れしさに何ともいえない可笑しみを感じる。森川さんのジュリエットが見たかった。
[DVD(邦画)] 6点(2016-07-09 09:30:30)
7.  テケテケ2 《ネタバレ》 
今回は死人が9人で残骸が17個、ほか1個は行方不明(自走して逃亡?)という結果である。出演者には申し訳ないが(特に主役)、今回は冒頭の1人を除いて個人的に死んでほしくない人物がおらず、かえって1人残してしまったのが心残りという感じだった(役名は小西佐季)。 また最初は少々勘違いして真面目な学級委員長が主役なのかと思ったが、それにしては怖い顔だし、そもそも後に“富江”役を務めるほどの人であるからただの優等生で済むはずがない。この人がメイキングで「みなさんもテケテケには気をつけましょう」と言っていたのでそのようにした方がいい。  ところで都市伝説というのは、多少なりとも“現実にあったこと”っぽい雰囲気で語られるからこそ「伝説」に分類されるわけだが、この映画ではこれをさらに一歩進めて、都市伝説→現実化→また都市伝説化→また現実化…というサイクルを想定している。さらに、その都市伝説が口承を経て様々に変化した場合は、変化した状態で現実化することになるらしい。 今回は赤い色が決定要因ではなくなる一方、歩道橋(跨線橋)より線路が重要となり、踏切はもちろん鉄道が近ければ屋内(便所)も活動範囲だという事実が明らかになったりして、何か基本条件がめまぐるしく変わる印象があるが、これは誰かが話を適当にアレンジして語っているのがいちいち現実化した結果なのだろう。また前回から出ている通り、そもそも都市伝説などかなりいい加減な話なわけだが、いい加減なままで現実化するのがこの映画の怖いところであり、漢字の構成要素で生死が分かれるなど合理性のかけらもない話でも無理に納得させられてしまう。これはもう最強の屁理屈といえる。 それから防御用の「呪文」に関して、劇中では幸い2つ目で効果があがっていたようだが、こういうものは噂が伝播する過程で何種類にも分化するのでどれが効くのかわからず、心配なら全部憶えておくしかないのが現実である。ウイルスの変異でワクチンが効かなくなるようなもので、これは非常に恐ろしい設定といえる。  そういうわけで、死人の数よりむしろ基本設定が面白いので、少しだけいい点を付けておく。 なお、これを見終わって部屋の窓を開けたところ隣家の窓も開いていて、子どもが廊下をトテトテトテと走って行く音が聞こえた、というのが自分にとってのオチだった。
[DVD(邦画)] 6点(2013-07-31 19:23:42)(良:1票)
8.  電送人間 《ネタバレ》 
むかし怪獣図鑑で見た電送人間の顔は、小学生にとっては本気で怖かった。当時は電送機の使用によりこういう顔になったと思い込んでいたが、映画を見ると単に昔の怪我の跡だったらしい。ライフライン3部作中ではこれだけがただの人間しか出ない地味な映画になっているが、あとは人物の不気味さで勝負といったところか。特撮映像も地味ではあるが、合成処理の部分は無理に作った感じがなく、液体よりは自然に見られる。またコメンタリーで中丸氏ご本人が驚かれていたように、貨物列車の出来は見事だった。 この映画でも戦争の影は色濃いようだが、前作までと違って放射能は関係なく、“科学も使い方を誤ると…”といった教訓があるわけでもない。その一方でお色気要素は豊富な感じで、キャバレーの金粉ショーは個人的には何が面白いのかわからないが(「う!」には笑ってしまう)、ミニスカートのホステスは和風体型なのがかえって肉感的だったりする。また録音テープの最初に入っていた「ねえ…」というのは昔ながらの定番の台詞で苦笑した。  ところで、ヒロインは前作と異なり男の影もなく清純そうな女性で、普通に笑顔も見せているので安心する。主人公が二度目にアパートを訪ねた場面では、明らかに下心が見える割には二人のやり取りが気恥ずかしい感じで、こういうのを見ると観客としても素直に関係の深化を期待したくなる。しかし終幕の場面が天災オチで唐突に終わってしまったため、二人の未来を予感させるツーショットといったものさえ入れる余地がなかったのはちょっと不満が残る。 一方で電送人間もヒロインに関心を持っているのかと思ったが、芝浦海岸では気絶したヒロインを抱っこして少し歩いただけで置いて行ってしまったし、軽井沢に呼び出したのは主人公に邪魔されて、結局どうしようとしていたのかわからないままだった。ヒロインを毒牙にかけるのとアリバイ作りは両立しない気がするが、復讐の鬼なので実は女性に関心がなかったのか。 何となくストーリーとしてまとまりが悪いのは残念なことだが、それはまあ特撮映画だから仕方ない、という言い方もできる。しかし、自分がそのように納得するならともかく、世間からそのように思われるのは不本意なので、少しだけいい点をつけておくことにする。なお前作に続いて平田昭彦氏はクールな刑事役で、また土屋嘉男氏も何気に出番が多く男前だった。
[DVD(邦画)] 6点(2013-05-27 18:59:01)
9.  デスフォレスト 恐怖の森5 《ネタバレ》 
監督・脚本がまた代わっている。福田陽平監督はこの手のホラーではお馴染み感がある。 今回は本格的な東京進出ということで、渋谷を舞台にした若者の生活圏が表現されている。「…チャン」とか「…メン」とかの若者言葉(オタク用語?)が多用されていたが、変にくどいので劇中人物までが「どうなってんだよ最近の日本語」と言っていたのは笑った。また若者なら知らない者のない?フリーゲームとの関係について、因果関係を逆にしていたのは一応の言い訳になっている。 映像技術の面では前回以下のようだったが、上空にいて獲物を見つけると降下して来るのは悪くない。今回も鳥のイメージだったかも知れない。  内容的には、若者の集まる街で被害が広がる展開のためやたらに登場人物が死んでいく。五次元だの仏教だの適当なことを言う奴は必ず死ぬ、とか思っていたら順当に死んでいたが、どうも最後は本当にそういう結末になっていたらしい。レギュラーの男はみなが行くところに毎回行けず、一人取り残される境遇を嘆いていたということか。また蝋燭が108本消えたからには、もしかすると平成の怪異はこれで終了なのかも知れない。 それにしてもバケモノ連中の正体は結局明らかにされず、前回のミステリー展開は一体何だったのかという思いは残る。しかし今回は時間も長くして(1時間半もある)、賑やかに盛り上げておいてから有無を言わさず終了した印象があり、ここでシリーズが打ち止めになったのも一応納得だった。いわば5連作の最後を飾る娯楽大作といった位置づけかと思われる。  なお今回は美少女・美女系だけでも大人数になっており、ほかにお笑い関係とかコスプレーヤーとかいろいろ出ていたようだがほとんど知らないので誰が誰だかわからない。個別の人物で印象的だったのはアイドルオタで、「女の子を守ったり…する…推しごと」を実践しようとする気概を見せていたのは感動した。こいつはヒーローだと思ったがやはり順当に死んでいた。 ほとんど唯一見たことがあったのが秋山依里(元・秋山奈々)という人で、前に見た「アイズ」(2015)では無駄にかわいい精神科医役だったが今回は刑事をやっている。同僚刑事の「正義の味方だよバカヤロー」も感動的だったが、この人もカワイイので絶対正義で間違いない。登場人物がほとんど全滅する中で、この人は無事に終わってハッピーエンドだった。
[DVD(邦画)] 5点(2020-01-25 10:29:35)
10.  でんきくらげ 《ネタバレ》 
昔から名前が気になっていたので興味本位で初めて見た。このシリーズは6作あるそうだが全部制覇しようという気は全くない。 内容としてはそれほど盛り上がるものでもなかったが、話はちゃんとできているので一応見られる映画にはなっている。結果的に主人公はどこまでものし上がるつもりがあるわけでもなく、母親を楽にさせて一緒に暮らすことが目標だったようで意外につつましい望みだが、これから一生それで済むのかはわからない。 主演女優はあまり馴染みがなかったが、「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」(1968)には出ていたので見たことがなくはない。不自然なまでにオッパイを隠す(一人で電話している時も隠す)割に時折乳首が見えたりして徹底しないのはどういう方針なのかと思ったが、単にチラ見せが尊いというだけのことか。昭和の女性にしては脚がきれいだと思わせるところはあった。 自分としては何を面白がればいいのかよくわからない映画だったので、とりあえず現時点での平均点をつけておく。  以下余談として、この時代には5万円というのがそれなりの金額だったと思わせる台詞があったが当時の感覚がわからない。消費者物価指数の推移からみて現在の1/3程度の物価水準だったと思えばいいか。歴史的事件としては、昭和28年の鶴田浩二襲撃事件に関連して5万円という金額が出て来るが、その頃と高度成長期でも金銭価値は違うだろうから、劇中で怖い人が5万円掴まされて納得していたのは扱いに差が出ていたと思われる。
[DVD(邦画)] 5点(2020-01-01 09:17:33)
11.  天国への応援歌 チアーズ ~チアリーディングに懸けた青春~<TVM> 《ネタバレ》 
読売テレビのドキュメンタリーをもとにして日本テレビが製作した高校チアリーディング部のドラマである。ちなみに映画・TVドラマの「チア☆ダン」のチアダンスとは違うもので、映画の台詞で「誰かを放り投げたり」と言われていた方の競技ということになる。もとのドキュメンタリーは大阪府豊中市の高校の出来事だが、このドラマで見えた海や船溜まりのある風景は神奈川県三浦市だったらしい。 物語としては、前年に全国大会で優勝した際の部長が突然死去し、一度は意気消沈していた部員が奮起して、次の全国大会でまた優勝を果たす話である。「スポ根」ではなく「チア根」(苦しいことを楽しむ)だそうだが基本的には根性物で、当然ながら存在する選抜漏れの部員も含めて最後はそれぞれ得るものがあったという話になっている。劇中使われる「でーきーる」という掛け声はよかったかも知れない。  苦情としては、まず当初時点の低迷と最後の高揚の差を大きくしたいのだろうが最初の方を落ち込ませ過ぎで、本当にこんな悲惨な状態から全国大会優勝まで持って行けるのか怪しいものだという気がして来る。まあこういうドラマはだいたいそういうことになっている気はするわけだが。 またコーチを狂言回し的な役割にしていたらしいが成功しているとは思えない。いたる所でコーチの声でナレーションが入るが、まるきり当事者意識の感じられない観察とか論評ばかりでコーチの人格が疑われる。登場人物としても、自主性を重んじる建前らしいが部長や部員が苦しむのを眺めて放置するだけで、コーチの役割というものをどう考えているのかわからない。口を開けば皮肉か叱責か説教で、「練習の雰囲気が暗すぎる」とはお前のせいではないのかと言いたくなる。どうも「チア☆ダン」とあまりに開きのある人物像で呆れてしまった。  キャストについては当時注目の若手を揃えて人目を引く形になっており、3年生役は実際に全員が17~18歳くらいだったようで可愛らしい(今より)。撮影前には訓練でいろいろさせられていたようでご苦労様だが、どうせ若いから多少きついのは何でもなかろうと思ったりもする。個人的に人物+外見で一番いい役だと思ったのは主人公の親友(演・市川由衣)だった。ほか部長に指名されなかった瞬間の沢尻エリカの表情が好きだ。
[DVD(邦画)] 5点(2019-01-22 20:59:46)
12.  天然コケッコー 《ネタバレ》 
夏帆の主演映画ということと、自分としては一生行かずに終わりそうな石見地方(飛行機の上から見たことはある)が舞台ということで見た。実在の風景を使って、今となってはファンタジックにも見える中山間地の景観が作られており、山に囲まれたようでいて少し歩けばいきなり海に出るという土地柄も生かされている。「山の音」の場面では、人物がいる手前の明るさと、背景の山のくすんだ感じの対比がよかった。また季節の変化もきれいに映像化されている。 生活圏内には小都市があり、結構な人出のある祭りもあったようで普通の一地方なのだろうが、主人公の住む場所はまるで隠れ里のように見える。交通幹線から外れていて、少し離れた鉄道駅だけが外界に接する出入口というイメージが持たれたが、その割に遠方に自動車道路が見えていた場面などはかえってボロが出たような印象もあった。全員が知り合いの小社会で、毎日朝昼晩と同じ顔ぶれの人々と付き合うのでは息が詰まる気がするが、そこはまあ創作の世界でもあり、また実際にこういう場所で生まれ育てばそれが普通になるのだろうと納得することにする。  物語としては連載マンガのエピソードをつないだ形で、最近見たものでは「この世界の片隅に」(2016)と同様ということになるが、それと比べても起伏が少なくひたすら地味なため121分が正直つらい。個別エピソードとしては学校を休んだ児童を見舞ったところとか、大失言してしまってから泣き出すまでの経過はよかったが、全体としてもう少し大きいドラマがないのかという気にはさせられる。 そういう面では、中学生から高校へ上がる年代の微妙な心境変化自体が一つのドラマだったと取るべきなのか。恋愛に関しては本格的な性愛感情などはなく、初めて親しくなった異性らしい異性への愛着という程度にも見える。それ以上に9年間通った学校への思いが強かったということなら、要は身辺や自分自身がいずれ変わっていくことへの哀惜が主題だったと思えばいいのかも知れない。 まあそのように理屈で考えなくとも、登場人物の心情に直接同調できるとか、劇中世界にそのまま入り込めるなら大絶賛かも知れないが、個人的にはそうもならなかった。劇中に共感できる人物が誰もいないのは困るが(中学生男子は論外、父親も除外、無理にいえば郵便局員の男か)、恐らく原作段階からして自分には合わないのだと思われる。ベタ褒めできなくて残念でした。
[DVD(邦画)] 5点(2017-02-02 19:29:34)
13.  天空の蜂 《ネタバレ》 
予告編は面白くなさそうだと思ったが本編を見ればそれなりである。映像面の迫力やスリリングな展開とともに、泣かせる場面もちゃんと用意されていて退屈しない。また個人的には、主人公の妻役をやっていたのが往年の名作ホラー「女優霊」(1996)で転落死した若手女優役の女優と気づいて少し嬉しくなった。 そういう点で大衆娯楽映画としては満足だが、ただし竹中直人の出演などは不要と思われる。  ところで社会的メッセージの面から見ると、原作由来の“ないと困るが見たくないもの”という問題提起は含まれていたようだが、原作の時点ならともかく、今ならすでにみな分かり切ったことを言っているだけに思われる。この映画を見て特に認識を改めるようなものはないわけだが、前回の事故から4年経って、忘れかけた人々に思い出してもらうくらいの意味はあるかも知れない。ただこれも原作由来のことだが「沈黙する群衆」の捉え方には疑問を感じる。“その他大勢”の全員に喧嘩を売るつもりかと聞きたい。 一方で、もう一つの“ないと困る”ものだった自衛隊に関しては、現在は災害救助の面で世間の評価が上がっていることを反映した形になっており、最後に映画全体の方向性がこっちの方にずれて終わったようなのは変な感じもあった。中盤で、問題の大型ヘリコプターが“海外で戦争できる軍隊にするためのもの”と匂わせていたのは、この映画として決して自衛隊を礼賛するものではない、と釘を刺しておいたように見えなくもない。  そのほかこの映画では、特に技術者というものの姿勢が問題視されていたように見える。主人公に関していえば“技術だけ相手にして人間に向き合おうとしていない”ということだろうが、ラストに至って次の世代が直接人間に関わる仕事に意義を見出していたのは喜ばしいことと思われる。この辺は原作と映画の時間差を利用した追加要素ということだろう。 また“技術者は技術を提供しているのであって成果物の利用に責任を負わない”という話も出ていたが、劇中でヘリコプター技術者が加害者扱いされる場面があったのは当面の問題と直接関係がなく、これはさすがに理不尽である。しかし技術者限定でなく一般論として“加担していながら事が起こってから被害者面するな”と言いたいのであれば、言う相手によっては本当に問題作になると思われる(下手すると「沈黙する群衆」に叩かれる)。
[映画館(邦画)] 5点(2015-09-20 10:08:58)
14.  手紙(2006) 《ネタバレ》 
たまたま原作を先に読んでしまったので、映画だけ見た場合にどう感じるかがわからなくなってしまった。そもそも原作の内容がすっきり頭に入っていないので何ともいえないところがあるが、原作の骨格はきちんと残す一方で、兄弟や家族の情愛に重点を置いたように見えるのは映画的には正しいのかも知れない。 ただ物語の前提になる加害者家族への悪影響について、住居への落書きやネットの書込みといった即物的で単純な悪意として表現していたのは安易に感じられる。また勤め先の会長の発言も、全部を台詞にはできないにしても説明不足になっており、理不尽なことをただ甘んじて受入れろと言っているかのようで素直に受け取れない。劇中では、世間の人々が犯罪者から距離を置こうとする原因として、「自己防衛本能」という言葉とともに親の心情(元彼女の父親と主人公本人)の例が挙げられていたが、それ以外にも悪意によらない排除の作用が働くことを観客がちゃんと納得できたらよかったがと思う。  ところで主人公の妻になった人物について、当初は主人公がこれほどの超絶美形女子に全く見向きもせず、別人に気を取られていたのは非常に不自然に思われる。他の映画でも似たようなことがあったので、やはりこの女優が出ると否応なしにそうなってしまうのかも知れないが、まあそれでも男連中が地味に見える分、この人がこの映画の華になっていたのは間違いない。個人的にはそもそも沢尻エリカ目当てだったこともあり、原作既読の立場としても、この人がいなければあえて映画を見る必要はなかったという気までする。 ほかに原作との関連で非常に落胆したのはバンドのはずが漫才になっていたことだった。映画化に当たって各種事情もあったのだろうが、いくら何でも漫才ではちょっと格好がつかないではないか...とは思ったが、しかし終盤でこの設定が最大限に活かされていたことは認めなければならない。これは完全にやられた。ラストで見事に泣き笑いさせられてしまった点についてだけは間違いなく原作を超えていたといえるかも知れない。
[DVD(邦画)] 5点(2014-02-17 22:53:15)(良:2票)
15.  デビルマン 《ネタバレ》 
以下に評点の根拠を書く。  ①自分が原作との関係で憤りを覚えるのは、原作の意図と異なるものが世間に広く受け入れられてしまう恐れがある場合に限る。そのときは0点を付けることもあるが、この映画については駄作だとしてしても原作の価値に影響するとは思われず、またそもそも初めから世間の評価が低ければ殊更に酷評する必要もない。  ②自分の点の付け方は相対評価であり、かつ単純に娯楽映画として楽しめたかどうかという問題である。特に映画ファンという認識のない自分でさえ、これよりどうしようもなく面白くないものを普通に見たことがある。  ③東映特撮と思えば初めから評価が甘くなるのも不自然ではない。  以上に基づき、世間の評価に比べればかなり高目の点を付けておくが、これによる平均点の増加は+0.02にとどまる。   そのほかの感想は以下のとおり。  ◇若手女優2人に対しては好意的だが、美樹ちゃんが原作のイメージと違う(主に顔)のは残念である。また“ミーコ”に関して、この映画の制作者が本当に描きたかったのはこの人ではないか、という指摘があるが、確かにそうらしい。小松左京「日本沈没」の最後に出る、八丈島の丹那婆の話を思い起こさせる。  ◇牧村家の父母はいい感じである。出演者夫婦もこういう雰囲気なのか。  ◇申し訳ないがシレーヌの場面は笑ってしまった。本当に草なぎ剛が女装したとしか思えない。これは可笑しい。腹が痛い。
[DVD(邦画)] 5点(2013-11-18 19:54:41)
16.  テケテケ 《ネタバレ》 
それなりに面白いという印象である。特に深刻な破綻もなく、大きな減点もないというのが有利に働いて、少なくとも口裂け女(2007)よりはかなりマシになって見える。また主役は絵に描いたような美少女ではないがなかなか愛らしく、必要な場面ではそれなりの表情をして見せるので好感が持てる。しかし一方、準主役(従姉)は言動が粗野なことに加え、主役(152cm)と並ぶとでか過ぎる(169cm)ので全く可愛くないが、だからといって半分に切れば可愛いというわけではない。  ところでこの映画では、怪異の原点として兵庫県加古川市という非常に具体的な地名が出るのが若干唐突な印象を受ける。標題の都市伝説そのものは北海道が起源として語られるのが普通だろうと思うが、これと関連付けて語られている別の都市伝説では実際に加古川市(と高砂市)が出るようなので、これで誤りということでもないようである。 この加古川市の場面では、地元の親父の「こんな田舎に進駐軍なんか来るかいな」という元も子もない発言が可笑しい。また赤い色を嫌う理由を老婦人が説明していたが、これもかなり適当に理屈をこねた感じである。ここでは、冒頭で児童が安易に昔の処刑場を理由づけにしていたのと同じような、怪談や都市伝説というもののいい加減さが端的に表現されているようで興味深く思われた。 ただしこの件については、実は2の方でまた新たな説明が出るので、これはあくまで途中経過としての印象である。  またこの映画によれば、一般人でも可能な対策として、まずは歩道橋(跨線橋)に行かないこと、また振り向かないことが必要とされていたが、後半になると赤いものを身につけないことが重要視されるようになっていた。何にせよその程度なら結構簡単なので恐れるに足りないともいえるが、これも実は2の方でまた新たな展開が生じる。 どうも1と2は初めから連続で見ることが期待されているようだが、別に誘導するつもりはないので、1で終わりにしてもそれまでだ、と断言しておく。
[DVD(邦画)] 5点(2013-07-31 19:23:39)
17.  鉄人28号 《ネタバレ》 
昭和30年代の原作漫画やTVアニメは見てないので、個人的な思い入れは全くない。 とりあえず前半は退屈せずに見ていたが、後半は主人公関連の描写が長くてだれる。自分が打たれたわけでもないのに苦痛を感じるのはスポ根的な展開を意図したのかも知れないが、毎度ひっくり返って見せるのでは面倒くさくて仕方ない。またキャストは変に豪華だが、結果的に不要な人物が多かった気がするし、ほか半端にレトロなのもあまり意味がないように思えた。 以上についてはまあいろいろ考え方なり事情なりがあるのかも知れないが、しかし個人的にはっきり不満を感じたのは、専門家をわざわざMITから呼んでいたことである。正義のロボットは最高の職人仕事から最高の工学まで、全てを純国産技術でカバーしてもらわなければ困るし、また平和利用と戦闘用の違いはあるにせよ、別人が作り直したのでは父親の立場がないだろうとも思う。  ところで、映像面は必ずしも悪いとは思えない。二回戦の品川埠頭は対戦に集中するため場所が地味だったのは仕方ないとして、最初に敵ロボットが出現した増上寺から東京タワー、一回戦の大手町から霞ヶ関付近は、ただの子どもが現場にいたとすれば怖気づく程度の十分な迫力があった。 また登場人物のうち少女科学者に関しては、個人的趣味としてはそれほど可愛いとも思わないが、主人公にとっては初恋のお姉さん的な存在だったらしく、顔を覗き込まれて狼狽する場面などは面白い。これを同世代の少年が見て実際にどう感じるか、この年になってはわからないのが残念だが、自分が子どもだったころを思い返せば、これでけっこう胸キュンな展開なのかも知れないと思ったりする。 最後に、父親向けのサービスとしてはやはり薬師丸ひろ子の存在が効果的で、この人はもう本当にいつまでたっても可愛いので感心してしまう。これで少し加点しておかなければならない気になる。
[DVD(邦画)] 5点(2013-06-03 21:08:09)
18.  デスフォレスト 恐怖の森4 《ネタバレ》 
一般的な低予算ホラー水準で推移しているように見える。 前回まだしも見えていた人間ドラマ要素はほとんどなく、代わりにフリー記者を中心にしたミステリー調の展開になっている。これまで秘められていた各種事実が小出しになってはいたが、それで最後に何らかの到達点があるわけでもなく、結局予想も期待も裏切られた形で終わる。一方でホラー色は薄まっており、特に今回は映像効果が貧弱で昭和特撮並みに見える(もとからこの程度だったか?)。これで次回に向けて観客の関心をつなぐことができたのかと心配になるが、とりあえずここまで来たからには次回で完璧に真実を明らかにし、完璧に納得のいく結末を作ってもらわなければ困るという気にはさせられた。ちなみにフリー記者役の熱演がやたらに印象付けられる映画ではあった。 ほか細かい点として、「ご家族のところに…」「縁起でもない…」のやり取りは少し面白かった。また年長の看護師が絶体絶命になった場面の挙動がユーモラスだったが、ここは少し早回しにしていたかも知れない。もう一つ、題名のデスフォレストがどこにあるのか劇中では明らかにされていないが、今回「篠森病院」という名前が出ていたことからすると、本当に篠森(しのもり)という地名だったのかと思った。  なお今回はDVDにメイキングが付いていたので一応見た。名前からして異色のサイボーグかおりという人は、劇中では意外に普通の女子だったが(終盤の顔が見せ場か)メイキングでは本来の個性が丸出しのようで、理屈っぽく熱く語るのにためらいのない人だった。 また安手の邦画ホラーにアイドルは付き物だが、今回特に若い看護師(介護職?)役の藤田あかりという人の出番を見て、さすがにこれはもう笑うしかないと思わされた。その後にメイキングを見ると劇中そのままの雰囲気でしゃべっていて、どうも完全に地のままだったらしいのでまた笑わされた。この人は2018年に芸能界を引退したそうだが、この映画の出演はいい思い出になったのではないか。 そのほか謎の老婆役の下東久美子という人もレギュラー出演だが、メイキングには顔を出しておらず、またネット上で調べても他の低予算ホラーへの出演のほかコミュニティ演劇のようなものに出ていた(多分)程度の情報しかない。この人の存在が最もミステリアスだ。
[DVD(邦画)] 4点(2020-01-25 10:29:32)
19.  デスフォレスト 恐怖の森3 《ネタバレ》 
冒頭、前回出演の下垣真香という人が実年齢なりの大人っぽい姿で出たので一瞬期待したが、いきなり前回の感動物語をぶち壊しにする展開になっていたのは怒った。監督・脚本が代わったので、まずは前回スタッフの仕事をチャラにしてみせたのかも知れないが、その割に今回分のドラマがまともにできているわけでもない。 まず率直な疑問として、女子高生が性的暴行をされないで済んでいるのはなぜかと思うわけだが、実はされていたのを観客への配慮から映像化せず、曖昧にほのめかすだけにしたのかと後で思った(小学生が見る映画だったのか)。本当にそうなら黙認していた母親も相当の鬼畜ということになるわけだが、その段階から始めて最後の和解に至ったのであれば、今回なりに達成感のある人間ドラマができたとはいえそうである。 しかし実際には、よくわからない状態から始まって大した展開もなく、死ぬべき者は都合よく死んで愚かな者は愚かなままで終わったように見える。また大顔キャラがDV加害者を狙うのはいいとして、被害者(の支援者)まで襲うのは行動原理が不明瞭でストーリーに寄与していたようでもない。加えて特に今回は都合のいい展開が多すぎで(路傍にスマホ他)目に余るものがあったが、そういうことを含めて一般的な低予算ホラー並みとはいえる。 ちなみにレギュラー化しているフリー記者が今回は主役に昇格した感じで、物語の構造に変化が出ていたかも知れない。  映像面では、平野部の水田で野焼き(燻炭づくり?)をしていたのが目についた。また解説文では今回いよいよ東京進出というようなことが書いてあったが、事件の後は素直に田舎へ帰ったようで(秩父市か飯能市か)、ラストの映像からすると暗い森に棲んで変な声で啼く鳥のようなもの、というイメージかと思った。ほか終盤の娘と母親の再会場面は、一瞬のミスリードを狙ったのかも知れないが、あるいは回り道だったがやっとわかり合えた、ということの映像的表現かとも思った。そんなことまで読み取ろうとする真面目な観客は多くない。 ちなみに今回はアンクレットankletという言葉を習った。右足につけるのは特定の相手がいないという意味だそうだ。  追記: 娘がいわば“生贄”だったとすれば、そこから次回の老人につながっていくとも取れるが、それで最終的にまとまった話ができていたようでもない。どうも話がつながりそうでいて断片化した印象がある。
[DVD(邦画)] 4点(2020-01-25 10:29:30)
20.  デスフォレスト 恐怖の森 《ネタバレ》 
ゲーム原作ホラーとのことで、安手ながらそれなりに映画として見られるものになっている。一見正隆監督は、前に「いばらのばら」(オムニバス映画「恋につきもの」(2013)より)を見たことがあって全く期待していなかったが、まともに作ればそれなりだということが今回わかった。  全体としては簡素な作りで1時間に収めている。前半ではかえって時間が余っているようにも見えたが、中盤に至って林の中で「あれ」と指差した先に何かいて、浮足立ったように逃げ出した場面はいい感じだった。ガキの人間関係は煩わしいが、全部を他人のせいにするクレーマー気質の連中が先にいなくなり、残った人物で終盤の危機を乗り切るのはオーソドックスな展開で悪くない。 夜の場面は周囲が真っ暗で、光が当たった所だけ見えるのはいわばドキュメンタリーホラーの投稿映像の感覚ではないか(普段見ないがホラーDVDの「新作案内」に入っているようなもの)。もとからそうなのだろうが大顔キャラクターは出方が特徴的で、またフラッシュで一瞬白くはっきり見えるのはこのバケモノにふさわしい映像化と思われる。白塗り男も年齢不詳の独特な顔(笹野高史的)でけっこう不気味だ。濃厚なホラーというよりは、ゲーム原作らしい?ドライな印象でそれなりに面白い映画だった。  全部で5作あるとわかって見れば、今回はまず導入部として基本型を作ったようでもある。バケモノキャラクターのほか記者や謎の老婆はシリーズ共通の登場人物らしいので、次回以降の展開にも一応期待しておく。 ちなみに大顔キャラ役は奥咲姫(おく さき)という女優らしいが、事務所のプロフィールを見ると可愛い顔の写真が載っていて和まされた。そのうちちゃんと顔を見せてもらいたい(最後の写真がそうだったのか)。
[DVD(邦画)] 4点(2020-01-25 10:29:25)
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