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青観さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 1963
性別 男性

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501.  地獄門
長谷川一夫と京マチ子の二人を見ると真っ先に溝口健二監督の名前を思い出す。この二人共、溝口作品において、インパクトのある演技を見せている。そして、今作でも印象に残るであろうこの二人、長谷川一夫のどこまでもしつこい男ぶり、女からしてみたらこんなしつこい男はごめんであろうし、男の私からしてもこのしつこさは異常であるとしか思えないぐらいのしつこさである。そんなしつこい男に好かれる女、京マチ子はまるで百人一首に出てくるような女の感じが凄くする。映像的な美しさは皆さん指摘の通りで本当に素晴らしい。しかし、物語としてはそれほど面白くもない。けして、つまらないわけでもないし、まずまず楽しめるものの、期待したほどのドロドロさ、凄みはあまり感じられなかった。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-07-28 21:44:49)
502.  瀬戸内少年野球団
夏目雅子の遺作!野球映画として見るとかなり物足りないことは否定しませんが久しぶりに拝見してみて、やはり夏目雅子の美しさが輝る。篠田正浩監督という人の作品はハズレばかりの中で、この作品が一番好きです。瀬戸内海の美しい街並み、インザムードのあのグレンミラーの音楽、そして、やはり夏目雅子!それにしても監督に恵まれないまま僅か二十七歳という若さで亡くなってしまったこの夏目雅子という女優の輝きと美しさは永遠のものであるし、監督にさえ恵まれれば映画史に残るだけの素晴らしい映画を沢山残すことが出来たと思うととてもやりきれない。昨今の日本の女優にはない本物の女優としてのオーラ、美しさが画面を通して見る者に迫ってくる。本来なら6点ぐらいの作品であるも、夏目雅子の魅力で1点追加ということでの7点!
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-07-27 18:02:29)(良:1票)
503.  四つの恋の物語(1965) 《ネタバレ》 
吉永小百合、和泉雅子、十朱幸代、芦川いづみとビデオのシールにも書かれてるけど、納得出来ない。どう考えてもこれはおかしい。絶対に変だ!この作品は芦川いづみと和泉雅子の二人のものだ!四人の姉妹の中で芦川いづみと和泉雅子の二人が抜群に良い。芦川いづみがママさんなら毎日でも通う。芦川いづみはやはりいつ見ても良い。そしてびっくりするぐらい和泉雅子が良い。こんな可愛くて健気な和泉雅子となら競馬場に行くのも楽しいだろうし、負けても良いとさえ本気で思えてしまう。あとの二人に関してはまずは吉永小百合、やはり苦手だ。苦手なものはどうしようもなく、これだけは変えられない。十朱幸代もあまり好きではない。吉永小百合ほどではないが苦手な女優の一人でもあり、ここでも芦川いづみと和泉雅子に比べて陰が薄い。芦川いづみと和泉雅子の二人のやりとり演技に父親役の笠智衆の寅さんシリーズの御前様みたいな感じが良い。大した話でもないがこの三人が良いから見てられるけど、そうじゃなきゃ多分見てない。芦川いづみがいるといないでは大違いである。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-07-26 15:07:47)
504.  フランケンシュタイン(1994)
これ、確か劇場で見てるはず。何だかホラーてよりは恋愛もの、それも悲しい話だったような気がする。ヨーロッパ映画ぽい雰囲気を感じるし、なかなか見応えのある作品になってた記憶があります。ところで、デニーロ!仕事選べよ!普通じゃない人間を演じても凄いのに、今度は人間ではなくフランケンシュタインとは、人間じゃない怪物を怪物らしく怪物的な演技とメイクで見せるデニーロの化け物ぶりは、正に仕事の為なら役を選ばない。何かこの作品あたりからやたら色んな作品に出るようになった気がするけどギャンブルで負けて借金でもしてんのかな?て言いたくなるぐらい、本当に仕事を選んで欲しいと思わずにはいられません。
[映画館(字幕)] 7点(2008-07-23 23:03:51)
505.  妻として女として 《ネタバレ》 
凄いねえ!女の恐ろしさと男の駄目さ加減がここまで徹底して描かれているのがまずは何よりも凄い。そして、その凄さを表現して見せているのは二人の女優、高峰秀子と淡島千景、更にそんな二人の間でただただウロウロしているだけの駄目亭主ぶりの森雅之、妾である高峰秀子と正妻淡島千景の女同士の凄まじいバトルの間で何一つとして出来ずにいる森雅之の駄目ぷりが素晴らしい。こういう駄目男、そして、常に何かに対してイライラしている男のだらしなさを演技させるとより凄さを発揮するその名演技ぶり、成瀬監督らしい女の強さと弱さ、男のだらしなさを描く中で高峰秀子と飯田蝶子のやりとりの可笑しさが単なるドロドロした作品でない面白さを見せてくれている。この映画、高峰秀子の友達が皆、誰かしら男がいて愛人であるというのも面白い。また、水野久美の女スパイもこれまた似合いすぎだし、キャスティングの妙とでも言っていい面白さというものがある。星由里子の可愛さも印象に残るし、そんな星由里子が二人の女、高峰秀子と淡島千景に向って吐く捨て台詞における強烈なまでのパンチ、家を出た二人、弟と最後、映画でも観に行こうかと去っていく終わり方も成瀬監督ぽい。あの二人が観に行った?本当は観に行かなかったのかもしれない?が何の映画を観に行ったのか気になる。観る者に対し想像させる力をここで教えてくれているような感じがするのもこの映画の良いところではないだろうか!それにしても浮気は金がかかるけど本気は金がかからないなんて台詞が出てくるのを聞いたりすると、そういうものかな?と考えたくもなるし、これを観たら恐ろしくて私など浮気なんて絶対に出来なくなる。そういう色んなことも真剣に考えさせる力の持った作品だと思いました。現在、きちんとした奥さんがいるにも関わらず別の女と浮気中のあなた!若しくはこれから浮気しようなどと本気で思っているあなた!そういう方にこそ見せて女の恐ろしさを教えてやりたいと監督がまるで言っているようでもあり、いやはや、本当に怖い。怖い。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2008-07-21 14:38:10)
506.  桃の花の咲く下で 《ネタバレ》 
笠置シヅ子演じる紙芝居屋さんと大勢の子供達が歌いながら歩いてやって来る場面を見て、思わずマキノ正博監督の大傑作「鴛鴦歌合戦」を思い浮かべてしまった。何とも軽快な感じの始まりも日守新一が出てきた途端、急に湿っぽくなってしまい、どうも日守新一が出てくるとその顔付きがいつでも暗く感じてしまう。しかし、その一方でこの映画は何と言っても笠置シヅ子の紙芝居と歌による明るさとそれを観て、または聞いて楽しそうにしている子供達の健気さが作品全体の空気をとても良い雰囲気に変えてくれている。清水宏監督の映画を観るのはこれで3本目だが、どの作品も全編に流れる空気と懐かしさ、心地の良い音楽と本当にそこにあるCGなんかじゃない、本物の大自然を生かした映像とが観ていて心癒される。それほど大した面白味のある話でもない今作にしてもやはり自分が子供の頃に楽しんだ紙芝居や桃の花の咲く下でとタイトルにもあるように木の下で大人達と歌ったり遊んだりした懐かしい思い出が甦ってきて、それでけでもこの監督の映画は観ていても嫌な気持ちにはならないし、観て良かったと言えるものがある。ラストの桃の木の下で聞えてくる歌声の響き、ここでスッパと終わらせることで残る余韻、清水宏監督は余韻の残せ方も上手いと感じる終わり方、いつまでもぐたぐたと引っ張らない所もこの映画の良いところです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-07-21 11:44:36)
507.  何故彼女等はそうなったか
清水宏監督の作品を観るのは「有りがたうさん」に次いでこれが2作目だが、これはもう、話そのものよりも香川京子、香川京子あってこその作品です。小津映画でもなく、溝口映画でもなく、成瀬映画でもなく、黒澤映画でもない、なかなか観ることの出来ない姿がここに映されているだけでも観て良かったと思える。話としての面白さや会話、フレーズとでも言うべき方が良いかもしれない言葉による可笑しさ、楽しさはあまり感じられなかったし、同じ清水宏監督の「有りがたうさん」のような滲み出る笑いと皮肉のようなものもないし、作品としての完成度もそれほど感じない。それでも良いのだ!ただただ香川京子の美しさ、それが観れればファンとしてはこんなにも嬉しいことはない。そういう作品だというのが、この作品に対する感想です。それにしても、にじばぶさんの香川京子への想い、ふくらはぎとかかとに対する執着心とでも言うべきか?足フェチぶりとでも言うべきか?同じ香川京子ファンとして、尊敬する以外、ございません。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-07-20 23:37:51)(良:1票)
508.  遠い雲
高峰秀子が二人の男から愛される女を演じている。かつての恋人ともう一人の別の男、この二人から受ける愛に対して苦しむ姿を演じてるのたが、こういう役柄を演じても全くもって嫌味なく演じることの出来るところが、この女優の凄さであるとこれを観るとそう感じます。話そのものはごく普通の男と女のメロドラマっぽい作りで平凡な出来ではあるが、高峰秀子という女優の素晴らしさ、凄さを体験出来るという意味において、この映画は高峰秀子の映画だ!
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-07-17 21:07:17)
509.  青年の椅子
石原裕次郎と芦川いづみ、このコンビの作品を久しぶりに観たけど、どの作品もパターンは似ている。しかしながらそのパターン、つまりはマンネリしているが、観ていてもけして嫌な気持ちにはならない。いや、正確に言えば今作では観ていて腹の立つ奴の方が多いものの、石原裕次郎とそれ以上に芦川いづみが良い。だから大きなマイナス材料にならない。そんなに特別面白い作品ではない。しかし、芦川いづみがいる。それだけで良いのだ!芦川いづみの出番が少ないと物足りないし、観ていてもつまらんと感じる内容のものでも芦川いづみが画面の中で動き回る。出番が多いと私はそれだけで観て良かったと思えてしまうのです。そういう女優の代表が私にとっては芦川いづみという女優なのである。本来なら5点レベルの出来も何度も言うように芦川いづみ、芦川いづみ、芦川いづみがいる。出番が多いからこそこの点数!石原裕次郎を見る芦川いづみの視線がいつも良いのです。北原三枝も嫌いではないけど(特に好きでもない)石原裕次郎映画に最も相応しいヒロイン、女性は芦川いづみだと思ってます。ファンの方には申し訳ないけど間違っても吉永小百合ではない。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-07-15 20:49:35)(良:2票)
510.  大菩薩峠 竜神の巻
市川雷蔵の机竜之介、第二弾は前作同様、相変わらずクール、しかし、今作の目玉は何と言っても中村玉緒である。前作以上に女の悲しみ、愛する者(机竜之介)への思い、情念というものが感じられる。この頃の中村玉緒、本当に可愛い。これを観たらそりゃ勝新が惚れるのも解る。前作同様、なかなか見応えのある内容になっている。映像の美しさ、そして、市川雷蔵のかっこ良さと美しさ、この後の完結篇も楽しみです。
[DVD(邦画)] 7点(2008-07-14 21:19:12)
511.  盲獣 《ネタバレ》 
ヤバイです。もう最初からとにかくヤバイです。緑魔子演じるモデルの彫刻を撫で回す船越英二、物凄い変態ぶりです。増村保造監督、もう、あなたの創る世界は本当にどれもがヤバイです。本当に変態です。変態映画を撮らせたらこの監督の上を行く者はいなでしょう!船越英二のあの変態ぶりに加えて緑魔子の変態女ぶりも凄まじい。生まれた時からずっと眼が見えなくて不自由な生活をしてきた船越英二、この二人と船越英二を一人で育ててきた母親との壮絶なバトル、息子への嫉妬、息子を逆に誘惑する女への嫉妬、女と女の女にしか解らないであろう嫉妬、監督の増村保造て人は男なのにどうしてここまで女の気持ちを描けるのか本当に不思議だし、頭が下がる。謝って母親を自分の手で殺してしまった息子、船越英二と悪魔のような女、緑魔子の二人の演技が本当に怖いぐらいで間違っても夜には見れません。あの女の人の裸ばかりの蝋人形のセットも本当に不気味!人間の感覚をまるで人間ではなく昆虫のようにして描くと同時に人間の愛の怖さ、深さまで同時に描き切る。正しくこの監督の本領発揮の凄い映画!あまりの怖さにもう一度、観たいとは思えないが、ここまで人間が壊れていく様子を描いた作品はそうはないと思うぐらいこれは観ていて本当に怖かった。正しくタイトル通りの映画だと感じるとにかく怖い、怖い、そして、何もかも本当にヤバイ映画です。
[DVD(邦画)] 8点(2008-07-13 11:33:28)(良:3票)
512.  痴人の愛(1967) 《ネタバレ》 
増村保造、この監督はやはり変態だ!しかし、単なる変態では済まされないような何か男と女の本質、本当の愛の形というものを徹底して見せつけられたようで怖い。とにかく怖かった。小沢昭一演じる工場で働くどこにでもいそうなごく普通の男が安田道代演じる肉体を武器に色んな男を相手にする下品でどこまでも自由気ままな性格のこの一人の女、ナオミを自分の部屋でペットとして飼う。その凄まじいことといったらない。この凄まじい描写、例えば女が男に跨り、馬乗りになって命令する。男はそれにただ従うだけ!愛する者同士、しかも、この二人は共に不器用で相手に対して、本当の愛というもの、気持ちというものを上手く言えないのである。そんな不器用な男と女、これこそこの増村監督らしいいかにも変態ぽさを醸し出す演出、ナオミ(安田道代)を信用出来なくなった譲治(小沢昭一)の追い出した後のあの寂しそうな表情に男の本当のだらしなさ、刹那さが観ていても痛いほど解りすぎて本当に切なくなってくる。ナオミの譲治への仕返しもこれまた女の怖さ、執念の凄さを感じることが出来る。ナオミにもう、あなたとは友達であって、それ以上ではないわと言われ、それまではナオミの肉体を好きなように見たり、さわったりしていた譲治が気がおかしくなって「ナオミーーーー!じらさないでくれーーー!」と絶叫する場面など正しく男の弱さとだらしなさ、気持ちをストレートに表していて、思わず爆笑してしまったものの、増村映画の特徴とも言える弱い男の気持ちを見事に表した素晴らしい場面だと感じることが出来る。増村映画に出てくる男と女はいつも他人には解らない、本人同士しか解らない痛み、辛さというものが描かれている。お互いが相手を本当に愛して病まないからこそ伝わる痛み、それがあの馬乗りのシーンの痛さと殴られる痛み、殴る痛み、心の痛み、この映画は男と女の心の痛みを不器用な二人の男女の眼を通して描いている。ラストの馬乗りでの小沢昭一の譲治と安田道代のナオミの互いの気持ちを確かめ合う台詞はお互いの不器用さが見ていてとても辛くて泣けてきそうでした。この二人を主役に選んだ監督のセンスの良さも評価したい。
[DVD(邦画)] 8点(2008-07-12 11:01:58)(良:1票)
513.  妻という名の女たち 《ネタバレ》 
おっと、これまたにじばぶさん、お先に失礼!て何だか川島雄三監督の傑作「幕末太陽傅」の中のおそめと金造みたいだな?あっ!おそめといあ、左幸子、ここでも凄いです。この女優の演技力は日本映画の歴史において女優の中では群を抜いてます。また、こういう役柄、きちんとした奥さんがいる相手に対して惚れる女、愛人役、そして、娼婦の役、水商売役を演じると更に凄みを感じるから本当に恐ろしい女優さんだ!司葉子というこんなにもお美しい奥さんがいるのもご存知の男の所にやってきてはその演技の上手さがとにかく凄いので、見ていても相手の男、今作で言えば徹底的に駄目男、どうしようもなく優柔不断で歯がゆい小泉博の駄目男ぶりが余計に目立つ。そんな駄目な男を亭主に持つのがあの司葉子、日本で一番スーツ姿にスカートと腕時計の似合う女、司葉子でこの何ともドロドロして冷え切っている夫婦の関係、どこにでもありそうなそんな内容の中におけるこの司葉子のあの細い腕と手首に巻かれてる腕時計、あぁぁぁ、あの腕時計になりたい!もう、話よりも司葉子の美しさ、顔からあの首筋、うなじから腕、足ともう、何だかこう書いてると私はタダのドスケベ親父にしか思えないのだが、本当に司葉子、何かもが本当にお美しい。美しすぎる。そんな司葉子という奥さんがいながら左幸子と浮気する小泉博めっ!裁判所が向こう(亭主)の方を持つなら俺が代わって制裁してやるって「夕焼け小焼け」の寅さんかよ!おっと、何だか話がそれてしまってるなあ!見ていて小泉博に腹が立つわでイライラも最高潮に達している所であの左幸子と司葉子の二人ですよ。二人揃ってこの駄目男小泉博を捨て、去っていく。やったあ!良いぞ!それまでのイライラがここで一気に解消された。しかし、けして、楽しいとも思えないし、こんな駄目男、男から見てもどうしようもなく思えて仕方なく、あの二人の女優のお陰で最後まで見れたものの、そうじゃなきゃ途中で見るの止めてたと断言出来る。それにしても司葉子、やはり良いなあ!一度で良いから「わたくし、うちなんていりません。主人が欲しいんです。」なんて言われてみたい。どう?私で良ければいつでもお供致しまっせ!
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-07-09 21:07:06)(笑:1票)
514.  濡れた二人 《ネタバレ》 
にじばぶ様!遅くなりました。失礼致します。夫と上手くいってない妻と別の男との恋愛映画、メロドラマです。しかし、しかし、そこは監督が増村保造で主演は若尾文子ですから、普通のメロドラマになどなるわけないです。冒頭の風呂についての会話、やりとりからして凄まじいドロドロぶり、火花散る攻防にこの先の展開がどうなって行くのか?という興味が掻き立てられる。夫と喧嘩してばかりで不機嫌そうな若尾文子、折角の約束の旅行も夫の都合で駄目になり、一人で旅に出た若尾文子に待っていたのは何と言うアホで野獣の如く、まるで獣、飢えた狼、ライオンのような男、北大路欣也、こんな危険な男と合わせるなんて増村監督はやはりここでも変態ぶりを発揮している。婚約者であるもう一人の女にバイクを蹴飛ばされ、頭に来て婚約者をレイプする北大路欣也の壊れぷりも凄いが、それ以上に会ったばかりの人妻でもある若尾文子に結婚を申し込むという大馬鹿ぶり、若尾文子に「何を言ってるの」て軽く流された上に船の上で夫よりも好きかもしれない」て言われ頭の中はパニックに、そりゃ北大路欣也でなくてもあんな美しい若尾文子にそこまで言われりゃおかしくなるのも解る。更にこの後の若尾文子も若尾文子で凄い。何を言うかと思ったらあんな風に変になっている北大路欣也に向って「さあ、いらっしゃい」てあぁぁぁぁ~駄目だ!見ていて私も北大路欣也同様、変になってしまいそうでした。てより既に変になってます。良いな!良いな!いくら映画だからって、お話だからって、あんなことまで言われる北大路欣也が羨ましい。それにしても北大路欣也の馬鹿正直ぶりには笑えてしまいます。「俺、奥さんの裸が見たかったんです」て何て正直な奴だ!私も見たいぞ!またそれに対する若尾文子の答えも凄い。「いいえ、お見せするほどのものじゃないわ」て、もう、駄目!こうして感想書いてるだけで鼻血出そうです。しかし、増村監督は男の気持ちというものをよくぞここまで徹底して描きながらも同時に女の気持ちもきちんと描く辺り、毎度のことながら感心させられる。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-07-06 21:53:32)(良:1票)
515.  陸軍中野学校 《ネタバレ》 
市川雷蔵は相変わらずクールで、卑劣な男を淡々と演じているし、またそういう男が本当に似合う。婚約者であろうと、おかまいなしに毒殺する。増村保造監督はここでもやはり変態性をあの教育における現場でのやりとり、裸の女性の人形まで使っての女性を抱く講習なんて、他の監督にはない変態性が見られる。そんな一方で見ていて違和感が残る。最も違和感が残るのは加東大介の中佐、どうにもこうにも見ていて「社長」シリーズの延長のようにしか思えない。あれだけ厳しい環境の中でも義理に厚く情け深いのも変な気がする。小川真由美のあの役もこれは小川真由美がけして、悪いというわけではなく、若尾文子にこそぴったしの役ではないだろうか?スパイ映画としての完成度に関しては、緊張感もあるし、完成度も高いとは思うが、キャスティングに何か違和感が残るのがマイナスである。最後に市川雷蔵にもう一度、話を戻すとあんなご服屋さんはいないって!どう見てもスパイとしか思えない。
[DVD(邦画)] 6点(2008-07-06 16:05:29)
516.  大菩薩峠(1960) 《ネタバレ》 
内田吐夢監督、片岡千恵蔵の机竜之介、岡本喜八監督、仲代達矢の机竜之介を見ている者としては当然、この三隅研次監督、市川雷蔵の机竜之介も見ないわけにはいかない。渋い片岡千恵蔵、殺気でギラギラしている仲代達矢、そして、市川雷蔵の机竜之介はニヒル、クールという言葉が当てはまる。どこまでもクールでただただひたすらかっこ良い。そんな市川雷蔵相手に全く引けをとらない。いや、むしろ市川雷蔵以上に物凄い殺気で迫る一人二役の中村玉緒が凄い。女の怖さ、執念、情念のようなものを感じる凄さだ!作品全体に付きまとう乾いた空気と静けさの中にある殺気、三隅研次監督らしい美しい映像美も印象に残る。確かに皆さんの言うようにあのラストはえっ?て思ったけど、それでも一つの作品として見ればなかなかの出来ではあると思います。それにしてもあの水車小屋でのエロス漂うシーンなんて市川雷蔵ならではのシーンではないだろうか!
[DVD(邦画)] 7点(2008-07-05 21:56:52)
517.  兵隊やくざ 《ネタバレ》 
痛い映画だ!殴られる痛み、殴る側も殴られる側もどちらも痛い。そんな痛みをここぞちばかりに表現しているような如何にも増村保造監督らしい痛みの伝わる映画である。軍隊なんて所は誰が見たって嫌なことばかりしか見えてこない。軍隊における生活は人間をどんどんと嫌な者に変えてしまう。この映画を見て益々そう感じると共にそんな非人間的な奴だらけの中にあって勝新と田村高廣の二人の演じた男には人間的な魅力、バカだけどそのバカな部分こそ人間本来の持っているものではないだろうか!何とも荒けずりで、とにかくやってることは間違いだらけかもしれないが、この映画の持っているその荒けずりな部分こそ昨今の日本映画に一番欠けているものではないかと思う。増村監督の描く世界はいつも心の痛みが観ていても伝わってくる。あの風呂場での喧嘩のシーンにおいての男達の取っ組み合いの凄まじさ、男って奴の大馬鹿ぶりが男である私から見たら微笑ましく思えてしまって単なる大馬鹿野郎とは言い切れないものを感じる。しかし、あれだけみんなして、裸で殴る。蹴る。暴れるシーンを見せながら男にとって最も大事な殴られても蹴られても踏まれても女には絶対に解らないだろう男にしか理解出来ない痛さを感じるあの場所が何一つとして映らないのはある意味、この映画以上に凄いことかもしれない。
[DVD(邦画)] 7点(2008-07-04 21:18:27)
518.  「女の小箱」より 夫が見た 《ネタバレ》 
これはまた何という欲の固まり、欲に埋もれた人達のドロドロしたサスペンスものであり、これまた恋愛劇、それも純愛といっても良いような男と女のメロドラマ!出世の為なら何でもする。仕事として女を抱くという田宮二郎のあの男の凄まじさ、平然とした態度、それ以上に若尾文子、若尾文子、若尾文子はここでも凄い。オープニングから女の色気、ムンムン、フェロモン全開、風呂場での田宮二郎とのやりとりの凄さ、田宮二郎に猛烈に口説かれても全く動じない。表情をまるで変えず平然としている若尾文子、この場面を見たら間違いなく男はノックアウトするでしょう!私はもう、最初の若尾文子登場のこの場面から完全にノックアウトされました。そんな若尾文子と並んで凄いのが岸田今日子、怖い。本当に怖いです。増村保造監督は何を見たいか?男が期待している女の凄さと恐ろしさを徹底して見せてくれる。この監督、やはりただ者ではない。人間の持っている出世したいという欲、更には金に対する執着心、金欲、そして、人間なら男も女も同じように持っているはずの色の欲、つまりは性欲、欲の全てをここまでして描くとは恐ろしい。作品の好みで言うと「妻は告白する」の方が上だけど、これもまた単なるサスペンス映画ではない恋愛映画として素晴らしい傑作!
[CS・衛星(邦画)] 9点(2008-06-30 21:50:17)
519.  博奕打ち 総長賭博 《ネタバレ》 
これは本当に凄い。今まで見てきた任侠映画の中でも文句なしの最高傑作!これを超える任侠映画はない。二度と作られることはないであろう!とにかく全てにおいて完璧である。この映画は任侠映画ではあるけど、単なる任侠ものではない任侠映画の枠を超えた素晴らしい人間ドラマだ!やくざ社会に生きる男と男を影で支える女の哀しくも切ないドラマである。今まで幾つもの任侠映画を見てきたが、任侠映画を見てここまで泣いたのは初めてです。鶴田浩二と若山冨三郎の兄弟の杯を交わした二人が跡目問題で悩み、苦しみ、挙句の果ては鶴田浩二が弟分である若山冨三郎を自らの手で葬るという悲劇、これは悲劇を置いて他には考えられない。中井(鶴田浩二)の苦悩、松田(若山冨三郎)の兄と慕う中井に対する気持ち、兄貴分である中井にだけは解って欲しい(欲しかった)その哀しさと二代目としての責任を全うし、自分が良いように利用されても最後までその責任を貫いた上に殺される石戸(名和宏)の苦しみ、そして、誰も書かれてないのは何故?何故みんな音吉のことを書かないんですか?男の私としてはあの音吉に思い切り感情移入させられてしまった。雨の中、鶴田浩二に向って土下座する音吉、中井と松田の二人の仲を何とかしようとする音吉、そんな音吉が身体を張って中井に殺される場面、「これで俺も姉さんの所に行ける」というあの台詞に込められたその思い、音吉の男としての苦しみも私にはどうしようもなく泣けてばかった。そうそう、男社会の中にあって哀しくも自らの手で命を絶った女を演じてみせた桜町弘子のことも忘れてはならない。桜町弘子のつや子姉さんのことを思うとこれまた泣けてくる。この映画は最初にも書いたように単なる任侠映画ではない人としての生き様、男と男、男と女、様々な葛藤、苦しみを格調高く美しく描いてみせた素晴らしい人間ドラマだ!文句なし満点!
[DVD(邦画)] 10点(2008-06-27 21:30:02)(良:2票)
520.  我が家は楽し(1951) 《ネタバレ》 
笠智衆と山田五十鈴が夫婦でその娘に高峰秀子と岸恵子ってどんな家庭や?何だかそれだけで凄いドラマが待っていると期待せずにはいられない。期待通りの出来栄えです。勤続二十五年の祝いをしてもらうこととなった笠智衆が山田五十鈴の前で表彰状を受け取る時の練習風景が何とも笑える。まるでチャップリンのようなコミカルな動きと表情、そんな楽しい前半が電車の中でスリの被害に会ってお金を全て盗まれてしまってから不幸の連続へと進んで行く中で、妹二人と弟がそんなこととは知らずにいる中で、偶然にもそのことを聞いてしまった高峰秀子が自分の書いた絵を売ろうとする姿に何だか泣けてきて仕方ない。毎度ながら高峰秀子という女優さんは見る者に対し感情移入させるのが本当に上手い。ただ上手いだけでなくつい、応援したくなるそんな魅力を持った数少ない女優、それが高峰秀子だと思う。山田五十鈴の果せなかった夢を二人で語るシーンの母と娘の会話、やれとりもこれまた良い。このまま不幸で終わるかと思ったら最後は再び幸せが待っている。一度は家族全員、家を追い出されなくなったものの山田五十鈴の母の一言で再び絵を書くことにし、その絵が認められ、更にその一枚の絵が原因で家を出なくてすむようになった家族達、そこで元気いっぱいに歌う岸恵子、それに釣られるようにして歌う笠智衆と山田五十鈴の二人の表情の素晴らしさ、お金よりも大切な何かを得ることの出来た人達、見ている私にもお金よりも家族の愛、絆の方が大切であることを改めて教えてくれたこの家族達の名演技ぶり、言葉に出さなくても背中で演技する笠智衆と家族を支える山田五十鈴の名演技ぶりに高峰秀子という女優の凄さ、美しさに見入ってしまうこと間違いなしのこれまた見応え十分のホームドラマを見せてもらった思いでいっぱいになりました。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-06-22 11:20:08)(良:1票)
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