1. 告白(2010)
《ネタバレ》 中島監督作品は「下妻~」「嫌われ~」と鑑賞。 両方とも大好きな作品である。 映像化は大概がっかりさせられるから…と避けてきたが ついに機を見て鑑賞することにした。 がっくし。なぜ原作を再現しないのか。 たしかに冒頭の、森口が独白を続けるシーンは 映画という映像コンテンツではとてもつらいシーンだろうが いくらなんでも、学級崩壊しすぎ。 これでは森口の教師性まで、視聴者には変わってしまう。 挙句安っぽい映像効果と、受け付けない子役の演技が 結末になってしまった。 ただ、さすが中島監督。1カット1カットの映像はとても美しかった。 [DVD(邦画)] 3点(2013-06-11 00:59:26) |
2. 悪の教典
《ネタバレ》 蓮見というキャラクター、マック・ザ・ナイフ フギンとムニン、クラスの生徒たち。 イメージを脹らませるキャラクター・要素を大量に持っていながら、 なぜこんな駄作になったのか。 監督は、他の貴志作品を読んだのだろうか。 それとも、読んだ上でこちらにしたのか。 蓮見の家がボロボロだったり チンピラ教師を山田孝之にして、ドラムを叩かせたり… かなりの原作改変が見られたが、この改変部分が どれも物語の根幹をなしている部分だからこそ、 原作既読者からは辛かった。 三池監督の悪趣味な部分と、蓮見の悪趣味な部分が 見事に重なったら、かなりの名作になれたんだろうが… 唯一感じた監督の悪趣味が「やたら登場する蓮見の裸体」と 「教師と生徒の同性愛行為」だけというのは いささか拍子抜けである。 [DVD(邦画)] 2点(2013-06-11 00:09:56) |
3. 犬神家の一族(1976)
《ネタバレ》 とにかくライティングがすばらしい。 昼間の座敷なのに、もう一族そろってるだけで不気味。 なのに妙に感じてしまう静謐とした美しさ。ジャパニーズホラーとはコレがいい。 そこにスケキヨさん登場。 マスクがとてもよくできていて、ぱっと見、無表情のようで、ちゃんと表情が出る。 役者のすばらしさもあるのでしょうが。 この話、というか横溝正史の作品はトリックうんたらではなく いつも情愛モノだなぁと思う。 別人かもしれないと思っても、無事復員してきた息子 (しかも顔の傷がひどくて正視に耐えうる)を 一心に大事にする松子の姿には、やっぱり母の愛の大きさを感じさせられる。 石坂浩二は金田一として適役。深刻なのか、それとももしや事件を楽しんでるのか。 そんなよくわからない、「金田一耕介」という人間をよく演じていたと思う [地上波(邦画)] 8点(2012-05-14 18:20:56) |
4. GANTZ
《ネタバレ》 原作既読。 キャスティングはとてもいい。 主役二人のキャラクターと原作キャラがよくあっている。 邦画はとかくSFXがしょぼいので、どうなることかと思っていたが ガンツの異様な存在感や、星人たちはとてもいい。 日本人にはバリバリのSFより、こういう日常の中にあるSFのほうがしっくりする。 ただ原作を読んでしまうと、世界観を出すのに必死で キャラクターたちの掘り下げが浅かったのが残念。 加藤のまっすぐすぎるほどの性格、逆にひねくれすぎてる玄野の性格 両者とも演じてる役者が、それを表現する力量のある役者であるだけに惜しい。 あと、ガンの説明が省かれすぎていて(というかまったくなかった) 「何故お前ら撃たないのか!」という突っ込みを許してしまった。 このガンも曲者で不条理丸出しなので、ぜひ説明して欲しかった。 [地上波(邦画)] 5点(2012-04-20 23:19:06) |
5. ゴジラVSビオランテ
《ネタバレ》 ゴジラで名作といえば、やはりこれ。 子供のころつまらなく感じたものだが、大人になってから、見直すとこれはいい。 今までのゴジラ作品も、人間ドラマを描いてきたものが多かったが、 近作にいたっては、人間ドラマが主体ではないかと思えるほど。 科学は発展すればするほど、軍事に利用されてしまう。 またその発展は、人間が越えてはいけない壁をも越えてしまう。 その苦悩を、ビオランテという素材でよく表現していたと思う。 対照的なのがスーパーX2と抗核バクテリアで、人類を救う科学の位置にいる。 しかし、その人類を救う抗核バクテリアの奪い合いで、 人が死に、ゴジラを目覚めさせるのだから、皮肉な話だ。 人間の敵は人間自身であると、強く思わされる。 それ以外にも本作は、娯楽作品としてもよくできている。 特に自衛隊の戦闘シーンは、音楽と相まって胸躍る展開だった。 それにしてもビオランテのデザインはすごい。 [DVD(邦画)] 8点(2012-04-12 19:17:09) |
6. ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン
《ネタバレ》 皆さん高評価なんですね・・・。 思い出補正というやつでしょうか。 かく言う私も、青春時代にゲームのほうを数え切れないくらいクリアしました。 今回BDレンタル解禁ということで視聴。 最初の10分は集中しましたが、後は目がすべるすべる。 CGがきれいでも、コンテが悪い。 (CG化されたキャラの顔も服装も安っぽいホストみたいで嫌いですが) 動きに重たさを感じない。バスターソードが紙みたいにひらひら動きます。 登場人物の動きもだめ。体重ないんじゃないかとすら思える。 よってやたら描き込んだ一枚絵が、ぺらぺらまくられてるようにしか感じない。 誰か苦言を呈する人はいなかったのか。アニメーターは入っていなかったのか。 FF7というブランドに胡坐をかいて、スクウェアがとにかくお金をつぎ込んだ そんな映画です。それでこんなに長く商売しようとしていたのだから、 いまのスクウェアの凋落振りにも納得です。 余談ですが・・・ ちなみにCGすごいという話題が多いですが、この年ゲームでは 「MGS3」が発売されています。こちらもムービーに力を入れてるゲームですが 比べ物にならないセンスの良さと、丁寧さが見られます。 それをかんがみると、この映画での 「この時代にこのCGすごい!」という評価は些か納得しかねるものでした。 [ブルーレイ(邦画)] 2点(2012-03-10 01:58:09) |
7. 映画ドラえもん のび太の恐竜2006
記念すべき初レビューをこの映画に捧げます。ドラえもんの声が変わり、絵柄も変わり・・と「私たち」のドラえもんからどんどん離れていくドラえもん。見送るしかない大人の私たちは自分の年を感じるとともに、その複雑な思いを製作者側へとぶつけていたのかもしれません。「こんなのドラえもんじゃない!」と。私もその一人でした。だからいっそスッパリ嫌いになっちゃおうと、この映画を見に行ったのです。さぁ嫌なところ探しつくしてやるー!と意気込んで見ましたが・・・素晴らしい。まずは映像。特にタケコプターで空を飛ぶときの映像の爽快感といったらありません。そしてシナリオ。内容は昔と変わりません、そこがまたいいのです。私は後期ドラの感動の押し付け(「君は誰を守れるか」とか・・・)が嫌で仕方なかったのですが、今回はピー助との別れをしつこく押すのではなく、やたら透明感のある涙でダダ泣きする。とある意味あっさりした感がありました。しかし冒険を終えたのび太たちの顔を見れば、この出会いと別れの大きさを充分感じることができます。 長年愛していたものが変わってしまうのはとても辛いことです。しかし、ドラえもんは常に子供のものであったはず。そして私たちはもう子供ではないのです。 賛否両論なのは当然です。しかし「面白い、面白くない」は主賓が決めること。この2時間近い(子供ものにしては)長いこの作品、子供たちはぐずることなく、ドラえもんと笑い、ハラハラドキドキの冒険をしていました。これこそこの映画の評価にふさわしいのではないでしょうか。 必ず批判が待っているこの厳しい条件の中、素晴らしい作品を作り上げたスタッフの皆さんと、これからのドラ映画への期待、そして新しいドラえもんと子供たちの未来に10点献上いたしたいと思います!! [映画館(吹替)] 10点(2006-04-16 01:35:13)(良:3票) |