1. ラ・ラ・ランド
恋する気持ちを、最初にダンスで表現しようとしたのは誰だったのでしょう?突然ベンチにぴょん!と飛び乗ってタップを踏む30男のセブが可愛らしすぎて、思わずニヤついてしまいました(その後のダンスで2人のステップが若干ずれているのもご愛敬)。出会ってすぐミアがちょろっと語った生い立ちをセブがひとつ漏らさず憶えていて、図書館前でクラクションを鳴らすところもいやはや・・・(最初から最後までクラクションの使い方には参りました)。メイキングを見ると、監督のこだわりを実現するために最高の叡智が集結したんだろうなぁ、とただただ感心。自分の夢に他人を惹き込める人はやはり素晴らしい。もう1回見に行こうっと。 [映画館(字幕)] 9点(2017-03-18 19:10:41)(良:1票) |
2. 2046
「欲望の翼」「恋する惑星」そして「ブエノスアイレス」で香港映画とウォン・カーウァイに魅了された者としては、あまりにも哀しい映画だった。監督の中では続編&集大成的な位置付けなのだろうが、自分の好きなものをもう一回使い回しただけにしか見えないし聞こえない。「花様年華」の時も同様だったが、雨を降らせれば雰囲気が出るというものでもないだろう。自分の映画で花開いた役者達をこんな風にがんじがらめに閉じ込めてしまうなんて、あまりに酷といえまいか。私たちは傑出した映像感覚と音楽センスを持ち合わせる監督の新たなる一面を見たいのであって、設定だけが複雑なありきたりのこんなメロドラマを見たいわけではない。意志の疎通が感じられない木村拓哉とフェイ・ウォンの純愛も、日本人的には理解に苦しむ。唯一の救いであるチャン・ツイィーの頑張りにさえ、かつての作品に溢れていた切なさは感じられなかった。今は亡きレスリー・チャンが「もうカーウァイの作品には出ない」と言ったのは、監督の未来を危惧してのことだったのではないかと、ふと思うほどだった。 5点(2004-11-01 11:24:51)(良:1票) |
3. 春の日は過ぎゆく
桜の下で彼女に花を返すシーンが秀逸。離れていた時間はほんの少しの間だと思っていたのに、すでにここまで遠くなってしまったというどうしようもない事実が、こちらの胸にまでジンジン沁みてきた。夜中、彼女のもとに車を走らせる彼の姿もかなり胸にこたえたけど・・・・ね。(我ながら年甲斐もないなあ) 8点(2004-03-25 23:07:17) |
4. 恋する惑星
アジア映画にはまるきっかけになった記念すべき作品。よくよく見ると、何気なくフェイ・ウォンとブリジット・リンが並んでいるシーンがあったりして、それもまた良し。金城武はシリアスな日本作品より、こんなふわふわした役の方がお似合い。登場人物がすごく変人のようにも思えるけれど、恋するって結局そういうことなのかもね。ラストの「どこへ行く?」「君とならどこでも」の台詞には、年がいもなくノックアウトされたっけ。あと、サングラスをはずしたブリジット・リンは滅茶苦茶美人! あの役を引き受けるなんてすごい勇気。その女優魂と、その気にさせたウォン・カーウァイに拍手(もちろんドイルのカメラにも)。 9点(2004-03-11 16:08:44) |
5. ラヴソング
以前、中国語の翻訳をしている友人に原題(「甜蜜蜜」だったはず)の意味を聞いたら「心地よく甘い様子」と言っていたように思います。誰かが仰っているようにテレサ・テンの曲名なのですね。大陸から香港にやってくる人間の心情や時代の描写など、ピーター・チャンの映画は、その視線がとても優しいところだ好き。ウォン・カーウァイとは対極の意味で、香港を代表する監督だと思っているのですが。自転車の後部座席で少しずつ足でリズムをとったり、頬を膨らませて食べつづけるマギーがとってもキュート。レオン・ライの頼りな気な優しさも、ここでは見事にはまっています。誰にでも出会うべき相手はいる、と思わせてくれる1本。 8点(2004-02-20 16:08:38)(良:1票) |
6. 欲望の翼
「下着姿で1人部屋で踊る主人公が滅茶苦茶かっこいい。あんな雰囲気を出せる俳優は日本にはいない」と山田詠美がとある雑誌で絶賛していたことがこの映画を見るきっかけ。確かにランニング姿のレスリ-チャンは信じられないくらいにセクシーで、しかもあのシーンのカメラワークも最高に格好良かった(クリストファードイルだから当然ですが)。これで香港映画にはまった人がどれだけいたか。傲慢で繊細。狡猾で純粋。そんな人物を演じさせたら、この人の右に出る人はいないだろう。本当に惜しい。スクリーンの中でそんな彼をもう1度見たかった。心からご冥福をお祈りします。 8点(2003-04-04 22:06:19) |
7. ブエノスアイレス
どんなに裏切られても、どんなに傷つけられても、好きにならずにはいられないという役柄をレスリ-チャンは見事に体現していたと思う。あんなふうにキスをじらされちゃあ、トニ-レオンも堪りません。「欲望の翼」同様、彼の代表作。あんな俳優はそういないと思っていたのに、残念。御冥福をお祈りします。 8点(2003-04-02 01:47:31) |