441. 生きものの記録
晩年訴え続けられる原水爆への想い、この老人こそが黒沢監督なんだろう。核の恐怖に恐れおののき狂ってしまうほど純な人間と核を政治の道具として弄ぶ人間とどちらが本物の狂人なのか。 8点(2004-02-13 21:12:35) |
442. 素晴らしき日曜日
戦後まもなく金も何も無いカップル、日曜日のデートでのささやかな幸せ。女の子ってのは健気で前向きで未来が見えるものだが、男ってのは今も昔もどうしてダメなんだろう、ダメさ加減がなんともいい感じです。 6点(2004-02-12 21:56:02) |
443. RED SHADOW 赤影
あまりの評判の悪さに長らく敬遠していたが、期待がなかったのが幸いし楽しめました。麻生久美子は最高ですな。奥菜恵はあまり好きではないのだが充分彼女の良さがでているのでは?中野監督の女の子はかわいい。赤影・青影もいいんじゃないでしょうか、白影は竹中色になってしまうので面白いが気に入らない。フミヤや舞の海も良かったよ。むしろベテラン俳優さんに問題がある気がする。 6点(2004-02-12 21:06:30) |
444. 麦秋(1951)
「晩春」ではまだ自ら望んでというより、周りに薦められ、父への反発などから結婚する女性でしたが、今作では周りの反対がありながら自ら求められる所へ望んで結婚する。日本の女性のスタイルというのが徐々に変化してきていたのだろう。 6点(2004-02-10 14:50:02) |
445. 早春(1956)
サラリーマンの日常から人生の無常さを見事に伝えてくれる作品。戦争で生き残りサラリーマンとして生きる主人公、人生をどこか諦めている雰囲気を持ち流されているような存在。地方へ飛ばされた仲人、脱サラした会社の先輩、若死にする同僚、学のない職人の戦争仲間、自らの転勤、定年を迎える客、唯一の救いのはずの不倫も妻との確執を生む。人生思い通りにいかない事ばかりで憂鬱になりそうである。そんな中で最後までついて来てくれる存在はやはり妻なのか。会社の廊下シーンで初めてカメラが動いた時は感動した、まるでシャイニングで子供が三輪車?で廊下を走っているシーンのようだった。 9点(2004-02-10 14:32:57) |
446. 白痴(1951)
本来4時間超の話しを無理矢理縮めているため繋ぎの悪さが随所に見られてしまう。主人公が白痴である必然性をあまり感じられない。優しさを売りにしながら実は単なる優柔不断な男に見えてしまう。結果論、最後に白痴というオチで良いのではないだろうか。 5点(2004-02-08 21:09:02) |
447. 續・姿三四郎
前作は柔道対柔術でしたが、今作ではより総合格闘技化しています。日本人対米国人というのは外せなかったんでしょう。武道かエンターテイメントか、現在も問われる問題ですね。柔術家がリングに上がる様は曙がリングに上がるのを思い出させる。ただラストがあまりに尻切れトンボな気がします。 6点(2004-02-08 14:58:56) |
448. 姿三四郎(1943)
柔道の創生期、柔道対柔術などを題材にしており、荒々しさ、猛々しさの中に心技体を求める三四郎の姿が良いのでは無いでしょうか。ただラストの死闘があまり迫力が伝わってこない。 6点(2004-02-08 12:44:50) |
449. 顔(1999)
ヒキコモリ的後ろ向き逃避行と殺人による前向きな?逃避行、社会から逃げながらも人間性を取り戻してゆく。また名優・藤山直美は全てにおいて真面目に演じている、これが何とも可笑しくて堪らない最高のコメディ。 7点(2004-02-06 16:03:12) |
450. 八月の狂詩曲
なんで黒澤がこんなベタな演出の反戦映画を?なんて思ってしまいそうですが、この白々しさにより相反して原爆の悲劇という事実が色濃く浮き立たせ、戦争のリアルさを際立たせる。世界各国から原爆のモニュメントがある中に米国が無いにもかかわらず、ハリウッドトップスターであるリチャードギアに、原爆被災者であり、夫を失ったおばあさんに謝罪させている。こんな事出来るのは世界中探しても黒澤しか出来ないのではなかろうか。リチャードギアの白痴な笑みはまるでそんなこと判ってなさそうだが・・・ 8点(2004-02-06 00:53:50) |
451. 晩春
ストーリー自体は、その後こういった話しが数多く作られているので特別な想いもありませんが、出てくる絵には少々感動を覚えました。七里ガ浜や江ノ島、鶴岡八幡宮、観光客のまるでいない京都清水寺、極め付きは竜安寺石庭、石庭の荒涼とした向こうに見える修復前の傾きかけた土塀が侘び寂びを感じさせ、それを眺める父娘がなんとも決まってました。 7点(2004-02-03 01:06:23) |
452. 冬の日
芭蕉の連句「冬の日」を連句同様、内外のアニメーター達によって描いた連句アニメーション。それぞれ独自の解釈、独自の世界観が出ており、引き込まれました。後半は各人による解説的な部分もあるので、より深い意味を知る事が出来る。 7点(2004-01-29 22:02:30) |
453. 醜聞(1950)
言論の自由、名誉毀損、プライバシーの侵害これら問題が日本は未だに当時と変わらない状況であり、結局は泣き寝入り、人の噂は七十五日といった感がある。そんなスキャンダルな映画かと思いきや、実は苦悩に満ちた貧乏弁護士のスキャンダルとかかっており、しかし星が誕生する瞬間というきれいな表現で清々しさが残るスッキリとまとまったいい映画でした。 7点(2004-01-28 00:56:34) |
454. ハリウッド★ホンコン
肥ったオッサンが豚を捌く姿がカルネを髣髴とさせ期待感を煽られたがココまで。少女も可愛くて良いのだが、ハリウッドと呼ばれる上流階級とダイホム村の彼等の生活、この関係がどうも伝わってこない。知らない人間には判り辛く、楽しめなかった。 3点(2004-01-23 23:06:05) |
455. Laundry ランドリー
この手の窪塚くんの芝居に飽きてしまって、チョッときつかったです。もう少し引き出し増やして欲しい。 3点(2004-01-23 22:25:27) |
456. 頭山
落語「頭山」を題材にした短編アニメ。頭山のシュールでナンセンスな笑い、スケールの大きな宇宙観に感心。私は「千と千尋の神隠し」より好きですよ・・・負け惜しみに聞こえるなぁ。 7点(2004-01-22 10:50:23) |
457. 東京暮色
《ネタバレ》 深い悩みは家族ほど打ち明けられず、他人ほど判るものである。妻が去った理由、次女の死の理由、他人となった母だけが理由を知り自責に駆られまた去ってゆく。理由を知ろうとしない者だけが、何も無かったように日常へと戻ってゆく。オープニングの小料理屋の女将、エンディングの家政婦とのやり取りの間に様々な事件が起きていながら無いも変わっていないように見えてしまうそれこそが日常なのか。全てを受け入れながら生きるのも辛い人生である。 8点(2004-01-20 22:52:12) |
458. 友よ、静かに瞑れ
死期の迫った友人の嫌疑を晴らすため、土建屋、警察までもが癒着する中ただ一人で男の対決する。嫌疑が晴れ死を覚悟した男は息子に死に様を見せ眠る。ウーン鼻の奥が熱くなったもんだ。 6点(2004-01-20 00:17:33) |
459. 新・喜びも悲しみも幾歳月
前作がいいからと親に連れられ観たのだが正直まるで楽しめなかった。燈台守一家の話しで、何十年の経過を強引に3時間くらいにまとめたため、上っ面ばかりで深みが無く勝手に話が進んで行き何が言いたいのやらさっぱりでした。 1点(2004-01-19 23:59:45) |
460. 六月の蛇
死期が迫る男へ生きる喜びを与えた女、その男が最期に選んだ本当にやりたいことが女を心身ともに解放することだった。女もまた自ら最期にやりたいこととして自らを解放する道を選ぶ。雨の中全てをさらけ出しフラッシュの光に犯される。2人の肉体関係の無いSEXにより夫も溜め込んでいた想いが解放されてゆく。これは塚本監督の「生きる」なんだろう。 8点(2004-01-19 22:14:46)(良:1票) |