321. 小説吉田学校
鳩山一郎から岸、池田、佐藤、田中角栄と歴代首相らが次々と出てくるのは当然のことかもしれないが、それらが皆大物スターばかり。いや違ったロッキード事件で有名な田中角栄演じる西郷輝彦は私と同年代の人気歌手で、角栄がこんなにハンサムだったはずあるものかと思いつつ見ていた。しかし何せ大勢の登場人物だから、役者は顔なじみ、政治家も知っている者多数でも、誰が誰だったか混乱してしまう。映画を見る前に配役を確認しておくべきだったとつくづく反省。それに三木武吉と三木武夫が親子だと誤解していたこと、この映画を見るには、戦後史の下調べが必要だ。私が物心ついたときの総理はすでに鳩山一郎であり、政治家吉田茂については教科書で習う知識以外はほとんど知らなかった。自民党の政治家たちが大勢「大磯参り」をしていたことだけは覚えていたが・・・。 [映画館(邦画)] 7点(2013-01-06 19:47:23) |
322. ハウルの動く城
多少ストーリーがわからないところもあるが、まずまず楽しめる作品だと思う。荒地の魔女が悪役だと思っていたら、後半やさしいお婆ちゃんになったことにまずびっくり。そして声優は倍賞さんが若い娘と老婆の両方をやっていることにびっくり。途中までは別の人だと思っていた。絵が大変美しいし、音楽も格調高い。 [DVD(邦画)] 6点(2013-01-04 18:09:19) |
323. 光る海
《ネタバレ》 33人の女子学生に対して七人の侍か、うらやましいと思いつつコミカルタッチの青春群像が描き出される。おそらく当時としては斬新な若者観、恋愛観なのだろう、ストレートな表現はさすが石坂洋次郎の青春小説だと思う。ただ映画としては、すごく長い台詞が気になる。原作をたとえ尊重しても、台詞はもっと短く会話調にすべきではないのか。それに健康そうな田中絹代では、余命いくばくかの病人にはまったく見えないということか。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-03 16:56:42) |
324. の・ようなもの
古典落語のなかに金馬さんの「居酒屋」というのがある。「えー、できますものは・・・・ あんこうのようなもの」この「ようなもの」が好きだったので映画を見た。最初と途中にソープランド(当時はトルコ)が出てくるが、やはり落語家が出てきて予想通り落語の世界だ。それに青春ものをかぶせて悪くない。だがどうしても主役男性がいまいち好きでない(下手?)ので減点。由美さんのおとうさんが将棋盤を取り出したところで、将棋の芹沢八段だと思い出す。 [映画館(邦画)] 7点(2013-01-01 08:52:24) |
325. 喜劇 初詣列車
瀬川昌治監督の列車シリーズ喜劇の第3弾、渥美清と佐久間良子のコンビは相変わらずだが、渥美清の奥さん役は中村玉緒になる。うーん、寅さんに出てくれたらな、と思ったりして・・・。この映画は1作2作よりさらに好き、おもしろさ満載だけど若い二人を結びつけたりして、意外な人情味も見せてくれる。 そういえば、この映画の何年か前に新潟で大地震があったんだったっけ。 [映画館(邦画)] 8点(2012-12-31 15:14:42) |
326. 哀愁の夜
西河克己監督作品だけど、映画は途中で筋が読めてしまうほどの二流映画だし、主演の舟木一夫は本職画が歌手だけあって演技は三流としか言いようがない。もっと他の役者だったら筋は甘くてももう少しましな映画になっただろうという気がしてならない。和泉雅子、山本陽子がまずまずで好感が持てるのだが・・・。映画の途中アニメ制作のシーンが入るが、ドラえもんで人気を博した藤子不二雄の「オバケのQ太郎」、当時は結構な人気だった。なお三宅島はもちろん大噴火前、江島生島事件にも触れているのが注目される。 [DVD(邦画)] 4点(2012-12-31 12:59:55) |
327. アルプスの少女ハイジ(1979)
まん丸とだるまさんみたいなハイジが、パッパッパーと服をぬいで、あれよあれよという内に物語が進むが、こどもたちにはこのスピーディーな展開が良かったと思う。つなぎつなぎは会話が途中でぶった切られたようで少し気になったが・・・。80~90年代はうちの息子と姪っ子たちとのつきあいで、アニメを見ることが多かった。これもそのひとつ。 [DVD(邦画)] 7点(2012-12-28 20:48:06) |
328. ドラえもん のび太の魔界大冒険
ドラえもんは漫画やテレビでたくさん見たけど映画館で見たのはこれだけ。小学校に入ったばかりの姪っ子たちを連れて行ったのだけど、一番熱心見たのはもちろん私。これ以降たくさんのドラえもんをビデオで見る羽目になる。ちんからほいでスカートがまくれあがるのに思わずニンマリ。 [映画館(邦画)] 7点(2012-12-28 11:36:23) |
329. 人生とんぼ返り(1955)
《ネタバレ》 殺陣師(たてし)も新国劇も知らず、前半は見るのに大変苦労をしたが、中盤を過ぎる頃段平が東京へ旅立つあたりから釘付けになってしまった。段平と女房のお春の掛け合いもおもしろいし、何よりも夫婦愛が感じられる。そしておきくとの親子愛も・・・。国定忠治が晩年中風だったことも初めて知ったし、森繁の名演技にもしびれたし、とにかく感動作だった。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-12-28 08:58:11) |
330. 天城越え(1983)
原作は読んだことがあり、この映画が公開された時はすでにストーリーは知っていた。しかしそれでもなお、強烈に惹きつけられた映画だった。なかでも田中祐子のなまめかしさと演技は、多くの人が賞賛通りなので敢えて付け加える必要はないと思う。 原作は短編小説であったが、映画は人間の心理の綾を巧みに表現して、大変すばらしい。この映画製作前の大谷直子主演のTVドラマ版は見ていないが、評判は良かったらしい。それもぜひ見てみたいのだが、なかなか巡り会うことができない。 しかし1998年の元旦に放映された田中美佐子主演のTVドラマはDVDでも再鑑賞したので、さらに作品への理解が深まったと思う。「天城越え」は「砂の器」と共に原作を上回る映画だと思う。 [映画館(邦画)] 8点(2012-12-24 16:32:36) |
331. 喜劇 誘惑旅行
《ネタバレ》 これはとってもおもしろい楽しい、スンバラシイ映画だった。夫がフィリピン旅行に行けなくなったり、行けるようになったりは、最初のクイズ番組の座席が上がったり下がったりするのとまったく同じで、まずここでニヤリっとする。そして夫婦一緒のような別々のようなフィリピンの旅にニヤリ、そして映画は駄洒落の連続で愉快きわまる。そしてまたまたフィリピン観光のみならず、歴史や風習の勉強にもなって大いに満足。そしてまた見所は、フランキー堺の一人二役、同時にスクリーンに登場するだけでなく二役の二人がお互い抱き合ったときは大変びっくり。当時の技術では考えられなかったことだった。 [映画館(邦画)] 9点(2012-12-24 10:06:32) |
332. 四年三組のはた
1970年代から80年代にかけて、日活は子ども向けの児童劇映画を何本も製作し、方々の学校の講堂や体育館で上映された。この映画はその中でもひときわ評価が高い名作。 産休に入る先生と子どもたち、子どもの両親とのふれあいを描く心温まる物語である。産休補助の先生役の南美江もなかなか良い。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-12-23 06:48:31) |
333. 紅の豚
他のジブリ映画と趣が異なっていることと主人公がきざな豚ということで、結構見らず嫌いになっていたが、大人の男のロマンが感じられ結構好感が持てる。それに空想の物語でなく、第1次世界大戦後、世界恐慌、ファシズムの台頭の時代とイタリアを舞台にしたのも他と違っていて興味を覚える。空中戦シーンは好きではないが、中盤の飛行機を改造するあたりはとっても好きで宮崎映画らしい雰囲気を感じる。 [DVD(邦画)] 7点(2012-12-22 22:12:07) |
334. 風と樹と空と
今の人ならたぶん「三丁目の夕日」を思い出すだろう。しかし集団就職、上野駅というと私は井沢八郎の歌「あゝ上野駅」を思い出す。井沢の歌と「風と樹と空と」の映画とどちらが先だったかは覚えていないが、どちらも1964年東京五輪の年だった。吉永小百合さんは元気でとても明るいお手伝いさんだし、映画自体もラブロマンスにならず、あくまで青春映画に徹しているところが断然好き、私の青春時代思い出の映画のひとつだ。「もらえる物はもらいます」とちゃっかりしたところも良い。OLをBG(ビジネスガール)と言っているのも時代を感じるし、吉永小百合が口ずさんでいる「高校三年生」も大ヒットした時代だった。 [映画館(邦画)] 8点(2012-12-21 18:47:30) |
335. 喜劇 にっぽんのお婆あちゃん
タイトルに「喜劇」という名前が付いているが、決して単純なコメディではない。むしろ「喜劇」を付けることで、風刺のこもった社会派映画の要素を際だたせている。身寄りがなく老人ホームで暮らすのと身寄りがあって息子夫婦の家族と暮らすのとどちらがベターなのか。50年も昔、高度成長期のまっただ中にあってすでに少子高齢化を予測させる映画はまったく見事というほかない。なおこの映画にはたくさんのお婆ちゃんが出てくるが、年長は東山千栄子さんの71歳だが一番若いお婆ちゃんと言えば・・・。 [地上波(邦画)] 8点(2012-12-19 23:42:55) |
336. 青春の海(1967)
ついこの前まで生徒役やお嬢様役をやっていた吉永小百合が中学校の先生になる。とは言っても学校のシーンは多くはない。問題なのは妹和泉雅子と一緒に住む家の隣が男5人の歯科医院だということ。さてどんなロマンスかと思いきや、家を飛び出したヤクザの次男坊渡哲也、結構クール。映画の作りもべたべたした感じなくすがすがしい。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-12-18 23:03:32) |
337. 鴛鴦歌合戦
ハリウッドで「風と共に去りぬ」や「オズの魔法使い」が作られていた頃、日本でもこういうミュージカルがあったのだと改めて驚く。そもそも時代劇でミュージカル、戦後の美空ひばりは知っていたけど太平洋戦争前の映画だとは・・・。若いディック・ミネにも驚くけど、何と志村喬までが歌っているとは天と地がひっくり返るような驚きだ。またストーリーも結構おもしろいしすばらしい。永遠に残しておきたい貴重なフィルムだと思う。DVDが出たので即購入。 [DVD(邦画)] 10点(2012-12-16 09:13:11)(良:2票) |
338. 雪の喪章
先のお二方の感想とほぼ同じかもしれない。それでも前半はまだ見所があったと思う。 せいが流産したり、子どもが死んだとき、冷ややかな態度で見守る妙子には、「これで良かったのだ」とか「ざまあみろ」(私の勝手な推測)といった表情が読み取れた。身勝手な夫の振る舞いや姑の言い方に嫌な思いをしながらも、映画には引きつけられるものがあった。だが後半はどうだろう。まるでああなって、こうなって、そうなりましただけの映画になってはいないだろうか。心理描写もなければメリハリも薄い。映画はたとえ原作に書いてなくても、感情を交え聴衆に訴えるものではなかろうか。(えらそうなことを言ったけど) [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-12-12 19:19:35) |
339. 不惑のアダージョ
紅葉の美しい秋の情景に讃美歌とオルガンの音が響く。最初はシスターの日常を描いた映画かと思いきや、ダンス教室でのピアノ伴奏の際でもっと気持ちを入れてと頼まれてから、どんどん変わっていく・・・・。 台詞が極めて少ない断片的なシーンが続いていく作りは、あたかもフランス映画を見ているようだ。映画にどんなメッセージがあるのか、想像する映画であり、感じる映画である。日本の映画でこういう映画は大変珍しいが、こういう映画がもっとあってもよいと思う。ダンスシーン、シスターが自転車で疾走するシーンなど特に印象的。 [DVD(邦画)] 7点(2012-12-10 20:22:00) |
340. 君が青春のとき
お嬢様がえらく元気にはしゃいでると思ったら・・・。吉永小百合にはどうも合わないイメージだし、隠し撮りのドキュメント作りそのものが嫌な感じ。最後にどうやら持ち直したが映画は好きでない。「失敗だったが、君にとっては収穫」という言葉に救われた。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-12-09 20:08:16) |