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TANTOさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 901
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 最近になってまた映画を観る習慣が出来ました。
前はほとんど観なかった邦画をたくさん観るようになり
新しい映画ライフが充実しています。

昔ほど数はこなせませんが
趣味と生活のバランスをうまく保ちながら
なるべくたくさんの映画を観て、
なるべく読み応えのあるレビューを続けていきたいと思います。

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41.  秒速5センチメートル 《ネタバレ》 
『桜花抄』 この時期特有の、好きな人に会いに行く前のワクワクと実際に会えるまでの不安が、切ないくらい見事に描写されていた。「この時期特有の」と、いかにも若い子たち特有の現象のように書いたが、たぶんどんな世代でも壊れるくらいまっすぐに恋をしている人には共通の現象なのだろう。その結果会えた彼らは幸せだと思うが、なぜその後「一緒になれない」と思うに至ったのかはよくわからない。それほど焦がれた人ならずっとつながれたのではないかという思いもある。いずれにせよ儚くも複雑な気持ちになる物語だった。  『コスモナウト』 前章『桜花抄』の遠野君が鹿児島に転校して以降のお話。彼は明里ちゃんを想いながらそこでの暮らしを送っていたが、その地で新たに遠野君のことを想う少女が現れて、、、という話。思いを寄せる彼に近づきたいが、肝心の彼は自分ではないどこか遠くの誰かを見ていて、それに気づきながらもどうしようもない気持ちに苦しむ少女の姿を描いていた。自分は男だが、想いを寄せる人に対するもどかしい、狂おしい気持ちがどうしようもないことはとても理解できた。  『秒速5センチメートル』 遠野君が鹿児島から再び東京に出てきて以降の物語。彼は社会人になり東京で働き始めるが、ふとこれまでの自分が東京という街によって違う色に染められてしまっていたことに気づき、会社を辞めてしまう。ある女性と3年間付き合っていたようだが、彼女からは「1000回のメールでようやく1センチしか近づけなかった」と書かれる。 自分は「1000回のメールで1センチ近づけるならいいじゃないか」と思ってしまった。人と人なんてそんな単純なものじゃないとは分かっているんだが、ただ積み重ねれば到達できる、そんな単純なものならどれだけいいだろうかと思ってしまった。  全編を通し、とても切なく、共感深いものでした。
[DVD(邦画)] 9点(2020-12-10 23:06:08)
42.  マチネの終わりに 《ネタバレ》 
かなり前に書籍の方を読み、映像化されているのを見て鑑賞することに。小説で読んだときはタイトルさながら、アーティスティックでおしゃれな話という印象ばかりが残っていましたが、映像の方を見るとおしゃれな感じは残しつつもとても人間的で、リアルな恋愛劇だと感じました。  自分はあまり音楽には詳しくありませんが、ギターのコンサートとはこんな感じなのでしょうか。TVで聴いているとは思えない、とても落ち着く、心地よい音色でした。そんな優しいギターの音が終始バックグラウンドで流れているんですが、そこで起こっているドラマは何とも人間的で、40代同士の男女とは思えないくらい我を失いお互いを求めている姿は、上述のようにとてもリアルで良かったです。 ふとした出会いから始まる道ならぬ恋を何とか成就させようと奔走する二人と、それを見事に妨害し薪野を取り戻したマネージャー。←この一文だけ見たらどこかでよく見るドラマのようなのですが、彼らの世界観と音楽がそれを上質なものにしてくれているように感じます。ですがやはり、あそこまで求めていた二人が引き裂かれてしまうシーンは胸が張り裂けそうになりました。ラストシーンで、ようやくお互いに誤解も解けて再び会えた二人はどうなるのか、どうにか幸せになってほしいと強く思いました。  個人的にたくさん考えさせられるシーンもありました。洋子の相棒カメラマン・ジャリーラが興奮して何を言っても激昂するばかりだったのを落ち着かせたギターの音に、音楽って言語を超えるんだなと思ったり。「未来が過去を変える」この言葉も、確かに実際にそういうことが起こるよな、と考えさせられました。その他にも、 「孤独とは影響力を失うこと」 「寄り添って、分かってくれた」 など印象に残りました。  決して冷静に格好よく振舞うだけが大人の恋愛ではないと思います。『マチネの終わりに』は作風こそスタイリッシュですがそこで描かれる恋愛模様はほんとに泥臭く、だからこそ共感できました。40代近くにもなってまさか今更自分がそんなことになるなんて、と劇中の二人も思ったことでしょう。でもなってしまったことは仕方ない。冒頭で「走ったら幸せが逃げてしまうわ」と言っていた洋子がラスト、全力で走って蒔野のコンサートに向かう様は、見ていて気持ちよかったです。
[インターネット(邦画)] 9点(2020-12-10 00:37:41)(良:1票)
43.  サマーウォーズ 《ネタバレ》 
「ご飯食べよ」   この台詞が強烈に刺さりました。むちゃくちゃいい映画です。  実は最近TVで撮り貯めた細田アニメを観ている最中でして、ただいま『おおかみこども~』と本作を消化しました。あっちはあっちで、「母の強さ・愛」にとても心が動く良い作品でしたが、個人的にはこちらのほうがツボりました。 なんでしょう、あの家族のつながりに似たような共感をしてしまいました。別にうちは田舎の豪族みたいな実家は無いし、そこにやたらと権力があって一家の家長として恐れられているばーちゃんもいないのですが、憧れもあるのでしょうか、すごくあの景色・雰囲気が心に染みました。  OZという仮想空間の中で、実質的に全世界を掌握してしまったネットウィルスを倒すという設定も個人的には大好物です。そして主人公の数学少年のあの奮闘ぶり!!いやあ良いですねえ。今の世の中ならああいう設定も比較的イメージしやすいかと思いましたが、他の人のレビューを見てるとそうでもない感じ。自分が世間離れしてるのでしょうか(汗)  でもこの「OZシステム」って、だいぶ種類は違いますが自分にはいま世間を騒がせてる「マイナンバー」制度を連想させました。制限が無ければ、もしくはそのセキュリティを破れば、一つのアカウントから道路標識を全ていじくれるしミサイルも飛ばせるんですよね。マイナンバーも一つの番号から色んな情報につながっているという。ハックや番号=アカウントの盗難によるリスクがでかすぎるシステムだなと改めて認識。やっぱりマイナンバーいらないや。強くそう思ってしまった作品。  個人の意見です、あしからずご了承ください。
[地上波(邦画)] 9点(2015-11-11 01:18:07)(良:1票)
44.  ねこタクシー 《ネタバレ》 
意外にレビュー数が少なくて驚き。知名度はそこそこあると思っていたのだが・・・。かくいう私もカンニング竹山さんが主演ということしか知らずに内容は無知の状態で鑑賞。しかし意外とバカに出来ない。いや、面白かった!芸人が主演ということで観る前はけっこうな色眼鏡で見ていましたが、いやはやなんとも・・・。  でも本作で問題になったペットの扱いですが、生き物の扱いって本当に人それぞれになるし一概にこうしろっていう線引きは無いから難しいですよね。いくら大事にしてるっても「ペット」だから与えるものは「エサ」であり人間以上の扱いにはどうしたってならない。それを人間並みの扱いにしようとすると、「この子は家族よ!」とかとんちんかんなこと言いながら動物をご飯を食うところに連れてくる人も出てくる。 少し『ねこタクシー』からは逸れましたが、要はいかに人に迷惑をかけずに、かつ生き物と意思疎通を取れているかということだと思う。猫の意思疎通って言っても難しいが、基本的には飼い主の下で無警戒にゴロゴロしているような様子なら問題ないと思われる。作中で保健所職員を演じる内藤さんが、これでもかってくらいねこを飼う人のことを傲慢だと批判してきますが、「そういうあんたはねこの気持ちわかろうとしてたのか?」と言いたい。  とても好きな作品です。昔あったような動物ものの邦画を思い出す。二点だけ不満を挙げるなら、保健所職員の内藤さんがねこタクシーに乗るときなぜ自分の母親を連れて行ったのかが説明不足。同居してて毎朝送ってるとか理由はあるのかもしれないが、それならそれで説明しないと、あまりにも唐突。 あと一点は、最後タクシーの運ちゃんをやめて教師に戻ってしまうこと。家庭の経済的事情はあったとしても本人があれほどいやがっていた教師になるには作中ではまだ理由が弱いように感じる。あれほどの思い出を作ったタクシーをそんなに簡単に捨てられるのか。視聴者にはしっくりこないラストであった。そこに-1点だけしたいと思います。あとは大好き。
[地上波(邦画)] 9点(2013-02-11 22:32:11)(良:2票)
45.  ボックス!(2010) 《ネタバレ》 
公開当初から「観たい!」と思っていたが結局時間が取れずに地上波で観てしまった本作。  冒頭、関西圏に住んでるものとしてはかなーーーーーり気になる関西弁を喋る鏑矢君(=市原隼人さん)を見て、正直けっこう萎えました。やはり身近に本物の関西弁を使う人がわんさといる環境ですので、TVや映画でこういう急ごしらえの関西弁を見ると、作り物感がブワッと出てきて物語に入っていけないのです。「ちゃんと関西弁使えるキャスト取れよ・・・」といつも思ってました。ま、今回も入りがそんなんでしたんではっきり言って期待してませんでしたが、いやあ面白かったですね。シンプルに「スポ根!」「友情!!」ってのがわかりやすい。木樽君(=高良健吾さん)の家に早朝訪れて一緒にトレーニングに誘う鏑矢君なんか最高でした。さらにさらに、木樽君が栄養ドリンクに負けた後の鏑矢君の自主トレのシーンなんかもう・・・。てか、ボクサーが商店街流すのはもう定番なんでしょうかね(笑)  また、木樽君がメキメキ強くなっていくのを見ていると、見てる方も「早く試合やんねーかなー」とだんだんワクワクしてきます。木樽君に関してのみ言えば、『はじめの一歩』観てるみたいでした。真面目だけが取り柄の少年が、その真面目さゆえひたむきにボクシングに取り組むという・・・。あ、欲を言えばもっとフェザー級のエントリー増やしてほしかった。日本ではフェザーってけっこうありふれた階級だと思うんだけど、実際あんなにエントリーないものなんでしょうか??多くて4名って・・・。下手すりゃエントリーだけで地区大会優勝してしまうんじゃ・・・とか思ってしまった。映画だし、そこは多少盛ってもよかったと思う。  最後に、亀田とかいたんですね。他の方のレビュー見るまで知らなかった。TV版にもいました??おかしいなあ、見てない。
[地上波(邦画)] 9点(2012-07-10 16:09:36)(良:1票)
46.  砂の器 《ネタバレ》 
自分も知らぬ間に年を取ったのだろうか。。。事件を追いながら日本各地の名所を点々とするその過程が楽しくてしょうがなかった。いくつか現代の日本で訪れたことがあるところもあり、40年前と比べての比較もとても楽しかったです。その辺の資料館とかで昔を知るよりよっぽど勉強になりました。あ~、この時代の日本を旅してみたい。。。  さて映画はというと、一応原作も既読の状態で、大変楽しませていただきました。何ていうか、本よりも良かった気がします。原作のほうは本当に淡々と進んでいきます。手がかりを突き止めて、それが行き詰るところまで丁寧に描かれており、個人的にはそれがちょっと丁寧すぎた感がありました。丁寧すぎて、「早く展開進めて!!」って気持ちが強かった気がします。 しかし映画のほうは、原作から余分な肉を削ぎ、良い味付けまでして映像化してくれました。前半は原作同様淡々と事件を追っていくのですが、終盤にかけて本浦親子の全国行脚を回想しながらの音楽は素晴らしかったです。  やはり年をとったのか(28ですけど)、この時代の日本に変なノスタルジーを感じつつ、私の中にとても重い余韻を残してくれた映画でした。
[DVD(邦画)] 9点(2011-05-30 23:55:54)
47.  SP 野望篇 《ネタバレ》 
まずあらかじめ、TVドラマ版を観た上での本作レビューだと言うことを書いておきます。その立場で観ると、これはとてつもなく面白い!!  TV版ラストでの緒方(=堤真一さん)の発言に対する井上(=岡田准一さん)の疑念が映画ではすでに不信になっており、人間関係は複雑に。と同時に、尊敬する上司だった緒方の口から彼の本当の狙い(野望)を聞かされ、SPという職務そのものに疑問を抱き始める井上。しかし事件はそんな井上の戸惑いに時間を与えてはくれない・・・。 というあらすじ。  キャストはもうバッチシ!ですね。主要メンバーは全員しっかりとキャラが立っていて、新しい登場人物以外ではふわふわしてるような立ち位置の役柄は誰一人としていません。井上超人、渋めの緒方(腹黒?)、男勝り笹本、実直石田、イジられ山本。田中とかもスパイみたい。公安って本当にこういうのが仕事??覆面家族シーンには地味な驚きを隠せませんでした。  内容の方はやはり映画になったということでそこそこ誇張表現はあります。冒頭のような追跡劇は実際ならまあ無いだろうし、中盤以降のテロリストとの攻防は、いくら早朝とは言っても首都であれだけ大騒ぎがあって誰も出てこないというのは不自然に極まりますが、でも許せます。 ちゃんとドラマの流れをスポイルすることはなく、きちんとつながったストーリー展開が、ドラマからきている観客にはまさに流れるように進んでいきました。 しかし最初であらかじめことわっているように、これはドラマの流れを全て把握した者としての意見であり、感想です。もし予備知識ゼロ状態でこれを観たら・・・う~んどうだっただろう。おそらくあまり面白くなかったと思います。 そもそも緒方と井上の不仲の理由が初めて見る人には浅すぎると思う。回想シーンでちらっと「大儀のためだ」という名(?)セリフは出ますが、やはりドラマ版の中で緒方と井上の強固な信頼関係があったというのを知ってる上で見たほうが、インパクトとしては強いですよね。 そういう意味ではこの映画は単体としては成り立っていないと思います(続編もあるし)。映画としての評価は10-1=9点で付けたいと思いますが、普通にドラマの続きとして観にいくんであれば間違いなく10点の出来ですね。  続編、必ず観に行きます☆
[映画館(邦画)] 9点(2010-11-08 17:37:42)
48.  ダーリンは外国人 《ネタバレ》 
「相手を認めたり理解することが恋愛なんだ」ということを外国人同士の結婚と言うテーマで教えてくれた作品です。作中ではアメリカ人と日本人と言う組み合わせで、そんなしゃべる言葉から文化まで全く違う二人がどのように惹かれあい、どのような結婚生活を送るのかという内容です。  結論から自分の感想を言わせてもらえば、結局相手が外国人であろうが同じ日本人であろうが、大事なのはお互いの違いを尊重して相手を想う態度なのだろう。作中でもあったように、人間二人揃えば色んなことが違います。朝はパン派、ご飯派。マメに掃除する派、しない派。友達>恋人派、恋人>友達派。その他好物の食べ物や、結婚ともなれば家具の好き嫌いまで様々です。お互いに違うところがあって、それを埋めていく作業には国籍は関係ありません。この映画の二人の場合なら、数え切れないほどある二人の差異の中に、国籍と言葉の違いというのがあるだけなんだとそう思いました。そういう意味で、個人的にはこの映画で恋愛に対して少し前向きな気持ちになれた気がします。  でもこの映画を観て思いましたが、やっぱり日本人ってもっと英語を勉強するべきですよね。いや別にそれが韓国語でもフランス語でもいいんですけど、基本的に相手の文化や言葉を理解しようって態度に、特に日本人は欠けている気がする。「日本に来たんなら外国人は全員日本語しゃべれ」ってよくよく聞くと何て自分勝手な理屈だろうと思ってしまいます。と、そこまでは言いませんが、さおり(=井上真央)もアメリカに行ったトニーを追いかける段階や結婚生活の中でもっと英語勉強しろよ、とツッコミを入れたくなりました。相手が日本語をしゃべれることに依存しまくりで、そこが気に入りませんでした。  それ以外は文句ナシです☆9点!!
[映画館(邦画)] 9点(2010-06-14 23:11:58)
49.  沈まぬ太陽 《ネタバレ》 
まず単純に、労組の問題というものは複雑で難しいものだという印象を受けました。何が難しいって一番に挙がるのは、人間関係。この映画を見て、労働組合をやりながら上司とうまくやっていくっていうのは不可能なんじゃないかと思えたほどです。自分は公務員ということもあり、労組というものに実際に所属したことは無いので鮮明にイメージができるわけではないのですが、こんな状態で仕事なんてできたもんじゃないなと思います(ここまでひどいのはなかなか無いと思いますが)。  話の内容としては、主人公・恩地元(=渡辺謙さん)を中心に、労組での闘いやジャンボの墜落などの出来事を散りばめていき、その時々の彼や彼の周囲の人間の様子を描写していくといった感じ。でも本当に、ここまでの扱いを受けるぐらいなら辞めてしまえばいいのにと観ている側からすれば恩地氏にそうアドバイスしてあげたくなります。愛していた会社からも遠く離れ、家族にも大きな負担を強いて、いったい何になるのかと。しかし、恩地氏自身の気持ちになってみれば、そんな会社に屈することはしたくないと思うだろうし、そんな風に堂々とした態度で生きる自分を家族にも示したいという想いもあったのではないでしょうか。事実、はじめは遠く自分の国を離れることや父との時間を過ごせないことに反発していた子供たちや妻も、時が流れるにつれ恩地氏の不器用ながらも決して筋を曲げない生き方を理解していくようになります。なかなか真似ができるものではありませんが、そんな恩地氏の生き方の10分の1でも自分の生きかたに反映したいという想いを持ちました。素晴らしい映画でした。長い上映時間も全く気にならない、重々しいドラマながらも観た人に鑑賞後ある種の向上心というか、「もっと頑張ろう」と思わせるような余韻を残すような作品でした。  最後に、労組の活動の中で業務時間中にビラ配りをするなどのシーンの描写がありましたが、あれだけが残念でした。日々の業務を粛々とこなし、なおかつ業務時間外で労組として会社の業務の改善を訴えるという姿勢なら、もっと労組に対して感情移入もしやすく、胸を打つ内容になっていたと思うのですが。そこだけは会社の上役たちの反論に「うんうん」と頷いてしまいました。
[映画館(邦画)] 9点(2009-12-03 10:42:10)
50.  ゼロの焦点(2009) 《ネタバレ》 
金沢を舞台にした重厚なサスペンスドラマ。出張に出たまま帰らぬ人となった夫、結婚から一週間の新妻は必死にその夫を捜し求め、その過程の中で次々と明らかになる真実。夫は殺されたのか?その犯人は? ・・・と言った感じでストーリーは進んでいきます。  小説が原作のようですが全編通して感じたのは、本当に小説視点から映画を作ったんだなということでした。というのもヒロインの禎子(=広末涼子さん)が本当に小説の主人公よろしく、物語の読み手のような視点で物事が進んでいくからでした。そのせいで、禎子には夫を追いかけるということ以外に特にこれといったキャラクター性はありません。物語の本筋を綺麗になぞりながら、視聴者と一緒に事件の顛末を追いかけていきます。 強いて言うなら、彼女の容姿・口調などが、前述のような重々しい雰囲気のドラマの中では浮いていたような気がします。ヒロインは松たかこさんとかでも良かったかもしれない。 その他のキャストは言うことなしでした。中谷美紀さんの凛とした、しかしガラス細工のような脆さが見える演技も良かったし、木村多江さんもいかにも幸薄そうな役柄が妙にマッチしていました。作品の性格上からか男性陣は見せ場という見せ場も少ないし、描写も意図的に抑えられている感じです(ていうか作中の男性の半分ぐらいはお亡くなりに、汗)。でも鹿賀さんが自殺しようとした心理描写だけはもっと具体的に表して欲しかったな。  男女間の愛憎劇から、戦後すぐの女性の地位の確立への戦いなど、個人的にも興味深いテーマでした。
[映画館(邦画)] 9点(2009-11-16 10:40:14)
51.  サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS 《ネタバレ》 
とてもSF的なストーリーでしたが、果たしてこの病が実在したとして実際はこの映画のような展開になるでしょうか?オレは多分ここまで腹黒い雰囲気にはならないと思います。だって、その人の考えがわかるんでしょう?誰が本当は何を考えてるかもわからない環境(←それが普通なんですが)に比べればよっぽどすっきりと生活できると思うんですが。個人的には、サトラレって実際いてほしいなぁとも思います。相手によっては腹の探り合いみたいなコミュニケーションを取らざるを得ないようなこの社会で、はっきりと相手が何を考えてるかわかるなんて、ある意味さっぱりしてて、簡単で、そっちのほうがよっぽどいい気がします。また、自分がサトラレでもいいかなとも考えます。その場合、自分がサトラレってことは知っておきたいですね。それでも自分の近くにいてくれる人がいれば、間違いなくその人は信用できると思うし。 あるマンガで、“病気は個性だ。真面目なやつ、ひょうきんなやつ、同じように病気のやつがいるだけなんだ。”と言っていたのを思い出しました。この映画もまさにそうだと感じました。“サトラレ”っていっても結局はその人の個性の一つであって、周りがそれを理解しさえすれば、映画のラストのように、変な特別扱いを受ける事もなくなるんです。むしろ「出来る限りサトラレの意志を尊重して・・・」とか言いながらその当人を半ば無理やりに製薬研究所に異動させようとする委員会の偉いさん達がサトラレになればいいのに。てゆーか、世の中みんなサトラレになればいいのに(笑)。非現実的ですが、本音や建前が全く必要ない、そういう世界に本気で憧れます。日本って本音と建前で持ってるような国ですから。正直すっごい疲れる時あります・・・。サトラレとは言わなくても、世界から本音と建前なんてものが消え去ってくれる事を願います☆ 
9点(2005-02-21 11:44:20)(良:1票)
52.  解夏 《ネタバレ》 
オレ的に気になったのは映画冒頭のほうにちょくちょく入るSF的な視覚描写と、想像の生徒にいじめられるシーンでした。どちらもあんまり必要性は感じず、「何のためにこんなシーンを入れたんだ??」ってずっと?状態でした。でもそれ以外はとても良い!!邦画が下手にハリウッドの真似事をしようとするとこけますが、邦画が邦画の味をきちんと出そうとすればここまで良いものが出来るんだと再確認できました。いずれのシーンも、「今時こんなことあるかよ!」って思うようなものばかりなのですが、それだけにそういったことが当たり前だった時をとてもなつかしく思います。「解夏」としては楽しめなかったかもしれませんが、郷愁を感じる映画としては最高のものだったと自信をもって言えます。恋人のためなら当然と言わんばかりに直接会いに来る陽子、それに対して自分の怒りをぶつけて追い出してしまった陽子を同じように直接捜しに行く隆之。それも目が見えないにもかかわらず。東京と長崎ほどの距離をこんなふうに当たり前に直接会いに行くこの恋人達を見ながら、ほんの5分ぐらいの距離にいる友人とメールをしたり恋人とケンカをしても電話で済ませたりしてしまう自分が少し情けなくも感じました。「自分がなりたい自分」。それを見せてくれた映画だと思います。
9点(2005-01-01 23:37:55)(良:2票)
53.  天国の本屋~恋火 《ネタバレ》 
もし「天国のピアニスト」というタイトルでレンタルされていたら・・・、間違いなく10点つけていました!惜しまれるのが、「天国の本屋」というタイトルながらこの映画のウリの一つである、いきなり天国で本屋の朗読のバイトをすることになった、という要素がほとんど盛り込まれていなかった事です。主人公の朗読シーンなんか中途半端なものも含めても2回しかなかったし。う~ん、本当に惜しい。。。しかし!!残念だったのはそこだけで、この映画めっちゃ好きです!「好きです」って表現も変な感じがしますが、本当にそんな感じでこの映画にのめりこめました!この映画の天国を眺めながら、昔の日本を連想しました。そう、まだまだオート3輪が車の主流だった時代、人々がみんな屋外で和気藹々と親睦を深めていた時代、人情味あふれる喫茶店があった時代、朗読をしてくれる図書館があった時代(?)、そんな時代の日本はまさに天国だったのではないでしょうか。これを観た後居間でニュースを見たら一気に現実に戻ってしまいました。それぐらい今の日本ではあり得ない心地よさがこの映画の中に存在していました。「永遠」の調べも「恋火」もそこにたどり着くまでの過程がとてつもなく激しく、切なく、それだけにその両方が達成された時のラストシーンの余韻はもう言葉では言い表せません。これを観て、オレは自分が小学校くらいだった時の「世界」を思い出しました。この映画は色んな「世界」観を見せてくれています。これを観る色んな人にもなにかしらの「世界」を感じて欲しいと思います。
9点(2004-12-20 23:27:36)
54.  ラスト サムライ 《ネタバレ》 
聞いてたよりはずいぶん面白かった。さすがに最初に勝元(渡辺謙)が何の脈絡も無く英語しゃべりだした時は突っ込みたくなりましたけどね(笑)。でもこの映画には今の日本人は学ぶ所が多くあると思います。もちろんオレも。けっこう最後の方のシーンですが、アルグレン(トム・クルーズ)が天皇に勝元の剣を渡した時に天皇が言った、「西洋から色々便利なものが入ってきて、我々はどうやら日本人としての心を忘れてたようだ。」ってのがまさに今の日本へのメッセージですよね。上の天皇のセリフ、勝手に英語を日本語に訳したんで多少のニュアンスの違いは許してくださいm(__)m。でも大事なメッセージだと思います。オレの知り合いでも、いわゆる外人なのに日本人より日本らしい生活をしている人がたくさんいます。今の時代に布団で寝てる日本人がどれほどいるでしょうか?畳が敷いてある純和式の部屋で生活してる日本人がどれほどいるでしょうか?生まれてからずっと和食しか食べてない日本人がどれほど・・・。ねえ?ぶっちゃけ海外から来た人のほうが日本についてよく知ってるなんてパターンも少なくないですよ。海外から来た人に日本の事について聞きながら「へえーへえー」なんて言ってる人もけっこういるはずです。やっぱ自分の国について外人に教えてもらうなんてかっこわるいですよね。ほんとにこの映画を見ていわゆる日本の心を思い出して欲しいと思います。人に言うだけでなく、オレもそういう努力をしていきたいと思います。そういう事を思わせてくれた映画でした。
9点(2004-05-16 20:44:55)
55.  ゼニガタ 《ネタバレ》 
不死身の男・静香と、彼を弟に持つ居酒屋銭形の店主であり金貸しの富男の二人の話。「銭形」という名前からストーリーを作ったのであろうが、これがなかなか、面白い映画でした。20万は20万でも、働いて稼いだ20万、サラ金や闇金で借りた20万、誰かから盗んだ20万、弟を救うために母親に渡す20万。。。全部20万なのに、そこにある価値は変わってないのに、確かにそれぞれ全部形が異なってるなと思いました。わかっているはずのことなのに、改めてゼニの形というものを意識させられた気がしました。  OLの世界、と言うか女性の世界は男の私にはイマイチわかりませんが、ああいう集まりの中ではやはり身なりや社交の場でどれだけ見栄を張れるか、つまりお金を使うかが重要なんでしょうか。私には性別やお金の問題ではなく、そう言うグループに属してしまう本人の問題なのかなと思ってしまいましたが。ともあれそんな世界に住む珠さんは闇金で借金し、職場で窃盗を繰り返し、それがバレ、職を追われ、結果極道の女になってしまうことに。極道の磯ケ谷のお金の保管の仕方は正直おいおいと思いましたが。ただのマンションの一室の冷蔵庫に億のお金と拳銃置いておくとか、セキュリティガバガバ過ぎじゃないですか?珠でなくても、ある日空き巣に入られてそれら全部取られてもおかしくないし。あの管理の仕方はありえないなぁ。。。  とにかく世界観が見応えあります。独特な雰囲気の金貸しと、その不死身の弟と、そこにひょんなことから入ったボクサー崩れの若者。金貸しには彼なりの礼儀やルールがあって、それがかっこいい。不死身の弟は謎めいていて、一見ただのチンピラだけど彼の葛藤も見えたりしてしっかりキャラが立っている。それをある種客観的に見つめる元ボクサーの彼も大事な役回り。  極め付けはラストのエンディングテーマ。Tsukemenのvolcano、ハマってしまいました。最初から最後まで良い味を出してる映画でした。
[インターネット(邦画)] 8点(2023-03-23 05:02:08)
56.  詩季織々 《ネタバレ》 
三本のショートストーリーの中では、「陽だまりの朝食」が一番好きだったかな。食べ物系って個人的に好きです。食べたくなるから(笑)逆に言うと、食べたくなるようにうまく見せてくれた作品だったと思います。  全て中国が舞台。という割には、あまり外国感はありません。名前が中国的なくらいはあとはほぼ日本の造り。顔の造形も、同じアジアなので当然ですが、人の考え方も。実際の生活の中だと、同じ地域の同じ顔の作りの人たちだけど、文化や考え方は結構違うのかなあとか思ってたので。なんとなく内容が日本的で、実際中国であんなふうに思ったりなるのかなあと疑問に思いながらの鑑賞でした。知らないので、憶測であり勝手な違和感ですけどね。  それにしてもビーフンは美味しそうだった!おばあちゃの思い出のビーフンも、学生の時の思い出のビーフンも、どちらも食べたい。いっそ自分で作ろうかな。そう思うほどに。時が経ち、人も変わり、ビーフンも変わる。好きだったお店も急に無くなっていたりする。そう言った人生の切なさのようなものを見ることができました。  他のエピソードも似たり寄ったりという感じですが、最後のエピソードもけっこう切なかったですね。カセットテープレターのやり取りなんて、憧れます。 全体的にとても感情に訴えかけてきて、とても面白かったと思います。それぞれのエピソードも綺麗にまとまっていて、楽しめました。
[インターネット(邦画)] 8点(2023-02-18 07:55:48)
57.  映画 深夜食堂 《ネタバレ》 
ああもう、この雰囲気がすでに良い。映画としても楽しめるし、実際にこんな食堂に通いたいという思いも抱く、素敵な映画です。  大きく3つのパートに分かれます。「ナポリタン編」と「とろろご飯編」、そして「カレーライス編」。個人的には「とろろご飯編」が一番好きかな。ホームレスのように街をさまよう女の子の人生や人柄に触れ、とてもあったかい気持ちになれる。食い逃げをするまでの展開、謝罪とともに押しかけそのまま深夜食堂に雇われる展開、かつての恋人との決別・周囲に認められ雇い口を見つけるまでの展開。そして最後、以前食い逃げをしたとろろご飯をマスターに頼む展開・・・。しっかり土鍋で炊かれたご飯にとろろをかけていただく。最高の食事だな。涙が出るわけでもない、とんでもない事件が起きるわけでもない、でもこのとろろご飯のように心にじーん、、、と染みる、いい話でした。 「ナポリタン編」はたまこに引っかかったはじめちゃんに感情移入してしまって、なんか見ていられなかったな。いや見ましたけどね。  寡聞にして存じ上げず、小林薫さんという俳優を知りませんでした。たぶん何かの映画やドラマでお目にかかったことはあるんでしょうが、名前と顔を一致させたのは今回が初めて。でもこの『深夜食堂』のマスターをするために俳優になったのかなってくらい似合っていました。一ミリも文句のつけどころのないキャスティングです。 原作やドラマバージョンもほとんど知らず鑑賞しましたが、全く問題なく楽しめた。ゆったりとした夜の飲み屋の雰囲気を味わいたくなったら、是非。
[インターネット(邦画)] 8点(2023-02-03 22:07:26)
58.  あのこは貴族 《ネタバレ》 
現代の日本でもこういうことってあるのかなーって目線で見ていました。作中の台詞にあるように、こういう貴族階級の人たちと一般人って棲み分けがされていて、お互いがほとんど関わらないようになってるのかなと映画を見ながら考えてしまいました。慶應の内部生と外部生のように。 五章に分かれて作られているストーリー。急に過去に戻ったり現在になったり少し時系列を掴むのが難しい映画でした。基本的に上流階級の家でいわゆる箱入り娘的な華子を中心に、その婚約相手となってくるさらに上流階級出の青木幸一郎、そしてその遊び相手の美紀の3人を中心に話は進みます。 印象に残ったシーンやセリフはいくつもありました。上述のものもその一つだし、橋の反対側を歩いていただけの通りがかりの女子高生と手を振り合ったシーン、「女同士すり減らす必要はない」や「結婚に縛られず、いつでも別れられる自分でいたい」という考え方も共感できました。  特に印象に残ったのは最後の方のシーンで、「みんな決まった場所で生きてる。親の人生をトレースして、そっちの世界もうちの地元もなんだか一緒。」政治家の世襲のニュースなんかを思い出したりして。そういえば岸田首相の息子も翔「太郎」だったなあとか。でも、そこが上流階級の家だろうが一般家庭の家だろうが貧困家庭の家だろうが、それが環境であれば基本的にそこに疑問を持って生活する人のほうが特殊なんでしょうね。例えば我々現代の日本人が、日常に戦争のある生活なんかリアルに想像できないように。  環境に逆らって生きることが別にいいことだとも思いません。その逆もしかり。極論どっちでもいいかと。ただそのどっちかをきちんと自分で選択し、そしてその結果を自分の選択の責任としてしっかり受け入れる、そういう心持ちだけあればそれでいいと思いました。 ずっと落ち着いたトーンでじっくり考えられる、良い映画でした。
[インターネット(邦画)] 8点(2023-01-17 10:46:37)(良:1票)
59.  宇宙でいちばんあかるい屋根 《ネタバレ》 
近所のお兄さんへの憧れ、複雑な家庭環境、学校でのSNS絡みのゴタゴタ、など題材としては昨今よく見るもので特に真新しいとは思わないんですが、つばめと星ばあのやり取りが秀逸すぎて楽し過ぎた(笑)実際会ったこともない誰かと誰かのやり取りだけで笑ったのっていつぶりだろうか。とても楽しく、心が和むやり取りだった。  特に個人的な感想として、つばめがすごく大人だなぁと感じた。あの家、つばめの態度次第では崩壊してますよね。なのに父親はつばめの側に立ってる気配がほとんどなくて自分の都合と新しい奥さんと子供のことが優先のように思えて、そこがすごく違和感でした。母親のひばりと会ったと伝えた時ももっとなんか言うことなかったのか。つばめに対しても、自分の恋愛事情を棚に上げてやたらつばめの恋愛事情をいじろうとするが、自分の立場わかってるんだろうか?娘の立場なら普通不快ないじりでしかないことがわからないのかな。つばめ側にそれを受け入れてる様子もありませんでしたし。つばめの態度が軟化したことにかこつけて距離をつめにきたように見えた。なんか、ずっこい。あの父親だけ不満です。  桃井かおりさんの星ばあはとっても良かった。ぐだぐだとくだを巻きながら時々核心をつくそのしゃべりや、なぜか不思議なことができるところ、そして謎の包容力。見ていて安心できますね。登場シーンこそ不安だらけでしたけど(笑)  「屋根を見ればどんな人が住んでるか大体わかる」 ふとそれを思い出して周りの屋根を見てみました。意外と屋根なんて見ないもんですね。こんな色してたんだ、瓦かな、スレートかな、あの材質はどっちだろう、などよく見ると色々普段見えてないことがわかりました。  映画とかだとよく屋上のシートンとかありますが、現実にはなかなか屋上に行ける建物とかないもので…少し、憧れます。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-11-11 17:55:29)
60.  アルプススタンドのはしの方 《ネタバレ》 
とてもこだわりを感じる映画です。タイトルのとおり、アルプススタンドのはしを中心に映し続け、出演するのは数名の生徒と一人の先生、その他応援の生徒のみ。野球の試合であるにもかかわらず選手やグラウンドは一切映されません。出てくるのは名前のみ。相手の4番、松永くんと、こちらのエース園田くん、そしてヘタクソな努力家、矢野くん。名前しか出てこないにもかかわらず、この三人は驚くくらいキャラクターが立っていました。一瞬たりとも顔どころか姿も見せない、声すらもない、そんなままでここまで人を描くことができるのかと、感動を覚えました。素晴らしい映画です。  私も彼らのように「アルプススタンドのはしのほう」に陣取るタイプです。賑やかに応援するエリアを避け、やや静かな空間を見つけてそこを自分の居場所にする、そんなタイプ。そんなタイプの四人が集まって、「なんで野球だけ特別扱いなんだろう?」とか「送りバントって何?」とかあまり真剣に野球を見るでもなく応援するでも無かった。しかしそんな四人のうちの一人が先生の熱意に同調し、園田くんを応援する秀才・宮下さんもそれに続き、二番手ピッチャーを運命付けられて部を辞めた藤野も続き、最終的にみんな気づいたら声を張り上げて応援していた…。 ある意味グラウンドとスタンドは別世界なのかなと思いました。選手たちはグラウンド内で自分たちの闘いをするわけですが、スタンドのほうはある意味で試合そのものとは関係なく、そこにいる人たちがそれぞれ自分と野球、それと選手たちとの関わりを見つけそれを試合や選手に投影して楽しんだり応援するものなのかな、と。  私も正直野球の応援というのがそんなに好きではない。サッカーやバスケは学校をあげて応援なんて全国レベルの強豪校でもない限り無いのに、なんで野球だけは一回戦から、しかもそれほど強くも無い無名の学校でもみんなで応援に行くのが当たり前のような雰囲気があるんだろう、と、作中のセリフそのままのことを私も思ってたので、強く同調しました。この映画を見てもそのあたりの疑念を払拭はできませんが、でも頑張る誰かや好きな誰かを一生懸命応援するというのも良いもんだなと思いました。姿も声も聞こえてきませんが、矢野くん、最高です。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-11-08 21:12:41)
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