781. 白昼の通り魔
《ネタバレ》 大島渚監督の代表作の一つ。 連続通り魔となった男が、どうして通り魔になるに到ったのか。 その過程を詳細に描いていて面白かった。 気を失った女の体を、衝動的に弄んだら、あら大変、女を犯す味をおぼえてしまったという心理。 そういう性犯罪者の心理を知る上ではこの上なく良くできた映画だ。 そしてモノクロの映像も、その怪しさを引き立てている。 ただし、後半の数十分は蛇足。 退屈した。 ゲロシーンも不要。 連続通り魔犯が捕まった所でアッサリ終わっていたら、もっと鮮烈な印象を残したに違いない。 [DVD(邦画)] 6点(2009-10-04 17:30:39) |
782. 愛を乞うひと
あそこまで母親から散々なDVを受けて、それでも母親が好きだという原田美枝子に感情移入するのが難しかった。 耐え難いトラウマとして、必死に忘れようとするのが普通ではないか? 少なくとも私ならそうする。 まして、母親なんかに会いたいとすら思わないだろう。 原田美枝子にどこまで感情移入できるかが、評価の分かれ目になる作品だと思う。 [ビデオ(邦画)] 6点(2009-09-28 01:01:20) |
783. 清作の妻(1965)
究極の愛の形の一つを見た気がする。 [DVD(邦画)] 6点(2009-09-27 01:18:03) |
784. 笑う蛙
冒頭で、夫が妻の前に突然現れた時の妻の驚き様が、いかにも冒頭で観る者を引き込もうとするあざとい演出に感じられたのはマイナスポイントだが、全体を通しては、軽いテンポの喜劇といった感じで、普通に楽しめた。 何しろ、この映画のポイントは、大塚寧々の魅力の一言に尽きる! 若さと大人としての色気を兼ね備えた、この頃の大塚寧々は、ただそこに佇んでいるだけで、その魅力が画面満面に満たされる。 儚げな魅力と、スレンダーな肢体、良く似合ったスカート、絶妙な膨らみ加減の胸、ほのかに漂うエロス、それらを、長塚京三と一体となって覗き穴から覗く楽しみが、この映画にはある。 そして又、穴からその淫らな行為を覗き、長塚京三と一緒になって嫉妬し、羨むことにより、より一層、感情移入できる展開となっている。 ちょっとエッチに気軽に楽しめる邦画喜劇であった。 [ビデオ(邦画)] 6点(2009-09-22 19:39:14) |
785. どついたるねん
ボクシング好きの私という観点で観ると、ただボクシングの試合を観ているだけでは分からないボクサーの裏側というか、体重を搾ることの大変さとか、そういう部分が実にリアルで楽しめた。 それに対し、映画好きの私という観点から観ると、赤井英和のあまりの素人さぶりに映画としての質の問題を考えてしまった。 そんな中、原田芳雄は孤軍奮闘の熱演。 元々、そんなに好きな俳優ではなかったが、そんな自分の原田芳雄に対する印象を変えてしまう位のかっこよさ。 赤井英和のまずい演技にも関わらず、この作品が映画としての体裁を立派に保っているのは、他ならない原田芳雄の熟達した熱演に拠る所が大きいと思う。 [DVD(邦画)] 6点(2009-09-13 16:24:18)(良:1票) |
786. どっこい生きてる
《ネタバレ》 なんとも暗い作品で、観ていて楽しい気分にはなれない。 最後は希望を含んだ展開をみせて終わるものの、どこか強引で少し不満。 子供が危険にさらされて、奮起してまた日雇いで仕事を探す、という意味であろうが、日雇いで何とかなるなら、一家心中なんか考えなかったはず。 そこら辺が少し納得がいかない。 ただし、河原崎長十郎の演技は迫真に満ちており、往年の爽やかな印象とはかけ離れた落ちぶれた男をすんなり演じているのはさすがである。 それにしても、中村翫右衛門が中村翫右衛門に見えなかった! 役作りのせいか、それとも老けたせいか。 もっと小粋な雰囲気をもった役者だと思っていたので、すこし寂しい気分だ。 [DVD(邦画)] 6点(2009-09-10 05:55:41) |
787. エノケンの頑張り戦術
エノケンは別に好きではないので、それほど面白くはなかったが、主演二人のもの凄いアクションシーンに圧倒された。 頸を捻るシーンは、これがほんとに頚椎がやられちゃうんじゃないか、と観ているこっちが心配になるくらい無理に捻るのだ。 按摩のシーン→頸を捻る→取っ組み合い→寝技→ボクシング 、とアクションは流れるように展開され、この作品がコメディであることを忘れさせるほど、スピーディで、ど派手なアクションシーンであった。 これほど危険なアクションシーンはかつて観たことがない。 ハリウッドのどんなに有名なアクション映画でも、この二人のアクションには到底及ばないであろう。 [ビデオ(邦画)] 6点(2009-09-05 08:46:04) |
788. 最高殊勲夫人
終始ハイテンション、そして細やかな舞台演出と、卒のない内容で最後まで楽しめたものの、源氏鶏太が原作のせいか、ストーリーが変にまとまりすぎていて、どうも窮屈だった。 女性達は揃いも揃って毒を吐きまくるが、これが痛快というより、むしろ辟易してしまう内容で、観ていて爽快になるようなものでもない。 女性陣は又、華やかながら、魅力に欠けるキャラクターばかりで、心が休まらない。 若尾文子も、他の増村保造作品の若尾文子に比べて、女性的な魅力がいまいち発揮されていなかった。 [DVD(邦画)] 6点(2009-09-02 00:13:20) |
789. 白い手
田舎の少年たちの、活き活きとした様を描いた平和的物語。 決して傑作とかではないし、強い感動が押し寄せるわけではないが、ゆっくりと平和な気分で観られる佳作。 それと、哀川翔がいい味を出していた。 やっぱり田舎のヤンキー上がりみたいな男を演じさせると、絶妙な味わいを発揮する俳優だ。 [レーザーディスク(邦画)] 6点(2009-08-17 15:36:11) |
790. 乾いた花
なんだか物凄くどんよりとした任侠映画で、その味わいは独特のものがあった。 池部良がニヒルなヤクザ役を演じているが、どうも違和感があった。 なぜなら、池部良と言えば、それまで爽やかな好青年役を演じることが多く、しかもそれが似合っていたからだ。 しかめっ面にドスのきいた話し方で、ヤクザ役を演じてみせているものの、内面に秘めた上品さというか、人間的優しさみたいなものが滲み出てしまっている気がした。 その後、ヤクザ役を演じることが多くなったらしいが、池部良にはずっと爽やかな役を演じて欲しかった。 歳を重ねると、それは無理な話かもしれないが、爽やかな池部良が好きな私にとっては、こういう役は合っていないと思えてならない。 加賀まりこだが、現在のおばさんイメージがあるので、本作のような謎めいた女性を演じられても、どうにも説得力がない。 池部良にしても、加賀まりこにしても、ミスキャストの感が否めない。 それでも、本作のどんよりとしたけだるい雰囲気は、観ていてその世界に引き込まれるだけのものがあり、それはそれで楽しむことができた。 [ビデオ(邦画)] 6点(2009-08-17 10:24:52)(笑:1票) |
791. 世界
ジャ・ジャンクーの作品を何本か観ることによって、やっとこの監督の魅力が分かってきたよう気がする。 ストーリー展開はあまりないが、美しい映像とアジア的音楽で流れるように進行していく。 これが何とも心地良い。 日本映画やアメリカ映画、そしてフランス、イタリア、ドイツ、イギリス映画とも全く異なった、アジア映画ならではの魅力が感じられる作品である。 舞台ショーのシーンが何度か映されるが、実に色鮮やか。 “スーパーアジアンショー”的で楽しめた。 ところで、本作で音楽を担当したリン・チャンという人物だが、実に魅力的で躍動感溢れる映画音楽を作る人だ。 調べてみたら、『憂鬱な楽園』や『ミレニアム・マンボ』といった音楽が印象的なホウ・シャオシェン監督作品でも音楽を担当しているようだ。 今後、注目したい音楽ディレクターである。 [DVD(字幕)] 6点(2009-08-04 03:40:06) |
792. 山猫令嬢
《ネタバレ》 戦前の作品の雰囲気だなぁ・・・と思ったら、ギリギリ戦後の作品だったようだ。 テーマ自体は戦前を思わせる古臭い内容で、やや苦手なものだったが、テンポがなかなかに良く、意外にも最後までサラリと観ることができた。 実は学校の先生が父親だったと明かされた時、正直ビックリしてしまった。 これにはやられた。 これがいいスパイスになって、後半もそれなりにだが楽しむことができた。 ただし、ラスト付近のお涙頂戴的な母娘の抱きしめ合いと、テンポが良すぎるまとめ方に多少の違和感を感じた。 1940年代の日本映画っぽさというか、1950年代以降の様な成熟しきった感じのない、荒削りな印象を受けた。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-07-16 00:11:50) |
793. シャッフル(1981)
後年の石井聰亙作品である「DEAD AND RUN」の原型ともいえる内容の作品。 走る、走る、走る! 手持ちカメラでブレまくりでひたすら追う、そして逃げる! とにかく走る映画。 そこに石井聰亙監督ならではのテイストが加わり、ハイテンションな仕上がりをみせている。 まさに“疾走感”という名に合致する内容で、石井聰亙の世界を十分に堪能できる異色短編である。 [DVD(邦画)] 6点(2009-07-13 18:34:01) |
794. プラットホーム
この作品を観終えた時、想起したものといえば、ホウ・シャオシェンであり、テオ・アンゲロプロスだ。 素朴でポップなナンバーが頻繁に流れ、外見のイケてない若者が無邪気に自然の中を駆け回る。 そういった面で見ればホウ・シャオシェンの空気を感じる。 一方で、遠景のロングショットが多く、しかも尺も長く、叙事詩的な趣きがあるという面からいえばテオ・アンゲロプロスの作品にも似ているような気がする。 いずれにしても本作から受けた印象としては、もう一度観たらもっと味が出るだろうなぁ、ということだ。 ある村を舞台に繰り広げられる若者たちの群像劇。 そこには筋書きのない現実的な日々が映し出されているにすぎないが、かといって即興的演出でもって撮られたわけではなく、作為性も感じられる。 そういう意味で、ジャ・ジャンクー監督ならではの独自の感性が感じられる作品であった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2009-07-06 00:19:31) |
795. 神の子たち
世界の貧しい子供たちの悲惨さを映像で伝えるという観点でみれば、間違いなく成功している。 だけど、私はドキュメンタリー映画にそういったことは求めていない。 私は、娯楽性重視のフィクション映画はあまり好きではないが、ドキュメンタリー映画だけは例外で、娯楽性重視のドキュメンタリー映画が好きである。 そういう個人的な好みからみて、本作は少し真面目すぎる。 ドキュメンタリー映画『ゆきゆきて、神軍』を大好きな人は、本作を観ても楽しめないだろうし、逆に、本作を傑作ドキュメンタリーと感じた人は、『ゆきゆきて、神軍』にヘドが出るに違いない。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-05 03:35:34) |
796. 宮本武蔵 巌流島の決斗
《ネタバレ》 武蔵と小次郎の対決。 有名な、武蔵の「小次郎、敗れたり」のセリフがカッコ良い。 でも、ラストに至るまでの前置きが長すぎる。 結局、武蔵と小次郎の対決を描いた完結篇なのだから早くラストが観たい・・・と思ってしまい、イライラしてしまった。 にしても、片岡千恵蔵はやっぱり微妙だ。 長谷川一夫もそうだけど、腕が華奢すぎる。 特に、弓を射るシーンでの左腕の露出に、悲壮感さえ感じてしまった。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-06-14 05:00:15) |
797. 宮本武蔵 二刀流開眼
佐々木小次郎を演じた若き日の高倉健、初登場! これがかなりキマっていてカッコいい! 武蔵を演じた錦之助がかすんでしまう程の存在感だ。 (P.S.) 入江若葉は気持ち悪かった。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-06-02 00:56:24) |
798. 濹東綺譚(1960)
新藤兼人監督のリメイク版を先に見ていたが、脚本はかなり異なった趣で、ストーリーは新鮮味をもって楽しむことができた。 芥川比呂志の演技も控えめな味わいがあって素晴らしく、隅田川べりにあった「玉ノ井」の娼婦街も、場末な雰囲気が出ていて素晴らしかった。 街の風景描写を楽しみ、昭和初期の東京下町風情を楽しめる作品に仕上がっている。 でも山本富士子がなぁ… [映画館(邦画)] 6点(2009-05-24 18:57:17) |
799. 女体渦巻島
これは何と言ったらいいか・・・ 石井輝男ワールド全開というか、B級路線の極みというか、うぅむ。。 石井輝男好きとしては、ここで感想を終わらせたい作品なのだが、強いて感想を言えば、 「石井輝男を好きな人なら間違いなく楽しめる内容。そうでない人には無理な内容。」 って感じかなぁ。 それにしても、吉田輝雄に天知茂のご両人。 いずれもひけをとらずニヒル! 特に天知茂のニヒルぶりと成りきりぶりは凄い!の一言だ。 そして、三原葉子は相変わらず顔が下膨れである。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-05-04 23:12:42) |
800. 王将一代
《ネタバレ》 ナンミョーホーレンゲーキョーナンミョーホーレンゲーキョーナンミョーホンレンゲーキョー・・・ しまった! またリメイク観てもうたー! ストーリーを楽しめないからリメイク系は楽しめない気質なのに・・・ でもあのブラックなラストにはビックリ。 なかなか最後にくわせてくれます。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-04-19 00:08:44) |