921. 愉しき哉人生
これは素晴らしい! 間違いなく名作! 小ぶりながら、そこから発せられるメッセージたるや、人生を動かすほどのものを感じる。 不幸と感じている人がこの作品を観れば、気分が軽くなるに違いない。 日々の生活に退屈さを感じている人がこの作品を観れば、日々の生活から幸せを見つけられるに違いない。 幸せな人がこの作品を観れば、その幸福を噛みしめられるに違いない。 そんな力がこの作品にはある。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-04-05 23:20:07) |
922. 仁義なき戦い 完結篇
《ネタバレ》 暴力による争いは社会からはこれからも消えない、と提言しつつ、世代交代を告げて「完」の文字。 これはこれでそれなりのまとめ方だが、果たして本作が必要あったか? そこは少し疑問が残る。 前作の雪の降るシーンが良かっただけに、前作でシリーズ完とした方がしまりが良かった気もする。 それはそれとして、シリーズ全体として総括すると、結局、暴力や組織による搾取という社会の害悪はなくすことができないということだ。 世代が代わっても、それは脈々と引き継がれていく。 それが世のならわしなのだ、と。 ストーリーや登場人物はとめどもなく、一見エンドレスでまとまりのない内容かと感じるが、まさに本作の訴えたいことは、その終り無き戦いである。 終りなき暴力、闘争、覇権争い。 そういったことを本シリーズは的確に訴えている。 そういう意味で、本シリーズは単なる娯楽作品ではなく、社会派的な主張をも感じる、筋の一本通った作品だと言えるではなかろうか。 [DVD(邦画)] 6点(2009-04-05 19:45:48) |
923. 仁義なき戦い 頂上作戦
一度死んだはずの松方弘樹が何食わぬ顔で復活。 そして、菅原文太のオヤジだったはずの梅宮辰夫がいつの間にやら文太の兄弟分に。 ストーリーとは直接関係ないものの、この役者の再利用がどうも作品自体のリアリティを落としている気がする。 [DVD(邦画)] 5点(2009-04-05 16:53:01) |
924. 仁義なき戦い 代理戦争
シリーズを3本観てきて感じたことは、本シリーズが言われているほどには任侠映画の最高峰ではないということだ。 梅宮辰夫と渡瀬恒彦が使いまわしで別の役をこなしている時点で、何か違う。 それに、それぞれの作品の継ぎはぎ感が強く、シリーズ全体としてのつながりが甘い。 特に第三作目にあたる本作では、複雑な組織間抗争ばかり描いていて、任侠映画というより政治モノを観ているかのような錯覚をおぼえてしまったほどだ。 大体、ボンクラ頭という設定とはいえ、金子信雄をここまで重宝に扱うところに、役者不足の台所事情が見えてならない。 それに、田中邦衛などを脇役に使うのは、ヤクザ映画として考えると、少し違和感を感じる。 そんな中、小林旭だけは強い個性と迫力を発揮していた。 仁義なき戦いシリーズと聞けば、日本映画史上最高の任侠映画という先入観を持っていたが、沢山のヤクザ映画を観ていれば、本シリーズが最高峰でないことは薄々分かってくるのではないだろうか。 本シリーズに対して期待が大きかっただけに、失望感でいっぱいだ。 [DVD(邦画)] 5点(2009-04-05 00:02:07) |
925. 仁義なき戦い 広島死闘篇
一作目では出てこなかった成田三樹夫が出ている時点で、前作を上回っている。 梶芽衣子の美しさも特筆もの。 [DVD(邦画)] 6点(2009-04-04 00:45:08) |
926. 仁義なき戦い
まさに男の映画。 この良さは男にしか分からない! シリーズの幕開けを飾る第一作ということもあってか、第一作自体にそれほどのものは感じないが、これからを予感させる作りに仕上がっている。 [DVD(邦画)] 6点(2009-04-03 20:55:05) |
927. 鬼
わからん・・・ それにしても、この監督の人形はとにかく気色が悪い! ただそれだけで、最悪だ。 [DVD(邦画)] 0点(2009-03-31 21:22:48) |
928. 雁の寺
はっきり言って、一度観ただけではその魅力を理解することなんか到底できなかった。 そんだけワケが分からない。 ただ一つ言えることは、「閉鎖的な寺」「スケベじじぃ坊主」「若き女性」というキーワードが重なっただけで、まことに淫靡な世界が出来上がるということだ。 この設定だけで、はっきり言って十分面白い。 ラストの意味ありげなショット、恥ずかしながらよく理解できず。 つまりは、この作品の意味、凄さ、魅力も理解できなかったということだ。 これは惨敗だ。 この映画に私自身が負けたという感じ。 大映映画の重厚でいて荘厳な雰囲気がバリバリ発散され、そこに川島風味が重なり、ただごとではない雰囲気が出てるのに、その魅力がいまひとつ理解できない。 これは久しぶりに悔しい作品を観たものだ。 何度も観るにたえる作品と言えるだろう。 [DVD(邦画)] 6点(2009-03-28 23:00:22) |
929. ヘアスタイル
こりゃ、しょーもないオムニバスだ。 一話目の「おさげ~」だけは普通に観られたが、他はてんでダメ。 期待ハズレの邦画オニムバスだった。 [DVD(邦画)] 3点(2009-03-26 21:22:21) |
930. 追悼のざわめき
《ネタバレ》 大阪、いや日本最強のアングラな街、大阪・釜ヶ崎。通称、「あいりん地区」。 ここを舞台に繰り広げられる、あまりにグロテスクで悲しいドラマ。 久しぶりに覚悟をしてから鑑賞にのぞんだ作品だった。 でも意外と大丈夫だったような、意外とダメージを被ったような、すぐには分からない感じの感触。 ただ、確実に言えることは、嘔吐物だけは生理的にダメだったこと。 口からデロデロ、お口からお口へトロトロ、口からベチャベチャ、いっちょすかーん! キモイ! ラストシーンもお決まりとはいえ、気持ちの悪い後味。 でも、そんなグロいシーンの数々は、時が経てばそのうち忘れてしまうだろう。 そんな中、ずっとトラウマ的映像として残ってしまいそうなのが、かわいい妹を犯し、殺してしまうシーン。 変に美しく撮られているだけに、悲壮感がはちきれんばかりに画面いっぱいに発散されている。 これは単に気持ち悪いとかでは表現できないものがあった。 このシーンによって、心にずっと残ってしまいそうなダメージを被った気がするのである。 [DVD(邦画)] 6点(2009-03-26 00:30:09) |
931. 二十四の瞳(1954)
日本映画史上に燦然と輝く名作中の名作を遂に鑑賞することができた。 未見の日本映画としては、私にとっての“最後の大物”であった。 ただ、観る前から嫌な予感があった。 原作、壺井栄による小説を読んだことがあるし、子供を題材にした小豆島の物語というのは分かっていたので、自分の好みに合わない題材であることが明白だったからだ。 だからこそ、ここまでの名声を得た作品を今まで観ていなかったのだろう。 2時間半に渡る長尺の作品で、最初から最後まで実に苦痛であった。 何と言うか、感覚的に合わない感じ。 高峰秀子の演技は素晴らしいし、小さな島におけるほのぼのとした古き良き時代の雰囲気が良く出ているし、映画の出来としては素晴らしいことは間違いないのだが、それが頭では分かっていても、感覚的にどうも不協和音が心の中にざわざわと鳴り響いていた。 そういった状態で2時間半を送ったのだから、これははっきり言ってしまって苦痛以外の何物でもなかった。 これだけ高い評価を得ている名作に、批判的な感想を書くのは勇気が要るが、正直に書いてみた。 この作品を愛している方々には申し訳ない気持ちである。 理由を長々書く気は到底湧いてこない。 ただ一つ言えば、私は“異端の人間”を愛する性向があって、こういった正統派の人情劇は根本的に相性が悪いからだ。 戦争による犠牲を悲しむ気持ち、教え子に対する真っ直ぐな気持ち。 これらは人間にとって欠くことのできない大切な感情である。 だけど、それをひたすら真っ直ぐに2時間半描かれても、私には退屈でしかない。 人間には色んなタイプの者がいるだろうし、変質的な人間もいる。 だけど、本作の世界にはそういった人間たちは封印されて、どこかに追いやられてしまっているのだ。 綺麗すぎる世界。 これが、私にとってこの作品に退屈感をおぼえた最たる理由である。 [DVD(邦画)] 3点(2009-03-24 23:04:22) |
932. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
《ネタバレ》 話としては良くできているし、子供も大人も楽しめる絶妙のバランスは素晴らしい。 だけど、私にはちと苦しかった。 家族の絆、家族の幸せ、これは人生の全てと言っていいほど大切なもの。 しかし、人生って色んな価値観があって然るべきもの。 それを家族の幸せ第一と決め付けた作品的背景、一元的価値観の決め付けが何とも評価しがたい。 ラストシーンで、彼ら二人には飛び降りて欲しかった。 [DVD(邦画)] 5点(2009-03-23 23:33:23)(笑:1票) |
933. スピード(1980)
6、7分くらいのショート・アニメーション。 小さい頃、何気なくテレビとかで観ていたような気のする、線で描いた様なアニメ。 確か、そういう感じのCMもあった気がするが。 とにかく、何となく観ているうちに、そのまま終わってしまった感あり。 作品というより、何かの夢を観ている様だった。 [DVD(邦画)] 3点(2009-03-23 21:46:49) |
934. 虹にむかって
《ネタバレ》 橋の無い川を隔てて、二つの村があり、それぞれにお互いを想い焦がれる男女がいる。 二人は川の向こうにいる愛しい人に合う為、川岸をずっと歩いて船着場まで行って、やっと会うことができた。 そこで二人の男女は約束を誓う。 「二人で力を合わせて橋を作り、結婚をしよう」 と。 かくして、二人は土木作業にあけくれた。 やがて橋はめだたく完成し、二人はめだたく結婚・・・ と、まあ、20分足らずで、これだけの内容を盛り込んでいるので、ただストーリーを追っただけの内容になってしまっていた。 明るくて前向きな話だし、愛する男女同士が力を合わせて一つのことに取り組む、といった美談なので、好きな部類の話なのだが、単調すぎる感は否めなかった。 [DVD(邦画)] 6点(2009-03-23 21:45:26) |
935. 忠魂義烈 実録忠臣蔵
ご存知、忠臣蔵。 リメイクされまくりで、今更ストーリーうんぬんを言っても仕方ないが、大して面白くはない。 [ビデオ(邦画)] 4点(2009-03-23 21:44:30) |
936. 逆噴射家族
《ネタバレ》 ふぅ~、疲れた。 まずそれが第一。 少しずつ家族が崩壊していく静かな前半は楽しめたものの、崩壊しきった後半は飽き飽きモード。 少しやりすぎ。 工藤夕貴がキャーキャーうざい。 『家族ゲーム』と比較すると、“動”と“静”という感じ。 もちろん本作が“動”だが。 [DVD(邦画)] 7点(2009-03-22 21:07:54)(良:1票) |
937. 道成寺(1976)
《ネタバレ》 あれ?? 登録もあって、あらすじも書いてあるのに、レビューがない! なんてこった! これは、はっきりいってホラーだ。 怖い。 女の情念、まさにこの一言に尽きる内容。 怖いし、楽しくもないし、アニメは苦手だけど、だけどだけど、良い評価をつけざるを得ない。 なぜならば、観る人を飲み込んでしまう様な、圧倒的な雰囲気を持っているからだ。 しかも、短編アニメなのに、この迫力。 女性に気に入られること自体は素晴らしいことだが、本作の様に、一方的に気に入られ、しかも拒否ったにも関わらず、物凄い勢いで追いかけてきて、挙句の果てには殺されちゃったら・・・ 犯罪を地でいく世界で、はっきり言って犯罪映画。 ストーカー殺人映画とも言っていいだろう。 特に、川を船で渡って逃げているところを、崖からダイビングしてきて、鬼の形相で荒れる川を泳ぐ女の姿には参った。 あそこまで女に思い込まれてしまうと、男は逃げるしか術を持たないのだろうか。 女の恨みやエゴ、執念とかに対して、男はなす術もないのだろうか・・・と考えてしまった。 [DVD(邦画)] 7点(2009-03-22 18:25:47)(良:1票) |
938. おこんじょうるり
うわーん。。 久しぶりに目が潤んでしまった。 ひじょ~~~に、良いおはなし!! 是非みなさんも、この奇跡の短編アニメーションを観て下さい!! 確か、キネマ旬報ベストテン第一位に輝いたはず。 そんだけ凄い。 キツネが謡う、あの「じょうるり」は素晴らしい! 絶品!! [DVD(邦画)] 8点(2009-03-22 15:17:30)(良:1票) |
939. A2
上祐史浩を見られただけでも観た甲斐があったってもんだ! [DVD(邦画)] 7点(2009-03-22 04:09:24) |
940. A
《ネタバレ》 地下鉄サリン事件で罪のない人を不幸のどん底に陥れたオウム真理教。サリン事件の後、教団に残された彼らは痩せていた。それに対し、麻原教祖は誠に肥えている。麻原教祖は子孫を作り、体は肥えて、好きなことをやっている。およそ、仏教の唱える俗物や本能を遠ざけるそれとは真逆のことである。なのに、末端の信者達は、好きなことはやってはいけないと教えられ、それを日々守って暮している。ここにまず矛盾がある。サリン事件の非を認めようとしない信者達の姿勢にも、無理を感じる。ところが、刑事に職務質問をされ、因縁をふっかけられて、最終的には「公務執行妨害」とやらで、警察署に連行されてしまう信者の出てくるシーンがある。このシーンに私は非常な憤りを感じた。国家権力という最高権力の前には、サリン事件を起こしたオウム信者の力など、豆つぶ同然で、警察がどんな暴挙に出ようと、オウム信者達ははむかう術もない。これは立派な人権蹂躙である。サリン事件だけを見れば、オウムは極悪集団だが、その全てをもってオウム信者達を弾圧していいということにはならない。被害者達は被害者意識をもって、オウムをバッシングするが、そこに見境がないのだ。被害者なんだから、何を言ったっていい。悪いことをしたんだから、そこにいる信者達は何をされても仕方ない、と思っているのである。オウムがやったことは悪いことだが、一方で最低限守られなければならない「人権」というものがある。被害者達は、被害者意識がいきすぎて、この大切な「人権」というものを無視している。これは、とても危険な思考回路だ。破壊活動防止法というのが、事件当時問題となった。この法律は、危険な集団に対して、人権を無視してでも、封じ込めて良いとする危険極まりない暴力的な法律である。被害者達からしてみれば、自分達が酷い目にあったんだから、この法律をオウム適用して、オウムを八つ裂きにしてやりたいと思っているかもしれない。だが、そういった感情めいたものは、オウムがサリンで無差別殺人を行ったことと、本質的にはどこも変わらないのだ。 [DVD(邦画)] 7点(2009-03-20 00:46:36) |