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1.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 
正直、戦争映画はあまり好きではないけれど公開直後すぐにツイッターのTLであまりに評判が高いので観に行くことにした。 チケットを予約しようにも最寄りの劇場はほぼ満席、慌てて他の劇場で予約したがばんばん席が埋まっていって焦った。 それほどまでに評判の高い映画なんだな、と驚きつつでも戦争ものはなあ…とまだ重い腰をひきずるような気持ちで観に行ったという。  始まって数分で引き込まれていた。冒頭、少女のすずが荷物を壁にもたれかけて背負いなおす細やかな動作だけで「これは期待できる」と確信した。 気付いたらすずさんと和美ちゃんのあのシーンで思わず「あっ!」と声をあげてしまっていた。 それくらい周囲の環境を忘れるほどに物語にのめり込んでいたのだ。 観終えたあとは滂沱、滂沱。なんだこの映画は最高か、こんなん絶対名作どころか後世に残るだろ…滂沱。 映画館から出たあと視界に飛び込んできたビル群と煌びやかな夜景、豊かな現代のいまの私達の暮らしとのギャップに まるで自分がタイムスリップしたかのような感覚に捉われたのも驚き。  細かなところでん?これはなんだ?どういうことなんだ?なんでノートの端っこが破れてるの?すずさんの持っていたあの紅はなに? リンさんの描写がすずさんと何か関係めいてるわりに中途半端なのはなんで??と原作にも興味がわき 全巻揃えて読んだらこちらでもリアルに「あっ!?」と声をあげてしまっていた。 うっかり周作さんの秘密を知ってしもうた…w  ともかく、私はこの作品のラストの描写でいままで某『火垂るの墓』で背負わされていた戦争映画の孤児に対する 鬱々とした感情が昇華され心から救われる思いがした。 『この世界の片隅に』は人間を信じられる映画だと思う。
[映画館(邦画)] 10点(2017-07-18 22:58:31)(良:2票)
2.  海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE
こういうのでいいんだよ、こういうので。 あんまり懐かしくてうまくて…おもわずお代わりしちゃったよ。
[映画館(邦画)] 10点(2012-11-16 13:20:19)
3.  ドラえもん のび太の宇宙開拓史 《ネタバレ》 
映画館で観たドラえもん長編映画はこれが初めてでした。 離れていく次元の裂け目でのお別れのシーンで子供の私は素直に泣きました。
[映画館(邦画)] 10点(2009-11-18 02:19:47)
4.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 《ネタバレ》 
井尻や廉姫の純情な恋愛劇もさることながら、やはり野原一家の描写が素晴らしいです。自分は女だからか、女視点で見てしまうのですが…「野原一家ファイヤー!」のひろしに合わせてひまわりとしんちゃんを抱きかかえて、身を挺して伏せるみさえ。しんちゃんに危機が迫った時、咄嗟にしんちゃんをかばい刀にむかうみさえ。「かあちゃん!」と叫ぶしんちゃんの台詞に思わず胸がキューンとなり、涙がボロボロッとこぼれました。うんうん、母親ってこうなんだと思う。子供がピンチだったら母親はなりふり構わず守るし、そして家族のピンチになったら父親は家族を守るために闘う。自分も野原一家のような『家族』を築きたいなあとしみじみ思った映画。
[DVD(邦画)] 10点(2008-01-30 15:16:16)
5.  天空の城ラピュタ
いまでも見返すと胸が高鳴る。 話が終わってしまい、観ている自分が主人公達と別れるのが寂しくなる映画。 もっと主人公達の活躍が観たい!というちょっと切ない余韻がたまらないのかも。 あと、パズーの夜食の肉団子シチューめちゃくちゃ美味しそう。
[地上波(邦画)] 10点(2008-01-24 08:51:11)
6.  IAM A HERO アイアムアヒーロー 《ネタバレ》 
原作未読。あれあれ、これ邦画でしかもゾンビ映画のわりに面白いじゃん!というのが素直な感想。 (邦画にしては、という枕詞がついてしまうあたり非常~~に嘆かわしいとは思いますが、正直者でスミマセン)  ゾンビ映画ってもうホラーというよりパンデミック&パニックもののカテゴリーですよね。 ゆえにこの作品でもストーリーや展開はありきたりで奇抜さや目新しさは全然ないのですが そのぶん主人公のキャラクターに焦点を絞って際立たせたところと撮影技術に工夫を凝らした点が面白さに繋がったかな、と思います。 日本で銃なんてものすごいニッチな武器を所有していながら、ここぞ、ここぞというところでそれでも猟銃を使わない(使えない)英雄。 何故使わぬ!と映画のご都合展開に慣れてるこちらがイラつくくらいヘタレ。ですがゾンビ映画お約束の対ゾンビではなく 自治区での派閥対立の群像劇でのパニックものにシフトしつつ「世界がひっくり返っても自分は何にも変われない」と 嘆き苦しむ主人公の台詞、正直身につまされました。 主人公の心情をしっかり描いてるぶん、ラストにかかる対ゾンビ戦のカタルシスが非常に心地よかったです。 個人的にですが、人間のままでいるなら英雄と一緒に行動したいし、ゾンビになるならアベサンのような伴侶にトドメを刺されたいです。
[映画館(邦画)] 8点(2016-05-07 00:38:51)
7.  そして父になる 《ネタバレ》 
帰省して母親と地元の映画館で鑑賞。 観始めたらなんと舞台地が身内が出産経験した土地、隣には母親。 泣く為の舞台演出はばっちりでしたw 母親でなく父親を主人公にしたのがよかったと思う。 「もし自分の子供が取り違えだったら交換する?」と聞かれたら 「絶対返さない、返すわけがない」と多くの母親は脊髄反射で答えるのではなかろうか。(子供のいない私でもそう答えるし、母親もそう答えた。) いわゆる「女って生き物は感情で語る」が如実に現れるケース。 ここで「いま子供可愛いだけでは済まされない現実問題がこれからどんどん出てくるんですよ? いま対処しないでいつやるの?今でしょ(これももう古いか)」 と冷静かつ合理的思考に基づき言えるのが男という生き物なのかもしれない。 それが苦渋の決断のうえで発した言葉ではなく、いままで子供を直視してこなかった 関係の希薄な父親が言うだけにより冷血無慈悲に映る。うまい。 こういうジェンダーの違いをはっきりさせ尚且つ社会的に成功していても家庭内では肝心なところが欠落している主人公が成長していくさまを淡々とたくみに見せるという作品はベタだが私は好きなのである。  実はこの監督作品を観るのは初めてで、それも「誰も知らない」は下地の事件を先に知っていたのでその陰惨な実情が感動作品にすりかえられる事に反発していたのがある。ノンフィクションが下地になっているのは「そして父になる」も同様で、実際の当事者達はもっとどろどろと愛憎入り乱れて苦しみぬいたと思う。そういう点ではエンターテイメントに落とし込んで綺麗にまとめすぎた感は否めないけどこれはこれでドラマ劇としてアリなのかなと感じた。  余談だが、この映画はシニア世代の多そうなときは鑑賞は避けたほうがよいかと思われる。完全に孫か、かつての我が子を見る眼で鑑賞するものだから子役がスクリーンではしゃぐたびに「かわいい~!かわいい!」と感嘆しクライマックスではあちらもこちらもおばさま達の嗚咽まみれになった。あの世代にはクリティカルヒットなので静かに落涙なんてとてもできない。かくいう私の母も同様で、周囲の皆様お騒がせしました…申し訳ない。子供を撮らせる事に関しては随一の監督というのもうなずけた。
[映画館(邦画)] 8点(2013-10-15 00:35:34)
8.  七人の侍
高校生の頃、映画好きだった父親が薦めてくれた作品。 先入観もなく観ていたので前編が終わったところでええええ!と驚いたものです。 父親曰く「当時は映画館で前編が終わると途中で休憩時間が入ったんだ」との事。 また当時の映画で太陽を撮るのはタブーだったのを黒澤が破ったんだとか あの頃の時代劇は紋切り型のチャンバラだった中でリアルな殺陣を見せられて驚愕したもんだ…等々 黒澤明の凄さをリアルに感じた世代の説明はとても熱かったです。 そんな感じで、当時隣で父親が解説してくれなければ意味がわからない事も多かった点、万人に受ける映画というわけではないかもしれないです。 実際、友人に勧めてみたところ最初の数分で「何をいってるかわからないし不気味」という理由で離脱されてしまいなんて勿体無い…!と内心歯噛みしましたから。 父親のおかげで最後まで面白く観れたという思い出の映画、いまは亡き父に感謝。  
[ビデオ(邦画)] 8点(2012-06-15 16:49:18)
9.  紅の豚
ジブリの中でもかなり好きな映画です。 青い空、青い海、そこぬけに明るくカラリとしたおバカな空賊連中、 一人のためだけのオアシス空間、美しい旧友、言うことを聞かない可愛いジャジャ馬少女。 政治や宗教の絡まない男同士の命をかけたゲーム。 ジーナから「男って本当に馬鹿ね」と背中から(でも少し楽しそうに) 小言をぶつけられて無言で肯定するのがポルコ。 応えるなんて野暮なこたぁしないよ。 宮崎駿の『あこがれ』が存分につまっているように感じました。 誰かのために作ろうとしたり遺そうとしたりしなくていいです。 これぐらい自分の好き勝手にやってくれた映画のほうが私は好きです。 
[映画館(邦画)] 8点(2010-01-13 13:25:17)
10.  オテサーネク 妄想の子供 《ネタバレ》 
初めてこの映画を観たのが約3年前。 この間に私の人生にも色々転機が訪れたのでこの作品を再レビューしてみる。 この作品にはいくつかの親子像が出てくる。不妊症の夫婦とオティーク。隣部屋の夫婦と娘。そして管理人(老婆)とキャベツ。 特出して目立つのが女性差によるエゴと残酷さと母性。 当時観ていて何もここまでオティークに固執せずとも他にもっと可愛い子供の代替になるものはあるだろうに…と思っていたが最近見返してみて考えが改まった。 長らく不妊治療を続けてきたこの夫婦、それでもより追い詰められ子供を切望していたのは妻側で夫とは切迫感の違いというか溝があるのだ。だから夫のほんの気まぐれで遊び心から差し出した切り株に妻が執着したのは、他ならぬ夫からの『贈り物』だったから。おそらくそれまで子供の代替として飼われていた猫は妻が欲したものだったのではなかろうか。妻にとってオティークは夫婦の共同作業で得た本物の子供という事になるのだろう。狂っていく妻と暴走を止められない夫の苦悩に引き込まれていく。 夫婦視点で描かれていた話の中核は後半になるにつれ少女視点にシフトしていく。 子供にオモチャを与えると親が性差をつけずとも本能として遊び方が異なってくるという。男の子は分解と破壊、女の子は大人の真似事(○○ごっこetc)を始めるそうな。この作品ではオティークと少女が『食欲』を通して大人をもて遊んでいく。 物語のラストで管理人(老婆)とキャベツ(赤子の象徴)という生命の終末と誕生を外殻化した親子像が浮き上がってくるのも印象強い。 少女の薄っぺらい懇願なぞ、人生の酸いも甘いもかみわけた老女にとってはとるに足らない深刻さだろう。 シュルレアリスムの視点で描かれる生命とは何てグロテスクなのかと魅了される。 老若問わず女性特有の残酷かつ観念主義的な一面をえぐりたてるように描いた作品は私にとっては非常に興味深く面白く感じた。ここまでひどくなくとも「あるある」と思える共感部分が多いのだ。そしてそれを描いたのが男性の監督だという事がまた素晴らしい。(20110719)
[DVD(字幕)] 8点(2008-04-26 21:46:01)
11.  カラフル(2010) 《ネタバレ》 
見たい見たいと思いつつCMでネタバレされてしまい見る気を失った作品。 でもいまになってようやく観れて、それも自分にとってはいいタイミングだった。 公開時の自分は私生活で色々苦難があり多分精神的に辛すぎて受け止められなかったと思う。  人生でたくさんある小さな分岐点を描いている作品。 クゥ同様、地味なキャラに丁寧な心理描写。 これなら実写でいいじゃないかと思われるかもしれないけど、多分私これが実写なら観なかった。 自分は結構メディア作品に対して斜に構えて見る嫌なタイプなのだが、原恵一作品はそうした なんちゃって批評家気分の気持ちを1枚1枚脱がして素直で純粋な気持ちにさせてしまう。 なので途中うっかり何度もホロリとさせられてしまい、観終えてシラフに戻ったあとで 「ああ自分安いなあこんな中学生日記みたいな映画で泣けるなんて年とったなあ」と 赤面してしまった。でもそんな自分、嫌いじゃない(ドヤァ)  話の中盤からマコトの正体はわかったがプラプラの正体にまで気が回らなかった。 故に観終えてからはずっとプラプラのその後の事ばかり考えてしまった。 マコトは救われたけどプラプラが救われる日はくるのだろうか… 肉まんの件が理解できないそこがプラプラの欠落している部分なんだろうな…とか うちにはステイどころかチャンスもなかったからマコトは本当にレアケースなんだなとか 私の父親もいまプラプラのような『仕事』をどこかでしているのだろうか とか。 大きな罪を犯して死んだ人間が常世にも現世にも留まれないままちゅうぶらりんでいる状態は 当事者の「家族」の視点でみると非常に辛いものでして。 いつかプラプラも救われる日がきますように、と切に願ってしまった。
[DVD(邦画)] 7点(2013-04-25 19:00:29)
12.  アポロ13
閉所恐怖症で高所恐怖症の自分にとってこれほどまでに恐ろしい映画は他にありませんでした。 自分、地に足のついた生活で十分です。 「宇宙にはロマンがあるんだよ!」と薦めてくれた家族よスマン。 宇宙にはロマンはあるかもしれないけど、空気がないんじゃー!!!
[DVD(吹替)] 7点(2011-10-21 19:42:59)(笑:1票)
13.  サマーウォーズ 《ネタバレ》 
これこれ!すっごく面白いんだよ!細田監督っていま注目されてるんだって!と勧めた『デジモンアドベンチャー僕らのウォーゲーム』を「設定がありえない、つまらない。昔トロンという映画があったんだ、これはそれのパクリだ焼き直しだ」と兄からケチョンケチョンにけなされた悲しき数年前の思い出。時は経ち『ときかけ』にズドンとはまり細田マンセーとばかりに大絶賛していた兄は、さてこの作品に関しては(絶対観たはず)どう答えるものやら。正月にあって聞くのが楽しみな私である。ぐっふっふ。 あ、肝心のレビューを書いてなかった。まあ良作。バトルシーンやグラフィックのキッチュでポップなセンスのよさは買います。構成はテンポよさを重視するせいかぶつ切りが多くて 実はウォーゲーム時代から個人的にあまり好きではありません。でも見せ方がとても上手い。才能のある人間が作れば見せられるものになるんだな、と感心します。ヒロインが性格が悪くてうざいので-1点。あとカズマの涙にもらい泣きする女連中にポカーン。傍から見ればゲームに負けてくやし泣きする子供にもらい泣きするお母さんなんていないし。ここの泣かせよう盛り上げようとする演出があざとすぎるのでさらに-1点。
[映画館(邦画)] 7点(2009-12-06 00:03:30)(笑:1票)
14.  河童のクゥと夏休み 《ネタバレ》 
友人と鑑賞。 「妖怪は嘘をつかねぇ。」私の心にグサリときた台詞だ。 昨今のNHK教育でも見られない地味で素朴なキャラ。かわいいというより不気味さが先にたつクゥ。見始めるとそんなことはまったく気にならなくなる。丁寧な表現とほのぼのとした笑いに素直に顔が綻ぶ。そのぶん、中盤から後半の流れが辛くなってくる。思わず観ていて目をそむけたくなった。それは表現が過激なためではなく『人間はこういう生き物だ』と別の生き物達の目から淡々と見せ付けられるから。この映画に説教はない、批判もない。人間批判をしているわけでも妖怪賛歌でもない。ある少年とクゥという河童がかけがえのない一夏を過ごした思い出の映画だ。 クゥを守りきれなかった上原一家に憤る人もいたのではなかろうか。けれど上原一家はあくまでどこにでもある平凡な一般家庭。仮に別の子供の手によってクゥが復活したとしても、結末は変わらないものになったと思う。クゥのような、人間ではない小さな生き物が日本のどこかで静かに暮らしている事を願ってやまない。 余談だが、新天地で川の神様に挨拶をしてはいるクゥにはっとさせられた。この映画を観て以来、私は見知らぬ土地に出向く時は心の中で「お邪魔します」と一礼するようになった。 
[映画館(邦画)] 7点(2009-12-05 23:49:32)(良:2票)
15.  ハチ公物語(1987)
まだ小学生だったと思う。友達と一緒に自分のお金で観にいった映画だった。観終わって映画館から出てきた私も友達も目を泣き腫らして真っ赤だった。私より大きな大人も殆ど目が真っ赤だった。帰りに食べたかき氷屋さんでは2人とも無言。テレビ放映で「ハチ公物語」があると聞いても悲しすぎてまた観ることは出来なかった。いま観ると随分粗があるけど、あまり気にならない。飼い主と犬の理想の形体を映画に起こしてくれたことだけで感謝。死してなお飼い主に寄り添おうとする姿は、おそらく犬を飼ってる人にとって多くの理想の『犬』なんじゃないだろうか。
[映画館(邦画)] 7点(2009-11-22 17:00:30)
16.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 
一度でいいから、駿氏のコンテ画がそのまま動く映画が観たいと思ってたので ざっくりした絵柄や背景と単純な線画のポニョは長年の夢が適ったようで嬉しかったです。 実は宮崎アニメって一度観ただけで内容と主旨が理解出来た作品は殆どありません。 一度観ただけで理解できたのは、かろうじてラピュタとカリ城ぐらいです。 他作品は何度か視聴して他メディアの解説や原作や書評を読んでやっと理解できるものばかり。 バックグラウンドが壮大すぎるのか知らないけど「あのシーンは何?」「何を意味しているの?」と疑問符が浮かぶのですがさも知ったかのような顔をするのはもう疲れちゃいました。紅の豚以降の宮崎アニメはなるべく自分の感情が揺さぶられたそのままに受け止めるようにしています。 ポニョが「そーすけ、好き!」と言うシーンで何故かぐっと泣きそうになったし ポニョと宗介が二人きりで試練(?)を課すとき現れる子連れの夫婦が現れたとき 何故か言い様のない寂しさというか哀しさを感じました。本当、何故かはわからないけど瞬間的に「千と千尋」の後半電車シーンの、駅のプラットホームの黒い少女の影を思い出したのです。異世界のような奇妙な空間みたいな。 ポニョは波の重量感と質感、スピード感を重視したおとぎ話。 自分が子供だった頃、ポニョのような人間以外の小さな生き物の友達は確かにいました。 でもそういった友達は出会いから別れるまでせいぜい数時間なんですよね。 二度と会えないと思ってた小さな友達が「きたよ!」て全身全霊で応えて目の前に現れるってそれだけで涙が出そうになりました。まあそこまでならおとぎ話だけど、実際お魚が人間になっちゃうと現実はシビアだからねえ。ポニョ母の口から「身元引受人」という言葉が出てきたときは思わず噴出しました。あと父親って報われないものですね…娘の立場として代わってここに書きますが、不器用な父に感謝する日は必ず来ますからね、ホント。がんばれフジモト。
[映画館(邦画)] 7点(2008-08-28 15:52:39)
17.  ハウルの動く城 《ネタバレ》 
映画館で観て、意味がわからず頭の中は?マークと疑問ばかり。 結局何がいいたいのこの映画? もしかして原作読めば少しは破綻した部分が理解できるのかと原作を購入し読んでみて納得。 原作では「成程」と納得できる『恋する大人になりかけの女性心理』が描ききれてない。 原作のソフィはハウルの言動にいちいち嫉妬し感情的で怒鳴り散らし家事はこなすけど一貫性がなくて考えなしの無鉄砲。母性のボの字もないしハウルの言動も表面上はちっともかっこよくない。傍から見れば割れ鍋に閉じ蓋のような凸凹カップルだった。ソフィはラピュタに出てくる豪快なおかみさんとか、もののけのおトキさんのような性格だけど宮崎アニメになるとちょっと元気のいいクラリスというかシータというか…なんだか性格がぼやけている。 原作のキャラの持ち味のよさが映画に活かされてばどんなに面白くなったことだろうと残念でたまらない。 でもこれは仕方ないのかもしれない。 女性も男性も、お互いが異性に求める理想像があるけど、異性に言わせるとその理想像は「ファンタジー」でしかないから。宮崎駿が大人の女性に求める理想像はおばあちゃんの介護を献身的にこなし黙々と働き子供をあやし文句をいいつつ彼氏が散らかした玩具を片付けてくれる『お母さん』だ。男が永遠に求める理想の女性を描いてみたらそんなソフィになりましたとさ…という映画。原作ではエッセンス程度だった戦争のモチーフをメインにもってきて、無理やりドンパチに巻き込ませる手法はいかにも男性的だなあと思います。 女性脳で構築された原作を、男性脳の人間が理解するとこういう映画になるのでしょうね。 あ、ちなみに私「この映画はつまらない。」と言いつつ公開中5回観に行ってしまいました。 フィルムブックも購入してしまいました。つまらないし色々不満だらけなのに何度も観ています。 なんなんでしょうねこの映画、女性心理が全くわかってないから逆に 女性のイライラする心の琴線をくすぐるのが上手というか捉われるというか。 ツンデレ調に言うなら「お、面白くなんかないんだからね、勘違いしないでよ!」なのかなあ。 …なんだ一行で済むレビューだったのか。
[映画館(邦画)] 7点(2008-07-24 02:30:35)(笑:2票)
18.  耳をすませば(1995) 《ネタバレ》 
「好きな人ができました。」でしたっけ、当時のキャッチコピー。 原作がりぼんで連載してて、あまり面白くなくてあっという間に打ち切りになった記憶があるのでなんでわざわざコレが映画化なのかな~と当時は不思議に思ったものです。 映画は原作よりもっと話が膨らせてあって、清純なふた昔前の少女漫画のようで可愛いです。 
[地上波(邦画)] 7点(2008-07-20 02:16:33)
19.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
高畑監督作品のよいところは、原作へのリスペクトがしっかりしている…というか再現性が高い点にある。そして悪いところはオリジナル要素の部分になると途端にストーリーから剥離した「自分のいいたいとこだけを強引にねじこむ」という無理やりさにつきる。その為、原作要素ののびやかな雰囲気から一転していきなり説教くさくなったりメッセージ性が前面に押し出てきて鼻白んでしまったりする。要は映画の中でチラチラと監督が頻繁に顔を出してくるので作品そのものに没頭させてくれないのだ。また私はメッセージ性をキャラクターに直接言わせる演出方法が根本的にあわないので、そうした作品は基本的に好感がもてない。そういう点で、私は高畑勲監督作品は火垂るの墓といいぽんぽこといい思ひ出ぽろぽろといいあまりいい印象をもっていない。それでもこの映画を映画館まで観にいったのは題材が古典であり「かぐや姫」だからである。他メディアで映像作品化されたかぐや姫は過去にもいくつかあるが、それのどれもが原本から逸脱したオリジナル部分に恋愛要素を盛り込み相手を5人の求婚者か帝のいずれかの狭い登場人物相関の中からチョイスしていくといった貧しい脚本のものばかりで不満だったから。さらに私はなるべく原作が古典や歴史ものの場合そのまま当時の文化風習を再現してくれるものを好む。その為地雷である監督さんではあるが、オリジナル部分に目をつぶればそこそこ古典の『かぐや姫』を楽しませてもらえるのではないだろうかというやや打算的な目論見で鑑賞した次第。 鑑賞した結果はというと、意外や生き生きとした魅力的なかぐや姫で中盤までは楽しく観れた。しかし正直中だるみした感は否めないしラストの〆方も多分こうなるだろうなという想定内そのまま。ただ『かぐや姫』という骨組だけでよく主人公の性格にここまで肉付け出来たな、と感心した部分も多い。それでも相変わらず原作とオリジナル要素のかみ合わせがスムーズにいってないので主人公の行動理念がちぐはぐになっている部分がどうしても出てきてしまった。仕方ないとはいえやはり残念である。ああ、これがディズニーであるなら翁(育ての父)とかぐや姫(娘)の父娘の物語として『オリジナルかぐや姫』と割り切りラストもとんでもハッピーエンドにしてしまうところだが、ガチ日本人の日本人による作品ですなあ。本当に勤勉ですよこの作品は、実に日本人。
[映画館(邦画)] 6点(2014-01-04 02:00:39)(良:2票)
20.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
これは完全にジブリ作品ではなく駿作品。 ジブリお馴染みの愛くるしいキャラクターは全くでないので 親子連れはこれを観ても退屈でしかないと思われる。 大人向きと言われるのもよくわかる。 ジブリお家芸的な食事シーンの代わりに喫煙シーンのなんと美味しそうなことか。 普段煙草を吸わない私がそう感じるのだから某団体が頓珍漢な抗議をしたのも理解できる。  さて私の思う宮崎駿氏はがっちがちの男性脳人物なので思ったとおり 今回も気持ちいいまでの破壊衝動をカタチにしてくれている。 関東大震災、うねる衝動とエネルギーは私達には単純に恐怖の対象であるが 創造者にはおそらくそれに加えて畏怖と興奮もどこか感じるのではなかろうか。 美しい機体が空を滑空すると同時に粉々に砕け散る様も 相反して脳裏に浮かぶという再生と破壊のループ。 ヒロイン像に関しても毎度想定内の男が理想とする『儚げな女性はコレ』像そのまんまの安牌。 そして物語の随所随所でぽろぽろと誰もかれも簡単に泣く、泣く、泣くので 涙が安いなあ…と最初は思っていたのですが物語の演出として 観客を泣かせるために感動的なエピソードを挟みこんでいるというより 涙も日常のひとつでしかないといいたいのかなと感じた。 大切な人が死地へ向かう最中も移動中にも設計図をひく、 涙を落とし紙を滲ませてでも線をひく、ただひたすらひたむきに無心に先へと進む。 この衝動を情熱とか焦燥とか狂気とか何が一番あてはまるか考えたのだけど 「無心」が一番しっくりくるのかな…と思ったり。 駿氏のやんちゃな部分を切り取ったようなカプローニのデカダンさが 要所要所で重くなりそうな雰囲気を蹴散らしてくれるのが心地いい。  私にはこの作品は駿氏の自己投影と理想像の極限の映像化に思えたから 作った本人が泣いたというのも納得できる映画だと思った。
[映画館(邦画)] 6点(2013-08-25 00:41:06)(良:3票)
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