1. イップ・マン 序章
カンフー映画にあまり興味がない層からすれば、大概のカンフー映画はただカンフーで戦ってるだけでシナリオなんか5行で書けるような安直な内容…という認識しかないのですが、この映画は(実在の人物を描いてるだけあって)それなりに山あり谷ありのシナリオになっています。 佐藤のいかにもな小悪党っぷりがたまりません。 映画を観ていて、これって映画じゃなくてどっかで観た事ある雰囲気だよなぁ…と思ってよくよく考えたらNHKのドラマのそれでした。 芋っぽい芝居や画造り、その辺ふくめて全体の空気感が非常に近いものを感じます(個人の感想です) [インターネット(字幕)] 6点(2020-05-14 15:53:44) |
2. ボーダーライン(2015)
《ネタバレ》 観る前は「女性FBI捜査官が麻薬組織を追う」ような映画だと思ってたら全然違ってんじゃん!!という感想が世間に満ち溢れてますが、ほんとそれです。 僕も観る前はそんな映画だろう…と思ってましたがこの映画のエミリーブラント、ただの狂言回しですからね… 杉作J太郎が「松任谷由実のコンサートに行ったら、舟木一夫が歌ってた」とこの映画を例えたそうですが、なるほど上手い例えです。 全く遊びがない暴力的な映画なんですが、リアリティ…というより生っぽさと言えばいいんでしょうか、とにかく映画全体の生っぽさがすごくて目が離せません。 監督の手腕が確かな事は映画の端々に感じられて、どんな素人でもこの監督すげーな…と思うんじゃないでしょうか。 (まぁ実際に評価されたから「メッセージ」「ブレードランナー」と大作を任されてるわけですが) エミリーブラントという女優は、ガールオンザトレインとかクワイエットプレイスのような幸が薄くて暗い役がぴったりなわけですが、この映画の彼女もそうで、これだけイメージがついちゃうと他の仕事は難しいんでは…と余計な心配しちゃいます。 ところでFBIという組織も不思議なもので、ダイハードみたいな映画で「FBIだ」の一言で場をしきる偉くて威張ってる謎の奴らみたいな描かれ方をされる一方で、この映画のように末端の雑魚のような扱いをされている映画もあります。 これだけ振れ幅があると、普通のアメリカ人がFBIという組織をどう思っているのか…ちょっと聞いてみたくなります…が残念ながら普通のアメリカ人の知り合いがいません。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-04-08 11:53:59) |
3. ジョン・ウィック:チャプター2
《ネタバレ》 このジョンウィックのシリーズがどうもイマイチ面白くない理由について考えてみたのですが、結局、主人公の行動原理、行動の根拠等々が僕には理解できないからなんですよね。 たとえばラスト近くのホテルで「ずっとここにいても毎日違うメニューが食えるよ」と嘯きつつ軽く挑発してくるアイツに対し、その後ろで昔からの恩人も必死に止めてるのにも関わらず、あっさり殺しちゃいますよね。 ただ身勝手で周りの事考えてないだけっていう。 「彼は殺し屋だから」で済む問題じゃないと思うのです。 そうなると主人公に感情移入そんな映画、どうしたってそんなに面白いとは思えないのです。 一作目はまだよかったんですよ。 あの犬が殺されたらそりゃ皆殺しですよね。 それはわかります。 「たかが犬だろ」とか言われたらそりゃもう業腹なわけでそれは理解できます。 しかしこの2作目の彼はどうにも不可解で…どうしてこんな事になっちゃったんでしょうか… [インターネット(字幕)] 5点(2019-10-04 23:17:54) |
4. ラ・ラ・ランド
《ネタバレ》 ミュージカル映画のレビューの都度書いてますが、私はミュージカル映画が基本的に大好きです。 夢と希望に満ち溢れたある意味エンターテイメントの極致だと思うからです。 という事でこの映画なわけですが… この映画については当初から絶賛する人が多かったわけですが、一方で否定的な感想も相当数見かけました。 どうやら万人受けするタイプではなく、人を選ぶ様子。 …さて自分はどうだろう??と観てみると…いや残念ながら否定派の方でした。 その感想も、まさに多くの否定派の人の感想とほとんど変わらないものです。 要するに「主人公2人がクズで感情移入の余地がまったくないのに、そんな2人に踊られてもなぁ…」と、そんな感じ。 冒頭のミュージカルシーンが素晴らしいというのは事前に聞いていた通りで期待させてくれたんですが…しかし、これもよく言われている「序盤のシーンがピークでした」という感想になってしまうわけで。 個人的には、なぜこのまったく好きになれそうにないクズの主人公(特にライアンゴズリングの方な)のどうでもいい物語を見て「素敵!」と思えるのか不思議でしょうがありあません。 ミュージカルってそんな映画じゃないと思うのです、うん。 [インターネット(字幕)] 4点(2019-05-17 15:37:06) |
5. 燃えよドラゴン
実に35年ぶりくらいに再見しました。 今見ても意外と面白いものですね。てかブルースリー、こりゃ当時人気出るよな、と今さらながら思いました。 このサイトでも年寄りの方に位置する私はリアルなブルースリー世代なわけですが、しかし当時ブルースリーには全くハマらなかった人なのです。 彼の映画は典型的な彼のためにある映画であり、彼がいるからこそ成立する映画。 ブルースリーを観るための映画なのです。 そういう意味では例えば「ラブライブThe School Idol Movie」なんかと同じファン映画だとも言えます。 (多分好きな人は「そんなのといっしょにするな!」と言いたいでしょうが、内容があまり無くフアンでないと楽しめないという意味では私にはどちらも同じようなものに思えます) フアンでない人が点をつけるとあまり高くないのは、そういうジャンルの映画としてしょうがないところではないでしょうか。 とはいえ、当時まったく彼に興味がなかった私が今見ると「あぁこれ当時ハマった人がいるのわかる気がする」と思うのですから、人間、年をとるとやっぱ変わるものなんですね、うんうん。 [地上波(吹替)] 6点(2017-01-19 10:38:24)(良:1票) |
6. コネクテッド
《ネタバレ》 ※このレビューは「コネクテッド」のネタバレだけでなくオリジナル版の「セルラー」のネタバレも含みます※ 21世紀のアメリカサスペンス娯楽映画の中でも屈指の傑作「セルラー」 個人的にとても好きな映画なわけですが、そのリメイク映画があると知って今回観てみました。 結論から言うと、かなり残念な出来でオリジナルの偉大さを改めて感じる事に。 「セルラー」のよさは、頭悪そうなチャライ若者、そこそこいい暮らしをしてる中年夫婦、定年退職を迎える老警官という20代、40代、60代と年代も生活基盤もまったく異なる普通だったら決して接点がなさそうな3組の主役が、偶然つながった一本の電話で繋がって大事件を解決していくという設定の妙と練り込まれた脚本、そして練り込まれた演出にあるわけですが、この映画ではその主役を軒並み30~40歳の同世代に設定してしまってます。それじゃメリハリも面白みもないだろ!と言いたい。 リメイクである以上、設定を多少変えるのは当然なわけでこちらでは同世代の片親同士の出会いの映画に変えるというのはわかります(ついでに言えばこの2人が最後くっつくのは最初にわかってしまうわけですが) 刑事の方も上司と確執のある降格になった元エースというのもいかにも香港っぽい設定でわかりやすい。 そんな感じで主要メンバーの設定を大きく変えてるわけですが、しかし残念ながらそれが成功してるとは言い難いのです。 全体的に家族愛を強調する形になってるのはいかにも香港映画らしいんだけど、悲しいかなそれも安っぽさに拍車をかける形に。 同様に安っぽいのがクライマックスシーン。 それなりに知恵を使って進んできた話が急に安物の刑事もののテレビドラマのような撃ち合いシーンになってしまってもうがっかり。 ぶっちゃけぶち壊しです。 いや香港映画は撃ち合いとか好きだから、そういう風にアレンジするのはわかるんだけどさ… こーんなありがち安っぽいクライマックス、もうなんだかとても残念な気持ちにしかなりません。 普通のサラリーマンの主人公が百戦錬磨の捜査官と格闘しても瞬殺されるはずなのになぜか1対1で格闘するっていうのおかしいだろ。 オリジナルでは主人公は撃ちあいの中を無力で逃げ回るだけでありながら、ここ一番で機転をきかせて逆転のサポートをする、というメリハリのある役どころなので、その差がとても気になるわけです。 映画作るなら頭もっと使ってよ… ラストもそう。 オリジナルのラストは、それまでずっと電話一台で会話していた二人が、ついにはじめて顔を合わせて会話する気の利いたシーン 「本当にありがとう。私にできる事があれば何でも言って」 「じゃぁ一つだけ」 「何?」 「2度と僕に電話しないでくれ」 んーーなんてべたでシンプルで気の利いたセンスのある会話なんでしょ。 しかしこのリメイクでは、ここの会話もダラダラと長い! もちろん2人が付き合う事になるだろう展開だから会話が変わるのは当然として、でもここの会話は長くしちゃダメ! 短くピシっとセンスよくするから決まるんだよ!! そんなダメなリメイク版ですが、個人的にはもう一つ残念な点が。 「セルラー」のレビューに書いたんですが、「セルラー」冒頭と最後の舞台が若者が集まる海で、素敵なビキニ尻のおねーさんが沢山出るのです。それもB級ホラー映画のような安い露出ではなく、品がよく実にちょうどいい、しかもかっこよくエロい尻ばかり。 もう尻フェチ的にはたまらん映画がセルラーだったのです。 しかしこのリメイク版、設定を変えた事で、ビキニのねーちゃんなんかただの一人も出ません。 逆にラジコンオタクのムサイ男が余計に出てきたりして、もう本当にがっかりなのです。 そんなこんなでこのリメイク版、センスでも尻という点でもオリジナルの足元にも及びません。 部分的にはオリジナルの不自然な点を(携帯が混戦するなんて普通はないので)解消してたりするところもあるんですがトータルでは大きく落ちる内容になっています。 それでも、基本的なシナリオがいいためある程度面白く観る事ができるのですが、本家と比べると2点落ちで6点程度がいいとこじゃないでしょうか。とにかく尻がないのが許せない映画でした、うん。ビキニ尻大事!! [DVD(字幕)] 6点(2016-10-28 23:43:02)(笑:1票) |
7. クラウド アトラス
《ネタバレ》 「リンダリンダリンダ」のあの娘がねぇ…、というのが一番の感想。複数の物語が全体として一つの話を…というのはときどきあるタイプなわけですが、この映画は、6つの物語の温度差というか毛色がまるで違う上に個々のストーリーの関連性も薄い(というかほとんどない)…そのくせ全体として一つのテーマを語っているというものすごく難しいタイプの映画になっています。ある物語の中で別の物語を比喩する形で「ソイレントグリーン」ネタを口走らせたり、ほとんど関係ないようで微妙に話をからませるという付かず離れず感が絶妙で、個々の話をとりあげるとありがちで平凡なストーリーばかりなんですが、その6つが組み合わさる事で無類の面白さを発揮させています。 しかもこの映画はスターシステムを採用していて6つの物語に出演する役者は基本的に共通なのですが、その配役がすごい。あえてやってるんでしょうけど、人種差なんかおかまいなし韓国人→白人役、黒人→ユダヤ人役とか普通。性差の壁すら越えて男性に女性役させちゃうとか、ある物語の主役を別の物語の劇中劇で別の人に演じさせるとか。この映画の魅力はこのスターシステムのおもしろさをおいては語れないでしょう。 とにかく「よくこんなの撮ったよねぇ」というその心意気に8点です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-18 16:38:44) |
8. HERO(2002)
学生時代にしか読まないような古典的短編小説のごときシンプルなお話。 そのシンプルなストーリーをケレン味たっぷりの色彩と映像で、ただひたすら見せて観せて魅せまくる映画。 このケレンが好きか嫌いかがこの映画の全てですね。僕はわりと好きです。 ある意味「ムーランルージュ」系と括ってしまっていい映画かと。 7点(2004-09-13 11:21:14) |
9. ブレードランナー
「トゥートゥーフォー」「2つで十分ですよ」のシーンが一番印象に残るのだが、結局2つで十分だったのか、やっぱり足りなかったのか。 そもそもあの食べ物はなんだ? 7点(2003-12-05 15:22:17) |
10. 少林サッカー
うーん、何かが足りないんだよなぁ、何かが。 計算されてない馬鹿さ加減はいいんだけど、もうちょっと頭使えば格段に面白くなった気がするんだけど.. おしいなぁ。実におしい.. 7点(2003-11-17 22:58:43) |