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コメント数 1963
性別 男性

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541.  にごりえ 《ネタバレ》 
樋口一葉原作による三つのお話からなるオムニバス作品で、一つ一つの話には関係がなければ繋がりもない。しかし、どの三つにもこの時代の厳しさ、男性社会の中で生きていく女性の厳しい現実、貧しい時代の中で生きることの難しさ、大切さが上手く描かれている。特に最後の話は三つの中でも際立っている。何よりもまずは俳優陣が皆、素晴らしい。淡島千景に宮口精二、そして、名脇役杉村春子のここでも凄さを感じずにはいられない。主人公のお力を演じている淡島千景の女としての色気もさることながら女が生きていく為には人からどんな眼で見られようが、何と言われようが例え「鬼」扱いされようが、そんなことは関係ない。生きる為の手段として男を客として迎え入れる。ただそれだけのこと!そんな女の為に家族を捨て身を滅ぼす駄目男ぶりを見事に演じて見せた宮口精二も男の哀れさ、駄目な部分をあの表情と家族との別れの場面での背中から感じることが出来る。奥さん(杉村春子)と息子を捨ててまで一人の女のためにとボロボロになっていく姿は本当に男のだらしない部分がしっかりと描かれていて考えさせらる。そして、この作品に出てくる男のだらしなさ、駄目ぷりと女の強さは成瀬巳喜男監督若しくは川島雄三監督の映画の中によく出てくる人物像に近いものを感じるのは、何故かと思っていたら何と脚本を書いている二人、水木洋子は成瀬巳喜男監督作品を幾つも書いてるし、また井手敏郎という名前はあの川島雄三監督の個人的ベストワン「洲崎パラダイス赤信号」の脚本家でもある。お力の性格、駄目な男をどうしても愛せずにはいられない。別れたくても別れられない哀しさなどは正しく「洲崎パラダイス赤信号」の蔦枝とダブって見える。女は生活の為に身を張ってまで強く生きて行こうとするのに男はだらしない。この作品は男のだらしなさと、女の強さ、そして、哀しさとを同時に描いた人間ドラマとして見応えたっぷり!あの生活感溢れる長屋のセット、重苦しい雰囲気など正に昭和の雰囲気を十二分に感じることが出来る。
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-05-03 11:15:08)(良:2票)
542.  おっぱいバレー 《ネタバレ》 
何て素敵なタイトルだ!これがただ「バレー」だったら誰が見る?余程のバレー好きしか観ないだろうし「おっぱい」だけなら世のスケベな男諸君(自分も含めて)しか観ないだろうし女性は観ないであろう!ところが「おっぱいバレー」ならどうだ?これなら世の男達、おっぱい大好きなおじいちゃんからお父さんに青春真っ盛りな若者達に小さな子供まで皆が観るであろうし、バレー好きな男も女も観るであろう!この映画の成功はイチにも二にもこの素晴らしいタイトルにあると言って間違いない。窓口で綺麗なお姉さんに「おっぱいください」て言いたくて、その反応が楽しみで絶対に映画館で観ると決めてましたが残念な事にいつものお姉さん今日は風邪で休みらしい。何だよ、変な親父かよ!仕方なく窓口でお姉さんと変わって臨時のおじさんに「おっぱいバレー一枚」と元気なく券を買って入場する事となってしまい、あぁ、何てことだ!ずっと前からの私の楽しみが奪われてしまいしょぼくれていたのもつかの間、映画が始まった瞬間に元気が沸いてきた。あの冒頭の怪しい手つきに大笑い、それからというものラストまで全くもって飽きることなく、それどころか最後なんて感動している自分がいるではないか!美香子先生(綾瀬はるか)の笑顔、生徒の馬鹿な約束に乗せられてしまってもそれでも生徒達、駄目バレー部の為に一緒になって応援し、「私のおっぱいの為に頑張って」て、おいおい、もう、あんなにも可愛い綾瀬はるかにあそこまで言われてしまったら奴らが頑張る気持ちが痛いほど解りすぎて泣けてくる。泣けると言えば11PMの映像、懐かしいぜ!僕も中学時代彼らと同じようにあの番組楽しみに毎朝新聞のテレビ欄チェックし、これはと思わせる見出しの日には学校から帰って夜遅くまで起きてる為にと夕飯の時間まで寝て、そこまでして見てました。だからあの奴らのアホさがたまらなく好きです。この映画はタイトルのイメージを完全に超えた正に性春、いや、青春映画の名に相応しいエンターテーメントである。おっぱいおっぱいと連呼する彼らの姿がとにかく面白過ぎて笑った。笑った。映画館で久しぶりに大笑いし、感動した。あぁ、ちきしょう!俺も綾瀬はるか(美香子先生)の胸に飛び込みたい。奴らが羨ましすぎるぜ!例え目的がおっぱいであれ、目標を持つことの素晴らしさを教えてくれるという意味でも素晴らしい映画だと思いました。
[映画館(邦画)] 9点(2009-04-28 22:16:19)(笑:1票) (良:3票)
543.  黒い画集 ある遭難 《ネタバレ》 
これって何と脚本を石井輝男監督が手掛けているとは、いやはや、全くもってカルトな感じのしない落ち着いた感じ、松本清張らしさを損なわずに手堅くまとめているのにはびっくりさせられる。遭難事件を題材に上司と部下の関係、登山の最中、一人の男が疲れ果てた上に自殺をしたかのようにして死体となって発見される。ところが、被害者の死に疑問を持った姉、香川京子の願いの基に被害者の義理の兄がこれには何かあるのでは?ということで一緒に登山した男と共にもう一度、再現したくて、山登りしながら被害者の上司を追い詰めていくこの特に後半、二人だけのシーンが寒気を感じるぐらい怖い。緊張感のあるストーリーのラスト、犯人である上司が自分を追い詰めるべき実行した男をも事故と見せかけて殺す。ところがこの犯人も雪崩に巻き込まれて二人共死んでしまう。何とも悲惨な話であり、香川京子のラストの台詞がより一層、胸に突き刺さる。冷酷な人間ほど自分の気持ちというものを隠すものである。この映画を見て私にはそんな風に感じたと共に犯罪者は結局は天罰を下されるというものをこの映画を通して監督、そして、原作者の松本清張は世の中の全ての悪人に対して警告しているとも思える。正にタイトルにある黒い罠に引っ掛った男の悪を天は見逃さない。そんな感じの作品です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-22 21:50:50)
544.  小説吉田学校 《ネタバレ》 
よくぞこれだけのメンバーを集めながらも全くもって一人たりとも疎かに描くことなく政治の表と裏の醜い部分、当事者にしか理解出来ないであろう苦悩、跡目問題など様々な要素をスリリングに描いて見せているのには感心させられた。何より主演、吉田茂を演じてる森繁久彌の圧倒的な存在感と凄み、そして、吉田内角を支える男達、中でも小沢栄太郎はここでも素晴らしい演技力で吉田茂というこの一人の男と共に吉田茂を総理の椅子から引きずり降ろそうとする連中との戦い、吉田茂を内角総理大臣の座から降ろそうと企む三木長吉演じる若山冨三郎もこれまた凄い迫力!名優の名優達による男と男の壮絶なる戦いの中で父吉田茂を思う娘役の夏目雅子の存在も忘れることは出来ない。父親に対する想いの果てを語る時の夏目雅子という女優の眼の美しさ、それを片隅でそっと見ている時の父親吉田茂(森繁久彌)の眼には娘にだけは解って欲しい(欲しかった。)というようなものが感じられ、父と娘、血が繋がっているからこそ政治家である以上に親子としての深い愛が伝わるシーンでもある。見る前は何だかとても堅苦しいイメージしかなく、退屈そうな感じしかなかったのだが、ずしりと重たくそれでいて、見応えある大作になっていて政治映画としていうより一本の映画として十分楽しむことが出来た。それにしても森繁久彌の吉田茂は凄い。まるで本物の吉田茂が乗り移っているようだ。
[DVD(邦画)] 8点(2009-04-21 21:53:38)(良:1票)
545.  戦国野郎 《ネタバレ》 
黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」と似ている。確かに似てはいるけど、こっちのが喜劇的要素、コミカルであり、また二人のヒロイン、星由里子と水野久美の美しさと可愛さなどもあって私としては好きです。加山雄三と中谷一郎のやりとりも面白い上にそこに絡んでくる佐藤允の木下藤吉郎(後の天下人、豊臣秀吉)とのやりとりがこれまたユーモラスで面白い。加山雄三に斬るぞと脅かされて「わっしが今、ここで斬られてしまったら日本の歴史が変わる。」て、ぶはははは!確かにそうだ!こんなちょとした台詞にまで笑いが弾けていて、流石は岡本喜八監督である。黒澤明監督がアクションの監督なら岡本喜八監督はやっぱり喜劇の監督さんだなあ!というのがこの映画を見て私の感じたことであり、アクションの中にも喜劇の要素を取り入れることによって更に面白さ倍増!常にまじめな加山雄三と対照的なふまじめな二人の男、中谷一郎、佐藤允の二人が素晴らしい喜劇役者ぶりを発揮している。自分の前に歩く加山雄三ともう一人、水野久美とのやりとりの面白さ、更にはこの映画、岡本喜八監督が黒澤明監督を尊敬しているようなシャープな映像とカット割り、更には岡本喜八監督がマキノ雅弘監督の「次郎長三国志」シリーズの助監督を務めていたといこともあって「次郎長三国志」シリーズにも出ていた田崎潤の顔ぶれも見られるなど「次郎長三国志」シリーズ全て見ている私にはそれもまたこの映画を見ていて嬉しかったりもする。そして、やっぱり二人の女性、星由里子と水野久美が凄く魅力的である。これほどまでに魅力的で可愛げのある女を演じている星由里子を他に私は知らない。水野久美にしても同じ年に撮られた「マタンゴ」では感じられなかった女としての色気、可愛さにとにかく飽きることなく面白く見られるこれほどの傑作が、キネマ旬報ベストテンは愚か、誰も投票していないという事が納得出来ない。少なくとも今の時代劇や大河ドラマよりもずっとずっと面白いし、岡本喜八監督ファンは勿論、全ての時代劇ファン、黒澤映画が好きな人にも見て欲しい傑作です。
[DVD(邦画)] 9点(2009-04-12 20:24:04)(良:1票)
546.  鶴八鶴次郎(1938) 《ネタバレ》 
録画したままで見れていない成瀬映画が幾つもある。そんな中でようやく見た。長谷川一夫と山田五十鈴の二人が互いに惹かれあいながらも芸のことについての食い違いから喧嘩してばかりいる。成瀬映画によく出てくる喧嘩のシーン、今回もこの二人の喧嘩の迫力の凄いことといったらない。それでいて、いつまでも尾を引かないのは二人が本当に相手を信頼し、愛しているからこそ伝わる喧嘩、コミカルな雰囲気が何とも楽しい。成瀬巳喜男監督らしいメロドラマの中に張りつめた緊張感もあって見応え十分の映画になっている。山田五十鈴の三味線のシーン、あの時の目線、隣でじっと構える長谷川一夫、こういう緊張感のある構図をさりげなく描くことの出来る成瀬巳喜男監督はやはり素晴らしい監督であると改めて思った次第でございます。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-04-06 21:51:54)
547.  真空地帯 《ネタバレ》 
軍隊なんて所はいかに自由など存在もしなければ、自由すら求める事が出来ない場所であるという答えがこの作品の凄まじいほどのリアルで怖い非人間的な奴らの態度から伝わってきて、やりきれない思いでいっぱいになります。上等兵からの酷い仕打ち、それに対する下級兵からの心の叫び、あの木村功演じる木谷一等兵の才気溢れる演技から伝わってくる。人間の自由を奪う場所、それが軍隊における生活であるとするならば、それを自らの体験を持って書いた原作者である野間宏という人の過去を想像するだけでも物凄いやりきれなさでいっぱいになる。自らのこうした経験があるからこそ本物のリアリテイーを感じることが出来るのである。自分を裏切った者への復讐に燃える木村功の木谷一等兵の怒りの爆発の凄さ、人間は誰かに対して信用すればするほど裏切られた時の怒りというものは恐ろしい。その恐ろしさ、怒りを爆発させる木村功の演技がとにかく怖い。山本薩夫監督の気合の入った演出に応えて見せた俳優陣、軍隊の中では人間なんてものは非人間的であって、如何に惨酷な人間しか作ることが出来ないかというものをここまでリアルに描いた作品はおそらくこの映画が初めてかもしれない。そのぐらい凄まじい力を持った気合の入った恐ろしい映画である。
[DVD(邦画)] 8点(2009-04-03 21:58:50)
548.  ああ爆弾
オープニングの歌舞伎の世界を思わせる何とも言い様のない、得体の知らない始まり方、相変わらず伊藤雄之助の演技の可笑しさ、そして、あまりの馬鹿ばかしさ、国家権力に立ち向かう男の姿を岡本喜八監督独自の世界観によって描かれるこの変な世界はどこを取っても岡本喜八監督ならでは!伊藤雄之助の演技がとにかく凄い。銀行でのあの変な踊り、ミュージカルシーンにおける馬鹿ばかしさ、人間なんてものはいかに馬鹿な生きものか?てこれを見るとそう思わずにはいられない。布団に寝ている妻とのやりとり、お経の場面のはちきれんほどのパワー、何ともふざけているものの、そのふざけている場面においてもどこか人間の可笑しさ、哀しさみたいなものが滲み出ているのは岡本喜八監督の他の作品にも多く見られる共通点でもある。いつの時代においても岡本喜八監督が描く人間はやっぱり変人だ!そんな変な人間の変な部分を正々堂々と描こうとしている。この映画は完全にミュジカル映画に対して喧嘩を売っていると思えてならないのだが、こんなミュージカルがあっても別に良いのでは?いずれにしてもこの変てこな世界はやはり岡本喜八ワールド!他の監督にはない。岡本喜八監督の岡本喜八監督による岡本喜八作品です。
[DVD(邦画)] 8点(2009-03-26 07:48:21)(良:1票)
549.  ニッポン無責任野郎
植木等演じるこのノーテンキぶりが素晴らしい。ここまでいい加減、ノーテンキぶり、お調子の良さ、世の中楽しく!楽しく!て感じが常に漂う。過去より未来に眼を向けて生きようではないかというメッセージまで描かれている。ところで何だか女性陣のキャストを見ると「社長」シリーズぽいなあ!て思ったらこの監督さん、「社長」シリーズの助監督をしてるとは、通りでなあ!「社長」シリーズと「釣りバカ」シリーズを足したような気楽さ、植木等の源さんの部長を馬鹿にしたあの歌が笑えた。笑えた。とにかく余計な事など考えずに楽しむに相応しい植木等の代表作! 
[DVD(邦画)] 8点(2009-03-25 20:23:15)
550.  モスラ対ゴジラ 《ネタバレ》 
モスラ強い!ゴジラの尻尾掴んで振り回す。モスラの幼虫もこれまた強い!あのゴジラ相手に一歩もひけを取らずにやっつけちゃう。糸巻き巻き♪糸巻き巻き♪巻いて♪巻いて♪ええ?次何でしたっけ?モスラの幼虫が物凄く不気味、リアルです。何だか下痢気味のう○このような感じが凄く不気味でリアルです。あの黄色の画面、景色とでも言うべきか?とにかくリアルです。ところであの歌、ピーナッツの双子の姉妹が歌う曲だけどモスラだけじゃなくて、ゴジラでも使えませんか?ゴジラや♪ゴジラや♪てね。最後に間違っても卵料理食べながら見る映画じゃないな!
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-03-24 20:41:44)
551.  あの手この手(1952) 《ネタバレ》 
おう!これは思わぬ拾い物!流石は市川昆監督です。何を捕らせても、どんなジャンルにおいても標準以上の少なくとも今の日本映画、いやいや、アメリカ映画よりレベルの高い作品を撮る。この作品は川島雄三監督の「女であること」に雰囲気からして本当に似ている。あちらに比べてこっちのがコミカルで楽しめる。久我美子がまずは何と言っても可愛い。可愛いて意味においては黒澤明監督の「酔いどれ天使」に匹敵するぐらいとにかく可愛い。そんな可愛い久我美子に振り回されぱなしの森雅之、こんなコメディアンぶりを見せてくれるあたりはやはり名優間違いない。女に振り回される男の弱さと女の強さ、これを見ると男って生き者は女に振り回されるのが嫌いと言いながらも結構好きなのかもしれない。えっ?お前はどうかって?ご想像にお任せします。相手が久我美子みたいに可愛い子なら大抵の男は振り回されてみたいと思うような気がします。 最後にこれ、違うキャスティングでも見てみたい気がする。例えば、若尾文子に振り回される市川雷蔵、左幸子に振り回される小沢昭一じゃ「品川心中」だよなあ!司葉子に振り回される小林桂樹じゃ「社長」シリーズか?まあ、色んなキャスティングでも十分楽しめると思います。 
[ビデオ(邦画)] 8点(2009-03-22 11:28:05)(良:2票)
552.  杏っ子 《ネタバレ》 
これまた何ともドロドロした夫婦の関係だなあ!前半はかなりのほのぼのした空気に心地良さを感じるものの、香川京子が木村功演じる売れない小説家と結婚してからのあまりの冷えきった空気、ドロドロとした空気、香川京子が耐えに耐え、とこんと嫌なめにあう。何もここまで酷くしなくてもと思えてしまうぐらいのいたぶり方です。そんな中でも常に志しを高く持ち、けして、くじけることなく、それどころか前向きに生きようとする香川京子の娘を温かい眼差しで常に見守る山村聡、この父親と娘の関係は親子でありながらもどこか友達みたいな関係、それは山村聡の香川京子への言葉使いから何から感じ取れる。暴力的な言葉や自分の父の庭へ唾を吐いたり、銅像を壊したりと見ていて腹の立つ木村功に別れを告げる決心をやっとの思いで成し遂げた娘の香川京子に対して父親である山村聡の「喧嘩に勝ったのか?」の一言!それに対する香川京子の返事、雨の中、二人だけで傘を差しながらの会話、この映画は全編通して二人だけの会話のシーンが幾つも出てくる。父と娘の関係とは何か?て答えのようなものを成瀬巳喜男監督はこの作品を通して日本人全員に伝えようとしているのではないかと思いました。それにしても香川京子のあれだけ嫌なことされながらも耐える姿には女の強さ、やはり人間て男よりも女の方が強い生きものであるようにこれを見ると益々、感じてしまうと共に男のだらしなさ、それを徹底して容赦なしに見せつけるこの成瀬巳喜男という監督さんの演出の凄さ、改めて成瀬巳喜男監督は凄い監督だと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-03-15 10:24:59)
553.  トラック野郎 天下御免
おや?何だか久しぶりに見る「トラック野郎」シリーズではあるけれど、今回の桃さんはいつもに比べるとスケベさが足りない。いや、何も別にスケベな桃さんしか期待しているわけではないけれど、そんな桃さん、やはり男らしく、同じトラック仲間、同じ男としての優しさ、友情の厚さにこのシリーズ全体に言えることの一つに桃さんは確かに度スケベで女のことばかり考えては好きになった女とは上手くいかない。たまあにこれは良し、上手くいきそうだとなると自ら身を引いてしまう。そんな桃さんの姿を見ていると何だか「男はつらいよ」シリーズの寅さんを見ているような気持ちにさせられる。私はそんな桃さんが大好きだ。いつものように喧嘩もあるけれど、その喧嘩にしてもいつまでも尾を引かずにいる所も桃さんの良いところである。話としての滅茶苦茶差、全体的にまとまりも感じられないけど、このシリーズを見ているといつも桃さんとヤモメのジョナサンの二人の友達のような関係がとても良く後味もすっきりさせられる。それにしても毎度ながら思うのだが、あれだけ沢山の子供を作るジョナサン(愛川欽也)だけど、よくあれだけ遠出してるにも関わらず子供作ってる時間と体力があるもんだと感心させられる。
[DVD(邦画)] 7点(2009-03-14 21:58:00)
554.  クレージーの殴り込み清水港 《ネタバレ》 
クレージーキャッツの次郎長もの、なるほど、これって続編なんだね。で、よくぞここまで思い切ってパクッたもんだと、ここまでやってくれたらある意味、笑い飛ばすしかない。全て笑って許そうと思う。今回は何と三五郎が石松に成り済ましてというストーリーとまたあの座頭市の偽者、座頭吉の天本英世が怖い。勝新よりもある意味不気味な怖さをかもし出していて、それでまた笑えるからたまらない。ラストの五十郎との対決はあれなんて黒澤明監督へのオマージュなのか?ところで女優陣の顔ぶれ、星由里子と内藤洋子の二人が並んでるとどうしても「社長」シリーズを想像してしまいます。星由里子は私も「若大将」シリーズよりも可愛くて、性格的にもて意味です。好感が持てる。全体的に前作より楽しむことが出来た。最後に何だか観ていたらまたマキノ雅弘監督の撮った本家本元の方の「次郎長」ものが見たくなってしまった。
[DVD(邦画)] 7点(2009-03-08 18:15:43)
555.  直撃!地獄拳 《ネタバレ》 
これはまた何とアホ、マヌケ、大馬鹿野郎きりだこと!ここまで馬鹿丸出しな男達、それも馬鹿な上に強い。いや、強いのか弱いのかどっちなんだ?と言いたくなるような連中勢揃い、千葉真一のアクションの凄さもさることながら他の連中の馬鹿ぷりとここまでアホらしいギャグ、例えば中島ゆたかの恵美を車に乗せて、やろうとする時の郷治の桜のアホぶり、それを見てわいせつ物陳列罪で逮捕するとか、車の運転中に女の着物を全て奪い取り走っていく。それをかえせ~と裸で走って追いかけてくる女、千葉真一が捕まってそれを前にして金髪の外人女の着ている服を全部脱がすという全く関係のないことをしているマフィアの津川雅彦、所々で出てくる女の裸、何か意味があるのかと思えば別に意味などなく、なくても構わないのに裸、裸、監督からのこれは世の男達へのサービスなのか?とそう思えば別に苦にもならないし、むしろ、有りがたいと思って見ればそれで良し!それにしてもあれだけボコボコにされ、何度も死にかけながら何とか助かり、全てを倒し、さあ、金だと思ったら一円ももらえない千葉真一が気の毒だ!それはそうとよくこれだけの厚い、しかも、むさ苦しい感じの男を沢山、集めたものだとこの石井輝男監督って監督さんはよほど男が好きだと思えるのと、女の裸が好きなんだろうなあ!
[DVD(邦画)] 7点(2009-03-08 11:02:25)
556.  クレージーの無責任清水港 《ネタバレ》 
クレージーキャッツの時代劇を初めて見ました。いや~これまた何ともハチャメチャでやりたい放題、とにかく滅茶苦茶な展開なんだけど、これははっきり言ってマキノ雅弘監督の撮った「次郎長三国志」シリーズを見ている人の為にあるような感じがする。勿論、見てない人にも笑える場面もきちんと用意していて普通に楽しめる作りにはなっています。クレージーキャッツの時代劇と何だかいまひとつぴんとこない感じがしなくもないが、特に石松演じる佐々木課長じゃなかった。谷啓が石松のイメージに全くもって合ってないし、石松というよりはマキノ版「次郎長三国志」シリーズで加東大介が演じた豚松の方が合ってる気がしてならないし、ハナ肇の次郎長親分にしても何だかしっくりこない。そんな中にあって植木等の三五郎は小泉博の三五郎よりも私は好きです。女優陣では団令子のお蝶さん、悪くはないけど、何だか「社長」シリーズでも見ている感じがしてしまう。まあ、色々と文句は言ってはみるものの、マキノ雅弘監督の「次郎長三国志」シリーズは東宝版も東映版も全て見ている者としては何だか嬉しくなるシーンがきちんとあったりとそういう意味では嬉しくも思うし、脚本がマキノ版「次郎長三国志」シリーズと同じというのも興味深く、それにこの作品、それだけでく何とあの黒澤明監督の傑作時代劇「用心棒」の桑畑三十郎まで出てきてと、その三十郎だが、あのあっけないやられ方には噴出してしまった。作りは滅茶苦茶だし、いきなり「用心棒」のパロディが出てきたりともう、何が何だか分らん内容だけど、それでも大好きな「次郎長三国志」の好きなシーンが見られた事と、本家本元の「次郎長三国志」シリーズにも出演している田崎潤に土屋嘉男の姿も見る事が出来たので、それだけでも見て良かった。借りてきて良かったと思います。これ以外のクレージキャッツの「次郎長」ものも見たいと思う。
[DVD(邦画)] 6点(2009-03-03 20:33:25)
557.  按摩と女 《ネタバレ》 
日本人にとっての温泉、日本人が最も安らぎを感じる場所、旅先が温泉ではないでしょうか?そんな温泉という場所で起きる謎の事件、謎の女と按摩さんとの物語だが、ストーリーそのものよりもまずはどこを見ても正しくこれが日本だと言わんばかりの風情を感じる映像美とカメラワーク、とても70年以上も昔の映画とは思えないほどの新鮮さを感じることが出来る。冒頭の按摩さん二人がとことこと山道を歩いてる場面、二人の按摩さんを追い越す馬車の中から現れる謎の女高峰三枝子との最初のすれ違うシーンでの緊張感、一つ一つのシーンに何だか不思議なほどの緊張感と味わいを感じるのは何故だろう?やはり謎の女を演じているのが高峰三枝子だからか?私にとって高峰三枝子と言えば「犬神家の一族」の松子夫人である。だから高峰三枝子がそこにいるだけで只ならぬ緊張感、不安、恐ろしさ、これから何かとんでもない事件が起こるのではと思ってしまうのだ。この映画の凄い所は主人公が按摩であるという所である。つまり眼の前に現れた女の素顔が見ることが出来ない。想像するしかないのである。想像すればする程、女の正体、素顔が知りたいと願う按摩の気持ち、揺れ動く心というものを見事に捕らえている。ラストの高峰三枝子の謎の女が去っていく場面のあの川の道を映した時の映像なんて正にそこに日本の良き姿を覚え、この映画を言葉で表すとしたら「音と匂い」の映画である。息を飲むほどの全編オールロケによる撮影とそして、何よりも謎の女を演じて見せた高峰三枝子の美しさに眼を奪われる。作品の雰囲気などは正しく小津映画を思わせるような味わい深さたっぷりの素晴らしさ、清水宏というこの監督さん「有りがたうさん」で初めて知ったけど、特別凄い映像なんてなくてもうるさい音楽など流さなくても役者に大げさな演技、台詞を言わせなくても伝わるということをしっかりと心得ている監督さんだ!これまた間違いなく傑作!
[DVD(邦画)] 9点(2009-02-22 21:46:37)(良:1票)
558.  カンゾー先生
開業医は足だ!って?えっ?やっぱり足より腕でしょう!すいません。そんな捻くれた見方しか出来ず申し訳ない気持ちでいっぱいです。それにそんなに足が速いなら医者になるよりも陸上選手にでもなった方が良いと思うんだけど?でも、あれか?陸上選手じゃ大した金にもならないし、やはり医者の方が金になって食っていけるだけ良いのかもしれない。う~ん?やはり私は変な見方しか出来ないのか?まあ、それでも海外でも国内でもやたら絶賛されて賞を獲得した「黒い雨」や「うなぎ」よりは楽しめたし、好きだし、それに何と言ってもこの映画公開当時まだ新人だった麻生久美子のナイスなお尻を拝見することが出来たので良しとしたい。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-02-22 18:46:00)
559.  明日ある限り
あの名作「二十四の瞳」と同じ作家の壷井栄の原作による映画化!流石に「二十四の瞳」には及ばないし、敵う筈がなく、香川京子の熱演ぶり、豊田四郎監督の大人の味わいを感じさせる丁寧な仕事ぶりなどは見られるが、娘の話に重点が置かれ過ぎていて、それも星由利子の演技もだが見ていて自分の眼の見えない事を理由に色々と言い過ぎなのも何だか引っ掛かり感情移入しずらかった。良い話ではあるが好きかと言われると困る。 
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-02-20 23:04:48)
560.  セクシー地帯
タイトルが良い。何よりもまずはタイトルです。セクシー地帯ですよ。どんな地帯や?どんなセクシーな地帯が待ち構えてるのか?男なら解る筈?解るよね?にじばぶ様!放浪紳士チャーリー様!まるでエロビデオみたいなタイトルだが、内容はフランスのフィルムノワールぽい感じが漂う作りのサスペンスもの!三原葉子のナイスなプロポーション?う~ん?三原葉子も悪くはないし、結構毛だらけ猫灰だらけじゃなかった。そりゃ違う映画だ。おっと失礼!同じ葉子なら司葉子で見たい気がする。これ川島雄三監督がもっと長く生きてたら、川島雄三監督による司葉子か若尾文子で見たい。それにしてもこのタイトルだけで釣られて借りてきた私はまるで餌に引っ掛かり餌食となった魚みたいだなあ?まあ、とにかく内容云々気にせず気軽に楽しく、怪しく、悩ましく、スケベな男達の為にあるような映画かもしれない?ええ?そういう事で宜しいでしょうか? 何だかこの石井輝男監督、ハマりそうだ。
[DVD(邦画)] 7点(2009-02-19 21:50:31)(笑:1票) (良:1票)
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