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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1630
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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161.  サバカン SABAKAN 《ネタバレ》 
非常にシンプルな青春もの・ファミリー映画だと思いますが、だからソレこそ誰でも共感できるという作品だと思います。大部分では実際の子役が物語を演じてゆきますが、導入・結末とナレーションで入っている草彅クンのお蔭で大人でも容易に作品に入り込んでゆける、と言いますか。私は世代的にもドンピシャで、実に心地好いノスタルジィと夏の楽しさ、そして一生ものの友情の片鱗を感じ取れて大満足でした。是非家族で観ていただけると好いなあ…という感じですね(ごく手堅くオススメできる作品ですね)。
[映画館(邦画)] 7点(2022-09-02 16:26:35)
162.  黄龍の村 《ネタバレ》 
以前、同監督の『ファミリー☆ウォーズ』とゆーのだけは観てるのですが、正直あの作品は印象が(極度に)好くなかったのですよね。為に今作もなんかそこそこ話題になっていたよーな気もしたのですが観るのはココまで遅くなりました。でコレも正直なトコロ、今作とて恐らくはコテコテのB級でごくシンプル、そしてまた結構グロい系のヴァイオレンス映画でしかねーんじゃねーかなーと思って鑑賞に臨んだのですケド、今作はソコでいちおう中盤に仕掛け的なモノが備え付けられていて前半(⇒よくある「ヤバい村」系のホラー)と後半(⇒カンフーアクションチックな)に諸々とが明確に分けられる、という作品ではありました(一種の「二度美味しい」映画というヤツかと)。  んである種また予想どおりとゆーか(監督の作風として)前半はヤバめな人達のヤバい感じが+後半はシンプルにアクションが、それぞれメインディッシュというヤツでもありますね。かつ、コレも予想どおりではありますが全体の質感としてもモロB級!という範疇からは決して全く外れてはゆきません(好くも悪くも)。とは言え、尺もコンパクトで無駄も無く(=前述のメインディッシュに色々とをごく集中して)駆け抜けてゆくという感じですし、その肝心のメイン要素の出来はどちらもそこそこ悪くなくもあるので、結論、ヘンに期待し過ぎずに観る分にはごく手堅いB級映画だ、と思ったりもします。気楽に+お手軽に(=お安く)観れるのであれば、観て損までは(まず)しなくて済むかと。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-09-01 00:48:11)
163.  ホムンクルス 《ネタバレ》 
うーん…率直にシナリオがイマイチですね。何から何までよー分かりませんです。。  トレパネーションを題材に、ソレに依って超常の力を身に付ける…というアイデアを用い、かつ実際に作中で主人公が「とある」特殊能力を得るというその実際の設定を含めてもそれなりにユニークなアイデアだとは思うのですね。ただ、一方で本作は如何にもSF系のサスペンス・スリラー、またはホラーの様な見た目をしていながら、本質的には人間ドラマ(のオムニバス)であって、登場するキャラクター各々が抱える心の闇を見い出し、そして解決してゆく…という然程テンションの高くならない話でもあるのですね。ソコでしかも、その「見い出す」はともかく「解決する」の方が正直ナニがどーなってそーなるのかがどれもしっくり来ないのですよ(何で綾野剛がソレを見える様になったダケでさも解決してやったぜ!てな感じになんの?と)。最初の内野聖陽の話はまだ何となく分かった気もするのですが、そっから先の3人は正直サッパリ訳分からんかったですね(むしろ段々訳分からない度がヒドくなってくよーな気もする⇒だから終盤に向かうにつれてどんどんつまらなくなってゆくとゆーか)。  もう一つ、設定的な部分のある種の雑さとでもゆーか、総じて成田凌の行動にしっかりとした動機の裏付けが無いので、全体の流れもまたなんかよく分からないのですね。まずは何故、綾野剛に目を付けたのか。そして終盤、岸井ゆきのにもまた目を付けた理由と、彼女にもトレパネーションを施した後の経緯・顛末(+その他諸々どこにどーいう意図があったのか)とかもサッパリ分からないのですね。原作未読でこの辺の事情をチャンと理解しているワケではねーのですが、仮にこの尺で描くのが難しかった…というコトなら、原作のエピソードに拘らずにオリジナルストーリーのオムニバスに改変した方が好かったのではないでしょーか(重ねて、設定自体はそこそこ秀逸だと思ったのでして)。
[DVD(邦画)] 4点(2022-08-16 23:51:15)
164.  あのこは貴族 《ネタバレ》 
私は地方出身で、で大学に入った時に上京して以来ずっと東京住まいという人間ですが、幸か不幸かあまりこーいう「階級」を意識する様な人間関係には近付くことなく過ごしてきたのではあるのですね。ただ、ゆーて今作の門脇麦みたいな境遇の方々てのが今なお(ワリと大勢)いらっしゃるのは承知しておりますし、またその意味では今作の2人とゆーのは一見対照的に見える様で、ごく典型的で何より「古典的」という意味では大いに共通点のある女性像をそれぞれ体現してるのかもな…とも思うのです。私よりも更に若い人達だとまた、この感覚にももはや世代格差が在るのかも知れない…とも思いますが、まず私にとってはこの2人とゆーのはごく容易に共感してゆけるというキャラクターではあったのですよね(実際、まあまあ同世代と言っても好い年齢設定でもあるのですし)。  本作は物語としては、この女性2人(⇒特に門脇麦側)のある種の成長とゆーか人生の転機とゆーか、そーいったごくシンプルなモノを描いてゆくお話ではあるのですし、その実際の結末もまた比較的シンプルで分かり易いモノ(⇒何なら所謂ごく「先進的な」=「最近は特に好くある」モノ)だったと思ったりもします。そもそもこの2人って、成長とはゆーてもその元々のスペック(=彼らがそれぞれ属する階級・境遇において求められる素養)とゆーのは全く全然低くないという感じではあるので、だから何かそんな劇的な展開があるというワケでもない全体として実に緩やかなお話でもあったとは思います。率直に序盤が(その階級の存在そのもののイヤらしさを見せつけてくる感じが)結構心地好くなくもあったのですが、中盤以降は非常にまろやかにどこか温かく観てゆけたし、また爽やかに観終わることも出来たかと。個人的にはかなり好みな作品でしたね。  主演の2人、まず門脇麦さんについては、やはり序盤に「いま何やってんの?」と訊かれて「家事手伝いとゆーか…」とか答えちゃうトコロなんかにはかなりギョッとさせられもしたのですが、重ねて最後まで観るとごく共感できるキャラではありましたし、また終始決してヴィヴィッドに感情を発露するワケでもないのに実に何とも「伝わる」種々の演技とゆーのはモ~流石だったな…と思いました。他方、水原希子さんの方も、重ねて彼女の方が当初の門脇麦さんよりはやや「人間が出来ている」という感じかなとも思うのですが、そのサバサバとした自然体な魅力とゆーのはコレも自然に伝わってくる様でその意味では中々好い演技の仕事だったかと。他、この2人のそれぞれ親友役の石橋静河さんと山下リオさんの2人も(コレも流石の)芸達者!というグッドな出来だったと思います。人間ドラマとしては、演技面でもチャンとクオリティ備わってる作品かなと。
[DVD(邦画)] 7点(2022-08-11 23:48:07)(良:1票)
165.  バタアシ金魚 《ネタバレ》 
原作未読。ですが、個人的にはかなり気に入りました。ヒトの精神年齢は下がり続けている…とも言われますケド、ある面ではソレはそーでもないかな…ともまた思うのでして、ソコへ来てこーいった「青春の心象風景」とゆーのはどーしたって自身が実体験した質感(或いは自身が若いうちに仮想体験した種々のそーいった「創作物」の質感)を生涯保ち続けるものかな…とも思われるのでして、その意味では私なんか世代的にはソレこそあだち充とか(どっちかちゅーたら『タッチ』よりは『H2』の方すかね)後は今作ぽいので言ったらも~『スラムダンク』とか、だからこーいうバカで熱血でごく純粋なヤツ(=作中の永井とは対照的に性的な匂いをあまり感じさせない様な)てのには確実に非常に共感できるのですよね。もうね、最近の邦画の青春映画によ~く出て来るごくこまっしゃくれて女だとかに気遣いも欠かさない、ソレでいて立派に色気付きやがる一方で本質的にはやっぱバカでガキで…なんて若造連中ってのにはね、私は正直「虫唾が走る」と言っても過言ではねーのですよ(まあゆーて、そーいう映画も別に全然楽しく観れるコトは観れるのですケドね)。  地味に、出て来る若い役者さん達は今となっては大物も多いし、演技もごく爽やかで総じて好かったと思います。コレもやっぱね、高校生の青春映画なんてのはハタチ前の役者で撮った方が絶対イイですよね(演技も下手に「巧すぎない」方が確実に好い…と個人的には思います)。中でもやっぱ高岡早紀の魅力は際立ってましたね(諸々と)。夏、学校、プールサイド。雲一つない快晴。このシチュエーションにノスタルジィを感じられないっていう人間なぞ存在しているのでしょーか?(加えて、ソコに17歳の高岡早紀が居るってのなら、ソコはも~たぶん永遠のエデンだろうと)
[インターネット(邦画)] 8点(2022-07-18 02:09:01)
166.  キングダム2 遥かなる大地へ 《ネタバレ》 
続篇としては比較的大胆だな…とも思いましたが、Wikiを見る限りおおまかには原作どおりの流れ、とゆーコトの様です。前作の主役級では長澤まさみは実質出て来ず、吉沢亮と橋本環奈さえ大半で蚊帳の外…という(大沢たかおはともかく)。かつ二昼夜程度の合戦をひたすら描くという内容なのでこのコンテンツの全体の物語からしてもお話的にもほぼ進んでないんじゃね?という感じすらします。しかし、ソレでいて(=話の内容が無いワリに)見応えとゆーのは十二分でした。いや~、技術の進歩とゆーのは実に喜ばしいとゆーか、邦画の娯楽作でもやれば出来るジャン!とゆーか、ボリュームが命の歴史的戦争映画でココまでのモノが観れるなんて、モ~善い時代になった…としか言えませんね。次回作も確実に映画館で観るでしょう(少し甘めですがこの評点で)。  前作でも思いましたが、今作でも山﨑賢人は好かったですね。暑っ苦しい位にひたすらに熱い感じも私は全然好みですし、アクションシーンの動きのキレも素晴らしかったです。他、俯瞰的合戦シーンの中でも騎馬のシーンがまたボリューミーかつ壮大で、楽しくテンションアゲアゲで観れました。次回作は(打って変わって)政治的・謀略的なお話かも…とも思いますが、この感じのアクションもまた観たいトコロですね。
[映画館(邦画)] 7点(2022-07-17 19:57:58)
167.  いとみち 《ネタバレ》 
しかし今どき、ココまで訛ってる女子高生てのは本場青森にも居るモンなのですかね?(⇒まあコレは、内向的な性格+多分お婆ちゃん子だった、というキャラあってのモノなのでしょーケドも)で、言い方はまた非常に悪いのですケド、このレベルの訛りに加えてのこのコミュ障ぶりってのは、ちょっとマジでヤバいっすね(何しろ全編通してナ~ニを言ってんだかまるでサッパリわかんない、という…)。今作はそんな女の子の成長物語としてはまずは非常にシンプルな筋ですし、本質的な話の内容・実際の展開運びとゆーのもまたごくオーソドックスだと言って好い作品には思えるのです。が、ソレを津軽の諸々+メイド喫茶という各々ごくドメスティックな要素と、前述どおりの主人公の特殊な(やや極端な)キャラで彩った演出自体は、中々にユニークでかつ本邦独自という感じの雰囲気も十分に醸し出せていたかなとは思いました(=決して月並な青春ものには為ってなかったかな…と)。あと、彼女の仕草・口調に合わせた様なごくかなりゆったりとしたテンポとゆーのも、最後まで観ると個人的にはなんかとても心地好くも感じられましたね(好い意味で素敵に田舎な空気感が在ったかな…とゆーか)。  主演の駒井蓮さんは、流石にこの人は青森出身なのだろーな…と思ったらソコはドンピシャでした(あの訛りっぷりは一朝一夕のモノではないでしょーなと)。ただ、ラストの三味線も一年稽古して自前で演奏した…とゆーのには率直にちょっと驚きましたですね。演技諸々も含めて素晴らしい仕事だったと思いますし、その他助演の方々も総じてまずまず好い出来だったかな、と。オススメ出来るか出来ないかで言えば、前者ですかね。
[DVD(邦画)] 7点(2022-07-17 00:22:07)
168.  ディストラクション・ベイビーズ 《ネタバレ》 
今をときめくランジャタイの国崎くんが何時だかまた面白いコトを言っていた…てのが、人間は死ぬと天国か地獄か、或いはもう一つ「狂人の都」に行く…という話で、乗っかる様で恐縮ですがコレは私も常々考えているコトであって、要するに世の中には三種類「善人」と「悪人」と「狂人」が居る、と。つまり、何らか合理的な思考の下に善として振舞った方が得だと判断した人間と、その逆をゆく人間と、そーいった善悪・合理的思考の彼岸に流れ着いてしまった(謂わば)人間を辞めてしまった人間とゆーのが居て、近々ではさしずめプーチンなんてのは最後のヤツの類でしょーな(実は)。ただ或いは、そーいう理性(=利己的思考)が為せるワザとしての判断に基づかずにただ善(或いは悪)たろうとする輩とゆーのも、ある種やはり何処かオカシイのだろーな…と思ったりも(=根本的に信が置けない、とゆーか)。  で、今作の三人とゆーのもやはり「狂人」の類だとは思うのですよね。だから、むしろ彼らが何故こんなんなったったのか、という部分がまるで描かれないのは、個人的には逆にしっくり来たとも言えるのですよ(コレはある種の「キレの好さ・無駄の無さ」なのだ、と)。或いは単純に、作中のヴァイオレンス描写だってコレも高度なキレの好さ・リアリティを湛えているし、ソレは主演三人の演技にしてもまたそーだとも思いますし、結論、中々新鮮・鮮烈な映画だな…とゆーのは確かにそーは思うのですよね。でも、ソレもゆーてごく「表面的な」ヤツなのだよなあ…と思ったのもまた確かで、個人的には今作も「コンセプトは在るけどテーマは無い」という類の作品だな、と。結局、人間を(=人間の有様を)描いている様で実は人間を描けてはいないのですよ(⇒何故なら、狂人は所詮人間ではないから)。もっと純粋にスリラー(或いはソコを通り越してホラー)とかってゆーならまだしも…と言いますかね。  ただもう一点だけ、重ねて主演の三人の演技の質は中々エゲツないというモノだったとも思うのですね。とゆーか、この年齢でこのレベルの優れた演技(=「演技が上手い」とゆーののも~一段上のヤツ)が可能な役者が三人も揃った…とゆーのが、そもそもかなりの希少価値で(すら)あるかな…と。その意味でもやはり、諸々と中々にユニークな映画だったな、とも思いますのよね(なので1点加点しておきます)。
[DVD(邦画)] 6点(2022-06-29 10:35:13)
169.  PLAN 75 《ネタバレ》 
誤解を恐れずに言えば、ある面で非常に「日本的な」お話だなあ…とも思うのです。現実問題として、こんな「政策」てのが万が一にも実行される可能性が在るのか無いのかを考えると、日本以外の全ての国に関してはまず100%在り得ない!と言ってしまって好いかと思うのですね(フツーにホロコーストだ!と言われ兼ねないレベルなワケで)。そしてそのコト自体は日本についても基本的には同様かとも(やはり)思うのです…が、ソレでも何となく1%くらいは「もしかしたら…」という気がしなくもない…という意味で、やはり「ならではの」という映画かもな…と。少なくとも、こんな題材の映画をあくまでブラック・コメディではなくてココまで真面目で真摯でかつ「静かな」作品として製作し、そして皆が鑑賞できるという社会的(・映画産業的)土壌とゆーのは、やはりごく日本的で独特なモノだとは確実にそー思うトコロでありまして。  とは言え、この特殊な状況下にあるコトを脇に置けば、今作の登場人物たちが陥るシチュエーションの本質的な側面てのはそれでもごく一般的・普遍的なモノかとも(やはり)思うのですよね。ごく極端な例としても、私の実家の近隣でも(おそらくは家庭の環境に依るものとして)自らその人生に幕を引くという決断に至った高齢の方は実際にいらっしゃいましたし、或いは高齢者の孤独死などは(残念ながら)近年それこそごく一般的なコトになってしまったものかとも思います。そーいうある種普遍的な社会的課題をヴィヴィッドに提起しつつ、本作ではそれに対するゼネラルな解決策は疎か、登場人物個々人の問題としてもその解決・答えに辿り着いた…というトコロには(最後まで)至らなかった様にも思えました。その意味では結構「投げっぱなし」な映画だとも思いますし、そーいった結果 or 過程の部分、またはそれらの描き方自体、或いはそもそものこの題材選定の是非、等々、非常に多くの側面について極めて多様な見方・評価の出来る作品ではないかと思うのですよね。評価自体の難しい or 評価が割れる、て映画だな…とゆーのは(コレも確実に)そー思うトコロでありますね。  私自身は、それでも比較的深く共感しまた考えさせられた(身につまされた)=心動かされたコトの一種の心地好さと、そして肝心な(謂わば主人公たる)その「決断」をする高齢の俳優2人(倍賞千恵子・たかお鷹)の演技がまた素晴らしいモノに感じられたコトを鑑みて、ワリと文句無しにこの評価とさせて頂こうかと思います。娯楽映画では決してない作品ですが、興味の有る方は是非。
[映画館(邦画)] 8点(2022-06-25 03:02:44)(良:1票)
170.  実録!?ドキュメント その時… 上島が動いた 《ネタバレ》 
エンドロールを見る限り、企画~演出まで上島竜兵本人が実際に主導したというコトの様である。であれば、実のトコロ(意外なホドに)非常にシュールな笑いを志向している人だったのかな…?と思ってしまったってのが正直なトコロすね(⇒チョイ印象変わりました)。まあ、私は正直彼の芸に(キャリアの端から端まで)精通してるというワケでは全くないのですケド、普段のTV用の分かり易いリアクション芸やお決まりのギャグからすれば、今作からはモ~松本人志の風すら仄かにも感じ取れた…と言いましょーか。とは言え、構成としては(ごくごく硬派な方の)「スベリ芸」を軸としているが、ソコに(TVなら必ず居る筈の)ツッコミが配されて居ない…とゆーのが今作が此処まで「難解な」作品に為っているというコトの第一の理由なのかとは思うのですケドね。正直、ほぼ笑えずに観終わった…という人も少なくないのではねーかと。  中で一箇所あからさまに一段クオリティが頭抜けていたのは、結局肥後リーダーとの絡み…としか言えねーのですよ。正直、アレはどう見れば好いのでしょーかね?あそこだけツッコミが効いてたと見るか、やっぱ肥後さんが単に凄いと見るか、あるいは長年連れ添った二人の関係性が孕む含蓄諸々が産み出すというモノなのか…コレも(シュールとは違うと思いますが)実にユニークな「笑い」だったかな、と(⇒もしコレが「笑い」だった=「笑い」を第一に指向しているモノだった、としたら…という意味で)。
[DVD(邦画)] 4点(2022-06-19 01:54:19)
171.  峠 最後のサムライ 《ネタバレ》 
題材的にはソレこそ去年の『燃えよ剣』ともメッチャ被るし、で双方の主人公の単純な人気・知名度、或いは映画自体の「物量」とかの面でもアッチの方がだいぶん「ポピュラー」な感じはするのよね(私がこの原作読んでないダケなのかも知れんケド)。だから元々同じ年(2020)に公開しよーとしてた…てのだってある意味チョイと「無謀」な気がするし(アッチは東宝でコッチは松竹なんすかね)んで(今や) 割かし大事そーなコトとして「ドッチを先に観る?」てのだって、私自身も答えはちょっと出て来なかった…と(思案に暮れてはみたものの…)。  ただ特に、今作で監督が「表現としてはナニをやりたかったのか」てのは結構高度に真逆だな…とも思ったりして。テンポの緩やかさ・華美に走らないシンプルで落ち着いた画づくり・演技の重厚さ…等々、コッチはごく非常に硬派で実直(もはや「朴訥」)といった感じに思えまして、そーいう演出方針的な部分は(全体的な「分かり易さ」も含めて)少なくとも個人的にはかなり好みな方のヤツだった…とは(まず第一に)言っておきたいのです。他方、戦争(戦闘)描写なんかもまずまず手堅くもありましたし、結論、私は今作全然悪くない作品だと思いました。面白かったすね。  でも、確かにこの感じは(言い方を変えると)少し「古風」または(誤解を恐れずに言えば)「シニア向け」で、かつ決してキョウビの映画っぽくもない(=スタイリッシュさとかはあまり無くて、本当に少しだけはリーズナブル感もある…カモ)と言えるかとも思うのですよね。重ねて、テンポの緩さ・雰囲気の重々しさ(=ある種の「キレ」の無さ)なんかは多少好みの分かれるトコロかな…と。あと純粋な内容面にしても、例えば(脚本の取捨選択的なコトとして)北越戦争の最中には領民の一揆が発生しててコレが戦況に大きく影響した…とかって事実はオミットされてるし、またオーラスの継之助の最期だって単純にナニが起きているのかが非常に分かり難かったりもするのですよ(=恐らく、単に破傷風で死んでゆく…という描写にはしたくなかったのだケド、じゃあどーいう風に描くかって部分のアイデアが残念ながらチョイ凡庸ぎみだった…てコトかと)。だからコレも、全部が全部どこまでも面白かった(=行き届いてた)とは言い切れない…という作品だってのも確かにそーだとは思うのですよね。  ただ重ね重ね、私は今作かなり面白く観れましたですよ。一番面白く観れてたのはナンてったって主人公の役所広司の重厚な役づくり&随所で迫力抜群な演技&(そしてナニより)醸されるオトコ臭い人間的魅力!だったのですね。確かに、彼こそが「最後」の⇒そして(それ故に)最も近代的な・進歩した「サムライ」だったのではないかな…と思いました。コレもやはり、原作の方も読みたくなってしまいますよね(『燃えよ剣』も買ったダケで積んである状態なんですケド…)。
[映画館(邦画)] 6点(2022-06-18 16:39:37)
172.  最後の特攻隊 《ネタバレ》 
いい時代になったな…と言いますか、冒頭いきなり「この映画は宇垣中将とは関係ありません」とかテロップ出て、誰?と思って調べるとすぐにどーいうコトだか分かるという(他、特攻隊についてもWikiで散々調べられる)。本作の公開当時であれば、知ってる人に訊くしか手段が無いコトですもんね。  時代的なこともありましょーが、多分に特攻隊、とゆーか特攻に命を捧げた人たちの人間性の好ましい側面を重視して描いた作品ではありますか。しかし様々な観点において、彼らの人として・或いは軍人としての在り方には非常に多面的な部分が見て取れて、それが特に面白かったですね。一番印象的でかつ尺も割かれていたのは渡辺篤史の吉川飛長(=命を捨てる覚悟が全く出来ていないキャラ)でしょーが、でもそもそも主人公の鶴田浩二からして一度特攻に失敗・死に損なって以降は特攻機の援護(直掩隊)の方を務めている、という少しややこしい感じではあります。他にも、特攻一発で死ぬ位なら生き延びて一機でも多く敵を倒したいという山本麟一の堂本軍曹とか、そしてその弟の梅宮辰夫は打って変わってフワフワした感じでかつアッサリ死んでいったり、と正に人間模様という感じですね(見応え在りました)。中で高倉健はひとり特攻に対する非常に確固たる意思を持ったキャラであって、その面ではも~少し人間味が薄いとゆーか個人的にはちょっと怖くも感じるレベルでしたかね。  まあとは言え、今作からひとつ際立って強力に感じられるのは、これもやはり「集団意識」の産物なのだろうなあ…というコトですよね。ある種日本人の気質とも言いますか、でもやっぱり本当に自分自身として納得して死んでいった人なんて殆ど居なかったのだろうな…とは強く感じるトコロでして(むしろ周囲の圧力に流されて or 周りが死んでいるのに自分だけ生き残るのは…と止む無く死んでいった人の方が遥かに多いのではないかな、と)。そしてそもそも、私ならまあ絶対に無理だなコレ…とは常々思っているコトでもあります(泣いて逃げるかと)。個人的には中々、共感するとまではいかないものの好い感じに色々と考えさせられるという良作であったか、と思いました。
[DVD(邦画)] 7点(2022-06-10 22:57:06)
173.  鬼灯さん家のアネキ 《ネタバレ》 
正直どーかな…と思ったのですが、中々どーして谷桃子さんは好かったですね!佐藤かよ・川村ゆきえという強者2人にも決して引けを取らない(意外に美形な)ルックスに加え、キワドいシーンの頑張りようとて、そして懸案の演技も何とかなってはいたのでねーでしょーか?(まあ、お笑いで奇矯なキャラをやり抜くってのも一種の演技ではあるのですし)  ただ…前半・中盤にかけての大部分は単純で下世話なエロコメディで、終盤は少なからずヒューマンドラマの風をも醸すもののこの部分も本質的にはごくシンプルな中身、そしてとにかく全体としてお話自体が非常にまったりとアクセントに欠ける感じでもあるのですよね(特にエロシーンは予想よりもだいぶ手緩くて)。その個々のシーンのヌルさに加えて、全体の(コレも)かなりゆったりしたテンポ・間合い、或いは音楽があまり入らないコト、なんかも含めてソコは多少今泉監督ぽい(or 最近の邦画のインディーズぽい)とも言えるかとは思うのです…が個人的には今作はちょっとヌル過ぎに感じられました。特にコメディ部分でその間合いの緩さが活きていた、というシーンも無かった様に思えて…と言いますか。内容自体は決して監督に不向きとは思いませんでしたが、やはりこの作風を一番活かせるのは会話劇かな、とも思いましたかね。
[DVD(邦画)] 5点(2022-06-10 22:54:34)
174.  関東緋桜一家 《ネタバレ》 
その方面ではある種、史上最強・空前絶後のオールスター超豪華キャスト!と言って好い映画でありましょう。要するにぶっちゃけ「顔見世公演」みたいなモンで、でもそのワリには(思ったよりも)お話も整理が付いていて分かり難くもなく楽しく観てゆけます(火事場・盆茣蓙・修羅場諸々だとか、期待する見せ場も大体網羅はされており)。まあ、役者の方々のそれぞれはごくいつもと同じ様な役回りを演ってるのでその意味でも頭には入ってき易いかと(=いつもの悪者はフツーにまた悪者だし、善玉はまあ善玉だしで)。  ただそーは言っても如何せん、後半のカチコミ(オーラス)までの30分弱くらいはちょっと流れが重いかな、とも。まあコレも、嵐寛寿郎・鶴田浩二・片岡千恵蔵(+若山富三郎も)といったごく「大物」の方にもシッカリ見せ場をつくってかにゃならん…というコトで、鬼鉄一家と「に」組がイザ喧嘩しそーになると片岡千恵蔵やら鶴田浩二やらが都度仲裁に入って来る…てな始末で(⇒に組は冒頭で明らかに鬼鉄に河岸政が殺されてるのですから、思えばそもそもこの流れ自体がちょっとまどろっこしいですよね)。そして(コレも)そもそもこの辺て、一番肝心な藤純子その人の出番があんまし無くなってんじゃねーか!とも思いますよね。  まあ、それでもやっぱ肝心の藤純子にしたって冒頭は芸者⇒後半は火消の親分(髪型が変わってるのがまたナイス)の両構えで、修羅場でもピストルぶっ放したり槍振り回したりモチロンポン刀でも大暴れしますし、またオーラスの流れとかだってそこそこすんなりと好く出来ていたとも思うのですね(=藤純子の「皆さん、お世話になりました」の台詞への繋がりも含めて)。そして、ソレこそが「やりたかったコト」でもある…というその辺はどれもとても上質にやれていた、と思うのです。結論、やはり一点足しておくコトにはナンの躊躇もありませんですね。良作です。
[DVD(邦画)] 7点(2022-06-08 00:14:56)
175.  犬王 《ネタバレ》 
題材の物珍しさに加えてアニメ的表現自体もかなり独特で、確かに相当にユニークな映像世界が展開されるコトからして(その時点で)観る価値てのは十分だとは思うし、音楽性にしてもシンプルなロックの様でコレも確かになんか「和風」な…とゆーか和の趣を大いに含むというやっぱ結構に独特なモノだったと思うし、かつ純粋な音楽シーンの分量が思ったよりもかなり多めで結果音楽だけにも相当高度に「浸れる」てのも個人的にはシンプルに好きな感じでした(巷では、映画の皮を被ったロックフェスだ…とか言われてたりもするよーで)。  ただ、一つだけ(言おうか言うまいか物凄く迷うのですケド+コレは私の観方が捻じ曲がってるダケなのは重々承知なのですケド)思い切って言ってしまうならば、じゃあ嘗ての(或いは今に至る迄の)観世の能楽とゆーのは、シンプルな現代のフツーなロックに「劣る」というモノなのか、というどーしようもないモヤモヤが(今作を眺めてゆく中で)私にはどーにも拭い切れなかった…てコトなのですよね。モチロン、実在の犬王の失われた芸術に「権力によって腕ずくで葬られたモノ」としての性質(=テーマ)を仮託するうえで、ソレに必要な芸術的クオリティを(現代の視聴者に)分かり易く実際の映画表現として落とし込む単なる「ツール」であるというコトは私とて重々承知なのです。とは言え、現代でも実在する二つの要素を実際に二つ並べて確実に「比較」しているという物語の構造(⇒ぶっちゃけこの構造自体、そもそもこの二つって比較できる様なモノなのだろーか?という点にも大いに疑問が在りますケド)がある中で、流石にちょっと「片手落ち」すぎやしないですかねコレ?と思ったりもするのが(重ねて)正直なトコロでありまして。  まあ、諸々と事情があるコトだとも思いますが、そもそも今作はまず尺が短めで、んで前述どおり純粋な音楽シーンが比較的にも多いというコトで物語やキャラ・世界観の描き出し自体からして少~し軽めには為っていたかと思うのですね。その中である種、根本的な「能楽」の何たるかの描写とてまた軽く薄くなっている…とゆーのは仕方が無い or 高度な取捨選択の結果、なのかも知れないとは思うのですよね。まあ実際、今作を観てそんなトコロ=「能楽」と「ロック」が比べられているというコトに「引っ掛かる」という客なんて殆ど居ないだろう…とは、私だって当然の如くにそ~思うのでありますですし。
[映画館(邦画)] 5点(2022-06-06 01:37:08)
176.  きさらぎ駅 《ネタバレ》 
コレも元ネタは2ちゃんねる発の都市伝説で、大きな括りとしては異世界ものホラーである。展開は前半・後半の2つにシンプルに大きく分割できるが、ホラー的には前半が(コレも)シンプルなPOV系、後半は前半の流れを再度なぞりつつの一種の「解答編」になっていてその意味では『カメ止め』的だとも言える。元ネタにせよ、前後半それぞれのつくりにせよ、ホラーとしてはごく「安上がり」なアイデアの集合体だとも言えるし、お話の内容にしたってその真相部分とかを詳細につくり込んでチャンと説明してくれるというワケでもないし、そして映画自体の質感とて(チョコチョコと観たコトある人達が出て来るワリには)特にホラー描写なんかはかなりチープだったかなあ、とも(ややホラーゲーム的な、と言っても好いかと)。諸々含めて好くあるB級和ホラーの一作だと思っておけば好いかなあ…とも思われますかね。  ただ、例えば前述のPOVにせよカメ止め風にせよ、お手軽にそこそこ怖く or 面白くなるという点では今作でもまずまず効果的だったと思うし、加えて今作ではオーラス(=お話の結論的な部分)にも多少の仕掛け・意外性を仕込むコトが出来てもいて、ごくコンパクトな尺も相まって結果的には結構楽しく観終れましたですよ。それに「安上がり」なアイデアだとは言ったもののやはり今般、海外のA級ホラーとは(予算的に)ちょっと真っ向勝負はキビシイという状況において、今作の和ホラーとしてのこの「戦法」とゆーのはひとつ間違ってはいなかったとも思います。またその点についてはここ数年の和ホラーの(ある種の)プチ集大成的なモノだった…とも思いますかね。重ねて、私は結構面白く観れましたし、ホラーファンにはオススメもしたいトコロです(まあ、映画館で観るかは別にしても⇒結構早めにサブスクに出てきそう…てな感じのヤツではあるので)。
[映画館(邦画)] 5点(2022-06-05 23:16:04)
177.  好色元禄(秘)物語 《ネタバレ》 
うーん…イマイチ……  とは言えなにしろ、あのひし美ゆり子がガチで脱いでいるという絶対的価値はまず在るかと思うのです。そしてそのオッパイ自体だって確かに期待以上の素晴らしいモノではあったのですし(まあ『ウルトラセブン』観てれば分かるコトですよね)。しかし今作、ポルノとしては内容自体はかなりソフトですし、その具体的な内容以上に女優さん達が揃ってあんまり「気が入ってない」感じでもあるのですよね。やはり、ひし美ゆり子にせよ(今作時点では)橘真紀にせよ決してこの方面の経験値が豊富、というワケでもないコトの影響は残念ながら隠し切れなかった…てコトかな、と。  んでまた、全体の空気感もややチグハグ・不整合と言いますか…窪園千枝子なんて飛び道具を使った至極バカっぽいシーン(鶴光もココで使ってるし)だとかを散々ブチ込んでおきながら、また少なくない場面が妙に文芸気取りのポエミーだったり…と非常に一貫性を欠いているのですよね。正直、ポルノとしても劇映画としても両面でイマイチで使いドコロが見出せない凡作…という感じすね。重ねて、ひし美ゆり子ファンのコレクションアイテムとしては無価値とは言えないとは思いますケド。
[DVD(字幕)] 4点(2022-06-05 01:12:30)
178.  東海道四谷怪談 《ネタバレ》 
今回、同年同月公開の大映版を観た(観比べた)のですが、やっぱり今作はその「恐ろしさ」とゆーのがも~ケタ違いでしたよね。直助はひたすら単なる「悪魔」という様な(見事な)極悪人であって、んで伊右衛門だってソレに負けず劣らずな忌むべき大悪漢ではあるのですし。だからこそ、その一番肝心なお岩さんの怨念の凄まじさ・奥深さもシンプルにより引き立っているとゆーか、話の内容も恐怖描写もやっぱトンデモなく深遠で迫力の有るモノでした(特に戸板に打ち付けられて以降にトコロ構わず出て来まくるお岩さんはマジで夢にも見ちゃいそう…てなモンでして)。ただ、更により優れていると思うのは、伊右衛門を前述どおりに極めてヴィヴィッドに悪人として描くコトでその面での凄惨さ・凄みを決して損なわないながらも、多少の風味付けとして少しばかり未練や躊躇・完全に良心が欠如しているというワケではない「人間らしさ」的なモノも同時に描き込むコトを可能にし、結果としてソレが作品全体により複雑な味わいを与えているとゆーか人間ドラマとしての見応えをもキッチリ高めるコトに成功していたな…という点ですかね。結論、超レベルに強烈な(トラウマ級の)映画になっているとは思いますが、恐怖映画としてのクオリティは普遍的傑作の域(=金字塔)と言って好いモノかと思います。必見ですね。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-06-02 23:15:17)
179.  四谷怪談(1959) 《ネタバレ》 
このジャンルにおける傑作『東海道四谷怪談』の方とまさかの同年同月に公開された…というコトらしいのですが、そんで客入りや評判は実際どーいうコトになったのか…とゆーのは正直気になるトコロですね。とりあえず、単純にホラー・怪談映画として(怖さ・恐ろしさを比較した場合には)確かにアッチには到底敵わない…てな感じではあります。両作品とも、いわゆる歌舞伎なんかの「原作」からはシナリオ的にもかなり調整が入っていると思われますが、今作ではとにかく伊右衛門のキャラが大きく変えられちゃってるとゆーか、結論的には全く悪人という感じですらないのですよね(悪事全般は取り巻きの方に任せ切りで)。ラストも結局、伊右衛門自らその悪漢どもを成敗した上でごくボンヤリと曖昧に終わってゆく…という感じであり、総じて「凄み」の程度が大きく劣るのです。取りも直さず、悪人が悪人らしくない⇒ソレに対する恨み辛みもどーも深みを欠く⇒怨念全開な恐怖シーンも少なからず薄味に…というコンセプト弱体化にも大いに繋がっちゃってる、と言いましょーかね。  逆に、ソコまで凄惨な話でもなく主役の長谷川一夫に対する悪感情もさほど覚えずにごく気楽なうちに観終われる…とゆーのがそもそも演出の大方針だったのかも知れませんケドね(ココまで来ると)。その意味では『東海道四谷怪談』てのは確実に「やりすぎ」とも捉えられ兼ねない過剰なハイレベル(時代を考えれば特に)ではあったので、2作は必ずしも客の取り合いになった…てなコトでもなかったのかも、なんて思ったりもね。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-06-02 22:27:11)
180.  女吸血鬼 《ネタバレ》 
Wikiに依れば本邦初の本格吸血鬼もの怪奇映画とのコトらしいのですね。で、おおまかな流れは西洋の吸血鬼物語をチャンとなぞっている…とも思われるのですが、細かい部分が妙にややっこしくて(かつその「効果」とゆーのが率直に微妙な様に思われて)ちょっとスッと頭に入ってこない…とゆーか(=な~んか無駄やないケ?と)。  まず、天草四郎伝説を下敷きに置いていながら、吸血鬼本人は天草四郎ではなくその家臣なのですよね。で、狙われる一家の方が天草四郎の血族なのですが、メインヒロインとしてソコの娘が居ながらも吸血鬼のターゲットはその母親の方で、なんと20年前に既にかどわかされていたのが今になって(姿はそのままで)戻ってきた…という。しかも、肝心の吸血鬼は吸血鬼ながら何故か若干「狼男」的とゆーか、ショックシーンで月光に照らされると凶暴化する…とゆーのにも(現代的な感覚からすると)ちょっと違和感を覚えますよね。他にも展開運び自体等もろもろと結構に支離滅裂ぎみで、そこら辺、やはり舶来のホラー的存在を我が国の「怪談」系映画に落とし込むのにかなり苦戦した…とゆーコトなのかな、と。  ただ、中でひとつ非常に面白かったのは、肝心のその本邦初の吸血鬼の由来…と言いますか。この男は島原の乱の最中にごく悲惨で禍々しい経緯を経て人から鬼に成り果てた、近年の日本の吸血鬼もので言うトコロの「真祖」とでも言うべき存在なのですよね(『HELLSING』なんかに見られるよーな)。ソコはやはり少し面白いとゆーかコレは実はごく日本的な捉え方なのかなとゆーか、ある種の「文化的差異」なのかも…という様にも思われました。つまり、日本の「怪談」ものにおけるホラーモンスターは「元・人間」だとゆーのが結構重要で、ソレが何故ヒトならざるモノに成ってしまったか…を描くコト自体をホラー要素として比較的重視するものなのかな、と(=最初から怪物だった or 血が呪われていた、とかは、やっぱあまりしっくり来ない…というコトなのかな、と)。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-06-02 01:23:10)
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