1. 映画ドラえもん のび太の新恐竜
《ネタバレ》 製作者のインタビューによると本作のテーマは「多様性」らしい。であれば、本作で描いていることは「多様性の全否定」だろう。 のび太は逆上がりができずに仲間外れにされると感じている。そして、キューが仲間と思っていた動物から何の前触れもなく攻撃を受けたのをのび太は見て、「空を飛べないから」キューが仲間外れにされたと感じる(なぜかそう思ったかは分からんが)。そして、自分の姿に重ね合わせたのび太はキューに空を飛べるように強要する。ここからは完全なるスパルタ教育である。 本作には逆上がりができないことも、空を飛べないこともダメなこととして描かれ、それを受け入れるキャラクターは誰一人として登場しない。もし多様性について描きたいなら、のび太が逆上がりができないことも、キューが空を飛べないことも周囲が受け入れるべきだろう。結局、「他の子ができるんだからあなたもできるようになりなさい」という話になっている。体が小さいとか運動が苦手という理由で悩む子供は世の中にたくさんいるだろう。そういった子供たちに「他の子ができているのに君はなぜできないの?気合と根性さえあればできるでしょ。あと、練習は1人で頑張りなさい」と言っている作品になってしまっている。 のび太の友達は何人もいるのに、なぜ誰一人としてのび太に逆上がりのコツを教えたり練習に付き合ったりするという描写すら入れないのか。ここ最近のドラえもん映画って「友情」を前面に押し出していたと思うが、なぜここにこれほど無頓着になれるのか。そして、最後にのび太が逆上がりに成功して映画は終わる。本作を見ている子供で逆上がりができなくて悩む子供は「のび太ができたのに、僕(私)はできない。このままでは周囲に認めてもらえないかもしれない」と思ってしまうぞ。多様性なんて何一つ考えていない製作者のただの根性論。2020年という時代に作られたのが信じられない愚作。 [インターネット(邦画)] 0点(2022-07-07 22:54:59)(良:3票) |
2. Ryuichi Sakamoto: CODA
《ネタバレ》 ○本作は津波ピアノで始まる。東日本大震災の被災地で披露する「戦メリ」で観客をどっと惹きつける。○その後は、食道がんによる闘病生活からの脱出を描く現代と、「戦メリ」辺りからの映画音楽の仕事を時系列で追っていく。○「戦メリ」「ラストエンペラー」「シェルタリング・スカイ」「レヴェネナント」と各映画での監督等とのエピソードが聞けるのはうれしいところ。(個人的には、どこがどう良いのか、具体的には「シェルタリング・スカイ」でイントロの書き直しを監督から命じられ30分で修正したイントロが良かった話があったが、具体的にどう良かったのかを修正前の音楽と比べてコメントしてもらうなどできれば素人目にはありがたかったかな。○にしても何気なく聞いている映画音楽が作られている過程を少しでも感じることができるのは嬉しい。60超えた坂本龍一が良い音にめぐり逢った時に見せる少年のような無邪気な笑顔を見ると、映画を見る際に音楽にもより注目しようと思う。 [映画館(字幕)] 8点(2018-03-28 23:11:33) |
3. 失楽園
《ネタバレ》 ○公開当時流行ったのをなんとなく覚えていた本作。CS放送されていたので何となく鑑賞したが、よくヒットしたもんだという内容。潜在的な不倫願望をくすぐったのだろうか。かと言って主人公たちがありふれた家族像として描かれてもいない。○そもそも2人が惹かれ合う場面がない。終始2人は両想い。お互いの気持ちが高ぶる様子がラブシーンでしかほとんど表現されていない。そのラブシーンも何回目からか飽きてくる。○そして心中するラストだが、それ以外の選択肢がないほど追い込まれていたように全く映らなかった。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2018-03-26 20:04:07) |
4. トゥモロー・ワールド
《ネタバレ》 ○登場人物にあまり魅力がなく、特に主人公が残念。もっと深堀しないとラストに感動できない。○また最も重要な人類が妊娠できない設定は説明不足にも程があり、突然妊娠しても何の驚きもない。○話題の長回しも、確かにあれだけのシーンを撮ったのはすごいが、その臨場感とリンクするドラマがもっと深堀されていればより良かったのだろう。。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-01-15 16:47:27) |
5. はなれ瞽女おりん
《ネタバレ》 〇はなれ瞽女って何か知らずに鑑賞。岩下志麻の眼力を見られないことにがっかりしたが、それを忘れさせる好演。もう少し若い時に演じてほしかった役ではあるが素晴らしかった。〇残酷な現実が襲うが、おりんの力強さがひしひしと伝わってくる。決して仰々しくなく淡々と描いているのも好印象。 [映画館(邦画)] 7点(2017-11-25 17:55:32)(良:1票) |
6. 泥の河
《ネタバレ》 ○午前十時の映画祭にて鑑賞。○本来なら関わりたくないのだけど、優しく接する板倉一家。特に田村高廣の好演が光る。それぞれが距離を縮める家庭が絶妙だった。○お金を落としたきっちゃんが信雄に何か返してやらなきゃと蟹を拾い上げ酒に浸して火をつけるなんて。優しい信雄はドン引きだっただろうな。 [映画館(邦画)] 8点(2017-10-29 11:10:42) |
7. 散歩する侵略者
《ネタバレ》 ○「SF/ボディ・スナッチャー」的な映画。侵略者は何人かいるのに「散歩」しているのは冒頭の松田龍平のみ。その場面を見ていない長谷川博己が「彼らは散歩する侵略者なんです!」と演説するシーンは違和感しかない。その場面は俯瞰ショットと各国のフラッグがある辺りセンスあったのにもったいない。○「愛」で落としたのは良いが、彼らの侵略シーンのCGがしょぼすぎてこれまたもったいない。あえて映さない表現方法もあると思うが。○長澤まさみは良い女優になったな。他の役者陣も良かったが、彼女の映画だった。 [映画館(邦画)] 6点(2017-10-28 09:52:08) |
8. ハートブルー
《ネタバレ》 ○配役や演出は良いが、脚本が滅茶苦茶。○3年でほぼ手がかりゼロは酷くないか。あの程度の集団のことならわざわざサーファーにならなくても情報入手できるだろうに。身バレしてからも呑気すぎる。○二人の間の友情って。彼女が拉致されても揺るがないほどのものを全く感じない。○キアヌとスウェイジは非常に魅力的だった。 [DVD(字幕)] 4点(2017-09-29 08:38:00) |
9. 三度目の殺人
《ネタバレ》 ○随分と余白の多い映画で、かつ隠喩的なシーンが続くため、気を抜けない二時間であった。○三度目の殺人の意味こそわかったが、最後の接見での「器」は直前に示唆する表現やシーンがないのでちょっと置いてきぼり。考えてなんとなく理解できたが。○日本語らしい曖昧な表現や忖度と取れる言い回しなど邦画ならではなのかもしれない。 [映画館(邦画)] 8点(2017-09-21 13:43:17) |
10. 肉弾(1968)
《ネタバレ》 ○反戦をここまでコミカルに描いた作品もそう巡りあうことはない。○画面のほとんどを寺田農が占めていたが、目が離せないほどの熱演だった。○軍国主義を否定していた主人公だったが、彼もそれに教育された人間だった。結局彼にとって戦争は最終的に仲間のためだったのだから。○ドラム缶の中で知らぬ間に終戦を迎え、そのままそこで最期を迎えるなんて。○寿命の話から本題に入るオープニングは見事だった。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-09-03 15:51:12) |
11. 黒い雨
《ネタバレ》 ○メインは終戦から5年後、黒い雨を浴びた、いわゆる二次被爆が引き起こす悲劇。○ある日突然紙が抜け落ちる前兆から周りの二次被爆者は皆死に至る。それ故、縁談も進まず、母は次第に精神を侵されていく。○父の努力もむなしく、ようやく来た縁談相手はまだ戦争が終わっていないと思い込んでいる近所の男。○虹がかかればすべてうまくいくという父の最後の言葉が虚しくこの映画を締めくくる。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-09-03 15:48:12) |
12. 妻は告白する
《ネタバレ》 ○作品の中で自分勝手な人物が夫→妻→幸田の順に見事なまでにスムーズに移行していく。○最後の幸田には同情する一方、見る目がなかったし、行動が軽率だった。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2017-09-03 15:36:38) |
13. IAM A HERO アイアムアヒーロー
《ネタバレ》 ○有村架純は中盤以降ついてきてるだけ。○そこで終わるの感がすごい。○武器を取り上げられる場面で必要以上に抵抗する理由がわからない。○富士アウトレットパーク内でのヒエラルキーが陳腐。日本人ならもっと協力的になるんじゃない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-09-03 15:31:29) |
14. シンプル・プラン
《ネタバレ》 ○出てくる登場人物にいいやつが一人もいないのはつらいところ。○FBIを名乗る者が急に現れすぎでは。○細かいことだが、ナンシーが先に撃たれたのならルーの血を浴びているのは説明つかないのでは。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-09-03 15:27:14) |
15. 手紙(2006)
《ネタバレ》 ○そもそも主人公のキャラがどう見ても芸人ではない。その違和感が終盤まで拭えない。原作のように音楽やってるならまだ納得できたかもしれない。○子供や妻が周りから疎まれてしまうが、終盤それが解決された様な描写が挿入されるが、そんなにすぐに解決するのって感じ。○あと、関西人の自分からすると沢尻エリカの30点くらいの関西弁も終盤まで気になり続けた。関西弁でなくても良いし、関西弁にこだわるならできる女優をキャストすべきだった。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2017-09-03 15:22:07) |
16. 麻雀放浪記
《ネタバレ》 ○俳優陣の濃い演技もあり、時代を生きていたんだなというのがひしひしと伝わってくる。○もちろん分かるに越したことはないが、麻雀をそんなに知らなくても十分楽しめる。○出てくる女性陣も加賀まりこと大竹しのぶの対比。加賀まりこの魅力もモノクロに映えるものであった。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-01-04 20:55:57) |
17. 浮草
《ネタバレ》 ○小津映画では珍しく、「一般家庭」を描いていない作品。○劇団の地方巡業というヤクザな商売を割と晩年に撮っていたのは意外。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-01-04 20:39:25) |
18. サマータイムマシン・ブルース
《ネタバレ》 ○BTTFシリーズへのオマージュともいうべきか。○SFドタバタコメディでありそれ以上でもそれ以下でもない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2017-01-04 20:33:22) |
19. ピンポン
《ネタバレ》 ○ARATAや大倉孝二はうまく演じていたが、他に関しては原作のキャラクターに合わせて演技しているような違和感しかなかった。窪塚洋介演じたキャラも漫画だから成立したキャラだったのではないか。窪塚洋介のセリフはほとんど棒読みに聞こえた。○コメディ要素も滑りっぱなしだった。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2017-01-04 20:22:23) |
20. ドッペルゲンガー
《ネタバレ》 ○ドッペルゲンガーがもうひとりの自分でそれに打ち破るというのが概要だが、そのドッペルゲンガーとの対決を中盤に持ってきてその後展開していくのが良い。○終盤ややカオス状態だが、物語の中心にいた機会をぶっ壊すことで話は終了。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-12-04 23:27:28) |