401. ごんたくれ(1966)
ごんたくれとは「乱暴者」とか「いたずら者」という意味の言葉らしい。この映画は、そうした定時制高校のごんたくれたちと情熱に燃える若い先生の、熱い熱い学園ドラマだ。 昔の定時制高校は貧乏で働かなければならない生徒たちの集まりだった。昼間は厳しい肉体労働、夜は寝るだけ、夕べの定時制でのひとときだけが心の安らぎという生徒も多かった。(私自身も若い頃定時制に勤務した事がある)だから通り一遍の型どおりの教えでは授業は成り立たない。まさにバトルである。この映画は、こうしたきびしい現実をふまえ、情熱的にリアルに描いた人間ドラマである。 今の時代にも、金八先生など熱血学園ドラマは多々あるが、本当のぶつかりあいという点ではどうだろうか。そう金八先生より仲間由紀恵の「ごくせん」の方が近いかな。そういえば、この映画はごくせんの大江戸一家の親分宇津井健が主役だ。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-09-23 07:48:29) |
402. 海女の戦慄
おっぱいの大きい海女さんにつられてみたが、それだけの映画だった。とてもミステリーといえるものでもないし・・・。こういう映画を作っていたら新東宝も消えていくのは当然か。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2012-09-19 09:23:07) |
403. お嬢さん社長
シルクハットに燕尾服で歌う美空ひばりが、いつのまにか「お嬢」と呼ばれるまでに成長した。16とは思えないくらいほどの大人ぶり、美しくもなったと思う。そうは言っても社長としてはまだまだ、しかしなかなかの奮闘ぶりだ。ひばりの才能を十分に発揮しているところが良い。ところで気になったのが、最初の方でタクシー代80円を1万円で払おうとするシーンがあるが、まだこの頃は1万円札も5千円札もなかったはず、はてな?である。 [DVD(邦画)] 6点(2012-09-17 10:10:48) |
404. あの丘越えて
「イヤッホー、イヤッホー」ヤッホーではなく、「イ」が入るというのが、何とも言えない魅力、ひばりの歌の中では好きな歌のひとつ。映画はちょっぴり和製アルプスの少女を思わせるのだがストーリーはいまいち、新鮮味がないというか少々物足りない。婆やの飯田蝶子や孫娘と思ってかわいがる河村黎吉に味がある。 [DVD(邦画)] 5点(2012-09-17 06:26:43) |
405. 愛染かつら 総集編
「愛染かつら」という映画は知らなくても、「花も嵐も 踏み越えて~」で始まる歌を知っている人は結構いると思う。戦前の大ヒット曲「旅の夜風」である。私の子どもの頃、戦前戦後のなつかしのメロディとして必ずと言って登場したもので、映画「愛染かつら」の主題曲だった。映画は戦前の作だけあってなかなか見ることができかったが、田中絹代生誕100年記念のDVDでようやく念願かなった。 フィルムも痛み総集編だけしか残っていないのが非常に残念なことであるが、それだけに大変貴重なものだ。若かりし田中絹代や上原謙が見られるだけでもとてもうれしい。 京マチ子、岡田茉莉子を見ても、高石かつ枝はやっぱり・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2012-09-15 15:16:43) |
406. 連合艦隊
主役級の新旧の超豪華スターを何人もそろえ、誰が主役がわからないほどの贅沢な映画だが、その分まとまりのない映画になっている。片方で真珠湾からミッドウェー、ガダルカナルと太平洋戦争の流れを追っているかと思えば、中途半端な人間ドラマが入って緊迫感はないし・・・。太平洋戦争が何だったのか、どうして起こったのかなど肝心な点は伝わって来ず、何をどう描きたかったのかがわからない。 [映画館(邦画)] 3点(2012-09-15 01:51:08) |
407. 正午なり
芥川賞作家丸山健二の原作、名投手金田正一の息子賢一の映画初出演、漫画家福地泡介の脚色と何かと話題になった映画で、キャスト・スタッフにも聞き慣れない名前が目立つ。その中でひときわ光るのが色気ムンムンの結城しのぶ、ぞくぞくとする美しさだ。 都会や女性に憧れながらも、思うままにならないやるせなさを見事に描いてはいるが、単調さも目立ちじめじめしていると思う。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-09-14 08:39:36) |
408. 愛染かつら(1954)
《ネタバレ》 「君の名は」とともに昭和を代表する日本のメロドラマだろう。過去何度も映画化された「愛染かつら」だが、やはりラストの看護婦姿で歌うシーンは印象的。この映画にはおまけが付いていて、岡本敦郎の「憧れの郵便馬車」や、「水色のワルツ」も聴くことができる。ただ映画としては少しあっさりしていること、特に「愛染かつら」のいわれのある樹のシーンが、ないのに等しいのは残念。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-09-13 23:09:49) |
409. グッドナイト&グッドラック
《ネタバレ》 内容が内容だけに十分理解できたとは思えないが、それでもマローとその仲間たちのマッカーシズムと正面から堂々と戦う姿勢が十分に伝わってくる。これぞまさしくジャーナリズム精神だ。映画のモノクロトーンは単に雰囲気作りではない。この映画にはマッカーシー本人を初め50年代の記録映像がふんだんに使われているが、それは50年後のクルーニーらの現在の映像と見事に重なり合い、マローとマッカーシーが本当に対決しているかのように描いている。またジャズシンガーのダイアン・リーヴスも音楽だけでなく本人自身が歌っているというのも雰囲気作りに貢献している。正統派の真面目一本で作られている映画の中に一瞬笑える箇所がある。そうあのシー・イット・ナウの本番中に電話回線を切ったシーン、放送終了と同時にたくさんの電話が殺到すると思いきや何も起こらない。そして背後から「電話をつないでも?」 [DVD(字幕)] 8点(2012-09-11 20:59:22) |
410. ここに泉あり
《ネタバレ》 戦後まもない日本、しかも一地方都市高崎に交響楽団を設立するという極めて困難な中での物語。いやこれが実話に基づく映画というのだからすばらしい。主役は岡田・岸の二人なのだろうが、助演の小林桂樹の熱意がすごいと思う。何度も危機に陥り解散まで考えた楽団を救ったのが「赤とんぼ」とは。他に「この道」や「からたちの花」などたくさんの童謡や歌を作った山田耕筰、彼は管弦楽曲なども作曲し日本のクラシック音楽界をリードしてきた人であるが、映像として見るのはもちろん初めて、感慨深い。なおピアニスト出登場する室井摩耶子さんは今なお現役90歳のピアニストだという。映画で有名なクラシック音楽をたくさん聴けるのが良い。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-09-10 10:28:39) |
411. 桃太郎侍(1957)
子どもの頃見た映画だが、何せ後の高橋英樹主演のテレビドラマシリーズの印象が強すぎてよく覚えていないと言うのが本音。昔は正義の味方が悪者をやっつける時代劇映画がよく流行っていた。その定番とも言えるような映画。 [映画館(邦画)] 6点(2012-09-10 05:34:56) |
412. お父さんはお人好し
《ネタバレ》 私の子どもの頃、人気があったラジオドラマと言えば「お父さんはお人好し」 花菱アチャコと浪花千栄子の夫婦に子ども12人が繰り広げるドタバタ喜劇だったが、とにかくおもしろかった。最後の決め台詞はアチャコさんの「もうー、無茶苦茶でございますがなー」映画も家族で見に行ったけど、この映画だったかどうかはわからない(何本かシリーズになったので)だけど映画もラジオ同様のおもしろさだった。ちなみに子どもの名前の付け方が振るっている。京都→京子、大津→乙子、米原→米太郎と東海道線の主な駅名を順にたどって、最後は品川→品子に新橋→新子と続くのだ。アチャコさんと浪花千栄子さんの会話のやりとり(かけあい)は天下一品で、本物の夫婦と思っていた人もたくさんいたという。 [映画館(邦画)] 7点(2012-09-09 20:19:18) |
413. 体当り殺人狂時代
喜劇の神様と称された斉藤寅次郎の映画だからおもしろさは保証付き。テンポが良いのがとても好き。煙突掃除屋の掘立小屋にもオートメーション?の発明品の数々、思わず笑ってしまう。何と若き日の池内淳子さんが出ているのだ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-07 17:16:46) |
414. 猛獣使いの少女
美空ひばりと同年齢であり、彼女と同様天才少女歌手としてデビューした江利チエミの初主演映画である。このとき江利チエミ15歳ながら堂々としたもの、映画は当時実際に来日興業を行っていたサーカスの一団の協力を得て作られた。千秋実の好演が光る。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-07 07:37:00) |
415. 妖精は花の匂いがする
女子大生が授業料のためにモデルになる、ヌードになる、この時代ではやはり相当スキャンダラスなこととされていたのだろう。しかし元はと言えば病身の姉の治療費という涙ぐましいものなのだが・・・。久我美子は好演、この人は由緒ある家柄で学習院出身というのだから、映画スターになるのも同様なことだったのかしら。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-09-07 00:47:45) |
416. 石内尋常高等小学校 花は散れども
《ネタバレ》 良人、三吉、みどりの3人の子供たちと市川先生夫妻を中心にした前半の物語は非常におもしろい。これが90を過ぎた映画監督の作だろうかと疑いたくなるほど実に若々しい。中盤は30年ぶりの同窓会、戦争を挟んでいることと広島ということもあり、戦争の痛々しさを感じずにはおれない。ここまでは高得点、だが市川先生が倒れて亡くなるまでがどうも冗長に思う。ここで老監督らしいゆっくりとした時の移り変わりを感じなければならないのかもしれないが、私には不向きだ。特に言語障害でものが言えないと言いながら「やーまーざーきー、こーいーのーはーつーたーびー」と一語一語はっきり言うのには参った。これじゃ通訳も何もいらずにわかるじゃないか。それから良人に関して、ぐずで決断力がないままうじうじするのも好きじゃない。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-05 21:34:54) |
417. エデンの海(1976)
《ネタバレ》 百恵主演で唯一、三浦友和と共演していない映画。転任してきた教師と感受性の強い女子生徒とのラブロマンスだが、けっこうまじめに爽やかに作られている。とは言ってもやっていることは、誤解されやすい行為と問題行動とにらまれることばかりなのだが・・・。ラストで他の女子生徒たちが「先生やめないで」という気持ちもよくわかる。 [DVD(邦画)] 6点(2012-09-04 22:37:06) |
418. ベルナのしっぽ
《ネタバレ》 視力を失った者と盲導犬の物語というとおおよその見当はつくのだが、それでもなお感動に値する映画。おかげで盲導犬に対する理解も深くなったと思う。途中「目が見えないお母さんなんて嫌いだ」と子ども泣いたときは、本当にこっちまで泣いてしまった。 [DVD(邦画)] 8点(2012-09-02 21:17:43) |
419. こころ(1955)
《ネタバレ》 「先生と私」「両親と私」「先生と遺書」と三部に分かれる長編小説を、よくぞ映画にしたと感心せざるを得ない。小説でもいろいろなことが起きて変化に富んだ物語であれば映画化は容易だろうが、途中をずいぶん端折って読んだ私にはこれが映画化されているとは思わなかった。映画を見て、なるほどこういう流れだったのかとわかりもしたが、改めて小説を読み直して、逆に映画だけで理解できるのだろうかとも思った。 先生はなぜ一人で友人の墓参りをするのだろうかとか、どうして隠遁生活みたいなものを送っているのだろうかなどの疑問は映画を見ているうちわかってくる。しかし自分の秘密をどうして打ち明ける気になったのかは今ひとつピンとこない。そして一番気になったのは森雅之、先生役は良いが回想シーンで書生になるのはどうしても無理に思える。 [DVD(邦画)] 5点(2012-09-02 11:07:10) |
420. 白蘭紅蘭
ちょっぴりサスペンスで、ロマンスも含んだコメディっぽいドラマである。本物竹村千草と偽物竹村千草が入り交じり、相当おもしろい。隠れた名作と言っても良いのでは・・・。久我美子が何とも言えない魅力的な小悪魔?を演じるのが興味深い。対する沢村晶子はこの映画で初めて知ったが、久我とはまた違う結構な美人でかわいい。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-09-01 16:21:43) |