1. 名もなく貧しく美しく
《ネタバレ》 高峰秀子、「二十四の瞳」に並ぶ感動傑作。 聾唖者カップルの家庭の激動人生である。 健康な弟が足を引っ張るのが、スゴイ。 でも、それをこの二人は愛で乗り切る。 それが、電車の中での手話での会話。 騒がしい列車音もお構いなく、二人の間には優しいメロディが流れてたんですね。 ただ最後の事故は、キツイ・・ 僕が警備員の仕事をしていた時、声をかけてくれた通行人の人たちは、 こんな「名もなく貧しく美し」い人たちだったんだろうなぁ(シミジミ) [DVD(邦画)] 8点(2021-08-01 01:14:07) |
2. 凪待ち
《ネタバレ》 白石監督は、今、突っ走ってる。 「虎狼の血」「ひとよ」と、観てきたが、 事件よりも、事件の周辺の人間関係を丁寧に描き、 そして再生を歌う監督とお見受けした。 事件と、その再生。 ちょっと毛色は違うが、アメリカのジョンアービングと どこか似てると思った。 ギャンブル依存症の切れやすい青年を、香取君が全身で演じてた。 「台風家族」の草薙君、「半世界」の稲垣君、そして本作の香取君。 SMAPは映画界に大きな置き土産を残してくれたようだ。 [DVD(邦画)] 7点(2020-10-03 00:10:06) |
3. 茄子 アンダルシアの夏
《ネタバレ》 原作が、濃い作風になっているので、 この映画を観ると、原作の漫画が読みやすい。 驚くのは、50分の映画だが、ほぼ46頁の原作と内容が同じということ。 細かい部分まで同じ。 原作へのリスペクトと同時に、 50分の内容まで飽きずに見せられた、アニメ現場のレベルの高さ。 この監督は宮崎駿監督に鍛えられた人材とのこと。 大泉洋が声優やってたのが、新鮮。 [ビデオ(邦画)] 7点(2020-09-21 01:28:41) |
4. 何者
《ネタバレ》 令和版「就職戦線異状なし」という趣。 就活のリアルが感じられて良かった。 でも話は「認められる」というのはどういうことか?という方に話が行くのが新しい。 この青年も、演劇やってて、カミソリのような批評にグサリと来たんだろうなぁ。 それで自分の身を守るために、観察者になった。 しかし、だからこそ彼が演劇に向き合ってこその就活の勝利ではないかなぁ? (上から目線ですね‥スイマセン) でもどんな批評も対象を殺す、って何かで読んだけど、 愛のあるレビューを心がけたい。 [DVD(邦画)] 7点(2020-03-22 20:49:21) |
5. 七つの会議
《ネタバレ》 池井戸潤の作品、おっもしろいなぁ! サラリーマンの哀しさを描きつつ、こうあるべき理想を語る物語。 これも野村萬斎のユーモアさがあって、楽しく見れました。 次の池井戸作品が楽しみです。 [DVD(邦画)] 7点(2020-01-18 17:42:02) |
6. 楢山節考(1983)
《ネタバレ》 とにかくこの頃の日本映画は不評だった。 日本映画はつまらない、というのが映画を観ない人には常識だった。 その頃のカンヌを「戦メリ」と競い合って、この映画に軍配が上がった。 前半はそれほどの映画か?と思うのだが、観終わると感動がある。 舞台はいつの時代かは不明だが、貧しい山の農村。 そこでの姥捨てを描いた話だが、「生と死」というテーマは多いのだが「性と老死」というのは 今村監督ならではのユーモアというかセンスというか・・ 戦後、アメリカ文化がどっと流れ込んでくる中で、多くの映画監督がアメリカ文化に影響を受けたが、 今村監督はセックスを果敢に映画にとり入れた。 そもそもがセックスの日本語訳はないので、日本に相性のいいものかどうかは置いといて、 前半はとにかく童貞喪失のドタバタが続く。しかしそれは山の生活を描写するためで、 本筋は後半の姥捨てである。 もう坂本スミ子と緒形拳の別れのシーンはもう涙なしでは観られない。 カンヌを取ったのもうなづける逸品だ。 [DVD(邦画)] 7点(2019-09-21 18:47:17) |
7. 長屋紳士録
《ネタバレ》 小津さんの映画は、ほっこりするね。 昭和の戦後の高度成長の頃だろうか? 出稼ぎで上京してきた親子の子供がはぐれて、長屋にお世話になる。 まぁそういう話なのだが、この頃は本当に貧しくて、ルンペンと言われるような 乞食のような子供もいたから、長屋の人たちは、最初は子どもを邪険にする。 ところが強情なのだが、どこか憎めないこの子に、情が移って来る。 最後のおたねさんの涙の訳を聞いて、長屋のみんなは「ほう」と思う。 分かれて悲しくて泣いたのでなく、その子供がどんなに嬉しいだろうか、思って泣くのである。 もうこういうハートの分かりやすい映画は昨今ではないねぇ・・ [ビデオ(邦画)] 8点(2019-08-09 14:35:51) |
8. 内海の輪
《ネタバレ》 清張映画。 岩下志麻の体当たりの全力演技が光る。 絶叫、嗚咽、放心。 特に不倫道中ラストの方の蓬莱狭の場面。 ヒッチコックぽくてイイ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2019-04-29 20:38:28) |
9. 永い言い訳
《ネタバレ》 面白い。そして良い!最初は、日本版「チョコレートドーナツ」かと思ってた。奥さんを亡くした二人の男が、なんか本木君なんかもうゲイっぽくて疑似家族みたいに見えたから。子役がいいね。かなり異質なおじさんの存在を、軽く自然体で受け入れてる。そのやりとりがもう絶妙で。巧いなぁと感心して観てた。でもラストまで来ると泣けてきてね。これは数々の巨匠たちの名作を超えてるよと思った時に、はたと気がついた。そうか!男の映画監督が創る「空っぽ」人間たちの織りなす数々の名画は、女性から見れば、「永い言い訳」に過ぎないんだと思ったわけ。やられた~って感じを受けたなぁ。西川美和は、「蛇イチゴ」の時から、切れ味のある監督だなぁと思ってた。その後、色々試行錯誤繰り返してたみたいだけど、ここに来て、また初期の切れ味を思い出させるような、名作を創り上げた。大体、男を描くなら女性が創る方が有利なんだけど、それでも見事だよね。もう一度言います。面白い。そして良い! [DVD(邦画)] 8点(2017-07-08 04:58:02) |
10. なごり雪
《ネタバレ》 最近、大林映画に興味がある。この映画では大林特撮ワールドは、すごく抑えられていて、とても初々しい女性の映画だった。最後の駅でのベンガルの号泣は、国民的ソング「なごり雪」の歌詞の名セリフのためではなく、親友(三浦友和の扮してた役)の死を直感したためではないか?と思った。奥さんと親友を一気に二人亡くした、その物凄い孤独に襲われたためではないか?そんな風に思った。それにしても方言なかったね。同じ九州人として、観終わってあれ?そういえば九州弁は?と思った(笑) [ビデオ(邦画)] 7点(2016-12-11 20:29:58) |
11. 奈緒子
《ネタバレ》 自分は結構、楽しめた。上野樹里ちゃんも可愛いし、スポーツドラマならではの盛り上がりも良かった。こういう色んな人間がいて、一つの競技に参加して、最後に勝つって映画は元気が出る。鶴瓶さんの演技も良かった。賞をとるんじゃないかなあ?音楽が良かった。自分も映画の中で、みんなが走ってる時に流れる音楽聞きながら、マラソンしたくなった。 [DVD(邦画)] 6点(2008-08-05 01:47:13) |
12. 波の数だけ抱きしめて
《ネタバレ》 ダサいですか?じゃあ、俺もダサいってことだ。ダサくていいじゃん。地方の高校も、湘南の学生たちも恋愛模様は同じなんだ。それが嬉しかった。ただ、音楽は「私をスキーに連れてって」でユーミンがぴったしだったので、日本のアーティストでふさわしいのがいなかったなら、洋楽で始めから終りまで占めればよかったのに。しかし、何だなあ、ホイチョイ3部作は自分らの世代には大事な作品だよ。アメリカには「セントエルモスファイアー」とかあるけど、日本には他にないでしょう。だから大事にしなきゃ。あの頃、確かに俺たちは盛り上がっていた! [ビデオ(邦画)] 5点(2008-06-24 23:35:43)(良:1票) |