1. 続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
《ネタバレ》 バカバカしい時間の使い方と、なんでそんなに引っ張るの?という緊張感。百回見た。 完璧に西部劇を勘違いしたこの映画は、その実アメリカ本土の西部劇よりも遙かに西部劇なのである。 [地上波(邦画)] 10点(2013-05-09 20:38:48)(良:2票) |
2. パンズ・ラビリンス
《ネタバレ》 この不愉快な独創性にやられた。何から何まで不愉快で、込められたテーマも噴飯物であるのだが、思う壺の中で思う様振られてるのが私なんだろう。 [DVD(字幕)] 7点(2013-01-14 01:59:29) |
3. オール・アバウト・マイ・マザー
《ネタバレ》 なんだろう。凄く不快感がある。唐突にゲイっていうのが許容できなかったのだが、なんだこれ、この監督ゲイ芸の有名人とかなのか? ゲイである必然性を感じなかったけど、この監督的にはマストだったんだろうな。EU圏の映画では結構面白さを秘めているような気がするのだが、なんだろうこの許せなさは。やっぱこれを見て思ったのは、自分は許容できない側なのかなってことか。結構寛容じゃないのかオレはって思っていたが、その実映画を見ただけで不愉快だったのを考えると現実のゲイの人に拒否感を持っていたことに何となくそうかもな、って感じたりする。 色んな問題提起を含んでいるのに、結局これしか印象に残ってない。ものすごい飛び道具だよな。 [DVD(字幕)] 5点(2012-05-19 11:32:56) |
4. アザーズ
《ネタバレ》 部分的な記号性を散りばめた狭い空間は、僕が今、いったいどこにいるのかという判断をする力そのものを奪ってしまうのだった。 「あなたが生きていくこの先の全部、この空間にこもっているのと同じなのよ。どこに行ったって、どんなに自分の内面を飾っても。あなたの本質が、この家と同義なんだから。」 そんなことをためらわずに吐き出す。姉なのか、母なのか。それともそのどちらでもない、誰でもないただ漠然とした単なる女性という認識をさせるためだけの性別を持った誰か。その人を、彼女を、睨み付ける僕の瞳は涙に溢れていたけど、僕の中身が持つ力はこの視線のように嘘で作られた強さすら持っていないからだんだんと、今の気持ちと同じような模様がいくつも並んでいる彼女の足元に、向かってそれていった。 いつもこの家の中で僕を縛り付ける本当の偽物は、彼女の中にあるがらんどうの愛情だった。 自分自身が作り出した出来損ないの空間に閉じ込められて、今もじっと閉じこもりつづける友人は、こうやって袋小路に迷い込んでしまったのだという。でも、彼だけの意志でも、彼と生きる彼の家族の意志も、一意に彼の存在をうつろにしてしまった訳じゃない。部分的に散在する様々な原因が、丁寧に紡がれていくべき途中で放り出されてしまったからそうなったのだった。 この映画を見たとき、丁寧に紡がれていくグレースの生活と、不穏に過ぎて傍観するに過ぎない私自身が身構えてしまうような屋敷のたたずまいが、完璧に不気味な調和を見せたことで永遠に意志が作り出す循環にはまり込んだ友人を思い出させた。 二人の本質も、立っている場所も全く違うのに。でも、彼女の住む屋敷も彼の肉体も永遠じゃない。本当はいつか気づかなきゃいけないのに、傍観する私にはどうすることも出来ない。 [DVD(字幕)] 8点(2012-05-11 17:25:21)(良:1票) |
5. マラドーナ
クストリッツァがマラドーナのファンであると言うことは分かった。 [DVD(字幕)] 6点(2010-07-29 00:07:32) |
6. グリーン・ゾーン
《ネタバレ》 面白い。非常に面白い。なんかそれっぽい疑問をフィクションで投げかけることで、受け手の自尊心を満足させるハリウッドの巧さはこう言うところにある。実際は当時の報道を思い返すとそんなだったっけ?とすぐ気づく。 本作のカット、凄い。隊内のフォーメーションを上手に切り取った見せ方に痺れた。市街地の兵がそれぞれ役割をもって描かれる様は圧巻。もっと速く、もっと速くという欲求に極限まで応えるカメラワークに大満足だ。 また、GPSやヘリコプターを使った作戦も非常に見応えがあり、地上部隊と空からの連携がゾクゾクする。終盤のカットの速さはもっと速くという欲求を超えて、何が何だか分からないほどのスピードで(位置関係や追撃プロットはたぶん破綻してないと思われるが、確信犯的演出的破綻は有るかもしれない)、何度でも観たくなる中毒性がある。なんつう面白さか。久しぶりにゴリッと凄いアクションを観た。 他方、イラクにまつわることや、イラク戦争に関することはこの映画的にはあまり触れられていないかも。劇中のサスペンス的な創作や変に正義や巨悪を演じるアメリカを信じてしまう人が出ないかと心配になりもした。ネット上では日本語の湾岸戦争の情報は、日本教職員組合的というか、アメリカが悪でイラクが純真な世界という解釈をさせたがる結構過激な文章が多くて、参照すると変な方に思考が誘導される。日本語で読む人には他国の情報を入手できないだろう、という悪意の入った主観的な文章がちらほら見受けられる。 これはこの映画とそれほど関係のないところだけど、何となく日本に長くつきまとう問題ではないかと思う。っていうのも映画の感想とは関係のないことか。 [映画館(字幕)] 8点(2010-05-16 02:59:21) |
7. WATARIDORI
病院で手術を受けるため、メンドクセェなっておもいながら麻酔科の説明会が始まるまでの時間ではじめ見た。たいそうなパンフレットを渡されちょっとした恐怖心をあおる記述(自分とは関係なくても)が気持ちをダウンさせるなか否応なしに流れていたのが本作。 このときCGが使われているとか全然思っていなかったし、後日DVDのジャケットにCG一切なし的なコピーがあったことからCGが使われているかもしれないということには一切疑っていなかったが、そうか、そうなのか。CGが混ざっていたのか。意外。(無責任に未確認) けど、この映画。良い映画だったな。ドキュメンタリ好きには何時間でも見ていたい映像が延々とながれ解説まで入っている。それこそ何時間でも見ていたかったのだ。麻酔の説明が始まってしまうだろ!説明遅らせろ!つうか良いとこなんだから止めるんじゃない!と、小心者なので言えず。検索して邦題がWATARIDORIとわかった時には拳を握りしめた。 この映画はほんとうに良い作品だった。生き物が好きでドキュメンタリが好きならおそらく日本語ナレーション版のBDが出たら買ってしまうだろう。しかし映画ドキュメンタリでこの邦題だから何コーナーに置かれるか予測できない。セガールコーナーの隣にそっと置かれていたらきっと間違って買ってしまう人もいるのかもしれない。 [DVD(字幕)] 8点(2010-02-20 14:49:41) |
8. マシニスト
《ネタバレ》 面白かった。 5,60年代の映画を意識したような雰囲気作りが昔気質のサスペンスをうまく作っていたように思う。 派手に伏線を張って最後の5分で回収するような作りではなく、最初から虚実入り交じっていてどう収束するかという直球勝負の映画だった。 クリスチャンベールの激痩せに話題がいっているようだが、相当に練られている一本であると思う。 一見幻想や幻覚という、サイコサスペンスもののように作られているが、実は主人公が全く寝ていないのではなく「居眠りをしている(ことに本人が全く気づいていない)」というところがよりリアルで秀逸ではないか。 本編で起きる事件すべてが居眠りをしているときみている夢で、罪悪感とその疲労が作り出した願望であったというプロットはよく考えられている。一見夢オチな訳だが、それまでの筋をなかったことにして見かけ上のどんでん返し感を出す手法として、手を変え品を変え使われる最悪の手法と同じ材料を使っている。しかし実際は夢を使ったオチであるが、夢オチとは明らかに違うという技法は幻覚や精神障害で物語を作るよりもかなり難易度が高いと思うしかなり挑戦的ともいえそう。 DVDのおまけに入っている削除シーンだけでも話が変わってくるが、全く筋も雰囲気も違う映画を何本も作れるような、切り貼りでいくらでも構成できるよう脚本に分岐があるように感じた。 確かに没シーンで作られるような筋の映画はよく12チャンの昼とか夜にやってる。 その分岐の中で最良のものが選ばれているんだと思う。 それから台詞やメモにも役割があるようなので、字幕より吹き替えの方がいい。 肝心なときに関係ない文字を読んでいると上の空になって雰囲気が元の作品からかなり離れてしまうと思う。 吹き替えの方が集中でき、雰囲気に大差は出ないのではないかとも思う。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-05-10 03:00:28) |
9. ボーン・アルティメイタム
《ネタバレ》 ただただ最高としか言いようがないです。 アクションシーンは対人、カーアクション、スタントすべて満点。 そして今回はパメラとヴォーゼン(だっけ)の攻防が苛烈に描かれていて、その一進一退の口げんかがものすごい。 台詞がアクションに変わってしまう緊迫の探索シーンは必見。 今回最大の見所は、ニッキーが暗殺者に追われるところ。 シリーズ最強の格闘アクションを見ることが出来ます。ところでニッキーが逃げ、暗殺者が追いかけ、ボーンが追いかける。このシーン、どうやって撮ってるんだ?っていう位カメラワークがゴリゴリと食らいつくのです。 ものすごい技術。 この3連作は、ドキュメンタリー的なハンディカム視点が売りなので、吹き替えにすると環境音が消えてしまって映像と音がぎくしゃくしてしまう。吹き替えの(台詞のミュート?)技術が全然進んでいないと言うことに気がついた。 セガールものや刑事物には絶対必須と思えるほどソースにマッチしているけれど、すべての映画に関してそうではないようだ。 ただ、酔ってしまうという方は吹き替えで見てみてはいかがでしょうか。 デメリットよりメリットの方が多いと思います。 [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2008-10-04 18:03:34)(良:1票) |
10. 28週後...
《ネタバレ》 あまりのつっこみどころの多さに唖然。民間人が軍施設の中枢部に出入り自由とか、軍そのものが素人以下の弱さとか、保菌者を国外に逃がすとか、好き放題のゾンビとこれの続編(28ヶ月後でしょうか)を作る人たちに都合がよすぎます。 導入部の悲劇とか、人類が滅亡に瀕している中での家族視点の絶望とか、そういうテーマは良く、それに期待したんですが、設定作成者のやっつけ仕事ぶりと、いい加減な設定をこれ幸いと上手に使ってしまう監督や脚本に落胆。 この手の映画がリアリティの隙間をぬった設定を作る必要は全然無いと思うけれど、あとほんの少しはリアルじゃないと突っ込みどころを考えるよりも先に、反射的にあり得ないと頭に浮かんでしまって頭で補いきれない。めんどくさいといわない人たちが作るべきだった。作り手の大人の都合が見えすぎです。 [DVD(字幕)] 4点(2008-07-21 14:33:55) |