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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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1.  日本で一番悪い奴ら 《ネタバレ》 
綾野剛がとにかく素晴らしく、日本映画界にはこれだけ出来る役者がいるのかと驚かされました。脳筋風からチンピラ風、大物ヤクザ風、しがないおじさん風と絶え間なく姿を変えながらも、純粋無垢な彼の根本部分は常に同一であるということを見事に表現できています。また、笑わせる間の取り方のうまいこと。中村獅童演じる黒岩とのファーストコンタクト。詫びに来いと言われ内心はビクビクしながらヤクザの事務所に入り、案の定、黒岩に怒鳴られて困った諸星。何やら口をもにょもにょ動かし始めて何をするのかと思いきや、次の瞬間「かー、ぺっ」と痰を吐き、黒岩に負けじとあることないこと大声で叫び始める場面には涙が出るほど笑わされました。それに続き、黒「お前が気に入った!この鮫エキス食ってみろ!」、諸「おお!(瓶一本分の鮫エキスを全部口に入れる)」、諸「まずい!」、黒「そうだろ!全然売れねぇんだ!」。まったく理解不能ですが、初対面でさっきまで対立していた二人が、次の瞬間にはとても気が合うベストパートナーになったということが一発で分かる見事な掛け合いでした。 演出のテンションも絶好調。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』や『グッドフェローズ』などのスコセッシ作品とよく似た作風となっているのですが、本家スコセッシと比較しても遜色ないほどのエネルギーに溢れており、やや長めの上映時間中にもダレ場は一切なし。その絶倫ぶりには恐れ入りました。 気になったのはタイトルであり、「日本で一番悪い奴」ではなく「日本で一番悪い奴”ら”」なんですね。複数形。すなわちこのタイトルは諸星ではなく、諸星に不正をやらせていた北海道警を指したものだと考えられます。ものすごく間違った成果至上主義が敷かれており、「俺のだぁ!」と言いながら犯人を刑事同士で取り合う、拳銃の押収件数を増やしたいのでヤクザから拳銃を買ってくる、それでもノルマを達成できなければロシアにまで銃を買いに行かせる、さらには拳銃の密輸ルートを作るなど、そもそも論を無視した行為を組織ぐるみでやっているのです。上司:「諸星、今月の数字何とかならんか?」、諸星「はい、何丁か買ってきます」、こんなやりとりをしているのです。これには驚かされましたが、本作は諸星のモチーフとなった稲葉圭昭氏自身による著作を原作としており、かつ、捜査や裁判過程でその内容の一部は裏づけられていることから、これは実際にあった話。さすがに驚きました。しかも諸星に指示を出していた上層部はお咎めを受けておらず、それどころか出世した人間までいるようであり、まさに「日本で一番悪い奴ら」。こんな面白い話をなぜ他のクリエイター達やジャーナリストは放置してきたのだろうかと不思議になったほどです。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2017-01-14 15:50:17)
2.  日本のいちばん長い日(2015) 《ネタバレ》 
太平洋戦争を描いた戦争映画として見ると不満が出るようですが、政治劇としてこれを見ると、なかなかの完成度で満足させられます。本物志向のセット、質の高い演技、時系列に沿って丁寧にまとめられた脚本と、映画としてよくできているのです。本物志向すぎて一部よく分からないセリフがあり、私はブルーレイで日本語字幕を表示しての鑑賞としたのですが、そのような難解なセリフは本編における重要性の低い部分に集まっており、肝心な部分でははっきりと聞き取れる言葉が選択されているという配慮もありました。実に丁寧に作られた作品なのです。 本編中、もっとも感情的となるであろう阿南の自害場面においても大袈裟な音楽などは流さず、また、その死に際して部下にも家族にも感傷的なことを言わせず、全員が涙も流さずに死を受けいれた辺りに、本作の姿勢がよく表れています。戦争もの、特に太平洋戦争を扱った作品では情緒を全面に出したものが多い邦画界において、ここまで淡々と事実(と思われる事項)の描写に特化した作品は稀少であり、その点は非常に高く評価できます。 結論は明らかであるが、実行者がいない。本作は意思決定のプロセスを描いた映画でもあります。満身創痍の海軍は一刻も早い終戦を望むが、一方で本土決戦用に温存されていた一部の陸軍将校達は、自分たちだけが無傷であることへの負い目もあってか、本土決戦を主張します。しかし、本土決戦をやったところで戦況は好転せず死者が増えるだけであることは誰の目にも明らかであり、こうした一部の過激派の暴発を抑えながら、どうやってあるべき結論にまで辿りつくかが作品の焦点となります。毎日大勢の死者が出ている中で、意思決定機関は何を悠長なことをやって時間をムダにしていたんだと虚しくなりますが、日本人の国民性って、結構こんなもんだったりします。冷静な判断が必要な局面に限って、精神論を唱える一部のグループの意見が優先され、あるべき結論が遠のいていく。仕事で自分自身が出席している会議等に置き換えて本作を鑑賞すると、果たして自分は鈴木貫太郎や阿南惟幾のような立場をとれるだろうかと不安になります。 以上、基本的にはよくできた作品なのですが、不満を挙げるならば、陸軍将校によるクーデターの経過が分かりづらかったという点でしょうか。陸軍将校達は首都圏に所在している様々な軍にクーデターへの参加を求めますが、軍同士の力関係や、それぞれの組織が誰に意思決定を支配されているのかという説明、陸軍将校達がどの軍を味方に引き入れればクーデターの目的が達成されるのかといった成功ラインの提示がなかったため、ラスト30分は劇中で何が起こっているのかを掴み損ねました。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2016-01-12 20:21:36)
3.  日本沈没(2006)
炎に囲まれ絶対絶命の少女、草彅剛は間に合わない!ああ、もうダメなのか。その瞬間、炎の中からレスキューヘリが飛来、ロープにぶら下がった柴崎コウが危機一髪で少女を救助!…この冒頭で「この映画はダメだ」と覚悟を決めました。これは恐ろしくセンスのない人たちが作った映画だなと。本作のようなシュミレーション映画には、何でもできるスーパーマンは絶対に出てきてはいけないはず。そんな人物が出てきた途端に日本沈没の危機感が大きく失われてしまうのに、ド頭でこれをやってくるのは相当なもの。最後まで見ましたが、冒頭で感じた予感は残念ながら的中しました。それなりに見せ場があるにも関わらず、2時間をここまで退屈にさせるのは凄いことです。この映画は企画意図そのものに問題があったのではないでしょうか。CGでそれなりの映像を作れるようになったし、若い客が喜ぶデカイ企画をやろう。女性ウケは大事だから、アイドルの恋愛要素は必須で。往年の作品のリメイクなら中高年の動員も見込める。そんな足し算の論理で考えられた企画のように思います。しかし出来上がった映画は、結果的に引き算の積み重ねになっているのが面白いところ。シミュレーション映画としての完成度を追えばある程度のグロテスクな展開や描写は避けられないし(惨い場面をひとつも入れずに危機感を煽ることのできる監督は日本にはいません)、恋愛要素を描ききろうとすればアクションのテンポを奪ってしまうし、年齢層の高い客層は知的好奇心を満足させる内容でなければ退屈します。しかし方向性を決めずにすべてのターゲットを狙いにいった結果、作品の質を決定する要素をすべて切ってしまっているのです。何味にするのか考えず、とりあえず喜ばれそうな食材だけ放り込んだ料理。砂糖も塩も入れてないので物凄くマズくなってます。こういう映画はよろしくないですね。あらゆる層にアピールしてとりあえず映画館に来てもらうけど、関心があるのは入場料払うまで。映画館に来たお客さんを入場料分きっちり楽しませることの努力は特にしていないという。最近では大コケする邦画も出てきていますが、それは本作などが適当な商売した結果、観客が学習した結果だと思います。1点は本作で唯一プロの仕事をしていた特撮パートに。さすがは大量破壊描写について世界随一の伝統を持つ日本特撮界だけあって、対費用効果ではハリウッドより良い仕事してます。
[DVD(邦画)] 1点(2008-06-29 06:27:43)(良:2票)
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