961. 鉄道員(ぽっぽや)(1999)
《ネタバレ》 原作の、短編ならではの切れ味が全然生かされていません。時間を保たせるために苦心して積み上げたようなシーンが目につきます。それから、この主人公は、業務以外には何も考えられないくらい不器用なところに意味があったはず(だからこそ、娘の行動が感動を呼ぶ)。健さんだと、結局は何でも解決しそうに見えてしまうので、明らかなキャスティングミスです。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2011-04-11 23:01:25) |
962. トウキョウソナタ
《ネタバレ》 兄が米軍に入るのはあまりにも唐突すぎだとか、弟と教師の関係の描写が凡庸だとか、見ていて気になる点はいくつもある。しかし、終盤の、家族がそれぞれ秘密を抱えながら、何事もなかったかのように装って朝食をとるシーンが秀逸で、それまでの弱点を補って余りある。中途半端に解決をしないところがいいのです。小泉今日子があんな安定した芝居ができるというのも驚きました。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-04-09 21:27:58) |
963. 天国にいちばん近い島
脚本は何から何までグシャグシャだし、主演の2人の演技の下手さには周りが全員巻き込まれてるし、原田知世は最初イモくさいと見せかけてどこかで華麗に変身・・・と思ってたら最後までそのままだしで、何を目的として作られたのかさっぱり分かりませんでした。久々に聴いて意外と良い曲だったテーマ曲に2点。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2011-04-07 02:17:44) |
964. 時代屋の女房
作品全体のぼーっとした感じが妙に心地よい。まっとうな展開ならいろいろな悩み事に直面すべき場面もあるのだが、「そんな細かいことは気にしなくていいんだよ」とすべての登場人物の背中が語っている。この作品の鑑賞自体が、異空間の雰囲気漂う時代屋に足を踏み入れて、出てきたような感じ。ただし、ちょっとショックだったのは、主要キャストの半分くらいがすでに他界していること。まだ、みんなそんな年ではなかったと思うけど・・・。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-03-29 21:16:09) |
965. クワイエットルームにようこそ
《ネタバレ》 中盤まではあっちこっちに話がぶれまくっていて、無意味に登場人物がうるさいのも含めて、最悪に近い印象しかなかったのですが、ラストの手際の良い爽快な締めによって何とか持ち直しました。それと、こんなカオスな世界でも、他の人を邪魔せずに着実な存在感を発している蒼井優は、さすがですね。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-03-25 02:35:37)(良:1票) |
966. グッドナイト&グッドラック
志の高い作品なので低い点はつけられないが、少しこじんまりとまとまってしまったのは何とも残念。ほとんどのシーンは放送局の中だし、例の告発放送についても、それに向けた準備などもっと丹念に描写できたのではないかと思う。肝心の部分はすべて主人公が原稿を読む形で伝えられるため、映画を見たのではなく、単に制作者から口頭でメッセージを聞いただけのような気になる印象は拭えない。もちろん、そのメッセージの内容は、今日においても少しも価値を失ってはいないが(むしろ、ますます価値を高めてすらいるのだが)。ストラザーンの気合のこもった役作りは素晴らしく、作品の印象度を高めている。 [映画館(字幕)] 7点(2011-03-22 03:40:34) |
967. しあわせのかおり
《ネタバレ》 料理を限りなく美味しそうに撮っているという一点は非常に優れているのに、それ以外のところが・・・工夫のない説明台詞の連発にはげんなりしたし、勤務先の上司や児相の職員が作り手に都合の良いステレオタイプな設定なのもがっかり。そういった部分の安直さが足を引っ張っています。それと、最後の両家の晩餐会、料理が本当に美味しかったのであれば、もっと会話も弾んでいるだろうと思うのですが。これではただ「食べているだけ」です。 [地上波(邦画)] 5点(2011-03-20 00:45:38)(良:1票) |
968. 夜のピクニック
《ネタバレ》 80キロハイクといいながら、歩いている人たちに、疲れもなければ、堅実感もなければ、逆にテンションの高さもない。その辺をぞろぞろ歩いているだけです。なので、前提の設定に説得力が全然ありません。延々と高校生の雑談を聞かされて終わりかと思っていたら、ラストのゴール前の倦怠感にあふれた描写だけは、生々しさがあったので+1点。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2011-03-18 23:05:02) |
969. カンゾー先生
《ネタバレ》 肝臓病の診断ばかりしているという初期設定に無理が感じられるのだが、その後の描写も、方向性が統一されずに迷走を重ねている。かなり強引なラストでかえって何とかなったという感じ。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2011-03-14 02:15:31) |
970. 幸福の黄色いハンカチ
《ネタバレ》 一番素晴らしいのは、現在の倍賞千恵子を最後まで見せないという演出。それと、最初は新品のファミリアが、段々と汚れていくところ(登場人物の成長を象徴している)。武田鉄矢は、演技は素人同然だが、必死さと懸命さは伝わってくる(この映画の時点で、彼は、「『母に捧げるバラード』で一発当てて即座に消えただけの一発屋兄ちゃん」にすぎず、生活はアマバン時代よりも悲惨だったのです)。桃井かおりは、前半は変に力が入っていて鬱陶しいだけ、後半は良い。あと、全体的に、方言の統一がまるでなされていないのが難点。 [DVD(邦画)] 6点(2011-02-25 01:23:26)(良:1票) |
971. セーラー服と機関銃
《ネタバレ》 コメディ以外の何物でもない素材を真面目にシリアスに仕上げてしまったセンスのなさも問題なのだが、それ以上に気になったのは、不必要なほどのロングショットや長回しへの固執ぶり。最後に組の看板(かどうかも判然としないが)を燃やすところなんて、あれをアップで撮らなくてどうするの。演技力のアラをごまかすため、もしくは、撮影の手間を省くためと言われても仕方ないです。何をやっても怪しい魅力全開の寺田農先生に+1点。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2011-01-29 00:02:05) |
972. 探偵物語(1983)
薬師丸ひろ子って、演技はアイドル組の中ではまだ見られる方なんですが、表情がどうにも固くて、全然動いてないんですね・・・。特に、こういうノリノリお嬢様みたいな役をすると、その弱点がてきめんに出てしまいます。作品のテンポまで落ちてしまっています。演出も中途半端にシリアスタッチで、乗り切れていない感じ。ただし、奥行きと左右幅を使ったカメラワークはなかなか面白かった。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2011-01-28 00:33:09) |
973. きみの友だち
《ネタバレ》 冒頭の取材シークエンスの挿入はまったく成功しているとは言い難いし(後に全然つながっていない)、例えば川辺のリンチのシーンやサッカーのシーンでのエキストラの雑な動きだけで、制作の志の低さが見えてきます。肝心の主人公2人の関係も、思いつきの台詞を並べただけのような感じで、引き込まれるものがありません。しかも途中では脇の筋に追いやられてプロセスが飛ばされているから、ますます意味がない。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2011-01-18 01:44:09) |
974. 真昼の暗黒
《ネタバレ》 前半は事実経過をそのまま追った感じで、例えば主人公達が拷問にあったということは分かってもそれによってどんな心理変化が起こったのかということは深く突っ込まれていない。しかし、高裁の最終弁論で、映画の枠内としてはぎりぎりの時間をとって、検察主張の問題点を明快に指摘していること、そしてあまりにも有名なラストシーンで、作品としてのインパクトを残している。何よりも凄いのは、これが実際の事件がいまだ上告審係属中に発表されたものであること。これぞ映画人の気骨。 [DVD(邦画)] 7点(2011-01-08 02:20:09) |
975. 海に降る雪
和由布子は当時かなり好きだったんです。ある日突然、電光石火のごとく五木ひろしとの結婚を発表して、そのまま一気に引退したのはショックだったなあ・・・。さて、そんな彼女の数少ない(唯一の?)主演映画作品が本作です。ほとんどのシーンで由布子様が出っぱなしなのは実に嬉しい。貴重な和風美人でしたね。ただし、演技は大して上手くないことも今になって知ってしまいましたが(笑)。ストーリーはよくある展開そのものなのですが、変にひねったりせずに淡々と正面からのアプローチを行っているのがいいです。 [ビデオ(邦画)] 7点(2011-01-07 04:54:24) |
976. みんなのいえ
《ネタバレ》 モダンセンスのデザイナーと職人気質の大工の棟梁との対立というのであれば、まずはこの両者が奥義を尽くして技術の火花を散らしてこそ、そのギャップから出てくる笑いの土壌が生まれるはずで、この作品はその辺のディテールの突っ込みが弱く、比較的早い段階から内心の人間的理解の部分に重心がシフトしている。結果、コメディとしてのパンチは弱くなってしまい、着地点のカタルシスも低下してしまいました。あと、ペンキぶちまけの件はどうやって解決したんだろう? [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-01-07 04:42:51) |
977. まあだだよ
《ネタバレ》 最初の方の、いかにも「私たちはみんな先生を尊敬してます」的な描写があまりにもわざとらしすぎて、見ていて気恥ずかしかった。後半は、猫だけの話になってしまいましたね。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2011-01-03 17:06:07) |
978. 赤い鯨と白い蛇
説明台詞ばかりの脚本にがっかり。そのせいで、香川京子はやたら老けただけでその中の凜とした筋が見えないし、樹木希林も鬱陶しいだけの存在になってしまっている。浅田美代子が1人で頑張っているような感じです。結局、世代の異なる5人の登場人物を用意していながら、それぞれの背景が全然作り込まれていないのです。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2010-12-25 03:46:45) |
979. 折り梅
《ネタバレ》 前半の段階ですでに、説明台詞とそのまんま台詞の連打連打に唖然。これでは問題設定がうまくいかない以上後の解決部分も光らないし、もちろん原田美枝子や吉行和子の演技力も空振りに終わってしまいます。後半は後半で、何かの拍子に芋づる式に全部が解決するという描写にしかなっていないので、ドラマとしての説得力がありません。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2010-12-15 01:28:23) |
980. 彼女が水着にきがえたら
「楽しく遊ぶ」がテーマなんだから、徹底的に楽しく遊べばいいと思うのに、よく分からないトレジャーハンティング(しかも目的物が「宝」って、そのまんまじゃん)を絡めたり、中途半端にサスペンスっぽい演出を入れようとしたりして、目的不明の内容になってしまっている。田中美佐子の水着シーンに3点。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2010-11-26 04:20:08) |