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コメント数 1963
性別 男性

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701.  細雪(1950) 《ネタバレ》 
「細雪」ていうと市川崑監督のものがやはり一番有名らしいし、見ている人も多いのかな?そんな中で三度映画化されているというこの「細雪」一番最初のがこの作品だそうで、まず何よりもキャストが凄い。四姉妹の中でも一際目立つのが高峰秀子です。一つ上の姉のお見合いの心配をする一方で自分はというと、これまた全くもってタイプの違う二人の男に愛され、悩みながらも最初に付きあい結婚まで約束している男でなく、命の恩人である男への恩返しかどうかは別として、後から現れた男を選ぶもその男は死んでしまう。その後の高峰秀子が何と恐ろしい。あんなけばいかっこして、タバコまでぷかぷかふかしている高峰秀子など想像もしなかったぐらいの凄さです。美しい四季の香りと風景、そして音楽の美しさも心に残る。姉妹それぞれの悩み、問題などを鋭く描ききっているところなど凄さは感じるものの、やはり高峰秀子一人が他の姉妹とは違って見えるのが良いのか悪いのか?見る人によって考え方が違うと思う。それにしても田中晴男が哀れというか、惨めというか、こういう役柄が本当によく似合う俳優だなあと思うのと市川崑監督の「細雪」も観て二つの作品を比べてみたいと思います。個人的意見からしたらキャスティングは絶対にこの方が市川崑監督の「細雪」より良いような気がするが、果たして如何に?
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-03-19 21:57:29)
702.  “エロ事師たち”より 人類学入門
今村昌平という監督は真面目な人間、普通の人間にはあまり興味がないらしい。誰からも偏見的な眼で見られ、変人扱いされているような人間を描くことに力を入れているように思える。この映画など正にそれです。明らかに師匠である川島雄三監督の影響を強く受けていることが見ていても解る。小沢昭一のズブやんは確かに普通ではない。しかし、そこには人間が食べていく為に選んだ道がただ普通の人とは違うというだけのことで、食べるために、生きて行くために働かなければならないというそれこそこの監督がこの映画の中で問い掛けている問題だと思います。真面目な人間とそうでない人間との対比という意味からしたらここで描かれている人間像は不真面目に見えるかもしれないが、坂本スミ子の春との関係はけして、不真面目ではなく、それこそ人間らしい愚かな一面を描きつつもきちんとした愛情を見せている。作品全体の空気がやたらとドロドロしているのはこの監督らしいと言えばそうであり、師匠である川島雄三監督の描く可笑しな人間、不真面目な人間、変わっている人間を描く喜劇のような軽快さがまるでないのはいまひとつ好みではないものの、人間の持っているいやらしい部分を描くことに関してはこの監督さんはやはり上手い。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-03-16 11:58:10)
703.  稲妻草紙
拝啓、木暮実千代様!あぁぁ~あたしゃ、もう貴方様に完敗(乾杯)でございます。阪妻を見つめる時のあの目付き、姿といいもう参りました。なんて眼をしているんだ?あんな風に見つめられたらと思うと、あぁぁぁ~!阪妻が木暮実千代と進藤英太郎を眼の前にして太鼓を打つ真似をするシーンが1番良い。監督があの「無法松の一生」と同じ稲垣浩監督てだけあって、あの場面は「無法松の一生」を思い出す。思わせずにはいられない。それを楽しそうに下からそっと顔を上げて阪妻を見る木暮実千代があぁぁぁぁ~あのシーン、あれだけで木暮実千代の持っている魅力が全て現れている。話そのものは特別凄い面白いとは感じない。しかし、阪妻の「無法松の一生」での富島松五郎を思わせる優しさ、そして、何と言っても背中で全てを語っているような男の哀しさがここでも健在だし、チャンバラシーンもきちんと用意しているし、他にも田中絹代、三國連太郎の好演も忘れることは出来ない。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-03-01 10:30:08)
704.  マタンゴ 《ネタバレ》 
「マタンゴ」何てタイトルなんだ?たった一文字「マ」があるとないとでかなり違ったイメージを抱かせる。「タンゴ」と「マタンゴ」では明らかに違うだろう!「タンゴ」だと踊りだしたくなる。ところがこれがたった一文字「マ」の字が加わるたけでかなり違ったものになってしまう。「マタンゴ」だと踊りだしたくはならないだろう!踊るよりもまず間違いなくぶっ倒れてしまうだろう!「マタンゴ」いやあ~何だかわけの解らない意味不明なタイトル、そして、見ているとこの映画のマタンゴなるあの何とも不気味な形と色をしている物体、その正体がキノコであるという恐ろしさ、もしもこれがキノコでなくて違う食べ物だったら?マタンゴの正体が毒キノコであるからこそのこの不気味さ、そして、そんなマタンゴに囲まれ美味そうにキノコを食べる水野久美の顔付き、あの口元のいやらしさ、もしも、私がキノコだったらスーパーマリオに喰われるよりも絶対に水野久美に喰われる方が良い。そのぐらい水野久美のキノコを食べる時の美味しそうな食べ方が忘れたくても忘れられなくなりそうです。えっ?何々?水野久美に喰われるならスーパーマリオに喰われる方が良いって?そうかなあ?どうせ喰われてしまうならスーパーマリオよりは女性としての怪しさ、フェロモン全開の水野久美に喰われる方が良いじゃん!私が男だからだって女の人ならそう言うかもしれないけど、男ならきっとそう思うはずです。これは男心を上手くくすぐりながらも人間のエゴイズム、嫌らしさを描いた何とも不気味で本当に恐い恐い映画です。間違っても幼い子供に見せる。お奨めする。一緒になって見るような映画ではありません。
[DVD(邦画)] 7点(2008-02-24 17:17:59)(良:1票)
705.  股旅
市川崑監督の死去というニュースを聞いてとても淋しい!そんな中で借りてきたこの時代劇は一風変わっていて新鮮である。今、観るからこそこの何とも新鮮な世界、そこは今時の時代劇とは違う味わいを感じる。いきなり冒頭のあの啖呵、信太の仁義、繰り返される言葉の応酬、まるで何だか「男はつらいよ」の車寅次郎みたいだ!市川崑監督、この映画を観る限り、山田洋次監督のファンではないだろうか?作品全体の出来としてはさほどの出来ではないと感じるし、滅茶苦茶な感じもするが、その滅茶苦茶な展開も、つまらないとは感じないし、同じ時代劇でも山田洋次監督の時代劇三部作中、世間的に最も評価の高い「たそがれ清兵衛」よりも私は市川崑監督の撮ったこっちのがずっと面白いと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2008-02-15 21:32:01)(良:1票)
706.  美貌の都 《ネタバレ》 
わぁ~司葉子~!何と言うことだ!美しい。美しすぎるぜ!本当にタイトルにもあるように司葉子の美貌に見ていて、クラクラしそうになってしまう。そのぐらい司葉子が美しくて、美しくて、これは完全に司葉子を見る映画と言って良い。断言しちゃいます。木村功の態度、最初は良い奴だと思っていたものの、酷い!あんなにも美しくて汚れを知らない司葉子を何てことだ!出来ることなら司葉子にも淡路恵子同様、思い切り木村功の頬を引っ叩いて欲しかった。金持ちとそうでない者との人間としての生き方、対比の見せ方、なかなか上手く描かれていて感心させられる反面、やはり木村功にはかなり腹が立って仕方なく、ただ、そんな中、木村功とは対照的で人としての温かさを感じる男を演じている小林桂樹が良い。木村功の悪人ぶりとは全くもって対照的である。絶望の果てに母のいる家に戻って来た司葉子演じる千佳子が母にもぶたれ、飛び出行く所を後を追って止めようとする小林桂樹、なんだか私は「社長」シリーズを見ているような気持ちにさせられた。て、あっ!監督が「社長」シリーズと同じではないですか!ラスト、もう一度、やり直そうと千佳子を優しく迎えに来る宝田明の姿とそれを見守る他の人達の微笑ましいこと。このシーンのお陰で最後は救われた気がするが、あのまま千佳子(司葉子)が自殺でもしていたらと思うとやりきれない気持ちにもなる。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-02-02 11:28:59)
707.  肉体の門(1964)
肉体の門、正にその名の通り、自分たちの肉体を武器に生活する女達のドラマが展開されて行く。不況の中、男社会で女が生き抜くためには自分たちの身体を犠牲にまでしなきゃならないという厳しさを描きながら必死になって頑張る女達、作品全体のテーマが重いだけにどの俳優も見ていて痛さを感じる凄まじさを痛感させられた。好みという意味では「河内カルメン」のような作品のが好きだが、作品全体のエネルギーではこちらの方が上かもしれない。 
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-26 18:59:14)
708.  暗黒街の顔役(1959) 《ネタバレ》 
岡本喜八監督と言うと喜劇のイメージが強いがこのようなアクションものでもなかなかやるなあ!と感じる仕上がりになっていて、鶴田浩一二がヤクザから足を洗いたいと願ってる弟を何とかしてやろうとする兄貴を演じている。脇を固める俳優陣が凄い顔ぶれです。あの三船敏郎が脇役としてなかなか公演!ヤクザ相手に一歩もひけを取らないのは流石だが、脇役に徹していながら主役の鶴田浩二を食ってしまうのはどうかとは思ったりもするのだが、いずれにせよ話のテンポが良くて楽しめるのでこんな岡本喜八作品も良いなあ!そう思った。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-19 23:09:27)
709.  モスラ(1961)
フランキー境と香川京子の二人目当てに借りてきたけど二人共にコミカルで面白い。特にフランキー境、やはりこの俳優はコミカルな演技が似合うし、上手い。モスラが出現してからの迫力ある映像、特に橋の下を流れる水が溢れ、小さな子を救出するフランキー境、あの場面、そしてやはり何と言っても東京タワーにしがみつくモスラの不気味さ、どこまでも性格の悪いネルソンがモスラに喰われてやられたらもっと良かったのにと思うとちょっと残念ではあるが、なかなかの出来映えではある。 
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-14 17:51:03)
710.  にっぽんぱらだいす
赤線を描いた映画はこれまでも幾つか観てきたが、この映画でも描かれているのは男社会の中で厳しく生き抜く女達を力強く描いていて、彼女らの人生、これから先、見えてこない希望、それでも何かにしがみつきながら生き抜こうとする姿、ラストのあの軽快な音楽の中、絶望的だと解っていながらも明るく振る舞い去って行く姿にはある意味、希望が見えるそんな気がした。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-13 11:27:50)
711.  落第はしたけれど
久しぶりの小津映画!小津監督によるサイレント映画はまるでチャップリンやキートンの映画を見ているような動き、無駄な台詞を極力避けて、俳優の動きだけで解らせる。この場合だとあの教室でのやり取り、カンニングしようとしては失敗する姿が何とも笑える。全体的にやや、しんみりした感じではあるが喜劇としてはなかなか面白い。みんながみんな同じ動きをしている姿などサイレント映画ならではの見事な動きだし、小津監督はやはり喜劇の監督さんなんだなあ!見ていてそう感じた。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-12 20:38:26)
712.  シミキンのオオ!市民諸君 《ネタバレ》 
うひゃ~!川島雄三監督!こんなぶっ飛んだ作品がまだあったとは、これはハッキリ言って、駄目な人には全く受け付けない。どう見ても駄作だと思うだろう!しかし、敢えて言わせて貰う。川島雄三映画を楽しむには、欠かせないものがハッキリと見て取れる。例えば劇中に出てくる宣伝用映画の撮影シーン、あれなど戦争中の国策映画のパロディを思わせる。常に前を見て誰よりも一歩先を見据えている川島雄三監督の視線の先にある時代を読み取る鋭さ、また変わったものきり集めている社長の変な趣味、孫悟空の卵を集めたり、無人島だと思っていたナマズ島にルーレット、酒場に裸祭りと、普通じゃないこの一癖も二癖もある感覚に私は毎度ながら楽しませてもらえるのだ。清水金一のあの個性もいかにも川島雄三作品らしい。一年間も会社からホサレたとか言ってはノーテンキなことばかりしているようなこのノリに付いて行けたらあなたは立派な川島雄三マニアです。これは間違いなく川島雄三映画だ。けして映画史に残るような映画ではないが、これを語らずに川島雄三という監督を語ることなど私には出来ません。
[ビデオ(邦画)] 7点(2008-01-11 22:23:53)
713.  巨人と玩具 《ネタバレ》 
何なんだ?この異常なほどのテンションの高さは?主役の川口浩と野添ひとみは勿論のこと、脇を固める俳優陣、高松英郎に山茶花究に伊藤雄之助といいその他とにかく誰もが異常なほどのテンションの高さを保っている。何と言う凄まじいテンションの高さとテンポの良さ、飛び交う会話の凄まじさ、ストーリーそのものをどこかへ置き忘れていきそうなほどのハイテンションぶりに見ていてとにかくあきれ返るほどの凄さを感じる。そんな中でも高松英郎のテンションの高さは群を抜いている。部長に対して「あなたは、今はもう、必要としていない人間なんだ」「早く退いてください。あなたは現代においては生きる屍」て凄い。今の世の中、こんな言葉を上司に真っ向から言える人間はどれだけいる?いないだろう!思っていること、全てを吐き出すパワーこそこの映画の持っているものではないだろうか!ただ、個人的好みで言うならば、同じ増村保造監督作品では若尾文子主演による幾つかの作品、例えば「妻は告白する」や「赤い天使」だったり「清作の妻」のようなものの方がこの監督らしくて好きです。それでもこの映画の持っているテンポの良さとハイテンションぶりは昨今の日本映画にはなかなかない。見られないものを感じることが出来ます。
[DVD(邦画)] 7点(2007-12-07 22:12:11)
714.  続・忍びの者
信長、秀吉、家康と歴史ファン、それも戦国時代の話が好きな者にはたまらない人物を描くと共にそこに忍者を入れることで更に興味深い話が前作以上のスケールで描かれていて面白いことは面白いものの、不満もなくはない。ラストが自分にはえっ?て感じの終わり方なのがマイナス!話の面白さは前作以上、俳優陣は皆、好演!でも、あの終り方はちょっと納得出来ない。それにしても相変わらず市川雷蔵は雷蔵らしく他の忍者映画に出てくる忍者よりも泥棒ぽい雰囲気で、そんな市川雷蔵に惚れる。そして、惚れられる女を演じている藤村志保も何とも不思議な影を残すよく解らない女が本当に似合う女優さんだと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2007-11-12 21:08:25)
715.  忍びの者 《ネタバレ》 
織田信長殺しの計画を企てる二人の男、いや、正確には三人かもしれない。市川雷蔵の忍者とそんな忍者に忍び寄る不気味な男、伊藤雄之助に、更にはその手下のような加藤嘉、どいつもこいつも何とかして、信長の命を取ることにと色んな作戦を試みるのだが、中でも皆さん、指摘の通りで、伊藤雄之助が凄い。恐い。本当に不気味です。死に顔までが本当に恐かった。男共に比べると女優陣はやや影が薄く、薄いてよりは魅力に欠けると言うべきか?それでも作品全体の雰囲気はそれほど悪くはない。後半のたたみ掛けるようなテンポの良さは最近の時代劇にはなかなかないものがある。これは続編も見たくなるし、絶対に見なくては!
[DVD(邦画)] 7点(2007-11-02 21:31:41)
716.  くちづけ(1957) 《ネタバレ》 
増村保造監督のデビュー作品はどことなくヨーロッパ映画の香りがする。画面全体から漂う雰囲気も男と女の恋愛的映画作りも何もかもヨーロッパ映画のようです。共に犯罪者である父を持つ二人の主人公、川口浩と野添ひとみが互いに意地を張りつつも惹かれるという話そのものは古く感じるものの、とにかく作品のテンポが良いから見ていても退屈するなんてことはない。それとこの映画、後に夫婦となる二人のまるで結婚を予感させるような何とも不思議な作品です。それにしても水着姿にローラースケートっていうのも何だかちょっと変だが、ああいう描写、それこそ増村保造っていう監督さんの持っている感覚なのかな?その感覚に何故か知らないが、ハマりそうな、ヨーロッパの映画人、映画好きにこの監督の多くのファンがいると何かで聞いた。読んだことがあるけど、これを見ると何となく解るような気がします。
[DVD(邦画)] 7点(2007-10-24 21:01:43)
717.  女が階段を上る時
えっ?団令子って亡くなっていたんだ!知らなかった。川島雄三監督の作品によく出ている女優さんで個性的な女優さんです。それはそうと、これはかなりドロドロしているなあ!まあ、そのドロドロ感こそ成瀬巳喜男監督の得意とする分野なのかもしれない?と何だか見ているうちに思えてきてならない。マダム役の高峰秀子、相変わらず見ている側に対してまるで自分がお客さんになっているように本当に感情移入させるのが上手い。話としてはかなり湿っぽいものの、これはこれでなかなか面白く、特に高峰秀子と一緒になれば幸せになれたはずなのにと思ってしまう加東大介が良い味を出している。それに比べるとやたら冷たい仲代達矢は、う~ん?
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-24 21:52:40)
718.  ある殺し屋 《ネタバレ》 
小料理屋の主人でありながらもその裏では殺し屋という市川雷蔵扮する男がどう見ても殺し屋には見えないというそんな大きな欠点を良い意味で上手く利用し、そして、あのアパートの室内から見える外の景色、ギラギラした雰囲気、シャープな映像、何もかもが宮川一夫カメラマンの手にかかれば、ここまで見事に映し出されるのには頭が下がる。話そのものはそれほど面白いという感じはしないが、俳優陣の好演、特に脇を固める俳優陣、中でも野川由美子のあばずれ女ともう一人、成田三樹夫のお調子の良さ、ラストで全てを持っていてしまうあの台詞、市川雷蔵の台詞の真似をああもあっけらかんと言うなんて、私もついつい「お前は寅さんか!」て突っ込み入れてしまいました。それにしてもこの映画、いくら「殺し屋」てタイトルにもあるように殺し屋の映画だからって、お墓の前でしかも、あんなにも沢山、お金持ってるのに住んでる市川雷蔵の殺し屋、そんなんで良いのか?
[ビデオ(邦画)] 7点(2007-09-21 22:39:03)
719.  秋津温泉
岡田茉莉子の映画出演百本目となる記念の作品てことらしいけど、この映画の岡田茉莉子の美しさは現代の日本の女性には欠けている。いや、欠けているというよりは欠けてしまった。失われてしまったと言った方が良いかもしれない美しさ、それはただ単に外見から溢れ出る美しさだけでない内面的な美しさ、人間の持っている感情表現の仕方にしても見せ方にしてもそう、上手く説明出来なくて申しわけありません。とにかく全てにおいて美しい。そんな岡田茉莉子ともう一人、これは確かにミスキャストかもしれない長門裕之の二人の互いの気持ち、お互い好きなくせにそれをなかなか言い出せない二人、相手のためになら死ねるという二人の気持ちが秋津温泉の地を背景にして、何とも美しい映像と共に見せる。話としての暗さ、最後も何か納得いかない結末ではあるけれど、美しい四季の香りと美しい音楽によって描かれていて、この映画はそんな美しい映像だけでも見ていて損はないと思う。それにしてもこの映画の岡田茉莉子の美しさときたら、言葉で表すのが難しいぐらいの美しさだし、岡田茉莉子という女優には温泉がよく似合う。そんなイメージを抱かせるそんな作品です。
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-09 14:49:23)(良:1票)
720.  理由(2004)
何とそれにしてもよくぞこれだけ多くの出演者を使いながらもきちんと一本の映画として完成させてしまう辺り流石は大林宣彦監督である。今の日本映画でこれだけ多くの人に出てもらうようお願いしても出てもらえる監督は他にはいないだろう!これも大林宣彦監督の人脈あってこそ、東京の下町で起こったある殺人事件の背景にあるのは家族の絆、大林宣彦監督らしいどこか優しさ、温かさを感じる作りに共感出来る反面、やはり少し長いのと説明過ぎるのも気になった。それでも観ていて退屈とは感じない。下手な監督が撮るとこうはならない。それと東京の下町の映像のリアルさ、人が生活しているという感じがして、その辺は同じ東京を描いてる「三丁目の夕日」とは全くもって対照的!何のリアリティも感じない「三丁目の夕日」より断然、リアリテイを感じる。そして、この映画の中で語られる一つの殺人事件から生まれる人間愛、伊藤歩が赤ん坊を抱いてる姿がとても印象的な上に悲しくもある。
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-08 17:20:11)(良:1票)
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