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コメント数 1963
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361.  ニッポン無責任時代
この映画は疲れた一般サラリーマンへの励まし!毎日、毎日、朝早くから働くサラリーマン達への植木等演じる「平均」と書いてたいらひとしからの応援歌!つまり解り易く言うと「人間賛歌」そういう映画!少なくともこの映画を観て救われる。疲れが吹っ飛ぶ。気分が楽になる。そう思う男達、平社員が私も含めてこの世に大勢、いると思います。
[DVD(邦画)] 8点(2008-02-25 21:15:42)
362.  ガス人間第一号 《ネタバレ》 
ガス人間?何やタイトルだけ見ると下手なB級SFホラーものかと思うが、とんでもない。これは明らかに恋愛映画だ!それもそこらの生温い恋愛ものなんかとは全く違う。人間の持っている矛盾、身勝手さが描かれている。あの博士の自己満足の為だけに犠牲にされてガス人間となってしまった水野(土屋嘉男)の怒り、その怒りの先が自分をこのようなガス人間へと変貌させてしまった博士を殺し、そして、自分をまるで何かの見世物のような眼でしか見ることの出来ない周りの者への怒り、その怒りが観ていてもよく解るし、誰だって、水野と同じ立場になったとしたらきっとそうする筈です。そんな中で出会った一人の女性、八千草薫演じる藤千代との恋、自分がもう普通の人間でないことを知り、それを藤千代にもばらすあの牢屋の場面、藤千代の水野に対する思いが伝わる最後の能の場面、観客の汚い野次にも屈することなくガス人間である水野の為に藤千代が踊りを見せる場面、そんな踊りの横で黙々と太鼓を鳴らす左卜全の老人の姿もやたらと悲しい。例え、恋する相手がガス人間だろうと最後の最後まで踊りを辞めずに死んでいった藤千代こそ本物の人間とてしの愛情を感じることが出来る。タイトルだけでつまらない作品だと決め付けて見ない人がいるのではないかと思いますが、これは間違いなく人間ドラマとして、また恋愛ものとして見応え十分の作品です。個人的感想としては出来ることなら藤千代とあの老人の二人だけでも最後は助けて欲しかった。いや、ガス人間となってしまった水野も元の普通の人間に戻って藤千代と目出度く結ばれてくれたらと願うし、心からあの二人が結ばれることを望んで見ていた。その点が残念ではあるが、それでも素晴らしい映画に間違いはないと思う。最後にもう少しだけ言わせてもらうと、あの歌舞伎の場面、能の音楽を聞いてたら川島雄三監督の「しとやかな獣」が観たくなってしまった。
[DVD(邦画)] 8点(2008-02-17 13:26:45)(良:2票)
363.  適齢三人娘
川島雄三監督、これは良いねえ!さっき観た「夢を召しませ」がどうにもつまらなかっただげに余計に面白く観ることが出来た。やはり川島雄三監督にはこういう活気のある喜劇が合っている。いきなり訳もなく婚約を解消されることとなる姉を持つ妹を演じている津島恵子が抜群に良い。この映画の津島恵子の何という美しさと可愛さ、健気な姿が見ていて気持ち良い。彼女の演技のおかげで本来ならばドロドロとした雰囲気になりそうなところを全くそうさせず、むしろ、川島雄三監督らしいこの監督の持ち味でもある軽快さ、テンポの良さで見せる。これは川島雄三監督の映画としては知名度は低いかもしれないけど、こういう作品こそ是非、DVD化して全国のレンタル屋さんに並ぶことを願いたい。それにしても川島雄三監督の作品って他の監督さんに比べるとDVDはおろかビデオにすらなってないものが多過ぎる。外れも多いけど、このように面白い作品を山ほど撮っている監督の作品を何故、DVD化しない?川島雄三観ずして、日本映画を語るなんてことは私には出来ない。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-02-10 20:55:34)
364.  銀座化粧 《ネタバレ》 
やったあ!やっと見れたよ。長い間、探しに探し求めていたこの映画のDVDをようやく見つけることが出来たので買ってきた。これは成瀬巳喜男監督の映画の中では比較的、知名度は低いのかもしれないし、地味と言えば地味ではある。例えるなら川島雄三監督の「とんかつ大将」や同じ銀座が舞台の「銀座二十四帖」のような知名度は低くても心に残る。そんなタイプの映画だと思います。例え地味であっても、しかし、やはり上手い。相変わらずこの監督の映し出す風景の素晴らしさ、銀座の街並み、昔の銀座の感じが本当に見ていて漂う素晴らしさ、時折流れる三味線の音、夜中に店にやって来る花やお土産を売りに来る子供達、この時代は今とは違って子供も大人と混じって働かなければ食べてはいけないというようなものが伝わってきて、やはりそういう描写にしてもこの監督さんは時代背景やその時の何気ない雰囲気作りというものの描き方に毎度ながら感心させられる。田中絹代のいかにも昭和的な雰囲気漂う女将さんぶり、更には何と言っても香川京子!香川京子が画面に出てくると、それだけで周りの雰囲気も和らぎ、そして、見ていても心がほっとする。あの笑顔、口元のゆるんだ時の顔付き、どれもこれもたまりません。 また他にも田中春男が他ではなかなか見られない真面目な男を演じているのも新鮮だし、三島雅夫にしても川島雄三監督の「雁の寺」のあのスケベ坊主からはとても想像の出来ない普通のどこにでもいるような親父さんを演じているのも「おかあさん」同様に新鮮さを感じる。いずれにしてもこれまた成瀬巳喜男監督らしい時代を映すことに関して上手い一本になっていると思った。
[DVD(邦画)] 8点(2008-02-03 10:51:10)(良:2票)
365.  昨日消えた男(1941)
マキノ正博生誕百年の今年、なかなか見ることの出来ないこんな映画、貴重な一本を今夜めでたく見ることが出来た。流石はマキノ正博監督です。僅か九日間で一本の映画を撮ってしまうとは、それもただ早いだけじゃない。早い上に面白い。そこがこの監督の凄さ、偉大なところです。まずは冒頭のあのロングショット。雨のシーンの静けさから始まって、あっという間に物語の中へと入って行けるテンポの良さ、主演の長谷川一夫と山田五十鈴のやりとり、掛け合い、あのカンカンの振り付けを見せる長谷川一夫のコメディアンぶりには新鮮さを感じ、また脇役に眼を向ければ高峰秀子のあまりの可愛さ、他にもマキノ映画らしい一人一人の個性的な演技と相成って脚本の面白さを失わせることなくこのようなテンポの良い話を僅か九日で完成させるとは、いやはや、本当に頭が下がります。マキノ正博見ずして日本映画を語るなかれ!そして、同じ日本人としてマキノ正博という素晴らしい監督がいたことに誇りを持ちたいと思う。 
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 8点(2008-02-02 22:49:32)
366.  女中ッ子 《ネタバレ》 
東北は雪国秋田県から東京へとやってきた女中とその家族達との交流を描いた人間ドラマ!何と言っても主役である女中を演じてみせた左幸子の初々しさに尽きる。馴れない都会での生活、言葉使い、しかし、けして挫けることなくひたすらに頑張る姿は見ていて、頑張れ!とつい応援したくなるし、応援せずにはいられない。住み込みとして世話になる家族の中で一番の問題である下の息子とのやりとり、犬を飼ってることを親には知られたくなかったのがバレた弟を庇いながらも時には厳しく、また優しさを見せていじめっこから身を持って助ける姿、あのかけっこのシーンなんて本当に見ていて気持ちが良い。左幸子の演技とは思えない素晴らしさが子供にも伝わる。そして、見ていて私にも伝わってきました。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-01-27 12:15:48)(良:1票)
367.  浮草物語 《ネタバレ》 
小津監督によるサイレント映画の代表作!後にリメイクとして撮られた「浮草」よりもこっちのが良い。坂本武演じる喜八と坪内美子演じるおときの二人の関係、おときの優しさ、そして、そんなおときを一家に預けて再び当てのない旅へと向かう喜八。正に「男はつらいよ」の寅さんとリリーのようだ。坂本武の喜八の演技、おとき役の坪内美子にもう一人、八雲理恵子という女優さんの美しく魅力的な女性像、飯田蝶子の演技も良い味出してるし、あと、突貫小僧は相変わらずの大馬鹿ぶり、あの犬には笑った。笑った。他にも好きな場面として坂本武演じる喜八が息子と釣りを楽しんでるシーンを観て何だか同じ小津監督の「父ありき」を思い出す。小津監督らしいセリフよりも映像による力で見せる。サイレントだからこその味わいを見ることが出来るのもこの映画の魅力の一つ。これまた良いもの見せて貰った。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-01-16 21:19:49)
368.  大魔神 《ネタバレ》 
怖い。本当に怖いです。まずは冒頭の大魔神のギョロっとした眼、更にドドンドドン!と足音だけを聞かせて姿を見せない大魔神、このオープニングでこの映画の恐ろしさを物語っている。そして、前半は時代劇としてこれまた流石は「座頭市」シリーズを何本も撮ってる監督と大映だけのことはある殺陣のシーンのスピード感に加え、なかなか姿を表さない大魔神、あのはにわの姿をした大魔人の頭から血の流れる場面の恐ろしいこと。恐ろしいこと。悪人達の仕業で遂に大魔人としての姿を見せた大魔人が暴れる時に流れるあの音楽もこれまた不気味。CGなんかではないセットと模型とで作られた映像と音楽の力による迫りくる迫力、最後に怒りが収まりきらなくなるほどの暴れぷりを見せる大魔神が子供と可愛い女の見せる美しき涙の前に怒りを静め、己れの身体を溶かして崩れ消える場面など、どんなに大魔神と言われようが人間の心を持ち合わせてる姿につい泣きそうになってしまった。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-01-14 20:48:32)(良:1票)
369.  猫と庄造と二人のをんな
うわぁ~噂には聞いてはいたけど、こりゃ、何という豪華な顔ぶれ!森繁久彌に三木のり平、山茶花究と日本を代表する名喜劇役者が勢揃い!更に演技力抜群の山田五十鈴に浪花千栄子、そして、そして、そんな豪華な顔ぶれの中にあって、香川京子!こんなアクメ顔の香川京子、全編のほとんど水着姿で思い切り笑ってるあの顔、なんなんだ!あたしゃ、もう、見ていてクラクラしっぱなし!そんな香川京子の身体を撫で回す森繁久彌めっ!くそう~羨ましいぞ!にじばぶさんが書かれてるけど、これは人間の本質を捉えていて、人間と猫との大きな違いを喜劇役者達の名演技で見せてくれる。人間なんて、いかに愚かな生きものなのだろう!この映画を見ると理性というものを抑えきれない人間のだらしなさ、まるで川島雄三監督の喜劇でも見ているような感覚に陥る。それにしても香川京子ですよ。あの顔、たまらんわ!あの大きな口に噛み付きたくなる。森繁久彌が何とも羨ましいたらない。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-01-01 12:12:03)
370.  座頭市血煙り街道 《ネタバレ》 
勝新「座頭市」の産みの親である三隅研次監督によるシリーズ第17作!やはりこの監督のものは面白い。そして、何よりも殺陣のシーンの凄さ、殺気が漲っている。前半のなべおさみとの賭けごとのちょっとしたお遊び、勝新「座頭市」のユーモアも良い感じである。そんなユーモアを描きつつ、それでいて作品全体に漂う緊張感、美しい構図、映像的にもシリーズの中で上位に入るぐらいの美しさの中での緊張感漂うあの雪の中での二人の対決シーン!近衛十四郎演じる侍(赤塚多十郎)との一騎打ち!「侍なんてものは自分さえ良ければ、他人なんてどうなってもいいのかい?」と言う市の人間としてのあるべき姿、子供に対しての優しさ、子を持つ親への愛情が伺えるあのシーンのやりとり、赤塚多十郎との死闘に勝利し、去っていく市を追う旅先で出会った一人の男、そんな男庄吉の子供の涙、それを橋の下から見上げて涙する市、そう、これは時代劇ではあるけど、そこに流れる空気は、間違いなく家族の物語り!人間ドラマとしても見応え十分の作品です。
[DVD(邦画)] 8点(2007-12-19 21:27:18)
371.  ああ爆弾
オープニングの歌舞伎の世界を思わせる何とも言い様のない、得体の知らない始まり方、相変わらず伊藤雄之助の演技の可笑しさ、そして、あまりの馬鹿ばかしさ、国家権力に立ち向かう男の姿を岡本喜八監督独自の世界観によって描かれるこの変な世界はどこを取っても岡本喜八監督ならでは!伊藤雄之助の演技がとにかく凄い。銀行でのあの変な踊り、ミュージカルシーンにおける馬鹿ばかしさ、人間なんてものはいかに馬鹿な生きものか?てこれを見るとそう思わずにはいられない。布団に寝ている妻とのやりとり、お経の場面のはちきれんほどのパワー、何ともふざけているものの、そのふざけている場面においてもどこか人間の可笑しさ、哀しさみたいなものが滲み出ているのは岡本喜八監督の他の作品にも多く見られる共通点でもある。いつの時代においても岡本喜八監督が描く人間はやっぱり変人だ!そんな変な人間の変な部分を正々堂々と描こうとしている。この映画は完全にミュジカル映画に対して喧嘩を売っていると思えてならないのだが、こんなミュージカルがあっても別に良いのでは?いずれにしてもこの変てこな世界はやはり岡本喜八ワールド!他の監督にはない。岡本喜八監督の岡本喜八監督による岡本喜八作品です。
[DVD(邦画)] 8点(2007-12-15 21:18:36)(良:1票)
372.  座頭市鉄火旅 《ネタバレ》 
相変わらず勝新の座頭市はトボケた味わいと殺気が漲っていて面白い。これなんかその中でもトボけているという意味では最高かもしれない。眼啖であるにも関わらず、その巧みなまでの剣の使い方、按摩としての市も面白く、悪人に対してのあの態度、眼が見えないことを良いことに態と力を入れて悪人の肩を力いっぱいに揉む姿なんぞ、本当に可笑しい。で、今回はそんな市が飲み屋で出逢った一人の老人との話、その娘との話がこれがこの映画のキーワードとなって、色々と話に関わるのだが、何と言っても東野英治郎が抜群の存在感を示しています。殺陣のシーンの凄みは勿論、今回はそれ以上にストーリー重視の作品になっている。あと、一度しか斬ることの出来ないと言われた刀について語る場面がこの映画の中で最も印象に残る。そして、そんな刀を使って雪の降る中、悪人を叩き切る市!絶対絶命の大ピンチに、さあ、ここから先は見てのお楽しみってことで、しかし、あの市の刀の使い方、悪人のやっつけ方のあっという間の速さといい、悪いが北野武には真似出来ない。それほどの早業です。
[DVD(邦画)] 8点(2007-12-12 22:18:57)
373.  江分利満氏の優雅な生活
普通のことを普通らしくただ生きている男、それがこの映画の主人公、江分利満!この映画を見て、またこの映画の主人公の生き様こそ本当に人間らしい生き方ではないかと思う。やたら偉そうな顔をしている政治家、大金を使って他の球団からFA宣言した選手ばかりをやたらと欲しがるどこかの球団の○○恒雄!お前らのように何でも金の力を利用して這い上がろうとする奴らよりもこの映画の主人公の方がずっとずっとかっこ良い。人間らしくて良い。また、この映画の主人公にはまるで偽善的なものを感じない。だからこそそんな人間味溢れる主人公に憧れる。そういう人間をきちんと描いて見せることの出来る岡本喜八監督に憧れる。これは一人の人間の眼を通して、一人の人間の生活から人間の生き様とは何んなのか?て問いに応えている。岡本喜八監督の描く人間はいつも少し変わってはいるけど、その変わっているものこそ人間の本来の姿なんじゃないでしょうか!いずれにせよ、岡本喜八監督らしいユニークさを散りばめた人情的コメディに相応しい映画です。
[DVD(邦画)] 8点(2007-12-09 17:18:45)(良:1票)
374.  石中先生行状記(1950) 《ネタバレ》 
石坂洋次郎原作、成瀬巳喜男監督による三つのお話からなるオムニバス映画!でもって、舞台は東北は青森の田舎町、もう、これだけでこの映画の興味が沸いてしまう。日本で一番好きな川島雄三監督の故郷である青森ってだけで、何だかそれだけで良いのだ!一つ一つの話がどれも面白く見られる。第1話の木匠久美子って女優さん、初めて見る気がするけど、とても元気はつらつ、リボビダンDて感じで良い。どんな感じや?第2話の池部良と杉葉子が互いの父親のことで喧嘩してしまい、仲直りするシーンも良い。石中先生に秀一(池部良)のことを君はどのくらい愛しているのかね?て聞かれてこのぐらいと両手いっぱいに広げて見せる杉葉子の演技も微笑ましくて良い。二人の父を演じている藤原釜足と中村是好も良い味を出してます。そして、最後のお話、これは何と言っても若山セツ子の初々しさに尽きる。本当に笑顔が素敵です。勿論、三船敏郎も黒澤映画では見れない。別の意味で良い雰囲気を醸し出している。それでもやはり一番は若山セツ子!最後の方で三船敏郎と並んで歩きながら二人一緒に「青い山脈」を歌うところなんて、こんな演出をする成瀬巳喜男監督、原作者であって、タイトルにある石中先生でもある石坂洋次郎へのオマージュと感じることの出来るシーンを描く辺りは人間としての優しさを感じる良い場面だ!いずれにせよ、これまたほのぼのとして、良い気持ちにさせられるそんな作品を見せてもらった思いでいっぱいになりました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-12-09 10:13:07)
375.  やじきた道中 てれすこ 《ネタバレ》 
冒頭の溝口健二監督の名作「近松物語」のパロディ、ここで溝口健二監督のファンを誘い込むことに成功している。あとは難しく考えずに楽しめば良いのである。笑えるシーンが多く中でも柄本明が笑える。笑える。歌舞伎のシーンや首吊りのシーン、中村勘三郎と小泉今日子を交えて、あれやこれやと楽しませてくれます。溝口健二監督の映画と歌舞伎、落語が好きな人は間違いなく楽しめるはずです。 
[映画館(邦画)] 8点(2007-12-01 22:01:38)
376.  にあんちゃん
「黒い雨」以降の今村昌平作品には興味も感じなければ惹かれるものがないのたが、この頃の今村昌平作品はどれも良い。これなんか、えっ?今村昌平作品なの?て疑いたくなるほど心温まる作品になっている。この監督独特のしつこさ、ねちっこさが苦手な人にもこれは安心して奨められる。ある炭鉱の話の中で見せる兄弟達の演技に、更には周りの人たちのなんと良い人たち、見終わってああ、明日も頑張ろう!なんかそういう励ましの感じられる作品です。それにしてもやっぱりこの頃の若い長門裕之は桑田圭佑にそっくりだ!
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-11-28 21:40:38)
377.  なごり雪 《ネタバレ》 
うわぁ~平均点低いなあ!これははっきり言って駄目な人には全く受け入られない世界だろうけど、大林宣彦監督作品が好きな人には受け入れるだけの力を持った作品だと思う。確かに皆さん、指摘の通り、台詞回しも変だし、棒読みではある。しかし、これはそんなことをああだこうだと文句を言うような作品ではないと声に出して言いたい。甘くて切ない大人のためのファンタジー映画なのだ!大林監督らしい美しい映像、昔の日本映画にある匂いとでも言うのか?作品全体に漂う甘い雰囲気、その甘さこそ大林宣彦ワールドなのだ!そして、単なる甘いだけの作品ではない。甘さの中にある緊張感、サスペンス映画のような雰囲気と狂気が入り混じった。更には大林映画を語る上で絶対に欠かすことの出来ない少女の魅力、見ている私でさえも何だか恥ずかしくなるような少女趣味、そう、その少女趣味的、何と言うのが正しいのか?大林監督のロリコン的要素がずしりと詰まった危ない雰囲気、ここにどういう訳かいつも観ていて不思議と惹かれるものがある。この映画では主人公の昔の恋人で親友の奥さんでもある雪子の若き頃を演じている新人須藤温子という女優が素晴らしい。彼女の見せる一つ一つの仕草、笑顔に涙、この映画を支えているのは間違いなく彼女(須藤温子)である。タイトルの「なごり雪」にもある「雪」がこの映画の大きなキーワードでもあり、三浦友和演じる主人公とその友人ベンガルの少年時代の回想シーンの中で二人に雪を降らせてみせるシーンはこの映画の中でも一番の名場面!同じ伊勢正三の名曲を映画化した「22才の別れ」はいまひとつ乗れなかったけど、こちらは乗れた。やはりその最大の理由はやっぱりこの映画の中の須藤温子というこの当時の新人が素晴らしいから!こんなにも素晴らしい若手の女優さんをその後、生かしきれずにいる現在の日本映画に一言、言いたい。ただ可愛いだけじゃ駄目だと!この女優さんは可愛いだけでなくきちんとした芝居を出来る素晴らしい女優だ!そういう女優を見事に抜擢して見せた大林宣彦監督はやはり素晴らしい監督さんです。誰が何と言おうとこれも私の中では大林宣彦監督の代表作として評価したい。
[映画館(邦画)] 8点(2007-11-17 23:26:18)(良:1票)
378.  いま、会いにゆきます 《ネタバレ》 
以前に一度だけ見た時は、無理矢理泣かせよう!としている感じがしていたが、再び見ることにしたのは竹内結子の生前の輝いてる姿をもう一度見たくて見ることにしました。竹内結子演じる澪と少年祐司のやり取り、祐司が放つ台詞「ママは僕のせいで亡くなったの?」を聞くたびに切なくなって泣けてくる。この映画の少年祐司の様に実際の竹内結子の長男が思わなければ良いなと思えば思うほど、竹内結子の死という現実が重なって来て泣けて仕方ない。竹内結子の実の長男、そして2人目の子供にも強く生きて行って欲しい。そう思う。竹内結子の白、ひまわりの花の様な輝きは一生残り続ける筈です。それと見ていて中村獅童演じる巧の高校時代を演じている浅利陽介を見ていたら私が竹内結子という女優を初めて知った朝ドラあすかが見たくなってたまらない。最近の朝ドラきりやたらレンタルコーナーで見かけるけど、あすかもレンタル屋さんに並べてほしい。あすかでも白がよく似合っていた竹内結子、この映画でも白が本当によく似合ってました。竹内結子演じる澪に高校時代もどうせなら榎園実穂さんで見たかった。それだとまんまあすかだな!それよりあのエンディング曲は何なんだ?あのエンディング曲は最悪でした。映画自体は良い映画でした。竹内結子も最高でした。間違いなく竹内結子の代表作品でしょう! 訂正2020年10月9日
[インターネット(邦画)] 8点(2007-11-08 23:17:07)(良:1票)
379.  東京暮色 《ネタバレ》 
小津監督の映画の中でも好き嫌いで最も評価が分かれる映画ではないでしょうか!小津映画の特徴であるユーモアラスな会話がここではあまり見られない。しかし、相変わらず画面を通して、見ているこちらにも何かを訴えているようなそんな語り口を感じることが出来る。小津映画史上、最も暗い。まるでホラー映画のような冷たさ、寒さを感じる。のどかな日常の中に見える家族への問い、結婚して家を出たものの、夫と上手く行ってない姉(原節子)にそして、男に騙されて妊娠してしまった妹(有馬稲子)とこの姉妹、二人の終始怒っている顔付き、不機嫌そうな態度、その一方で妻に逃げられた父(笠智衆)と父だけでなく二人の娘まで捨てて別の男と逃げた妻を演じている山田五十鈴の演技が素晴らしい。娘からはああだこうだと散々なことを言われつつ、母親としての辛さを見事に演じ、人生の辛さとは何かを訴える。又、一方では二人の娘達がいなくなった後、一人だけの生活をするこことなった父(笠智集)の背中が語る一人暮らしの生活の寂しさ、哀愁、ラストの笠智衆演じる父のあの姿は本当に人生とは何か?一人暮らしとはこれほど苦しいものなのか?という寂しさがにじみ出ていて泣けてくる。これほど暗く重苦しい小津作品は他にはないと私は思うが、これだけ暗い内容にも関わらず音楽はどこか喜劇っぽいのは、やはり小津監督という監督さんは喜劇の監督さんだとこの映画を見て感じることも出来る。好き嫌いはともかく小津監督らしい人生に対する問いかけ、家族とは何か?そういう内容にこれもまたやはりどこから見ても小津映画!私はやはりこんな暗くて重い作品でも支持致します。
[DVD(邦画)] 8点(2007-11-05 19:49:06)(良:1票)
380.  古都(1963)
まずは何と言っても一人二役、姉と妹を演じている主演の岩下志麻の美しさに眼を奪われます。そんな岩下志麻の互いに心の中に哀しみ、人生に対する重み、辛さ、やるせなさ、人として生まれてきた以上、誰もが持っている悩み、それを見事に表情だけで演じている所にこの映画の持っている素晴らしさを感じることが出来ます。そして、言葉使いの美しさ、京言葉の美しさ、京都という日本の伝統文化の中で生き抜く二人の互いの思いやり、ここにこそ人間本来の持つべき姿があるように感じました。美しい京都の街並みを生かしたセット、映像の美しさ、構図の美しさ、何かもが京都ならではの美しさを感じる仕上がりとなっています。また、言葉使いだけでなく、その振る舞い、立ち姿まで、何かもが本当に美しく、正しく京都の女性を思わせる何とも味わい深くて、色々と考えさられるそんな内容に、見ていてしみじみ、本当に自分が日本人で良かった。この映画を見てそう感じると共に見終わった後、私も京都に行きたくなりました。
[DVD(邦画)] 8点(2007-11-04 11:19:49)
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