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飛鳥さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1679
性別
自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

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141.  鬼畜
子役の演技がもう少しマシだったら全然違ったろうに。 岩下志麻の愛人に対する怨恨と緒方拳のダメ親父っぷりが見事な演技だけに余計にそう思える。 昔の日本映画は子役のレベルが低いのかも。 子供への虐待を描いた『トガニ 幼き瞳の告発』の子役と比べると雲泥の差。 あのレベルの子役で本作を見てみたかった。 今は邦画も上手な子役がいっぱい出てきているので、それだけにもったいないような気がする。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-08-09 00:08:19)
142.  39 刑法第三十九条 《ネタバレ》 
心神喪失での無罪判決には腑に落ちないことが多いので、このテーマは興味深い。 完全犯罪を狙ったというよりも刑法第39条への問題提起。 対立する立場である鑑定医の香深を共犯者と呼んだことに主人公の真意が表れていた。  ただ、愛する幼い妹を惨殺された工藤の犯行は共感できるけど、その恋人は理解できない。 いくら工藤を愛していても、見ず知らずの男と夫婦になってまで犯行に協力するなんてありえない。 工藤がマンションに侵入したら畑田が妻を殺していたというのもあまりに都合がよすぎる。 ストーリーに無理のあるところを幾つか感じたが、緊張感が漂っていて見応えはあった。
[DVD(邦画)] 6点(2013-08-07 23:29:01)(良:1票)
143.  はつ恋(2000) 《ネタバレ》 
田中麗奈のインパクトが期待していたよりなかったけど、内容は悪くない。 心情の機微を丁寧に描いた静かな映画なので、地味でインパクトは薄いけどじんわりとくる温かさがある。  ネットでの再鑑賞。 年を経ての今回のほうが、良かった気がする。 この頃の田中麗奈は、演技は特別うまいとは思わないのだけれど他にないような独特の存在感があって、瑞々しくてちょっと刹那的な桜の花のよう。 原田美枝子も安定の演技力と存在感。 若い頃の恋人との別れ。そのことに思いを馳せながらも、後悔しているわけではない。 ありふれたようにも見える今の人生を否定することなく、感謝し満足もしている。 家族を残していく切なさが、重苦しくなることなくじんわり温かさを伴って伝わってくる。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-08-01 23:02:52)
144.  乱れる 《ネタバレ》 
長男が戦争から帰らず、長男に嫁いだ妻がそのまま家に尽くす。 高峰秀子演じるこの未亡人は、次男がひたむきな愛を抱くのもよくわかるほどできた女性。 古き良き日本人女性の理想像といった感じで、今の時代では想像できない。 酒屋を切り盛りしてきた義姉なのに、店をスーパーにするのに邪魔者扱いする家族に抵抗する次男。 このあたり、母や長女らのいやらしさが実に巧みに表現されていた。 日本人の情緒にぴったり合うような成瀬監督の描写が目を引く。 ただ、設定やキャラも含めてちょっと古い感じがして、どっぷり感情移入するまでには至らず。 乱れる女心ということだろうけど、あれでは次男が生殺しのようで気の毒。 加山雄三は中年以降の歌っている若大将のイメージしかなかったけど、ずいぶん印象が違って最初はわからなかった。
[DVD(邦画)] 6点(2013-07-31 00:12:52)
145.  北の国から '95秘密<TVM> 《ネタバレ》 
純はれいとギクシャクしたまま別れ、次に付き合ったのがAV出演の過去を持つシュウ。 宮沢りえは以前は好きだったけど、必要以上に間をとったしゃべり方が不自然すぎる。 横山めぐみまでそういうしゃべり方になってるので、演出の意向だろうけど違和感がある。 あの蛍が大学病院の医師と不倫略奪愛で逃避行なんて…。 蛍が五郎と別れ際に初めて苦悩をさらけ出して泣きじゃくるシーンは昔の父娘の姿だった。  決しておもしろくないわけじゃないけど、期待値が高すぎるのか少し物足りず、全体的にパワーダウンしてる印象。 普遍的なものに感情移入して感動してきたのに、ネタ切れなのかだんだん普遍的ではなくなってきているので感情移入しにくくなっている。 それでも、このシリーズはどうしても登場人物への思い入れ補正が入ってしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2013-07-26 22:26:13)
146.  花とアリス〈劇場版〉 《ネタバレ》 
設定に無理があって、なかなか入り込めない。 記憶喪失でもないのにそんなウソを信じ込むヤツなんてありえないし、友人に確認すればすぐに真相がわかること。 主役二人に絡む相手役の男としては魅力に欠ける。 それでも、メインの蒼井優と鈴木杏のやりとりがリアルで生き生きとしてかわいらしく、他の足りない部分をカバーしている。 中でもやっぱり蒼井優の存在感は頭抜けている。 メインストーリーはイマイチだけど、心太やハートのエース、我愛称という中国語など伏線が幾つも張られている。 ただ、昔なくしたハートのエースを拾うのはあまりに奇跡的すぎる展開だけど。 同じ岩井俊二監督の『Love Letter』でも気になったが、過度のご都合主義が引っかかる。  小ネタもいろいろ仕込んであって思わぬところでも楽しめる。
[DVD(邦画)] 6点(2013-07-19 22:58:07)
147.  ピンポン
いかにも漫画原作らしくキャラが立っていて、演出もオーバーアクション。 リアリティはあまりないけど、個性的なキャラでセリフも生き生きしている。 卓球での勝負を描いているが従来のスポ根ではなく、ポップな群像劇のように仕上がっていてなかなかおもしろい。 
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-07-18 22:54:54)
148.  腑抜けども、悲しみの愛を見せろ 《ネタバレ》 
佐藤江梨子が勘違い自己中の腐れ女を好演。 兄、妹もどこか欠陥があって危うい。 登場人物にクセが強く、ブラックテイストなので展開の読めない面白さがある。 虐げられてきた妹の腹黒い逆襲は見ごたえがあった。 家族のドロドロに巻き込まれた健気な兄嫁の永作博美が気の毒になる。 一番キャラのはっきりしないのは兄で、優しいんだか冷たいんだか、その行動も理解できず。 キャストは兄姉妹三人ともハマッているけど、あんなにかわいい永作が男に縁のなかった三十過ぎの処女なんて無理にも程がある。
[DVD(邦画)] 6点(2013-07-16 21:25:40)
149.  GO(2001・行定勲監督作品) 《ネタバレ》 
当時は演出も含めて新しく感じたのに、今、観直してみると在日に対する日本人の描き方がもう既に古くなっている。 彼女の父親が韓国人や中国人は血が汚いから付き合ってはいけないと教えていた。 そんな極端な人間は今はほとんどいないし、それよりももっと違う理由で若い世代にも韓国・北朝鮮や中国を疎む気持ちが広がってきている。 在日を描いた作品って、必ず偏見のある日本人に罪のない在日が酷い目に遭うシーンが入るようで、そういうのも類型的すぎるように感じる。 ただ、『パッチギ!』よりはニュートラルで、偏った視点から歪曲されてはいないよう。 「名前ってなに? バラと呼んでいる花を別の名前にしてみても美しい香りはそのまま」 『ロミオとジュリエット』の一節がとても印象的。  アイデンティティをテーマにしながら決して重苦しくないドラマになっていたし、行き過ぎた民族教育を笑いに変える脚本はクドカンらしくておもしろかった。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-07-15 23:32:36)(良:1票)
150.  あつもの 《ネタバレ》 
黒瀬の下衆っぷりは吐き気を催す。 金で若い裸の女にむしゃぶりつく姿は、醜くあさましい性欲の塊のエロジジイそのもの。 この人格破綻者をヨシ笈田が好演していて、緒方拳を引き立てる。  菊作りの秘伝を教えると騙されミハルを紹介してしまった杢平は、良いように言えば純朴、悪いようにいえばマヌケ。 愚直に勤めた田舎の消防署を定年退職、息子からはギャンブルで作った借金のために金の無心をされ、精神を病んで入院している妻からは別れを言い渡されている。 一方、黒瀬は自分が落ちぶれて何をやってをダメなことを、菊を作るために生まれてきたからだと言い切るほどの強い自負を持つ。 強欲で嘘つき、万人に嫌われていながらそれを自省しないずぶとさはその自負に支えられている。 二人に共通するのは、菊作りがなければ他に何もないということ。 それだけに、菊作りは意地とプライドをかけた闘いとなる。 その闘いに、援助交際に走る音大生がからんで色を添えた。 自分に才能の限界を感じていたミハルが、いつも黒瀬に負けていた杢平にシンパシーを感じたのは自然の流れか。 ミハルに身を投げ出されたのに、途中で思いとどまった杢平。 ミハルを犯そうとして首を絞め、自己弁護に終始する黒瀬。 ここでも二人は対照的。  黒瀬は杢平とミハルの仲を嫉妬して、未成年を監禁していると警察に嘘の通報をするような汚い手も使う。 ところが、コンテストで杢平に負けたとき、杢平は審査の不正を悟って負けを認めたのに、黒瀬は自分の衰えと相手の実力を認めた。 この時だけはスポーツマンシップに通じるような清々しさがあった。  生きる目的を見失っていたミハルは、首を絞められ死の恐怖に面したことで、そのとき頭に浮かんだ家族のもとこそ自分の帰るべきところだと気づく。 楽しそうにしていた隣の家族の一家心中、杢平の妻や息子との関係も並行して描かれ、家族との関わりや生きることについてがテーマになっている。 初老の男二人の菊作り対決がストーリーの軸なので地味な印象は否めないが、人間模様が交差してよくまとまった作品。 いい役者が出ているのに内容が地味なため興行的にはヒットせずあまり知られていないが、フランスのベノデ映画祭(その価値は知らないけど)でグランプリを受賞している。 園芸にまったく興味がないので感情移入はできなかったが、そこに関心があればさらにハマるに違いない。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-30 21:18:07)
151.  火垂るの墓(1988)
夏に流される反戦アニメとして定着した感が。 学校でも鑑賞することが少なくないようだし、原作を採用している教科書もある。 野坂昭如自身の戦争体験が基になっているとはいうものの、実際は清太のような妹思いの兄ではなく、どちらかといえば足手まといでろくにかわいがりもせず餓死させている。 その贖罪で本当はこういう兄でありたかったとの思いもあって書いたようだが、現実の戦争はこの映画よりもはるかに殺伐としていたということだろう。 大人向けには、そちらの事実に基づいた映画を観てみたかった気もする。 本作は子供に見せるのには適しているが、大人ならあざとさが気になって食い足りないかも。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-27 22:04:38)
152.  ラヂオの時間 《ネタバレ》 
いかにも三谷幸喜らしい作品で、次から次へとトラブルが起こって引き込まれる。 おそらく脚本家として悔しい思いをした自身の体験からくるのだろう、次々と台本をわがまま勝手な理由で変えられるしまう怒りが滲み出ている。 放送事故レベルの中、アドリブで作品はなんとかうまくまとまったといった態だったけど、いやいやメチャクチャな出来損ないに終わってるから。 結局それで満足してしまう主婦作家はやっぱりプロではないし、ディレクターとプロデューサーの和解もとってつけたようで無理やり大円団にもっていった印象。 いつかみんなが満足するものをつくる――そんな日が来るのを信じていこうとする二人の会話だが、プロデューサーはそのためにやるべきことを何一つやっておらず、ただの現実逃避の言葉にしか聞こえない。 これでは明るい展望など持てるわけがなく、放送局で不本意な状況が今後もずっと続いていく様子が目に浮かぶ。 ラジオを聴いて放送局に駆けつけたトラック運転手も、あの作品で感動するなんてどんな感性だよって思うし。 途中のドタバタは面白かったのに、無理やりハッピーエンドにすべてを収束させたので尻すぼみになってしまった。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-27 00:29:15)
153.  みんなのいえ 《ネタバレ》 
昔ながらの大工の棟梁と新進デザイナーの対立が、職人とアーティストの意地とプライドのぶつかりでおもしろい。 風水を持ち出す母もからんで、周りに振り回される優柔不断な主人公が気の毒なような情けないような…。 価値観の異なる人と一緒に本気で何かを作り上げたことがあると、あの葛藤と苛立ちはよくわかる。 どうでもいいと割り切れば妥協もできるが、そうするといい物が作れないというジレンマ。 方向性が違う人と組むのは難しいけど、化学反応を起こして思わぬ良いものができる場合も稀にある。 この映画ではその辺りのことをうまくストーリーに組み込んでいた。 ただ、こじんまりまとまった感があって、くすぐられはするけど魂を大きく揺さぶられはしない。  勝手に独断で間取りを変えてしまう父親は、良かれと思ってやってるだけにタチが悪い。 でも、こういう厄介な親って結構いるかも。 田中邦衛がこういう役にぴったりハマる。 妻役の八木亜希子もいい。
[地上波(邦画)] 6点(2013-06-25 23:59:58)
154.  クイック&デッド 《ネタバレ》 
女ガンマンのシャロン・ストーンがキレイでカッコいい。 劇画タッチの西部劇なのでリアリティの欠片もないが、キャラが個性的。 早撃ち大会はまるで天下一武道会、ゲームかマンガみたいなノリだ。 頭を銃弾が貫通してウソみたいな風穴が開いたり、派手に一回転して吹っ飛んだり、やられっぷりもチープそのもの。 そんなB級テイスト漂う作品なのに、思わぬ豪華キャストの競演を楽しめる。 ジーン・ハックマン、ラッセル・クロウ、ディカプリオ、脇役にゲイリー・シニーズも。 もっとも、クロウとディカプリオは有名になる前だから成立したのかも。  エレンは食事のテーブルの下で父親の仇であるへロッドに隠し持っていた銃を向けるが、結局果たせない。 エレンの思惑を見透かしたへロッドの威圧感とライターを銃に見せかけたフェイクに制された形。 ここはへロッドの凄みを感じさせるシーンだった。 へロッドの無慈悲な冷酷さはいたるところで感じられるが、極めつけは政府軍に撃たれた傷の手当てもし匿って助けてくれた神父を、相棒のコートに殺させたこと。 コートはその贖罪で牧師になったのに、へロッドに罪の意識は微塵もない。  少女だったエレンは、父の首吊りの縄を撃てば助かると持ちかけられ、誤って父を射殺している。 悲嘆に暮れる少女を尻目に、ヘロッドはゲームを楽しんだかのように笑って去っていく。 それだけやってりゃ復讐の対象にもなろうというもの。 ヘロッドは父親に認められたい一心で決闘に臨むキッドも射殺した。 ただ、この時だけは悪党へロッドにも親子の情がうかがえた。  ストーリーはなんてことないが、キャラの魅力でもっている作品。 特に、敵役のジーン・ハックマンの存在が大きかった。 シャロン・ストーンとラッセル・クロウのラブシーンがカットされていたのは残念。
[地上波(吹替)] 6点(2013-06-19 23:09:04)
155.  THE 有頂天ホテル 《ネタバレ》 
登場人物が多く、複数のエピソードが並行して進行する。 その複数のエピソードが交錯しながら、ラストに向かって収束していくのは、さすが三谷幸喜の脚本だ。 キャラが個性的で、小ネタは随所に入っていて、セリフもウィットに富んでいる。 新堂副支配人のトンチンカンな鹿のスピーチは見もの。 ただ、大人数のせいかストーリーを深めきれずに全体に散漫な印象になってしまった。  ラストはすべてのパーツがうまくいっての大円団となるわけだが、そうなるには当然のように予定調和が見られるのでそこに感動はない。 ライトコメディとして気楽に楽しめるけれど、後にはほとんど残らない映画。 あの時の雑談は楽しかったけど、さて何を話してたっけ?というのに近い感覚。
[DVD(邦画)] 6点(2013-06-14 23:20:23)(良:1票)
156.  希望の国 《ネタバレ》 
園子温監督らしくない作品で、肩透かしを喰らった感が残る。 どぎついほどの描写や問答無用に巻き込んでいくような展開は影を潜め、じっくりと正攻法で描いた社会派ドラマになっている。 過激で異常ささえ覚える演出を抑えたのは、原発事故がもたらす世界自体が異常だからか。  生きた証を捨てることができずに避難勧告に応じない夫婦。 認知症の妻と銃を手にした夫の最後の会話は、長年連れ添った絆が見えて胸に迫るものがある。 悲しい選択ではあったが、それしかないとの思いも伝わる。 その夫婦に苛立ちをぶつけていた若い職員が、次第に共感を示す過程が興味深い。 原発事故から生じたさまざまな不協和音に、事の重大性や罪の深さを考えさせられる。 ただ、この作品で描かれたことはドキュメンタリーを凌ぐかというとそうは思えず、改めて映画でやる必要があったのかどうか。
[DVD(邦画)] 6点(2013-06-11 00:14:38)
157.  リリイ・シュシュのすべて 《ネタバレ》 
荒廃した中学生の実態として、レイプ、売春強要、恐喝、イジメなど刺激的な問題が描かれてもいるが、リリイ・シュシュに関することがよくわからない。 エーテルがどうのこうのとのくだりは、自己陶酔した痛い詩人か中二病を見るようで、こっちが恥ずかしくなってくる。 理解不能の世代のようでもやもやが残るが、それも作り手の思惑通りか。 なんだかわからないながらに、思春期の暴走や屈折、不条理などどうしようもない負のエネルギーを感じて、退屈はしなかったが。 学生時代にこうした陰湿で残酷な空気に触れた経験があるかないかで感想もずいぶん違ってきそうな作品。 自分には経験がないので、あまりピンとはこなかった。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-09 02:02:48)
158.  ジョゼと虎と魚たち(2003) 《ネタバレ》 
「帰れって言われて帰るようなヤツははよ帰れ」 泣きながら恒夫を叩くジョゼがいじらしい。 池脇千鶴、上野樹里、江口のりこと、恒夫を取り巻く女性たちが個性的でいい味を出している。 ジョゼの施設仲間のヤンキーもバカっぽくておもしろい。  実家にジョゼを連れて行く道中で、現実のギャップを肌で感じてひるんでしまった恒夫。 ジョゼが海が見たくなったからと行き先変更の指示をしたのは、その気持ちの変化を敏感に察知したからだろう。 別れを予感しながら「お魚の館」というラブホテルで愛し合う二人の姿がせつない。 愛する人と一緒に見たかった魚は水族館が休みで見ることができず、ホテルで見たのは壁に映し出された虚像の魚。 サガンの小説にあるジョゼとベルナールの話は、二人の別れを予知していたかのようだ。  前の彼女に乗り換えてジョゼのもとを去る姿に、恒夫のずるさが浮き彫りになる。 涙を流してはいるが、それさえも軽く感じる。 障碍者とパートナーになることを本当の意味でわかっていなかった。 覚悟もなく中途半端なやさしさで付き合ったのと同じ軽薄さだ。 ドライな選択をしながら号泣したのも、自分自身に免罪符を与えようとしたともとれる。 一番傷ついたはずのジョゼが、ふっきれたように淡々と日常を送っていたのが救い。 人間を描けているいい映画だとは思うが、主人公を好きになれないということはどうしてもマイナス材料になる。
[地上波(邦画)] 6点(2013-06-07 00:14:18)(良:2票)
159.  顔(1999) 《ネタバレ》 
なんといっても藤山直美がすばらしい。 天才役者寛美の娘であることを再認識させてくれる。 母の死後、以前から犬猿の仲だった美人の妹を諍いの末に殺しての逃亡生活。 阪神大震災も重なり、そうなると暗い基調になるのが従来の日本映画だが、主人公のキャラのせいか一生懸命だけどどこかユーモラスなので暗くならない。 引きこもりで表情もなかった正子が犯行後は皮肉にも次第に表情も出てきて、最後は浮き袋で必死で泳いで逃亡する姿がたくましい。 ただ、展開が単調になって中盤からダレてくるのが残念。
[ビデオ(邦画)] 6点(2013-06-06 00:07:03)
160.  悪の教典 《ネタバレ》 
学校での殺戮は「バトルロワイヤル」を彷彿させるが、こちらはサイコパスによる犯行。こういうのはそのサイコパスっぷりで作品のインパクトが決まる。 生徒に人気の高校英語教師は、子供の頃から共感する能力に欠け犯罪を重ねていた――このサイコパス像は、予想から外れることはなかった。 それに、犯行も大胆といえば聞こえはいいがずさんな面もあるので、これでずっと捕まらなかったというのは説得力がない。電車の中での殺害が誰にも見つからず、ホームの監視カメラにも映っていない。その上、殴った跡が残ってるはずなのに自殺と処理されるとか、リアリティもクソもない。 最後は犯行を隠すための破れかぶれのような大量殺人。男子生徒との同性愛教師の無理心中偽装工作は「あまりにも乱暴なストーリーかな?」と犯人のセリフ通りの無茶苦茶ぶり。最後はお決まりの精神病による責任能力回避を臭わせて終わり。サスペンス性はあるので最後まで引っ張られるが、最後の殺戮シーンがやたら長い。 原作を読んでいないので幻想的なシーンでの外国人とのくだりがよくわからなかった。どうやらアメリカ時代の回想だったようで、詳細は伝わらなかったが殺人を重ねていたことだけはわかった。 明るい音楽で残虐なストーリー展開は、園子温作品に通じるところもある。 穴だらけのストーリーなので矛盾点を気に掛けるよりも、三池監督流のバイオレンスを楽しめばいい映画か。確かに、たまにこうしたバイオレンスやサイコホラーものが観たくなる。 役者は先生も生徒もそれぞれハマってた。生徒では二階堂ふみより水野絵梨奈が印象に残ったが、E-girlsにいたとは。
[DVD(邦画)] 6点(2013-06-05 01:43:52)(良:1票)
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