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1.  瞳の中の訪問者
大林宣彦監督作品のルーツ、後の大林映画でも見られる雨、鳴り響くピアノ、そして、突如現れては消えていく幻の様な幽霊、峯岸徹の使われ方がはちゃめちゃで、何が何だかよく分からない。また、大林映画の特徴であるヒロインが2人、片平なぎさに志穂美悦子の描き方の美しさなど、どこを見ても大林映画である。デビュー作HOUSEに比べると狂気が足りないし、面白味にも欠ける。漫画を実写化することの難しさなど、ハッキリ言うと駄作である。がしかし、敢えて難しいブラックジャックを映画化する勇気を評価すると共に片平なぎさの可愛さ、志穂美悦子の美しさを堪能する為だけの作品である。だから2人のファン以外、また大林映画ファンでもない方に薦める映画なんかではない。劇中で暫し流れる美しいピアノのメロディと2人のヒロインに対する大林宣彦監督の強い愛を感じる作品である。
[DVD(邦画)] 6点(2021-03-23 19:28:49)
2.  人も歩けば 《ネタバレ》 
いやあ、これは凄い!凄いというより凄すぎる。これを観たらこの作品が川島雄三監督の最高傑作じゃないのか!この「人も歩けば」こそ川島雄三監督の全作品のベストワンかもしれないと思えてしまうぐらいの作品を観たような気がする。あの「幕末太陽傅」「洲崎パラダイス赤信号」「しとやかな獣」と同じくとにかく凄い。この四本を比べるなんてことは私には無理だ!どれも同じぐらい好きで好きでたまらんし、川島雄三信者として順位なんて付ける方が無理な話だ!そんなことはまあ、良いとして、本当に凄い映画だ!まず何が凄いかって、タイトルの「人も歩けば」て出るまでの流れからして、凄いのだが、更にタイトルが出てから消えるまでの間もストーリーが語らせるという何たる構成・編集、全てにおいて、こんなスタート、今まで観たことないぞ!と思わせるぐらいの始まり!そして、物語が始まってからは、この先、一体?どうなるんだ?と全く先の読めない見事な脚本!父の遺産を巡ってのストーリーの中で繰り広げられる人間模様、次から次へと繰り広げられる人間模様、待ってましたあ!とばかりに喜劇なのにちょいとそこらの二流、三流の下手なサスペンスものを観るよりも引き込まれるストーリー、出てくる人物が皆、変な奴だらけ、主役のフランキー堺は勿論、友人役の加東大介に探偵役の藤木悠、そして、一番笑える愛すべきキャラクター、それは何と言っても森川信の風呂屋の番頭さん!手相占い、足占いと、もう本当に面白過ぎる。そういや「幕末太陽傅」の中でもあんなにも可愛い芦川いづみの足の相を見ようとする場面が描かれていたなあ!とにかく最初から最後まで全く飽きることなく、そして、この映画はラストも凄いと言うか、凄すぎる。こんなびっくりさせられる終り方、日本映画では見たことないかもしれないぐらいの驚きです。なにわともあれ、川島雄三監督らしい、見事としか言いようのない素晴らしい傑作!いや、大傑作!それにしても、こんな面白い作品がDVDにもビデオにもなってないなんて、勿体無い。映画会社は何をしてるんだ?絶対に、DVDとして発売させるべきだ!そのぐらい素晴らしい作品です。 お願いだから川島雄三監督作品、全部、DVD化してくれーーー!
[CS・衛星(邦画)] 10点(2021-02-15 18:46:19)(良:1票)
3.  美女と液体人間 《ネタバレ》 
液体人間がどの様な過程で誕生したか?その理由が水爆実験によるものというのは同じ監督のゴジラと一緒であり、この映画のテーマは核実験による恐怖、例え火により一度は消滅させることが出来たとしても、それは一時的なものである。また何かのきっかけで再び誕生するかもしれないという恐さと同じことを繰り返してはならないという警告である。あのドロドロした緑色の液体の不気味さ、始まってなかなか姿を見せない事により、更に恐怖を備え付けることに成功している。液体人間が何故、殺人が実行するか?その過程が今ひとつ分かりづらいのが減点ではあるけど、一本の映画としてはよく出来ている。それにしてもあの蛙の実験シーンでの蛙の姿の変化の不気味さといい、一度観たらずっと頭に残りそうな程、恐かった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-07-05 19:06:33)
4.  ひばり・チエミのおしどり千両傘
美空ひばりと江利チエミによるおしどり物語、時代劇風コメディでただただひたすら明るく、最後もメデタシ!メデタシ!みたいな感じで見せる映画です。監督は沢山の時代劇風コメディを撮ってる沢島忠でこの監督らしく、ハチャメチャな感じがこの映画の魅力であり、とにかく美空ひばりと江利チエミが楽しんで演技しているのが伝わってくる。
[DVD(邦画)] 8点(2014-04-06 21:08:29)
5.  ビルマの竪琴(1985)
市川崑監督が自分の作品を後にリメイクした物だがやはりオリジナルの素晴らしさに比べてかなり落ちる出来映えがで、オリジナル版の素晴らしさが改めて解る。内容はほとんど一緒だけど、それならばオリジナルを見るべきですと声に出して言いたい。このリメイク版を見て物足りないと感じたならばオリジナル版を見て感動しましょう。少なくとも市川崑監督の代表作品が本作でないことだけは間違いなく、それは後に同じようにリメイク版として撮られた犬神家の一族にしても同じことが言えます。今作がリメイク版でなく、普通に撮られたものとして見ればけして悪くはないだろうし、それなりに見れる作品にはなってるから甘く見て6点にしてみるものの、これより高い点数は絶対無理です。しつこいけどそれだけオリジナル版が素晴らしいてことです。 
[DVD(邦画)] 6点(2014-03-01 09:47:18)
6.  ひとり狼
市川雷蔵による股旅物で、見応え十分です。何と言っても市川雷蔵が格好良く、後ろ姿といいただ歩くだけでも絵になる。そんな市川雷蔵に語り掛けるようにして寄り添ってくる長門勇も良い味出してる。雪の中での決闘シーンも迫力十分な上に美しい。小池朝雄の悪人ぶりも良いし、作品全体から漂う格好良さとロードムード的な時代劇としての面白さを十分に味わうことができた。眠狂四郎とはまた一味違う市川雷蔵の魅力を感じる事ができる作品。  
[DVD(邦画)] 8点(2014-01-26 13:35:34)
7.  ひみつの花園 《ネタバレ》 
何よりもお金が好きで好きでたまらない主人公のお金に対する執念は何だかまるで「こち亀」の両さんのようである。お金が好きだからという単純な理由で銀行員となるために面接を受け、その場で試験官に「趣味は何ですか?」と聞かれ「お金を数えることです」というその返答ぶりが凄い。しかも、それで採用されてしまうなんて普通じゃない所が笑える。そんな主人公がその後は銀行員を辞め、大学生になる。その理由も勿論、お金の為。かと思えば大学も中退で次は何とキャバレー勤め。良いよなあ!女の人は時給5000円だっけ?そんな仕事があって、男には無理です。でもって今度はロッククライミングで優勝したり、水泳大会でも優勝したりと賞金稼ぎまくりの何だこの主人公は本当に女版「両津勘吉」だ!それにしてもこの主人公を見ていると人間、諦めなければ何とかなる。そんな励ましみたいなものが作品全体を包み込む感じがして、とにかく前向きに生きよう!て気分にさせられる。色んな意味で滅茶苦茶な作品なのだが、その滅茶苦茶こそがこの映画の一番の魅力だと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2011-10-18 22:31:21)(良:2票)
8.  病院へ行こう
まずコメディとしてはそんなにも面白いとは感じないけどこの映画における役者達の顔ぶれは何だか観ていてもちっとも嫌味なく見れるのが良い。病院には行きたくないけどこの面子ならば行ってもいいかなと思わせるだけのものがある。薬師丸ひろ子のナース姿は良いですね。大地康雄やら真田広之など男達の気持ちが同じ男してはよく解る。だって、薬師丸ひろ子がナースだなんて、この映画の薬師丸ひろ子の存在無くして成り立たない。もしも、この映画に薬師丸ひろ子がいなかったら病院に行こうなんて気持ちにはらないでしょう。そういう意味では「病院に行こう」というタイトルに相応しい映画ではないだろうか? 最後にもう少しだけ!この映画を観て改めて感じたことは真田広之は「怪盗ルビイ」を観ても解るようにシリアスな役や演技よりもコメディの方が似合う。
[ビデオ(邦画)] 6点(2011-03-07 22:47:35)
9.  秀子の車掌さん 《ネタバレ》 
成瀬巳喜男監督、こんなにも微笑ましい作品がまだあったとは知らなかった。高峰秀子の初々しさ、そんな高峰秀子の車掌さん、おこまさんと運転手の藤原釜足、この二人を中心に山梨県は甲府街道の田舎町ののどかな風景を背景に描かれる何とも微笑ましい作品!二人が働くバス会社の社長がなんてたって、面白い。かき氷にラムネをかけて食べてばかりの社長の変な人間性が物凄い。また高峰秀子のおこまさんと藤原釜足のバスの運転手の二人が東京から来た小説家の先生に観光案内の文章を書いてもらおうとお願いに行くのだが、その時の小説家の観光案内所の読み方がなんだかお経でも読んでるみたいで、笑える。それにしてもこの映画の高峰秀子、何という可愛さだろう!そして、この映画、作られたのが昭和16年って、確か太平洋戦争の最中、戦争の真っ最中にも関わらず、どこにも戦争の匂いが感じないのが良い。一時間にも満たないこの作品、私は気に入りました。この映画もDVD化してくれないかなあ!
[CS・衛星(邦画)] 9点(2011-01-01 01:32:42)(良:1票)
10.  ヒポクラテスたち 《ネタバレ》 
医学の世界、その中で生きる若者の苦悩、青春映画的な中に何か若者らしい苦しさと悲しさとがあまりにも痛過ぎて見ていてとても息苦しく感じる映画ではあるが、しかし、だからこそこの映画は評価される。実際にこの映画が公開された年のキネマ旬報ベストテンでも3位に入っている。時代を映す鏡的な映画って気がするし、今ほどまだ医学の力が発達されてないあの時代だからこそ伝わるものもある。伊藤蘭演じるみどりが何故、最後、自殺までしなくてはならかったのか?ということを考えると、私には解る気がしなくもない。手術の場所に立ち入ることが医者にとっての宿命とすると、彼女は見たくもない患者の最後を見なくてはならなかったり、そう考えると、これ以上、患者の死を見たくはないという気持ちが強くなる。そうすることで苦しみが山のようになってしまい、自殺することでそれを逃れる。もう患者の死に立ち入らなくて済む。伊藤蘭のみどりの悲しさ、医者という立場においての苦しみ、そういうものが強く感じられて、とてもやりきれない思いです。やりきれないと言えば主演の古尾谷雅人もです。この映画のあと、劇中の伊藤蘭と同じ道を実際に選んでしまった役者というよりも一人の人間としての苦しみを誰か救うことが出来なかったのだろうか?色んな意味で辛い映画です。最後に大森一樹監督という人のその後を見ると何だか森田芳光監督を思わずにはいられなくなるのは何故だろう? あっ!そうそう、因みに私もキャンディーズの中では伊藤蘭が一番好きでした。
[DVD(邦画)] 7点(2010-12-22 22:19:39)
11.  ひとごろし
松田優作が何とも不思議な感じの変な時代劇風コメディ演技で所々で笑わせてくれる。観る前はてっきりドロドロした感じの内容かと思ったけど、何しろタイトルがタイトルだけに、しかし、そんな不安を感じさせない。良い意味でコミカル、悪く言えば時代劇にしては緊張感がない。ただこの映画は松田優作と丹波哲郎の面白さを楽しむ内容であって、そう考えればなかなか面白い作品ではあるし、それにやっぱり松田優作って「家族ゲーム」でもそうだけどコメディでも見せてくれる上手さを持っていたんだと改めて思った次第で、僅か40歳という若さで亡くなってしまったことがとても残念である。まだまだ健在であったなら山田洋次監督の人気シリーズ「男はつらいよ」シリーズの中で渥美清と一度で良いから共演する所を見たかった。映画ファン、それも邦画ファンにとって松田優作と渥美清が絡むとどうなるか?結局その願いは叶わないまま終わってしまっているのたが、この映画の松田優作のコミカルな演技は間違いなくコメディ俳優としての才能、素質を持っていると思わずにはいられなくなる。
[DVD(邦画)] 7点(2010-11-07 12:12:26)(良:1票)
12.  必死剣 鳥刺し 《ネタバレ》 
久しぶりに重厚で格調高い本格時代劇を観た気がする。冒頭の歌舞伎を思わせるシーンからして、何やらテレビとは違う。映画的な雰囲気が十分に感じられ、主演の豊川悦司と敵対する吉川晃司も違和感こそあるものの、そこは平山秀幸監督による演出、演技指導によってか難なくこなしているようでその違和感も見終わる頃にはどうでもよく感じてしまった。藤沢周平原作の時代劇に出てくる女性はどれもこれも待つ女としての美しさ、可愛さに満ちている。ここでの待つ女は池脇千鶴が演じているが自分が愛している男が命を削っての壮絶な戦いに出向いて、最後は壮絶なる死を遂げる姿を知らないまま、赤ん坊を抱きながら必ず自分を迎えに来てくれるものだと信じて待っているその姿が何とも悲しい。タイトルにもある「必死剣 鳥刺し」についてもあの壮絶な戦いの中で死んで行く男としての人生の結末の儚さ、最後の最後で自分を陥れようとしていた男、その代表格である岸部一徳演じる津田を見事なまでに斬って見せる兼見三左エ門の執念は同じ男として見習うべきものがある。物事は最後まで諦めてはならぬということをこの映画の主人公の姿を見ているとそう思えてならない。それにしてもラストの戦いの場面の壮絶さ、何もあそこまで血を大げさに見せるほどやらんでもいいのに。平山秀幸監督、間違いなく黒澤明監督の「椿三十郎」の影響を受けているだろう!あれは白黒だから良いのに、カラーであこそまでやられると流石にちょっとやりすぎだと言いたくもなるし、そういう意味での不満などもあっての7点てことですが、本格派の大人の時代劇としては久しぶりに観ることが出来て良かったと思います。
[映画館(邦画)] 7点(2010-08-01 21:56:43)
13.  冷飯とおさんとちゃん
中村錦之助と木暮実千代の二人の会話が何とも可笑しくて笑える一番最初の話がやはり一番面白かった。更に小沢昭一もやはりその場にいるだけで何故か面白い。この最初の話をもっと見たい気がする反面、その後の二つ目の話は何だか妙に湿っぽくてあまり好きにはなれない。最後の話は役者で見るという意味では大好きな三木のり平が見られるだけでも見て良かったと思えるし、トータル的な事を考えると如何にも山本周五郎原作らしい善意に満ちた話、人情的ドラマとして3時間近いこのオムニバス形式もさほど長さと言うものを感じずに見られたし、そして、やはり主演の中村錦之助はどんな役でも難なく演じている。改めて映画スターとしての中村錦之助を見る事が出来て良かったと思う。最初の話だけでも良かったのにという不満が残るので7点てことにして、8点は付けられないものの、なかなか見所のある作品にはなっている。
[DVD(邦画)] 7点(2010-04-29 22:25:07)(良:2票)
14.  緋牡丹博徒 お竜参上
おや?珍しいなあ!なんでこれだけ誰もコメントがないのだろう?そんじゃ一番先に書かせてもらいますよ。加藤泰監督によるこのシリーズは今回で観たのは二本目となるわけですが(他では山下耕作監督と鈴木則文監督による二つも観てはいるが)本当は順番通りに観た方が良いのかもしれない?けど、なんて言うのかなあ?加藤泰監督のこれぞ加藤泰演出の美学のようなものがこの作品の中で色んな場面で観られるわけでして、解り易く言うなら「静と動」!例えば緋牡丹のお竜こと、矢野竜子(藤純子)の艶やかさ、更には矢野竜子の見方となる菅原文太の青山の描き方、この二人の並び経つシーンでの美しさ、正に「静と動」とが上手い具合に描かれていて、その辺りが単なる任侠映画、今時の極道ものとは明らかに違うわけで、雪の降る中、お互い見つめあうシーンでの表情の美しさ、今戸橋の場面なんて、絵に書いたような感じです。まあ、色々なんだかんだと言ってみたものの、とにかく美しい上にこの作品はシリーズ全部の中でも美しさという点では際立って美しい傑作と思えるぐらいの完成度の高さです。
[DVD(邦画)] 9点(2009-11-06 21:15:26)
15.  ひき逃げ 《ネタバレ》 
怖い。女の恐ろしさ、矛盾している社会に対する思い、その両方が何とも恐ろしく描かれている。成瀬映画としては異色の作品である。成瀬映画において、人が死ぬ場面をここまでリアルにそして、直接的に見せるのは私は初めて見たような気がする。高峰秀子の息子が自動車に跳ねられる場面、今までの成瀬監督ならばあの場面は描かずに省略しているはずが、今作はその場面を見せている。他の成瀬映画とは明らかに違う。そして、この映画、二人の女、被害者の高峰秀子と加害者の司葉子、この二人が一緒にいる場面の恐ろしさ、子供を殺された恨みを果すべく家政婦として忍び込む女、高峰秀子、何度と出てくる電話の場面、司葉子の怯える姿とそれを見ている高峰秀子の眼差しに、女の怖さ、男には出させない女だけにしか出せない怖さ、恐ろしい部分を全て見せつけるこの容赦なしの演出などは成瀬映画を見ていながら何だか増村映画でも見ているかのような錯覚に陥る。小沢栄太郎のあの憎たらしい奴ぶり、自分のことしか考えてないような奴ぶり、こういう憎い男の本性を演じると本当に憎たらしいほど上手さを感じてしまう俳優である。そんな小沢栄太郎に良いようにされる佐田豊の何とも哀れな男、何だか黒澤監督の「天国と地獄」のあのタクシー運転手と重なって見えてきます。加藤武の警官、これも「天国と地獄」を思わせるし、黒沢年男についてはかなり浮いてしまっているし、司葉子の子供との死に顔の美しさの中には罪の意識から死ぬことで罪を償おうとした女としての悲しさが伝わってきて見ていて本当に辛い。辛いと言えばあのラストの高峰秀子、女の子を自動車から守ろうと必死になっている姿もとにかく辛い。この映画はサスペンスとしてよりも殺された子を持つ親の辛さ、そこに重点が置かれているように私は思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-06-14 10:05:02)(良:1票)
16.  ひばり・橋の花と喧嘩 《ネタバレ》 
冒頭のナレーションを聞いて、あれ?この声はもしかして?寅さん?て思ったら予想通り、渥美清のまるで寅さんのようなバイのような語りに寅さんがあ~と思ったらその後、結局、一度も出てこないまま終わってしまった。残念です。しかし、この作品はその他の部分で楽しい場面が結構、見られる。昭和を代表する大スター、美空ひばりと橋幸夫の共演による歌、歌、歌のオンパレードと共にチャンバラありの、マキノ映画を思わせるようなシーンもありのと、そして、そして、最後は「卒業」のパロディ、「卒業」て映画は大嫌いだが、この映画のあの「卒業」のパロディは許せる。脇を固める俳優陣、橋幸夫をやたら親分、親分と慕う財津一郎、お調子者の長門裕之、西村晃も相変わらず良い味、出してる。女優陣では何と言っても佐藤友美が良い。そんな佐藤友美を振るなんて、橋幸夫めっ!なんて野郎だ!美空ひばりと渥美清、最初の数分しか出番のない渥美清の存在感は相変わらずです。二人共亡くなってからの国民栄誉賞受賞とは、どうもずっと前から思ってることの一つに、どうして日本て国は国民栄誉賞を亡くなってから与えるのか?生きてるうちにやれよ!て言いたくなる。生きてるうちが花なのよ、死んだらそれまでよ党宣言とかいう映画もあるけれど、そういや、まだ見てなかった。とにかく亡くなってからじゃ遅い。生きてるうちに与えるべきだ!最初に書いてるように渥美清の出番が最初の数分だけなのがかなり不満なので6点が精一杯ではあるが、それなりに楽しめる作品にはなっていると思います。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-01-19 20:58:08)
17.  非行少女
貧しくても生きよう!何かにしがみつき、怯えながらも人間として生まれてきた以上は、どんなことだろうが、一つや二つの苦しみがあるのは当たり前、しかし、それと同じように幸せがあるんだというような何か強いメッセージを感じる作品になっている。この映画の主人公、和泉雅子演じる少女の眼から見た社会への不満も大人への不満も何かも全て全身でぶつけあうことで自分の気持ちを正直に伝えようというものが見られる。貧しくても他人からはおかしな眼で見られようが構わない。自分らしく必死に生きてみせるという少女の姿は人間らしさを感じる。話そのものは暗い。見ていても哀れなぐらいの二人の主人公若い男女の姿が描かれていて息苦しく思えてならないものの不幸であることよりも前向きに生きようという姿が描かれているので共感出来る。それにしても驚いたのが和泉雅子の演技の凄さ、同じ時代に生まれ、同じ時代に共演もしているもう一人の女優、吉永小百合の影に隠れ、これといった目立った作品、代表的ものに恵まれずにいたこの和泉雅子という女優の不幸、間違いなく演技の上手さでは吉永小百合よりも上である。何を演じても吉永小百合、何を演じても同じ嘘臭さしか漂わない吉永小百合とは大違いである。これは和泉雅子の代表作と言って良いと思うぐらいとにかく演技の上手さ、監督にさえもっと恵まれたらもっともっと素晴らしい映画に出逢えた筈だとこの作品の彼女の演技を見ていると思わずにはいられない。良い監督と沢山、出会えた吉永小百合、そうじゃない和泉雅子の何とも不幸なことといったらない。他にもこういう不幸な女優を出さないよう、日本映画界全体、考えるべきではないだろうか!
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-12-07 11:34:18)
18.  ひめゆりの塔(1953) 《ネタバレ》 
「ひめゆりの塔」というこの作品があることは知ってました。沖縄師範学校の女子生徒達の眼を通して描かれるこの実話のドキュメンタリー映画!冒頭から物凄い戦闘シーンが繰り広げられる。実話だからこそのリアリティのあるこの作品、今井正監督がどうしても言いたかった。伝えなくてはならなかったものとは何か?この映画の彼女達は死ぬ時も生きる時も一緒であるという津島恵子演じる女教師の台詞から感じる重み、戦争の犠牲となって亡くなっていった彼女達が素直であれば、あるほどその悲惨さというものが伝わってきて見ていてやりきれない気持ちにさせられる。今井正監督の好む清純な乙女達の中にあって、一際、香川京子の存在が目立つ。香川京子がみんなの前で歌を披露する場面でのあのアップにこそ秘められた思いのようなものが伝わるだけに余計、悲しみというものが大きく、また、津島恵子の存在の大きさも忘れることは出来ない。戦争の悲惨さを知るという意味とあの実話における重さを考えるという意味でも貴重な作品であることはやはり認めなくはならないだろうが、個人的好みからしたら私の好きな今井正監督作品とはやはりどこかが違って見えてしまい、もう一度、観たいとは思わない。
[DVD(邦画)] 6点(2008-05-11 20:02:11)
19.  美貌の都 《ネタバレ》 
わぁ~司葉子~!何と言うことだ!美しい。美しすぎるぜ!本当にタイトルにもあるように司葉子の美貌に見ていて、クラクラしそうになってしまう。そのぐらい司葉子が美しくて、美しくて、これは完全に司葉子を見る映画と言って良い。断言しちゃいます。木村功の態度、最初は良い奴だと思っていたものの、酷い!あんなにも美しくて汚れを知らない司葉子を何てことだ!出来ることなら司葉子にも淡路恵子同様、思い切り木村功の頬を引っ叩いて欲しかった。金持ちとそうでない者との人間としての生き方、対比の見せ方、なかなか上手く描かれていて感心させられる反面、やはり木村功にはかなり腹が立って仕方なく、ただ、そんな中、木村功とは対照的で人としての温かさを感じる男を演じている小林桂樹が良い。木村功の悪人ぶりとは全くもって対照的である。絶望の果てに母のいる家に戻って来た司葉子演じる千佳子が母にもぶたれ、飛び出行く所を後を追って止めようとする小林桂樹、なんだか私は「社長」シリーズを見ているような気持ちにさせられた。て、あっ!監督が「社長」シリーズと同じではないですか!ラスト、もう一度、やり直そうと千佳子を優しく迎えに来る宝田明の姿とそれを見守る他の人達の微笑ましいこと。このシーンのお陰で最後は救われた気がするが、あのまま千佳子(司葉子)が自殺でもしていたらと思うとやりきれない気持ちにもなる。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-02-02 11:28:59)
20.  ひばりの森の石松
美空ひばりの森の石松っあん、観る前はかなり不安だったけどなかなか良いではないか!こういうテンポの良さと明るい雰囲気、監督が「一心太助」シリーズの沢島忠監督ってことだけあって、底抜けに明るくて思っていた通り楽しめた。次郎長一家とのかけ合い、船の上での話の席での楽しさ、そして、勿論、時代劇としての決闘シーンでの楽しさ、これぞいかにも沢島忠監督作品て感じが随所に見られる楽しい仕上がりになっていて気軽に観ることが出来て良かった。
[ビデオ(邦画)] 7点(2007-05-29 18:40:38)
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