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飛鳥さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1679
性別
自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

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281.  ボーイズ・オン・ザ・ラン 《ネタバレ》 
誕生日に一人寂しくテレクラに電話して、やってきたのがとんでもないデブ女。 せっかくものにできそうだった理想的なかわいい処女とも、凍りつくような大失態で水の泡。 あまりに悲惨すぎて笑えてくる。 それでも殴らなければ気がすまない嫌な奴を殴りに行くのは、たまらなくワクワク。 まるで中高生のノリで、30前のサラリーマンのやることじゃない。 それなのに会社ぐるみで応援してるのが、温かくて楽しい。 最高の社長に、同僚にも恵まれていて、職場の雰囲気がアットホーム。  キャスティングが抜群で、峯田和伸の無様で冴えない男といい、黒川芽以の都合のいいバカ女っぷりといい、その他の役者もピッタリはまっている。 田西はホントに浅はかで空気読めなくてカッコ悪くてイライラするけど、だんだん感情移入してしまう。 同僚の女とライバル会社の男がムカついてしょうがない。 観ていて痛いけど楽しいという、かつてない不思議な感覚。 青春だね。
[DVD(邦画)] 9点(2013-07-05 01:40:59)(良:3票)
282.  月とチェリー 《ネタバレ》 
官能小説サークルの紅一点で、小説の取材のために新入りの童貞君と寝る真山。 男っぽくサバサバとしてちょっとぶっ飛んだところのある女に、江口のりこがピッタリ。 決して美人ってわけじゃないけど妙に生々しくてエロい。 Sっ気たっぷりにチェリーボーイを弄ぶさまが地じゃないかと思うほど。 真山の小説の主人公の行動とともにセックスに耽る田所は、上半身と下半身は別人格ということを自覚せざるをえない。 好きな女にデリヘル嬢とのセックスをセッティングされた上に観察され、つらくて泣きながらも勃ってしまうという男の哀しさ。 サークルの男全員に取材目的で手を出していた真山はまさに肉食獣、若葉マークの男の手に負えるような女ではない。 愛情のない肉体関係から、恋愛感情が芽生えていきそうな二人の行く末が気になる。 エロだけが売りでストーリーがとってつけたようなC級作品ではなく、ちゃんとしたラブコメになっている。 この女性監督、作品を初めて観たが要チェックか。
[DVD(邦画)] 7点(2013-07-01 07:43:26)
283.  ゲルマニウムの夜 《ネタバレ》 
原作は花村萬月の芥川賞受賞作品。 花村萬月らしい暴力、エロス、背徳感が漂う。 主人公は殺人、暴力、姦淫など聖書に反することを重ね、神の存在を試す。 そこには何の罪悪感もない。 ただ神の裁きを待っている。 未来の罪を告白し赦されることで、その罪を犯す免罪符を得る。 宗教や神の矛盾を突いた恐れを知らぬ行動は、まさに神への確信犯的冒涜だ。  その世界は決して嫌いではないのだが、映画化が成功したかは疑問。 一番気になったのはテンポの悪さで、間延びするためにダレてしまう。 内容的には過激なものを含んでいるのに、静かで暗いトーンで覆われていることもあって少々退屈。 このテーマ、素材では、映画化は難しくて向いていないのかも。 テーマ自体は面白いのに、もったいない。 人によっては不快に感じる映像も多いので、受け付けない人も多い気がする。  少年に性的奉仕をさせる修道院長の石橋蓮司は、独特の存在感を発揮。 主人公と綺麗でエロティックな濡れ場を演じた早良めぐみも印象に残った。
[DVD(邦画)] 4点(2013-07-01 00:17:21)
284.  あつもの 《ネタバレ》 
黒瀬の下衆っぷりは吐き気を催す。 金で若い裸の女にむしゃぶりつく姿は、醜くあさましい性欲の塊のエロジジイそのもの。 この人格破綻者をヨシ笈田が好演していて、緒方拳を引き立てる。  菊作りの秘伝を教えると騙されミハルを紹介してしまった杢平は、良いように言えば純朴、悪いようにいえばマヌケ。 愚直に勤めた田舎の消防署を定年退職、息子からはギャンブルで作った借金のために金の無心をされ、精神を病んで入院している妻からは別れを言い渡されている。 一方、黒瀬は自分が落ちぶれて何をやってをダメなことを、菊を作るために生まれてきたからだと言い切るほどの強い自負を持つ。 強欲で嘘つき、万人に嫌われていながらそれを自省しないずぶとさはその自負に支えられている。 二人に共通するのは、菊作りがなければ他に何もないということ。 それだけに、菊作りは意地とプライドをかけた闘いとなる。 その闘いに、援助交際に走る音大生がからんで色を添えた。 自分に才能の限界を感じていたミハルが、いつも黒瀬に負けていた杢平にシンパシーを感じたのは自然の流れか。 ミハルに身を投げ出されたのに、途中で思いとどまった杢平。 ミハルを犯そうとして首を絞め、自己弁護に終始する黒瀬。 ここでも二人は対照的。  黒瀬は杢平とミハルの仲を嫉妬して、未成年を監禁していると警察に嘘の通報をするような汚い手も使う。 ところが、コンテストで杢平に負けたとき、杢平は審査の不正を悟って負けを認めたのに、黒瀬は自分の衰えと相手の実力を認めた。 この時だけはスポーツマンシップに通じるような清々しさがあった。  生きる目的を見失っていたミハルは、首を絞められ死の恐怖に面したことで、そのとき頭に浮かんだ家族のもとこそ自分の帰るべきところだと気づく。 楽しそうにしていた隣の家族の一家心中、杢平の妻や息子との関係も並行して描かれ、家族との関わりや生きることについてがテーマになっている。 初老の男二人の菊作り対決がストーリーの軸なので地味な印象は否めないが、人間模様が交差してよくまとまった作品。 いい役者が出ているのに内容が地味なため興行的にはヒットせずあまり知られていないが、フランスのベノデ映画祭(その価値は知らないけど)でグランプリを受賞している。 園芸にまったく興味がないので感情移入はできなかったが、そこに関心があればさらにハマるに違いない。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-30 22:02:36)
285.  笑の大学 《ネタバレ》 
この作品は舞台のほうが絶対いい。 キャラとストーリーが舞台向きなので、映画ではところどころに違和感が。 例えば、役所広司のキレキャラは舞台でちょうどいいくらいだが映像ではオーバーに映る。 ただ、そうしたことを差し引いても十分におもしろい。 検閲が本直しになっていき、まるで二人の共同創作のように。 そこで無事検閲が通るのかと思えば、権力に対する戦いという言葉に刺激された検閲官に「笑いのない喜劇」という無理難題をふっかけられるハメに。 どうなるのかと思わせて、ラストの思わぬ展開。 検閲官が自分の立場を捨てて「生きて帰って来い!」との叫びに感動させられる。 もともと舞台台本だが、映画、ラジオ、落語にまでリメイクされ、何度もリバイバルされただけのことはある。 座付き作家の姿は、高校の教科書に載っていた坂口安吾のラムネ氏とイメージがかぶった。 この戯作者の矜持は三谷幸喜の投影でもあるのだろう。 三谷作品は良い意味でも悪い意味でも予定調和の軽さのようなものを感じるが、これは時代の重みも感じられるのがいい。
[地上波(邦画)] 8点(2013-06-28 21:20:00)
286.  鮫肌男と桃尻女
原作がマンガだけにそれぞれのキャラがとても個性的。 何種類もあるという大村崑のホーロー看板の話をする岸田一徳がいい味を出していた。 アクの強い作品で好き嫌いが分かれるだろうが、全編悪ノリしたアウトロー物語って感じ。 タランティーノは好きだけど、これはその粗悪品みたい。 特に笑わそうとしてる部分がほとんど合わなかった。 笑えないギャグ混じりのシーンをタラタラと見せられてると厳しい。 山田のキャラも狙いすぎてて引く。 冒頭とそれにつながる銀行強盗のシーンはよかったんだけど。
[ビデオ(邦画)] 1点(2013-06-27 22:15:53)
287.  火垂るの墓(1988)
夏に流される反戦アニメとして定着した感が。 学校でも鑑賞することが少なくないようだし、原作を採用している教科書もある。 野坂昭如自身の戦争体験が基になっているとはいうものの、実際は清太のような妹思いの兄ではなく、どちらかといえば足手まといでろくにかわいがりもせず餓死させている。 その贖罪で本当はこういう兄でありたかったとの思いもあって書いたようだが、現実の戦争はこの映画よりもはるかに殺伐としていたということだろう。 大人向けには、そちらの事実に基づいた映画を観てみたかった気もする。 本作は子供に見せるのには適しているが、大人ならあざとさが気になって食い足りないかも。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-27 22:04:38)
288.  ラヂオの時間 《ネタバレ》 
いかにも三谷幸喜らしい作品で、次から次へとトラブルが起こって引き込まれる。 おそらく脚本家として悔しい思いをした自身の体験からくるのだろう、次々と台本をわがまま勝手な理由で変えられるしまう怒りが滲み出ている。 放送事故レベルの中、アドリブで作品はなんとかうまくまとまったといった態だったけど、いやいやメチャクチャな出来損ないに終わってるから。 結局それで満足してしまう主婦作家はやっぱりプロではないし、ディレクターとプロデューサーの和解もとってつけたようで無理やり大円団にもっていった印象。 いつかみんなが満足するものをつくる――そんな日が来るのを信じていこうとする二人の会話だが、プロデューサーはそのためにやるべきことを何一つやっておらず、ただの現実逃避の言葉にしか聞こえない。 これでは明るい展望など持てるわけがなく、放送局で不本意な状況が今後もずっと続いていく様子が目に浮かぶ。 ラジオを聴いて放送局に駆けつけたトラック運転手も、あの作品で感動するなんてどんな感性だよって思うし。 途中のドタバタは面白かったのに、無理やりハッピーエンドにすべてを収束させたので尻すぼみになってしまった。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-27 00:29:15)
289.  みんなのいえ 《ネタバレ》 
昔ながらの大工の棟梁と新進デザイナーの対立が、職人とアーティストの意地とプライドのぶつかりでおもしろい。 風水を持ち出す母もからんで、周りに振り回される優柔不断な主人公が気の毒なような情けないような…。 価値観の異なる人と一緒に本気で何かを作り上げたことがあると、あの葛藤と苛立ちはよくわかる。 どうでもいいと割り切れば妥協もできるが、そうするといい物が作れないというジレンマ。 方向性が違う人と組むのは難しいけど、化学反応を起こして思わぬ良いものができる場合も稀にある。 この映画ではその辺りのことをうまくストーリーに組み込んでいた。 ただ、こじんまりまとまった感があって、くすぐられはするけど魂を大きく揺さぶられはしない。  勝手に独断で間取りを変えてしまう父親は、良かれと思ってやってるだけにタチが悪い。 でも、こういう厄介な親って結構いるかも。 田中邦衛がこういう役にぴったりハマる。 妻役の八木亜希子もいい。
[地上波(邦画)] 6点(2013-06-26 00:15:32)
290.  転校生(1982)
一美は冒頭では快活な感じだったのに、入れ替わった後はなぜかなよなよした弱々しいキャラに豹変している。 こういうキャラのブレは基本的なことだけにすごく気になってしまう。 尾美としのりのオカマ口調も作り手のあざとさが強く感じられて違和感がある。 小林聡美はとても良かったし、男女入れ替わりものの元祖という価値もあるのだけれど。 大林監督とはどうも相性が悪いようだ。
[地上波(邦画)] 5点(2013-06-26 00:04:43)
291.  風、スローダウン 《ネタバレ》 
夢と現実の狭間で、バイクを取るか彼女を取るか。 よくある類のストーリーで、ハッとするような展開はない。 ヤクザの友達はたぶん鉄砲玉で死ぬんだろうなと早くから予測がついたし。 観ているこちらが気恥ずかしくなるほどベタなシーンやセリフが幾つも。 バイクに興味があるわけでもなく、笑えもしなければ感動もできず。 青春の夢と挫折を正面から描いていて、ラストはそれぞれの人生を精一杯歩いている感じで悪くなかったけど、そこに至るまでの過程が物足りない。 島田紳助はトークの頭の回転やプロデュース力には感心するが、脚本に関してはいかにも畑違いの素人っぽい。
[インターネット(字幕)] 2点(2013-06-25 23:59:02)
292.  いま、会いにゆきます 《ネタバレ》 
この頃の竹内結子が一番いいかも。 どんな男でも落ちそうなくらいの魅力がある。 記憶を失っている澪が、巧の回想をなぞってもう一度好きになっていく過程が新鮮でキュート。 どうせセカチューと同じ程度のものだろうと思ってなめていたら、こちらのほうがずっといい。 純愛ファンタジーとして泣けてくるものがあった。 途中いろいろ引っかかった点もあったが、澪の日記ですべての謎がとけてスッキリ。 お互いにたった一人の相手だった二人の姿に感動。 ところが、ここで世間を騒がせた離婚劇が頭に浮かんでしまった。 作品世界に浸っていたのに現実は違ったんだよなと水を差された格好だけど、こればっかりは仕方ないし…。
[DVD(邦画)] 9点(2013-06-25 14:45:13)
293.  歌謡曲だよ、人生は
昭和の歌謡曲をテーマにした11編の短編からなるオムニバス。 完全に企画ものだがアイデア倒れの感が。 一本平均13分なのでコントのようでもあるが笑えない。 映画とはあまり認めたくない気持ちになる。 これなら歌だけ聞いたほうがいい。 大杉漣、吉高由里子、高橋恵子ほか、出演者は多彩なのにもったいない。 唯一、妻夫木聡を主人公にした矢口史靖監督だけは、短い中に起承転結がしっかりしてサスペンス性もあり、他との力の差をはっきり見せつけた感じ。
[DVD(邦画)] 1点(2013-06-24 21:46:36)
294.  笑う警官 《ネタバレ》 
ジャズを使ってハ-ドボイルドタッチに撮っているが、すべて上滑りで寒いことに…。 パロディならまだしも、大真面目でこれだけズレてるのがすごい。 場違いなSMプレイネタや、大森が宮迫の肩を抱き寄せる感動(のつもり?)シーンには思わず失笑。 本人は最新ファッションでオシャレにカッコつけているつもりが、時代遅れの古臭いファッションで滑稽にしか見えない、それと同じような感覚。 ラストは悪い意味で鳥肌もので、ネタ作品にふさわしい。 このセンスで趣味のように映画が作れるのは幸福だ。 それに付き合わされた役者と観客はアレだけど。
[DVD(邦画)] 0点(2013-06-24 15:09:30)
295.  世界の中心で、愛をさけぶ 《ネタバレ》 
長澤まさみの絶頂期ともいえる魅力だけでなんとか成立している感じで、ストーリーはいたって凡庸。 白血病で好きな人と死に別れるというのも使い古された筋だ。 まるで童貞のロマンティックな妄想青春物語みたいで、その青臭さに気恥ずかしくなる。  二人で賭けたウォークマンゲット競争のために深夜ラジオに投稿したウソ話が、白血病で死ぬ現実と偶然カブるなんて…。 二人と律子との関係も偶然性が気になる。 ストーリーを盛り上げるのに偶然は必要だとは思うが、度が過ぎるとウソ臭さが先に立ってしまう。 昭和のテイストでノスタルジーは刺激されるがそれ以上のものはなく、柴崎コウもあまり活かされていなかった。
[DVD(邦画)] 4点(2013-06-23 23:11:48)
296.  皆月 《ネタバレ》 
家を出た妻の置手紙は「みんな月でした。もう、我慢の限界です。さようなら」 月は自らの裏側を決して見せず、太陽があって初めて輝く。 駆け落ちした妻は誠実な面しか見せないつまらない夫といては一生輝けないと思ったのだろう。 退職金目当てだったはずの由美が冴えない中年男に本気になっていったのが腑に落ちなかった。 が、昔飼ってていつも後ろをノタノタ付いてきたウサギに似ていたからだという言葉に、二人のキャラが浮き彫りにされる。 そんなソープ嬢を吉本多香美が熱演。 北村一輝のサディスティックなキレっぷりはハマってたが、主役の奥田瑛二が役に全然合ってない。 義兄と由美が同居を始める日に、アキラがキッチンで義兄に見せつけながら乱暴に由美を犯すシーンはインパクトがあった。 自首したときの姉との別れは、肩を噛まれて恍惚となるアキラの姿に近親相姦の臭いが強く漂う。 アキラのほうが主人公を喰うくらいの存在感があった。 原作者の花村萬月の作品は幾つか読んでいたが、背徳感やバイオレンスなど毒気をはらんだものが得意のようだ。 ラスト、主人公が由美を置き去りにしようとして、また思い直して戻ってくるなどわけがわからず。 主人公に魅力を感じないのが一番の泣きどころ。
[DVD(邦画)] 5点(2013-06-22 05:36:24)
297.  12人の優しい日本人 《ネタバレ》 
タイトルからわかる通り『十二人の怒れる男』をパロっていて、日本人だったらどうなるかを示したようで興味深い。 狩猟民族と農耕民族の違いを見るようだった。 妻が夫を走ってくるトラックへ突き飛ばしたとのおばさんの証言もあったが、暴力夫に悩まされていた美人妻への同情もあって、おばさんの証言よりも妻の証言が信用されている。 そうした無罪濃厚の状況から有罪の可能性を探っていくわけだが、12人のキャラが立っていてそのやりとりに引き込まれる。 三谷幸喜はこうしたキャラの書き分けがはっきりしていてわかりやすいのが特長。 そこが苦手という人もいるようだが、こうした12人にほぼ均等にセリフのある設定では、区別しやすくなるので混乱しなくて済む。  ただ、本家の迫力には到底及ばず、インパクトは少し弱い。 コメディ要素を入れて笑いを取ろうとしているために、軽くなっている印象。 議論が人間の本質的なものを抉り出す人間ドラマになるのではなく、推理ゲームの要素が強くなっているせいもある。 最初から有罪を強硬に主張し続ける会社員も妻に捨てられたことが理由というオチがかなり前からわかってしまうのもマイナス。 オチが見えてからはどうしても興味が少し削がれてしまった。
[地上波(邦画)] 7点(2013-06-21 01:45:49)
298.  自虐の詩 《ネタバレ》 
阿部寛のちゃぶ台返しが連発。 中学時代の貧乏仲間の熊本さんのキャラが強烈。 ギャグタッチのコメディシーンが結構あるが、全般的に起伏が乏しくてちょっとだれる。  シャブ中の売女に堕ちて幻覚から自傷した幸江を救ったのは、イサオの真面目で一途な思い。 それなのにどうしてイサオがダメ男になったのか、キャラが変わりすぎ。 凡庸なストーリーで内容が薄くて泣けもしないが、中谷美紀と阿部寛でなんとか持ちこたえている感じ。 同じように中谷美紀が不幸な女を演じた『嫌われ松子の一生』のほうが、ストーリーははるかに引き込まれる。
[DVD(邦画)] 4点(2013-06-20 22:35:23)
299.  プラトニック・セックス
原作は読んでいたが、かなり内容が変わっている。 なんの共感もできない映画。 でたらめに送信した携帯メールが偶然二人を結びつけたという出会いのうそ臭さ。 実話から離れて全般的にリアルさを失ってしまった演出にうんざり。 原作のほうがリアルな分よかった。
[DVD(邦画)] 2点(2013-06-19 23:17:48)
300.  クイック&デッド 《ネタバレ》 
女ガンマンのシャロン・ストーンがキレイでカッコいい。 劇画タッチの西部劇なのでリアリティの欠片もないが、キャラが個性的。 早撃ち大会はまるで天下一武道会、ゲームかマンガみたいなノリだ。 頭を銃弾が貫通してウソみたいな風穴が開いたり、派手に一回転して吹っ飛んだり、やられっぷりもチープそのもの。 そんなB級テイスト漂う作品なのに、思わぬ豪華キャストの競演を楽しめる。 ジーン・ハックマン、ラッセル・クロウ、ディカプリオ、脇役にゲイリー・シニーズも。 もっとも、クロウとディカプリオは有名になる前だから成立したのかも。  エレンは食事のテーブルの下で父親の仇であるへロッドに隠し持っていた銃を向けるが、結局果たせない。 エレンの思惑を見透かしたへロッドの威圧感とライターを銃に見せかけたフェイクに制された形。 ここはへロッドの凄みを感じさせるシーンだった。 へロッドの無慈悲な冷酷さはいたるところで感じられるが、極めつけは政府軍に撃たれた傷の手当てもし匿って助けてくれた神父を、相棒のコートに殺させたこと。 コートはその贖罪で牧師になったのに、へロッドに罪の意識は微塵もない。  少女だったエレンは、父の首吊りの縄を撃てば助かると持ちかけられ、誤って父を射殺している。 悲嘆に暮れる少女を尻目に、ヘロッドはゲームを楽しんだかのように笑って去っていく。 それだけやってりゃ復讐の対象にもなろうというもの。 ヘロッドは父親に認められたい一心で決闘に臨むキッドも射殺した。 ただ、この時だけは悪党へロッドにも親子の情がうかがえた。  ストーリーはなんてことないが、キャラの魅力でもっている作品。 特に、敵役のジーン・ハックマンの存在が大きかった。 シャロン・ストーンとラッセル・クロウのラブシーンがカットされていたのは残念。
[地上波(吹替)] 6点(2013-06-19 23:16:14)
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