2. 第9地区
《ネタバレ》 醜男でもなく、カッコ良くもなく、若くもなく、歳を重ねて理知的というわけでもなく、なんというかヘラヘラ流される「愚民」の平均値的なイメージといったところの主人公。それが上からちゃんと権力を与えられて、ヘラヘラと異星人退去に赴き、ヘラヘラとメディアに顔を出して異星人の卵を焼き払うのを解説する。とってもバカっぽくてイヤ~な感じを醸してくれる。ところが、そんな男の立場が危うくなってしまったとき「調子こいてるからだ、ザマミロ」との感情はわかず、自然と同情してしまう(主人公に同情できるようになるのに、もう少し時間がかかるような演出だったら、もっと点数高くしたと思います)。とくにポリシーもなくヘラヘラ生きて来たようなおじさんが、虐げられたあげく「生きるか死ぬか」の選択しかない状況に追い込まれて、最後にはガンダム戦士のようになるのは、かっこいいヒーローが問題解決していく物語よりリアリティーを感じられるし面白かったです。最後、大佐がエイリアンたちに囲まれて引き裂かれるってのは、あんまり在り来たり過ぎ&お手軽子供騙しで、かなりがっかりなオチでした。あと、エビの子供にもっと感情移入できる仕掛けが欲しかったなぁ(すごく勿体なく思います)。けれど・・・涙するというまでには至らなかったものの、あの切ないラスト・ショットは、ここ数年観てきた映画の中ではダントツの良さだと思います!! あのショットでスパッと締める終わり方は極上の余韻で唸りました(ラストシーンだけは満点あげたい) [DVD(吹替)] 8点(2010-08-20 14:40:15) |